新日本書紀《異世界転移後の日本と、通訳担当自衛官が往く》

橘末

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第二章 西端半島戦役

第三十七話 合流地点

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    合流地点は、森の奥にある開けた場所だった。
    森の奥なのだが、何故か都合良くヘリが離着陸可能な程度に、木の生えていない空間が存在したのだ。
    衛星やドローン無しでは、とても見付けられなかっただろうその場所には、既にヘリが待機していた。
    実戦でも時間を厳守出来るのだから、パイロットは優秀なのだろう。


「ペーターさんも慣れてきたみたいッスね??」

    霧谷が暢気な事を言う。

「ソウダナ………………」

    驚き疲れる事と、慣れる事は大きく異なるのだと万屋は思ったが、面倒なので口には出さない。
    その様子を見た山田は、苦笑いを浮かべた。
    どちらかに呆れているのか、両方に呆れているのかは分からない。

「…………………………………………」

    ペーターは絶句している。
    正確に言えば、絶句を通り越して白目を剥いていた。
    口を閉じる余裕どころか、涎が垂れている。

(この人大丈夫かなぁ………………)

    万屋は内心でドン引きしつつも、一応は心配した。
    『保護』している立場、大袈裟に言えば保護者なのだ。
    心配しない筈もない。
    たとえ、ドン引く様なビジュアルだったとしてもだ。

    ペーターの反応は仕方の無い事なのだろう。
    エルフ達の場合は立場があった。
    王公貴族という身分が、彼等を支えていた。
    どんな時でも平静を装える様、それなりには教育されていたのだ。
    故に、目に見えた反応は比較的薄いものだった。
    プライドで動揺を押さえ付ける事に、ある程度は成功していたと言えよう。
    侍女達も身分はそれなりに高い為、少なくとも口を閉じる事には成功している。

    エルフ達がその立場上なんとか堪えていた一方で、捕虜の中にはエルフ達と似た様な反応をする者は少なかった。
    むしろ、ペーターの反応に近い者が大半だ。
    理由は、貴族の生存者が少なかった為である。
    そうなったのは装備の差が原因だった。
    何せ貴族の大半は、重い鎧兜に身を包んでいるもの。
    当然ながら海の藻屑となっているのだ。
    一部、目端の利く者だけが素早く鎧兜を脱ぎ捨てたり、船の残骸にしがみついたりして生き残っているものの、その数は少なかった。

「特戦群の合流予定時間は?」

    万屋も忙しい立場なので、ペーターの事は放置するつもりなのだろう。
    霧谷の軽口には応えずに、山田へと訊ねた。

「あと、二分と三十五秒です」

    山田は腕時計を確認しながら答える。

「……………………、そ、そうですか………………」

    分刻みどころか、秒刻みのスケジュールに驚いたのか、万屋はそう答えるだけで精一杯だった。
    山田はそれをジト目で見詰める。
    万屋が部下である山田に対して、思わず敬語を使ってしまった事を責めているのだろう。
    具体的に何かを言う程の事ではない。
    言う必要があったとしても、部下達の前で言ってしまっては逆効果だ。
    その為、山田はそれを口に出して指摘する様な真似をしなかった。
    ただ見詰めるだけだ。

「う、うぅん!
    秒単位のスケジュール何て、鉄道みたいだね。
    守れるのかな?」

    万屋は山田の視線が痛かったのか、咳払いをして話を続ける。
    空気を変えようとした訳ではなく、実際に気になっていたのかもしれない。
    万屋自身は、防大へ入るまで時間にルーズだった為だろう。
    如何に特戦群が精鋭である事を知っていても、彼等が秒単位でスケジュールを実行するという内情の話には懐疑的だった。

「もちろん、実戦ですからね。
    おおよその目安ですよ」

    何でも簡単に信じてしまう万屋に、山田は呆れた様に言う。

「そ、それもそうか」

   万屋は照れ笑いで応じる。

「だいたい…………、四十秒ぐらいはずれますかね。
    五十秒ずれる様な事はありませんが」

    だが、その直後に山田の言葉で凍り付いた。
    山田の言っている事が信じられなかったのだ。

「ま、まあ、あれだ。
    とにかくヘリとは合流出来たんだし、残ってるうちの仕事は皆さんをこれに乗せるだけだね」

    万屋は動揺を隠すように捲し立てて言うと、ペーターに近付きその顔を覗き見る。

「ペーターさん?
    大丈夫ですか?
    今からこれに乗って空を飛びますけど、馬車酔いはする方ですか?」

    万屋の考えだと、これは無難な質問となる筈だった。
    ちょっとした気遣いのつもりだったのだ。
    だが、それは少しばかり軽率だった。

「旦那さぁ!!!?
    こったらもんが、宙に浮く訳ねぇべ!!!
    オラをからかっとるんだべかぁ!?」

    どうやらペーターには、田舎コンプレックスの如き複雑な思いがあるらしく、万屋の言葉がそれを刺激してしまったのだろう。
    頭から信じないペーターの方にも問題があるのかもしれないが、とにかく腕を振り回して怒り出してしまったのだ。

「「えぇぇぇぇ…………」」

    万屋の通訳を聞いて、隊員達は困惑の声を挙げる。

(当然の反応なのだがな………………。
    彼等は自分達が異質な存在である事に、気付いていないのだろうか)

    端からこれを観ていた伯爵などは呆れつつも、さりげない観察を怠らない。
    この様な意識の違いによって、日本が何らかの形で転ぶ可能性も少なからずあるというのが、伯爵の読みだった。
    あまり盛大に転ばれても困るのだが、ハイエルフ王国としてはそうなった時に上手く日本を助ける事で、程好く貸しを作りたいのだ。
    出来れば貸しを作れる程度に、軽く躓いて欲しい。
    そんな思惑もあって、伯爵は口を挟む様な真似をしなかった。

「だ、大丈夫ですよ。
    滅多に墜ちるものじゃありません」

    万屋は慌てているのか、根本的にずれた事を言い出す。

(((そこじゃないだろう……………………)))

    ペーターと万屋本人を除いて、その場に居る全員の心が一つとなったのは、ある意味感動の瞬間なのだろうか。

「オラァ、騙されねえべ」

    万屋がずれた事を言ったせいか、ペーターは頑なだった。
    証拠を見せるのは簡単だ。
    ヘリを離陸させれば良い。
    だが、実際問題ペーターの為だけにそれをする訳にもいかなかった。
    物理的にはともかく、燃料の節約という観点から見れば、一人を説得する為だけに燃料を浪費するなど、言語道断な話なのだ。
    皮肉にも、ヘリが時間厳守で到着していたのが、仇となってしまったのだろう。

「ま、まあほら。
    騙す意味なんてありませんし、ね?」

    自身のずれに気付いた訳出もなさそうだが、万屋はまともな説得を始める。

「……………………」

    しかし、それは少しばかり遅かったのだろう。
    ペーターはプイッとそっぽを向き、万屋と顔を合わせようともしない。

(オッサンにやられるとキツいな)

    その大人気ない仕草に、万屋はげんなりする。
    万屋としても、相手が美少女であればまた違った感想を持ったのだろう。
    美人の仕草は何であれ可愛げがあるものだ。
    しかし、ペーターは違う。
    美少女とは年齢も性別も容姿もかけ離れた、オッサンという枠に入れられるべき人物である。
    万屋の目の前に突き付けられた現実は非情だった。
    だがそうも言ってはいられない。
    嫌々とはいえ、連れて来てしまった以上は責任がある。
    犬猫ですら、引き取れば責任を負わねばならない。
    ペーターが人間である以上、落ち着くまで付き合うのが万屋の義務だ。

    万屋もその程度の事は理解していた。

「本当ですよ。
    よく観てください。
    金属製でしょ。
    ペーターさん達を担ぐ為に、わざわざ苦労してこんな重たい物を運びませんよ」

「………………」

    ペーターも万屋の話は筋が通ると思ったのだろう。
    万屋の顔を見詰める。
    だが、ヘリの様な巨大な金属が空に浮かぶとは、どうしても信じられないらしく、その視線は厳しいものだった。

(オッサンのジト目………………)

    さらにテンションの下がる万屋だったが、ここで助け船が出される。

「ペーターよ。
    これが空を飛ぶ事は、我等が保証するぞ」

    万屋のげんなりした表情を読んだのだろう。
    伯爵がそう言ってフォローする。
    当然ながら下心ありきの行動だが、万屋にとっては大きな援軍となった事も事実だ。

「エルフさぁまで、そったら事を??」

    伯爵の様に、怪しさの薄い者が言う事には説得力があった。
    何だかんだ言っても、信用度が違うのだろう。
    同じ様な身分と推察していても、まだら模様の格好をした怪しい男と人品卑しからぬ伯爵では、後者の方が信用され易い。
    人の良さで稼いだ信用度は、ヘリの話で一気に暴落したと見るべきだろう。

「(伯爵は信用されてますね。
    もう一押しの様ですから、この調子でお願いします)」

    誠実に対応しているにも拘らず、信用を失うのは痛いものだ。
    理不尽とも言えよう。
    万屋は嫌気が差して、説得を伯爵に丸投げした。

「よろしいのですかな?
    貴殿には責任があるのでは?」

    伯爵はペーターに気を使ったのか、西方大陸語で訊ねる。

「(合理的な判断ですよ)」

    万屋がそう言えば、伯爵から何かを言う事は無かった。

    伯爵がペーターの説得を始めると、万屋は一段落終わったとでも思ったのだろう。
    大きく息を吐く。
    肩や首を回したり揉んだりして解してから、ふと辺りを見回す。
    何か問題があると思った訳ではない。
    単純になんとなくの行為だ。
    だがそれによって万屋は、山田の様子がおかしい事に気付いてしまう。

(落ち着きが無い………………、だと?
    あの山さんがか?)

    万屋にとって、その光景は衝撃的なものだった。
    普段から冷静沈着な筈の山田が、端から見ても分かるぐらいに動揺しているのだ。
    もちろん山田とて人間である。
    動揺しないという事はあり得ないだろう。
    だが、少なくとも万屋はそんな場面に遭遇した経験は無かった。
    何せ任官以来、初めての事。
    つい先日の小笠原ですら、山田の動じた様子など見た覚えは無いのだ。

(何があったんだ………………?)

    万屋は気になると同時に、厄介事の予感を感じ取って恐怖した。
    当然だろう。
    滅多に動じない人間が、派手に動揺しているのだ。
    今までよりも、遥かに厄介な事が起きても不思議ではない。

「(や、山さん?
    何かあったの?)」

    万屋は意を決して山田へ問い掛ける。
    気持ちとしては、聞きたくもないというのが本音なのだろう。
    だが、現実逃避して厄介事の内容を聞かず、予想外の事態が突然降り掛かって来るよりは大分マシと判断したのだ。
    万屋にしては珍しく、的確な判断だった。

「(非常に不味い事態です………………)」

    山田の口調はいつになく重苦しいものだ。

「(合流予定時刻を、大幅に越えています)」

    万屋は山田の言葉に呆れ返った。
    実戦で遅れが生じるのは、当然の事なのだ。
    ましてや特戦群は民間人を連れている。
    民間人の体調は当然考慮されている筈だが、それでも定刻通りとはいかないだろう。

「(特戦群に不可能はありません。
    何か想定外の事態が起こったのでは………………)」

    万屋の雰囲気を察したのか、山田は言い訳の様な事を口にする。

「(少し様子を見てきます)」

    そして、万屋の了承も得ずに駆け出して行った。
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