見つけてよ。

茉莉花 香乃

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「はぁぁっ……ぁぁっ……んっ、んっ…」

ひっきりなしに声が出てしまう。

感じ過ぎておかしくなりそう。

ダメなのに…。

せめて、僕を後ろから犯す、この酷くて、優し過ぎる男に僕が溺れていることを悟られないようにしないと。

「ねぇ…は、早く、終わってょぉ…」
「くそッ!」

ホント、これ以上好きにならないように、早く離れて。





僕とこの男、田丸ろうがセフレになったのは約一年前。ちょっと長過ぎた。もっと早く終わらせないとダメだったのに…。もともと好きだった田丸に、身代わりだとしても抱いてもらえるなんて、自分から終わらせることはできなかった。だって、どんどん好きになるんだ。
でも、もう限界。

この関係を続ける上で、僕は条件を出した。
セックス中に他の男の名前を呼ばないこと。口へのキスをしないこと。呼び出しはそっちから。僕が終わりって言えば、この関係は解消する。勿論、田丸からの解消もアリ。
もし、そんなことになっていたら、きっと僕は立ち直れないくらい落ち込んでいたと思う。そうならなかっただけ、マシなのだろう。

最初は強姦紛いの行為だった。田丸には前から好きな子がいて、で、その子は一年前に別の男と付き合い出した。田丸は泣きながら僕を犯した。初めてだったのに、ろくに解しもせず、酷い奴。何度も僕じゃない子の名前を呼んで、僕の人格をなんだと思ってんの?

ふと我にかえる。そんな感じで、血と精液の混じったモノが僕の下半身を汚しているのを愕然と見てた。

必死に謝られたけど、謝られる方が辛い時ってあるよね。まあ、その時は謝る以外の選択肢は無かったんだろうけど。で、僕からセフレを持ちかけた。



「良いよ。あいつの代わりに、僕で発散できるなら、良いよ」



それからジェルとコンドームを用意して、僕に声をかけてきた。だいたい週一ペース。これが多いのか少ないのか、僕にはわからない。

一年の三学期の学年末テストで、僕はうっかりミスを各教科で少しずつして、点数を落としてしまった。
暗記問題では書く場所を一つずつ間違えてしまい、記号で書くところを言葉で書いてしまい、数学の応用問題では完璧に途中式も書いたけれど、肝心の数字が間違っていた。テストの返却では担当教諭から哀れみや、からかいの言葉と共に『次からは気を付けろよ』とのお言葉を頂いた。僕はその度に『体調が…』と言い訳した。

塵も積もれば…いや違う。少しのマイナスも全教科集まれば簡単に落っこちてしまうのだ。その結果、クラス分けでは一つ下がってしまった。ここ、私立徳沙音とくさね高校は成績でクラス分けがされる。一年の時のクラスメイトたちはテストが返る度に繰り返されるやり取りに、不審に思う人もいたようだけど、それは済んだことだ。ケアレスミスでも、点数は変わらない。ミスなんです!で温情があるなら、こんなクラス分けは意味がない。

今日で最後。

クラスが違えば毎日顔を見なくてすむ。田丸は二年もA組だろう。僕も三年には受験のことがあるから戻らなければならないけれど、今年は……。本当なら内申とか色々あるから二年も落としたくはなかったけど、先生方への心象は悪くないはず。

二年生の一年間で忘れなきゃ。お父さんに怒られたけど、どうやら担任の紺野先生から取りなしの連絡が入ったらしく、僕も『三年にはAに戻るから』と必死に謝った。
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