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第15話ー招待状騒動
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「ちょっとジュナ?これはどういうこと?」
ルナマリアが切羽詰まった様子で詰め寄る。
「な、何が?」
「その手にある招待状よ。エリアル様に渡すのではなかったの?」
2人が騒いでいる場所は、魔法薬学研究室の前。
ジュナの持った招待状を、てっきりエリアルに渡すのだと思ってにこにこ付いてきたルナマリアは驚愕している。
「いや、これはルシャナ先生に渡そうと思って。最近仲良くなったのよ」
ついでにルナマリアもルシャナ先生に紹介しようと思っていたジュナは、早計だったかと後悔している。
「エリアル様がグズグズしていたからっ···!ジュナがなよなよ研究員に···」
ルナマリアの目が潤んできた。慌ててジュナは訂正する。
「落ち着いて、ルナ。そういうのではないから!断じて。ルシャナ先生の研究が素晴らしいから、お父様にも援助してもらいたくて紹介したいのよ」
「??ルシャナ先生は何の研究をしているの?」
ジュナは冷や汗を流しながら言った。
「闇魔法···」
ルナマリアは固まったものの、思っていた展開と違っていてホッとしたようだ。
「そういうことなの。なら安心したわ。」
ルナマリアの態度からして、彼女は闇魔法の偏見はないようだ。さすが私の親友!と心の中で呟いて、研究室のドアを叩いた。
ルシャナ先生はバツか悪そうに微笑み、机から立ち上がった。
「お二方、会話が丸聞こえでしたよ。クライス嬢には頼りになる面々がたくさんいるのですね」
「すみません」
ジュナは恥ずかしくなり俯いだが、ルナマリアは堂々としている。
気を取り直して、ジュナは言った。
「ルシャナ先生をクライス邸のパーティーへ招待したいのですが、来てくれますか?」
ルシャナ先生は、また申し訳なさそうに微笑んだ。
「ありがたいことです。援助してくださる方が増えることは。招待をお受けします」
「ジュナ?この招待状はエリアル様にも渡すのよね?」
ルナマリアが圧をかけながら聞く。
もちろん招待するつもりだ。クライス伯爵家も決して裕福な貴族ではない。そう何回もパーティーなど開けない。
「い、一応呼ぶけど、来るかは分からないよ。忙しいみたいだし」
ジュナはもごもご答える。
「ラザインさんと仲が良いのですね。今日も···あ、いえ何でもありません。ご招待ありがとうございました。楽しみにしていますね。」
窓の方を一度見て、ルシャナ先生はにっこり言った。
ルシャナ先生に挨拶をして研究室を出た。
しばらく歩いて、ルナマリアをきちんと紹介出来なかったことに気付いた。
「ルナ、もう一度···」
ルナマリアを見ると、前を向いたまま表情が硬い。
視線を前に向けると、前からルリ・ミズサワ嬢が歩いて来ていた。
ミズサワ嬢に遭遇するのは3週間ぶりくらいだ。
珍しく1人で歩いている。
ミズサワ嬢は、ジュナとルナマリアに気付くと歩みを止めた。遠目だが、納得いかないような不快な表情をしている。
久しぶりに見るからか、以前とは違った雰囲気に見えた。
「クライス令嬢、アレク···ルシャナ先生の所に行っていたのですか?」
ずいぶん不躾な質問だ。
ジュナが答えようとすると、ルナマリアが一歩前に出た。
「ご機嫌よう。ミズサワ嬢。お話するのは初めてですわね。ルナマリア・ローウェンと申します。」
ジュナは堂々とした友人にならい、軽めにカーテシーをとる。
「ジュナ・クライスと申します。私の事をご存知なのですね。所用があり、ルシャナ先生の所におりました。何か私に用事がありましたか?」
こちらは礼をとったものの、ミズサワ嬢はそれにならわなかった。
「どうして···エリアルの次はアレク?信じられない」
籠った声だったが、聞き取れた。怒気のはらんだ低めの声だ。
ルナマリアは、エリアルとルシャナ先生を呼び捨てたことに意見しようと前に出たが、ジュナはそれを制した。
様子がおかしい。いくら何でも、異界から来て礼儀が分からないといえど、異様だった。
ジュナはノアかリリアンを連れて来るべきだったことを後悔した。
何故感じるのか分からないが、ミズサワ嬢の周りに魔力が集まっている。
「イライラするし、ちょっとだけ痛い目見てもらおうかな」
ミズサワ嬢の瞳が怪しく光り、手を掲げた。
ジュナは咄嗟にルナマリアを庇うように、抱きついた。
ジュナは目をつぶり、背を向けていたので見えなかったが、ルナマリアはミズサワ嬢が掲げた手から、細い光りがこちらに向かって貫くのが見えた。
ゾッとした瞬間、2人の周りに突風が起こった。
聖女の気配を感じ、出ていくべきか悩んだ自分を呪いたい。
最近、ルシャナ先生の研究室に頻繁にジュナが訪れていると聞き、気が気でないエリアルは様子を見に来ていた。
今日は招待状を持って行ったと知り、慌てて追いかけてきた。紳士のする行動ではないが、ルシャナ先生は美男子だ。間違いが起こらないとは言えない。
しかも自分はまだ招待状を貰っていないのだから。
研究室のやり取りを聞き、安心して戻ろうとした所に聖女が現れた。
エリアルの護りの陣では、ホーリーランスは防げない。
聖女の手が光った瞬間、エリアルは咄嗟に間に割って入った。
聖女の放ったホーリーランスは、力を抑えたものだったので、エリアルの風により軌道が変わり、腕をかすめただけだった。
自分の腕の痛みなど感じる間もなく、後ろを振り向く。
2人とも無事なようだ。
心から安堵して、聖女に向き直る。
魔力をほぼ使い切った疲労で息があがる。目眩もしてきた。
だが、聖女が自分が出て来ても平然とし、腕を降ろさないままなので護りの陣を解くわけにいかなかった。
フラフラなエリアルを、聖女は冷たい目で見て腕を下ろした。
エリアルは倒れまいと必死だったが、片膝を付いてしまった。
「3度目でもエリアルは駄目なのね。もういいわ。これが最後だし」
そう呟くと聖女は戻って行った。
エリアルは学園に来て初めてジュナの護りの陣を解き、そのまま気を失った。
ルナマリアが切羽詰まった様子で詰め寄る。
「な、何が?」
「その手にある招待状よ。エリアル様に渡すのではなかったの?」
2人が騒いでいる場所は、魔法薬学研究室の前。
ジュナの持った招待状を、てっきりエリアルに渡すのだと思ってにこにこ付いてきたルナマリアは驚愕している。
「いや、これはルシャナ先生に渡そうと思って。最近仲良くなったのよ」
ついでにルナマリアもルシャナ先生に紹介しようと思っていたジュナは、早計だったかと後悔している。
「エリアル様がグズグズしていたからっ···!ジュナがなよなよ研究員に···」
ルナマリアの目が潤んできた。慌ててジュナは訂正する。
「落ち着いて、ルナ。そういうのではないから!断じて。ルシャナ先生の研究が素晴らしいから、お父様にも援助してもらいたくて紹介したいのよ」
「??ルシャナ先生は何の研究をしているの?」
ジュナは冷や汗を流しながら言った。
「闇魔法···」
ルナマリアは固まったものの、思っていた展開と違っていてホッとしたようだ。
「そういうことなの。なら安心したわ。」
ルナマリアの態度からして、彼女は闇魔法の偏見はないようだ。さすが私の親友!と心の中で呟いて、研究室のドアを叩いた。
ルシャナ先生はバツか悪そうに微笑み、机から立ち上がった。
「お二方、会話が丸聞こえでしたよ。クライス嬢には頼りになる面々がたくさんいるのですね」
「すみません」
ジュナは恥ずかしくなり俯いだが、ルナマリアは堂々としている。
気を取り直して、ジュナは言った。
「ルシャナ先生をクライス邸のパーティーへ招待したいのですが、来てくれますか?」
ルシャナ先生は、また申し訳なさそうに微笑んだ。
「ありがたいことです。援助してくださる方が増えることは。招待をお受けします」
「ジュナ?この招待状はエリアル様にも渡すのよね?」
ルナマリアが圧をかけながら聞く。
もちろん招待するつもりだ。クライス伯爵家も決して裕福な貴族ではない。そう何回もパーティーなど開けない。
「い、一応呼ぶけど、来るかは分からないよ。忙しいみたいだし」
ジュナはもごもご答える。
「ラザインさんと仲が良いのですね。今日も···あ、いえ何でもありません。ご招待ありがとうございました。楽しみにしていますね。」
窓の方を一度見て、ルシャナ先生はにっこり言った。
ルシャナ先生に挨拶をして研究室を出た。
しばらく歩いて、ルナマリアをきちんと紹介出来なかったことに気付いた。
「ルナ、もう一度···」
ルナマリアを見ると、前を向いたまま表情が硬い。
視線を前に向けると、前からルリ・ミズサワ嬢が歩いて来ていた。
ミズサワ嬢に遭遇するのは3週間ぶりくらいだ。
珍しく1人で歩いている。
ミズサワ嬢は、ジュナとルナマリアに気付くと歩みを止めた。遠目だが、納得いかないような不快な表情をしている。
久しぶりに見るからか、以前とは違った雰囲気に見えた。
「クライス令嬢、アレク···ルシャナ先生の所に行っていたのですか?」
ずいぶん不躾な質問だ。
ジュナが答えようとすると、ルナマリアが一歩前に出た。
「ご機嫌よう。ミズサワ嬢。お話するのは初めてですわね。ルナマリア・ローウェンと申します。」
ジュナは堂々とした友人にならい、軽めにカーテシーをとる。
「ジュナ・クライスと申します。私の事をご存知なのですね。所用があり、ルシャナ先生の所におりました。何か私に用事がありましたか?」
こちらは礼をとったものの、ミズサワ嬢はそれにならわなかった。
「どうして···エリアルの次はアレク?信じられない」
籠った声だったが、聞き取れた。怒気のはらんだ低めの声だ。
ルナマリアは、エリアルとルシャナ先生を呼び捨てたことに意見しようと前に出たが、ジュナはそれを制した。
様子がおかしい。いくら何でも、異界から来て礼儀が分からないといえど、異様だった。
ジュナはノアかリリアンを連れて来るべきだったことを後悔した。
何故感じるのか分からないが、ミズサワ嬢の周りに魔力が集まっている。
「イライラするし、ちょっとだけ痛い目見てもらおうかな」
ミズサワ嬢の瞳が怪しく光り、手を掲げた。
ジュナは咄嗟にルナマリアを庇うように、抱きついた。
ジュナは目をつぶり、背を向けていたので見えなかったが、ルナマリアはミズサワ嬢が掲げた手から、細い光りがこちらに向かって貫くのが見えた。
ゾッとした瞬間、2人の周りに突風が起こった。
聖女の気配を感じ、出ていくべきか悩んだ自分を呪いたい。
最近、ルシャナ先生の研究室に頻繁にジュナが訪れていると聞き、気が気でないエリアルは様子を見に来ていた。
今日は招待状を持って行ったと知り、慌てて追いかけてきた。紳士のする行動ではないが、ルシャナ先生は美男子だ。間違いが起こらないとは言えない。
しかも自分はまだ招待状を貰っていないのだから。
研究室のやり取りを聞き、安心して戻ろうとした所に聖女が現れた。
エリアルの護りの陣では、ホーリーランスは防げない。
聖女の手が光った瞬間、エリアルは咄嗟に間に割って入った。
聖女の放ったホーリーランスは、力を抑えたものだったので、エリアルの風により軌道が変わり、腕をかすめただけだった。
自分の腕の痛みなど感じる間もなく、後ろを振り向く。
2人とも無事なようだ。
心から安堵して、聖女に向き直る。
魔力をほぼ使い切った疲労で息があがる。目眩もしてきた。
だが、聖女が自分が出て来ても平然とし、腕を降ろさないままなので護りの陣を解くわけにいかなかった。
フラフラなエリアルを、聖女は冷たい目で見て腕を下ろした。
エリアルは倒れまいと必死だったが、片膝を付いてしまった。
「3度目でもエリアルは駄目なのね。もういいわ。これが最後だし」
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