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結婚相手が決まりました
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☆★☆ ★☆★ ☆★☆
四の君(撫子)が三条邸に移って暫くたったころ、次の国司に任命されている源保憲が頻繁に文を届けて来るようになった。
「また、今日も文がきたようです」
と家令が持ってきた。
撫子に宛てた求婚の文だ。
最初の頃は保憲の知り合いだと云う女房の元にわたしに『紹介して欲しい』と来ていた。
保憲は国司になるだけはあって、いろんな伝手があるらしい。その女房の父も昔、保憲の父君に世話になったようだ。
どうしたものかと、家令に相談したらしい。
相談してくれて良かった。金でもつかまされて、姫の元に手引きされでもしたら堪らない。
その女房には断りの返事をするように云ったので諦めると思っていた。
そうすると、撫子の女房に文を届けてきたと云うではないか。
三条邸に届いた文は家令が確認するのである。これは、女房へは渡さずわたしのところに持って来るように伝えてある。
何しろ毎日のように文が来るのだ。
撫子は三条邸に来る前から評判ではあった。
あれだけ綺麗な人だし、庇護したいと思わずにはいられない儚さもある。
けれど、入内する姫に変な噂でも立ったらいけない。
堪らず、保憲に文を届けるように家令に命じた。
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四の君(撫子)が三条邸に移って暫くたったころ、次の国司に任命されている源保憲が頻繁に文を届けて来るようになった。
「また、今日も文がきたようです」
と家令が持ってきた。
撫子に宛てた求婚の文だ。
最初の頃は保憲の知り合いだと云う女房の元にわたしに『紹介して欲しい』と来ていた。
保憲は国司になるだけはあって、いろんな伝手があるらしい。その女房の父も昔、保憲の父君に世話になったようだ。
どうしたものかと、家令に相談したらしい。
相談してくれて良かった。金でもつかまされて、姫の元に手引きされでもしたら堪らない。
その女房には断りの返事をするように云ったので諦めると思っていた。
そうすると、撫子の女房に文を届けてきたと云うではないか。
三条邸に届いた文は家令が確認するのである。これは、女房へは渡さずわたしのところに持って来るように伝えてある。
何しろ毎日のように文が来るのだ。
撫子は三条邸に来る前から評判ではあった。
あれだけ綺麗な人だし、庇護したいと思わずにはいられない儚さもある。
けれど、入内する姫に変な噂でも立ったらいけない。
堪らず、保憲に文を届けるように家令に命じた。
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