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* 死神生活ニ年目 *
第179話 死神ちゃんとパンク野郎②
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死神ちゃんが〈担当のパーティー〉求めて彷徨っていると、それと思しき冒険者の方から喜び勇んで近寄ってきた。彼は浮足立った調子で死神ちゃんに駆け寄ると、羨望の眼差しで死神ちゃんを見上げた。
「うわあ! 死神ちゃんさんじゃあないっすか! チッス!」
そう言って、全身を禍々しい装備で固めた青年――パンク野郎が勢いをつけて深々とお辞儀をした。死神ちゃんは呆れ顔でゆるゆると降下すると、いまだお辞儀したままの彼の頭をひと叩きした。
「死神ちゃんさんって何だよ。敬称が重複しているじゃないか」
「いって! ――あれっス! 俺、ロックでパンクなものはめっちゃリスペクトしてるんで! 死神なのに骸骨じゃなく幼女って、めちゃめちゃパンクっしょ!」
死神ちゃんはふよふよと浮かびながら訝しげにパンク野郎を見つめた。すると彼はお辞儀をした時と同じ速度で身を起こし、瞳をキラキラと輝かせて死神ちゃんの肩に腕を回した。――結果的に、小脇に抱えるような状態となり、リスペクトといいつつも失礼な状態となった。
そのままグイグイとどこかへと連れて行かれた死神ちゃんは、休憩するのに良さそうな場所に着くとようやく肩を開放された。不機嫌な顔で所在なく浮いている死神ちゃんのことなどお構い無しで適当に腰を下ろすと、パンク野郎はにこやかな笑みを浮かべてポーチを漁りながら言った。
「死神ちゃんさん、腹空きません? お菓子ありますよ!」
お菓子という単語に釣られて、死神ちゃんはパンク野郎の横にいそいそと腰を下ろした。髑髏をあしらった意匠のついたものが多い彼の装備とは裏腹に、とても可愛らしいラッピングがお菓子には施されていた。
「これまた、何とも対照的な」
「ちなみに、俺の手作りっス」
「は!? お前、すごいな!」
「料理って錬金術に似てるんスよ。俺、これでも凄腕の錬金術っスからね!」
死神ちゃんが驚嘆して目を丸くすると、彼は舌を出して笑いながら顎の辺りにピースサインを掲げた。そんな彼に苦笑いを浮かべつつ、死神ちゃんはラッピングを解いてマフィンをひと口かじった。それがまた予想外の美味しさだったため、死神ちゃんは思わず驚きの声を上げた。
死神ちゃんが美味しそうにもくもくと手作りお菓子を頬張るのを嬉しそうに眺めながら、パンク野郎は「この前はタメきいてすいませんっした」と謝ってきた。死神ちゃんからしたら今もタメ口と大差ない口調で話しかけられているように感じるのだが、彼からしたら敬語を使っているつもりらしい。死神ちゃんは心なしか頬を引きつらせると「最近の若者って、よく分からないな」と思った。
パンク野郎はお茶を差し出しながら、気を取り直すかのように笑って言った。
「いやあ、それにしても。この夏は〈踊るゾンビ〉だとか〈軽快にバックステップ踏みながら、壁の中に消えていく幼女〉とか、俺的に心躍る話題が巷で流行っていたんスけど。錬金術師の本気をかましてたら、すっかり乗り遅れました! もう秋じゃないっスか!」
「錬金術師の本気?」
受け取ったお茶をすすりながら死神ちゃんが首を傾げると、彼は得意気に鼻を膨らませて笑った。
彼が身につけている禍々しい装備は、元々は呪われた品であった。しかし、彼はその類稀なる錬金術師の才能と魔法を駆使して、装備品から〈呪い〉を引き剥がすことができるのだ。その技術を応用して、彼は新たな技術を編み出したらしい。
死神ちゃんがそれについて尋ねると、彼はまるで内緒話でもするかのように死神ちゃんに身を寄せてきた。そして興奮気味の声を抑えながら、ひそひそと話し始めた。
「魔法や技術を持たない人でも一回こっきりだけその技を使えるようにって、紙に魔法で技を込めてあるヤツあるじゃないっスか」
「あー、スクロールってやつか?」
「そうっス、それっス。〈それと特殊な素材を用いてあれこれして、その技を装備に付与する〉っていう技術を編み出したんっスよ! しかも、紙ッペラだと一回こっきりなのが、こっちは運が良ければ繰り返し使用が可能なんスよ。どうっスか、すごくないっスか!?」
「おお、たしかにすごいな」
「だしょ!? すごいっしょ!? パネェっしょ!?」
興奮で輝きを増した目をくりくりとさせながら、彼は嬉しそうな笑みを浮かべた。
彼は〈呪い〉が取り除けるのであれば、付与だってできるのではと思い、長いこと試行錯誤していたそうだ。そしてつい先日ようやく、使用回数が有限ではあるものの〈魔法や技を装備に付与する〉ということに成功したのだという。素材にスクロールを使用しているため、現状付与できる魔法や技は〈スクロールの製造がすでに行われているもの〉に限られているのだが、今後は使用回数も含め、付与できるモノの種類も増やしていきたいそうだ。
ふと、死神ちゃんは不思議そうに首をひねると、目を瞬かせた。
「でも、ずっと方法の模索はしていたんだろう? 何でまたこの夏に本気出してたんだよ」
「俺、春の終わり頃にシビれる出会いをしましたっしょ? あの体験を経て、ピンと来たんスよ。それで、どうしても秋には間に合わせたかったんっス。――秋といえば、芸術の秋っしょ!」
死神ちゃんが意を解さぬと言いたげに眉根を寄せると、彼はおもむろに立ち上がった。そして「行きましょう」と言うと、彼はどこかへと歩き出した。死神ちゃんは慌てて立ち上がると、彼のあとを追いかけた。
やって来た場所は、五階の〈水辺区域〉だった。パンク野郎は辺りをきょろきょろと見回して、目的のものを見つけると嬉しそうにそちらの方へと走っていった。
彼の存在を認めると、岩場で寛いでいたセイレーンが羽毛を逆立たせた。そしてスウと息を吸い込むと、美しい顔をひどく歪めてデスボイスを響かせた。パンク野郎はビリビリと押し寄せる音圧を一身に受けながら、恍惚の表情で「いいねえ!」と叫んだ。
「やっぱパネェよ、この〈金属的に輝き響く、死の歌声〉は! すげぇシビれる! すげぇパンクだぜ!」
「お前、よく平然としていられるな。この前は結構あっさりと死んだだろ」
「いや、ちょっとばかしつらいっス。でも、すぐには死なないように耐性の上がる装備身につけてきたんで。――あああ、このつらさが気持ちいいッ! 死に抗って意気がってるの、すげぇロック!」
興奮して身悶える彼をじっとりと睨むと、死神ちゃんは「で、一体何がしたいわけ」と抑揚無く言った。すると彼はハッと我に返り、首元のネックレスを弄りだした。すると、彼のネックレスからセイレーンの歌声にハモるようにデスメタルが流れ出した。
思わず、死神ちゃんはぽかんとした。セイレーンもまた、思わず口を閉ざした。パンク野郎は不服そうにネックレスを黙らせると、死神ちゃんのほうを向いて口を尖らせた。
「何で、セイレーン先輩、黙っちゃったんっスかね」
「いや、普通、見知らぬヤツがいきなりハモってきたら恐怖だろう」
死神ちゃんが呆れ顔でそう答えると、パンク野郎は〈理解できない〉と言いたげに口を一層尖らせた。すると、セイレーンが先ほどよりもけたたましい叫びを上げて、ハードに歌い始めた。パンク野郎は喜々として頬を染め上げると、指を鳴らしたその手で流れるようにセイレーンを指差した。
「さっすが、セイレーン先輩! 分かっていらっしゃる! ロックに、パンクに、ソウルを震わせ合おうってことっスね! そうこなくっちゃ!」
そう言ってネックレスに手をかけると、彼はセイレーンのシャウト対決に挑んだ。そして、セイレーンとともに絶叫しながら、彼はいろんな意味で果てたのだった。
**********
死神ちゃんが待機室に戻ってくると、ピエロがニヤニヤと笑いながらモニターを眺めていた。死神ちゃんが帰ってきたことに気がつくと、ピエロは腕を組んで偉そうにふんぞり返った。
「美的感覚はあちしと正反対だけど、でもあの坊やの錬金術師としてのこだわりは理解できるね!」
「あー、そういやあお前、永遠の美しさを求めてナイスなボディーを錬金し続けてた美魔女だったんだっけか。――ところで、料理と錬金術が似ているって本当なのか?」
死神ちゃんが首を傾げると、ピエロは「そうだよ」と言って頷いた。そしてあっけらかんとした笑みを浮かべると、再び得意気に胸を張った。
「でもあちし、料理は〈食べる係〉のほうが好きだね! あちしが料理しようとすると、素材にこだわりすぎて〈作り始める〉に到達できないんだよね!」
「何ていうか、〈デキる男〉を装っているヤツみたいだな、それは」
死神ちゃんが苦笑いを浮かべると、ピエロがマッコイの方を向いてピョンピョピョンと跳ねた。
「マコちんマコちん! そういうわけなので、今日はマコちんに突撃となりの晩御飯してもいいよね? いいよね!?」
マッコイは苦笑いを浮かべて頷くと、彼は死神ちゃんを見やった。死神ちゃんが訝しげに眉根を寄せると、マッコイは含みのある笑みを浮かべて言った。
「いいけれど、せっかくだからここは〈デキる男〉に作ってもらいましょうか」
「えええ、俺が作るのかよ!」
「あら、たまにはいいでしょう?」
「えっ、薫の手料理!? だったら私も!」
ギョッとして硬直する死神ちゃんの横合いから、クリスが身を乗り出して必死にアピールした。死神ちゃんは頭をガシガシと掻きながらため息をつくと、「で、何が食べたいんだ」と言いながら退勤作業を開始したのだった。
――――翌日、マッコイのもとにケイティーの「なんで私がいない時に限って!」という号泣無線がしつこく入ったそうDEATH。
「うわあ! 死神ちゃんさんじゃあないっすか! チッス!」
そう言って、全身を禍々しい装備で固めた青年――パンク野郎が勢いをつけて深々とお辞儀をした。死神ちゃんは呆れ顔でゆるゆると降下すると、いまだお辞儀したままの彼の頭をひと叩きした。
「死神ちゃんさんって何だよ。敬称が重複しているじゃないか」
「いって! ――あれっス! 俺、ロックでパンクなものはめっちゃリスペクトしてるんで! 死神なのに骸骨じゃなく幼女って、めちゃめちゃパンクっしょ!」
死神ちゃんはふよふよと浮かびながら訝しげにパンク野郎を見つめた。すると彼はお辞儀をした時と同じ速度で身を起こし、瞳をキラキラと輝かせて死神ちゃんの肩に腕を回した。――結果的に、小脇に抱えるような状態となり、リスペクトといいつつも失礼な状態となった。
そのままグイグイとどこかへと連れて行かれた死神ちゃんは、休憩するのに良さそうな場所に着くとようやく肩を開放された。不機嫌な顔で所在なく浮いている死神ちゃんのことなどお構い無しで適当に腰を下ろすと、パンク野郎はにこやかな笑みを浮かべてポーチを漁りながら言った。
「死神ちゃんさん、腹空きません? お菓子ありますよ!」
お菓子という単語に釣られて、死神ちゃんはパンク野郎の横にいそいそと腰を下ろした。髑髏をあしらった意匠のついたものが多い彼の装備とは裏腹に、とても可愛らしいラッピングがお菓子には施されていた。
「これまた、何とも対照的な」
「ちなみに、俺の手作りっス」
「は!? お前、すごいな!」
「料理って錬金術に似てるんスよ。俺、これでも凄腕の錬金術っスからね!」
死神ちゃんが驚嘆して目を丸くすると、彼は舌を出して笑いながら顎の辺りにピースサインを掲げた。そんな彼に苦笑いを浮かべつつ、死神ちゃんはラッピングを解いてマフィンをひと口かじった。それがまた予想外の美味しさだったため、死神ちゃんは思わず驚きの声を上げた。
死神ちゃんが美味しそうにもくもくと手作りお菓子を頬張るのを嬉しそうに眺めながら、パンク野郎は「この前はタメきいてすいませんっした」と謝ってきた。死神ちゃんからしたら今もタメ口と大差ない口調で話しかけられているように感じるのだが、彼からしたら敬語を使っているつもりらしい。死神ちゃんは心なしか頬を引きつらせると「最近の若者って、よく分からないな」と思った。
パンク野郎はお茶を差し出しながら、気を取り直すかのように笑って言った。
「いやあ、それにしても。この夏は〈踊るゾンビ〉だとか〈軽快にバックステップ踏みながら、壁の中に消えていく幼女〉とか、俺的に心躍る話題が巷で流行っていたんスけど。錬金術師の本気をかましてたら、すっかり乗り遅れました! もう秋じゃないっスか!」
「錬金術師の本気?」
受け取ったお茶をすすりながら死神ちゃんが首を傾げると、彼は得意気に鼻を膨らませて笑った。
彼が身につけている禍々しい装備は、元々は呪われた品であった。しかし、彼はその類稀なる錬金術師の才能と魔法を駆使して、装備品から〈呪い〉を引き剥がすことができるのだ。その技術を応用して、彼は新たな技術を編み出したらしい。
死神ちゃんがそれについて尋ねると、彼はまるで内緒話でもするかのように死神ちゃんに身を寄せてきた。そして興奮気味の声を抑えながら、ひそひそと話し始めた。
「魔法や技術を持たない人でも一回こっきりだけその技を使えるようにって、紙に魔法で技を込めてあるヤツあるじゃないっスか」
「あー、スクロールってやつか?」
「そうっス、それっス。〈それと特殊な素材を用いてあれこれして、その技を装備に付与する〉っていう技術を編み出したんっスよ! しかも、紙ッペラだと一回こっきりなのが、こっちは運が良ければ繰り返し使用が可能なんスよ。どうっスか、すごくないっスか!?」
「おお、たしかにすごいな」
「だしょ!? すごいっしょ!? パネェっしょ!?」
興奮で輝きを増した目をくりくりとさせながら、彼は嬉しそうな笑みを浮かべた。
彼は〈呪い〉が取り除けるのであれば、付与だってできるのではと思い、長いこと試行錯誤していたそうだ。そしてつい先日ようやく、使用回数が有限ではあるものの〈魔法や技を装備に付与する〉ということに成功したのだという。素材にスクロールを使用しているため、現状付与できる魔法や技は〈スクロールの製造がすでに行われているもの〉に限られているのだが、今後は使用回数も含め、付与できるモノの種類も増やしていきたいそうだ。
ふと、死神ちゃんは不思議そうに首をひねると、目を瞬かせた。
「でも、ずっと方法の模索はしていたんだろう? 何でまたこの夏に本気出してたんだよ」
「俺、春の終わり頃にシビれる出会いをしましたっしょ? あの体験を経て、ピンと来たんスよ。それで、どうしても秋には間に合わせたかったんっス。――秋といえば、芸術の秋っしょ!」
死神ちゃんが意を解さぬと言いたげに眉根を寄せると、彼はおもむろに立ち上がった。そして「行きましょう」と言うと、彼はどこかへと歩き出した。死神ちゃんは慌てて立ち上がると、彼のあとを追いかけた。
やって来た場所は、五階の〈水辺区域〉だった。パンク野郎は辺りをきょろきょろと見回して、目的のものを見つけると嬉しそうにそちらの方へと走っていった。
彼の存在を認めると、岩場で寛いでいたセイレーンが羽毛を逆立たせた。そしてスウと息を吸い込むと、美しい顔をひどく歪めてデスボイスを響かせた。パンク野郎はビリビリと押し寄せる音圧を一身に受けながら、恍惚の表情で「いいねえ!」と叫んだ。
「やっぱパネェよ、この〈金属的に輝き響く、死の歌声〉は! すげぇシビれる! すげぇパンクだぜ!」
「お前、よく平然としていられるな。この前は結構あっさりと死んだだろ」
「いや、ちょっとばかしつらいっス。でも、すぐには死なないように耐性の上がる装備身につけてきたんで。――あああ、このつらさが気持ちいいッ! 死に抗って意気がってるの、すげぇロック!」
興奮して身悶える彼をじっとりと睨むと、死神ちゃんは「で、一体何がしたいわけ」と抑揚無く言った。すると彼はハッと我に返り、首元のネックレスを弄りだした。すると、彼のネックレスからセイレーンの歌声にハモるようにデスメタルが流れ出した。
思わず、死神ちゃんはぽかんとした。セイレーンもまた、思わず口を閉ざした。パンク野郎は不服そうにネックレスを黙らせると、死神ちゃんのほうを向いて口を尖らせた。
「何で、セイレーン先輩、黙っちゃったんっスかね」
「いや、普通、見知らぬヤツがいきなりハモってきたら恐怖だろう」
死神ちゃんが呆れ顔でそう答えると、パンク野郎は〈理解できない〉と言いたげに口を一層尖らせた。すると、セイレーンが先ほどよりもけたたましい叫びを上げて、ハードに歌い始めた。パンク野郎は喜々として頬を染め上げると、指を鳴らしたその手で流れるようにセイレーンを指差した。
「さっすが、セイレーン先輩! 分かっていらっしゃる! ロックに、パンクに、ソウルを震わせ合おうってことっスね! そうこなくっちゃ!」
そう言ってネックレスに手をかけると、彼はセイレーンのシャウト対決に挑んだ。そして、セイレーンとともに絶叫しながら、彼はいろんな意味で果てたのだった。
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死神ちゃんが待機室に戻ってくると、ピエロがニヤニヤと笑いながらモニターを眺めていた。死神ちゃんが帰ってきたことに気がつくと、ピエロは腕を組んで偉そうにふんぞり返った。
「美的感覚はあちしと正反対だけど、でもあの坊やの錬金術師としてのこだわりは理解できるね!」
「あー、そういやあお前、永遠の美しさを求めてナイスなボディーを錬金し続けてた美魔女だったんだっけか。――ところで、料理と錬金術が似ているって本当なのか?」
死神ちゃんが首を傾げると、ピエロは「そうだよ」と言って頷いた。そしてあっけらかんとした笑みを浮かべると、再び得意気に胸を張った。
「でもあちし、料理は〈食べる係〉のほうが好きだね! あちしが料理しようとすると、素材にこだわりすぎて〈作り始める〉に到達できないんだよね!」
「何ていうか、〈デキる男〉を装っているヤツみたいだな、それは」
死神ちゃんが苦笑いを浮かべると、ピエロがマッコイの方を向いてピョンピョピョンと跳ねた。
「マコちんマコちん! そういうわけなので、今日はマコちんに突撃となりの晩御飯してもいいよね? いいよね!?」
マッコイは苦笑いを浮かべて頷くと、彼は死神ちゃんを見やった。死神ちゃんが訝しげに眉根を寄せると、マッコイは含みのある笑みを浮かべて言った。
「いいけれど、せっかくだからここは〈デキる男〉に作ってもらいましょうか」
「えええ、俺が作るのかよ!」
「あら、たまにはいいでしょう?」
「えっ、薫の手料理!? だったら私も!」
ギョッとして硬直する死神ちゃんの横合いから、クリスが身を乗り出して必死にアピールした。死神ちゃんは頭をガシガシと掻きながらため息をつくと、「で、何が食べたいんだ」と言いながら退勤作業を開始したのだった。
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