46 / 54
ハルと言えば一、カズと言えば春
02
しおりを挟む
「悪い。俺の次の休みはクラスの友だちと出掛けるから、無理だ」
だいたい高校生の息子がこんなに頻繁に親と出掛けるっておかしくないか?はるちゃんとの事を認めて欲しくて定期的に誘われる度に付き合ってきたけど、変だよな?でも、仲良くして欲しい。それだけ思って一緒に出かけた。次は勘弁してくれよ。デートの約束したばかりだ。はるちゃんは優しいから、母さんのわがままを聞いたら一緒に行こうと言ってくれそうだけど、俺はヤダ。その次は…考えとくからさ。
母さんの態度は最初の頃と同じで俺とはるちゃんは小さな時からの友だちってスタンス。あの時見た視線はない。それは嬉しいけど油断してはいけない。だいたい、少し不自然だ。麻里子の友だちだってこんなに頻繁に家族ぐるみでどこかに出かけたってことはない。何を考えているんだろう?何も考えてないなら良いけど、勘ぐってしまう。
いっそ、言ってしまおうか。
この頃そのことばかり考える。言って、もし反対されたら悲しいけど、それは仕方ない。認めてもらえるように頑張るだけだ。でも、はるちゃんに酷い言葉を投げつけたらと思うと一歩が踏み出せない。父さんと母さんはそんな人間ではないとは思うけど、自分の息子が男と付き合うなんてことは想像してないだろう。
俺だってはるちゃん以外は考えられない。
家族がどんな反応をするかはわからない。あの時の疑うような母さんの視線が俺を躊躇わせる。
「一登、それどうしたの?」
「ああ、これ?」
「痛そうね」
ズキズキとした痛みは引いているけど、皮膚の変色が湿布からはみ出てる。
「ちょっと、ぶつけたんだ。見た目ほど痛くないよ」
「そう?」
「風呂上がったらこれ貼り直すから、湿布ある?」
手首は濡れないようにして、それは肩に貼ろう。明らかぶつかるような場所じゃない、そんなところに痣を作ってたら喧嘩したのかと思われる。面倒な言い訳を言いたくなくてその場を誤魔化した。
「晴れてよかったね」
「そうだな。雨なら弁当食べる場所考えるの、大変だった。それ、持つよ」
「これくらい僕だって持てるよ?」
「俺が持ちたいの」
最寄駅から電車で一時間くらいのところに海浜公園がある。海には入らないけど、ここは遊園地エリアと池に浮かぶあひるボート、アスレチックなどがある。臨海部の広い土地を活かし、テニスコートや体育館がありそこにも人は多い。親子連れやデートで訪れる広い公園。小さい頃親子五人で何度か来たことがある。
安上がりなデートだけど、はるちゃんは喜んでくれてる。お弁当も作ってくれて俺、幸せ。
訪れる人は多いけれど遊園地で遊ぶ子どもの声が遠く響くここは、チラチラと人が歩いてる程度だ。芝生と園内を流れる小川、ベンチと垣根のような植え込みと陰を作る背の高い木。日差しは大分弱くなり、木陰にシートを敷いて座れば居心地が良い二人の空間が出来上がる。
完全に人目を避けられるわけじゃないけど手を繋ぐくらいはできる。公園に着いて場所を確保し、シートに二人並んで座った。
だいたい高校生の息子がこんなに頻繁に親と出掛けるっておかしくないか?はるちゃんとの事を認めて欲しくて定期的に誘われる度に付き合ってきたけど、変だよな?でも、仲良くして欲しい。それだけ思って一緒に出かけた。次は勘弁してくれよ。デートの約束したばかりだ。はるちゃんは優しいから、母さんのわがままを聞いたら一緒に行こうと言ってくれそうだけど、俺はヤダ。その次は…考えとくからさ。
母さんの態度は最初の頃と同じで俺とはるちゃんは小さな時からの友だちってスタンス。あの時見た視線はない。それは嬉しいけど油断してはいけない。だいたい、少し不自然だ。麻里子の友だちだってこんなに頻繁に家族ぐるみでどこかに出かけたってことはない。何を考えているんだろう?何も考えてないなら良いけど、勘ぐってしまう。
いっそ、言ってしまおうか。
この頃そのことばかり考える。言って、もし反対されたら悲しいけど、それは仕方ない。認めてもらえるように頑張るだけだ。でも、はるちゃんに酷い言葉を投げつけたらと思うと一歩が踏み出せない。父さんと母さんはそんな人間ではないとは思うけど、自分の息子が男と付き合うなんてことは想像してないだろう。
俺だってはるちゃん以外は考えられない。
家族がどんな反応をするかはわからない。あの時の疑うような母さんの視線が俺を躊躇わせる。
「一登、それどうしたの?」
「ああ、これ?」
「痛そうね」
ズキズキとした痛みは引いているけど、皮膚の変色が湿布からはみ出てる。
「ちょっと、ぶつけたんだ。見た目ほど痛くないよ」
「そう?」
「風呂上がったらこれ貼り直すから、湿布ある?」
手首は濡れないようにして、それは肩に貼ろう。明らかぶつかるような場所じゃない、そんなところに痣を作ってたら喧嘩したのかと思われる。面倒な言い訳を言いたくなくてその場を誤魔化した。
「晴れてよかったね」
「そうだな。雨なら弁当食べる場所考えるの、大変だった。それ、持つよ」
「これくらい僕だって持てるよ?」
「俺が持ちたいの」
最寄駅から電車で一時間くらいのところに海浜公園がある。海には入らないけど、ここは遊園地エリアと池に浮かぶあひるボート、アスレチックなどがある。臨海部の広い土地を活かし、テニスコートや体育館がありそこにも人は多い。親子連れやデートで訪れる広い公園。小さい頃親子五人で何度か来たことがある。
安上がりなデートだけど、はるちゃんは喜んでくれてる。お弁当も作ってくれて俺、幸せ。
訪れる人は多いけれど遊園地で遊ぶ子どもの声が遠く響くここは、チラチラと人が歩いてる程度だ。芝生と園内を流れる小川、ベンチと垣根のような植え込みと陰を作る背の高い木。日差しは大分弱くなり、木陰にシートを敷いて座れば居心地が良い二人の空間が出来上がる。
完全に人目を避けられるわけじゃないけど手を繋ぐくらいはできる。公園に着いて場所を確保し、シートに二人並んで座った。
0
あなたにおすすめの小説
未完成な僕たちの鼓動の色
水飴さらさ
BL
由人は、気が弱い恥ずかしがり屋の162cmの高校3年生。
今日も大人しく控えめに生きていく。
同じクラスになった学校でも人気者の久場くんはそんな由人に毎日「おはよう」と、挨拶をしてくれる。
嬉しいのに恥ずかしくて、挨拶も返せない由人に久場くんはいつも優しい。
由人にとって久場くんは遠く憧れの存在。
体育の時間、足を痛めた由人がほっとけない久場くん。
保健室で2人きりになり……
だいぶんじれじれが続きます。
キスや、体に触れる描写が含まれる甘いエピソードには※をつけてます。
素敵な作品が数多くある中、由人と久場くんのお話を読んで頂いてありがとうございます。
少しでも皆さんを癒すことができれば幸いです。
2025.0808
イケメンに惚れられた俺の話
モブです(病み期)
BL
歌うことが好きな俺三嶋裕人(みしまゆうと)は、匿名動画投稿サイトでユートとして活躍していた。
こんな俺を芸能事務所のお偉いさんがみつけてくれて俺はさらに活動の幅がひろがった。
そんなある日、最近人気の歌い手である大斗(だいと)とユニットを組んでみないかと社長に言われる。
どんなやつかと思い、会ってみると……
ポメった幼馴染をモフる話
鑽孔さんこう
BL
ポメガバースBLです! 大学生の幼馴染2人は恋人同士で同じ家に住んでいる。ある金曜日の夜、バイト帰りで疲れ切ったまま寒空の下家路につき、愛しの我が家へ着いた頃には体は冷え切っていた。家の中では恋人の居川仁が帰りを待ってくれているはずだが、家の外から人の気配は感じられない。聞きそびれていた用事でもあったか、と思考を巡らせながら家の扉を開けるとそこには…!※12時投稿。2025.3.11完結しました。追加で投稿中。
嫌いなあいつが気になって
水ノ瀬 あおい
BL
今しかない青春だから思いっきり楽しみたいだろ!?
なのに、あいつはいつも勉強ばかりして教室でもどこでも常に教科書を開いている。
目に入るだけでムカつくあいつ。
そんなあいつが勉強ばかりをする理由は……。
同じクラスの優等生にイラつきを止められない貞操観念緩々に見えるチャラ男×真面目で人とも群れずいつも一人で勉強ばかりする優等生。
正反対な二人の初めての恋愛。
君に捧げる、魔法のレシピ〜さえない動画配信者の僕が、クラスの王子様的男子に恋をした結果〜
ryon*
BL
地味でおとなしい性格の高校生 佐藤 理人は、趣味でこっそりお菓子のレシピ動画を公開している人気配信者でありスイーツ研究家。
ある日理人は、幼なじみの太陽に味見用としてクッキーを手渡すところを、大路に見られてしまう。
しかも清雅は大の甘党で、理人が配信している動画の大ファンだったことが判明。
しかし清雅は、理人=推し配信者の『りとる』だとはまったく気付いていなくて……!?
泣き虫な俺と泣かせたいお前
ことわ子
BL
大学生の八次直生(やつぎすなお)と伊場凛乃介(いばりんのすけ)は幼馴染で腐れ縁。
アパートも隣同士で同じ大学に通っている。
直生にはある秘密があり、嫌々ながらも凛乃介を頼る日々を送っていた。
そんなある日、直生は凛乃介のある現場に遭遇する。
恋の闇路の向こう側
七賀ごふん
BL
学校一の優等生として過ごす川音深白には、大切な幼馴染がいる。
家庭の事情で離れ離れになった幼馴染、貴島月仁が転校してくることを知った深白は、今こそ昔守られていた恩を返そうと意気込むが…。
────────
クールで過保護な攻め×完璧でいたいけど本当は甘えたい受け
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる