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結婚相手が決まりました
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☆★☆ ★☆★ ☆★☆
「姫さま、ただいま戻りました」
と日向が部屋に入って来た。
「ご苦労さまでした。で、どうでした?」
「それが姫さま……大変なことになってしまいました」
何があったのか?
保憲さまがもう任国に下られたのか?
わたしのことなど『知らぬ』と仰ったか?
「今宵、こちらに忍んで来て下さいます。詳しくはその時にお聞きになってからの方が間違いなく伝わると思います」
保憲さまは日向に送った文が梨の礫なので、どうしようかと悩んでいたらしい。
文など一度ももらってないと日向が云うのは嘘ではないので、これは右大臣さまが何かしら関わっているのかもしれない。
やきもきしながら夜を待った。
夜も更けたころ小百合に案内されて、女物の袿を頭からかぶった保憲さまが現れた。
「遅くなり申し訳ありません」
「いえ…それにしてもどう云うことなのですか?」
四人で顔を付き合わせて話しが外に漏れないように注意をしながら会話をする。
「撫子も来たがっていたのですが、何かあってはいけないので諦めさせました」
これ以上厄介なことをしてもらっては困るので、姫さまのわがままを聞き入れなかった保憲さまに感謝である。
保憲さまによると先に女房に送った文は暫くして断りの返事があったようだ。
次に日向に宛てた文が何故こちらに届かなかったかが気になる。
「こちらの家令から文がありました」
と持ってきたのは、
『四の君には高貴なお方との縁談があるので、今回のことはなかったことにして欲しい』
と云うようなことが書かれていて、びっくりである。
最初の保憲さまの申し出を断ったのなら、もしかしたら『結婚』させようと考えているのではないかと云う疑いは勿論考えた。
けれど、できるなら現実逃避していたかったので、なるべく考えないようにしていた。
目の前が真っ暗で、「姫さま!」倒れそうである。いや、倒れて解決するならいつまでも倒れていよう。
しかし、倒れていても仕方ない。
「今から撫子姫に代わって貰うのは…」
「無理ですね」
わたしの提案も姉上は素っ気ない。
「それこそ倒れて、寝て過ごせば結婚なんて無理だよね」
「そんなの、こちらに通って来られたら、褥に入って寝るだけですよ。右大臣さまからお相手の方にお話があったのなら、わたくしたちがいくら姫さまをお守りしようと思っても『正式な結婚』であるのならどうすることも出来ないでしょう」
これは日向に一蹴された。
『寝る』か、えっ~!無理だよ。
「即、バレるよ」
……これは無視された。
「わたしが引っかかるのは…」
と保憲さまが云うには、
「右大臣殿が云う『高貴なお方』とは誰のことなのか、誰と結婚させるおつもりなのかと云うことです」
そうだ。右大臣より身分が高いお方など数えるほどで、帝は特別であるが父上の兄君が左大臣で他は……うん?…帝…、
「えっ~!」
「どうしたの、惟忠?」
「ねえさま、主上…主上…」
「何言ってるのよ」
すっかり動揺して二人で手を取りあいお互いを握りしめた。多分姉上も同じ考えにたどり着いたのだろう。
「わたしもその可能性は充分にあると思います」
保憲さまが躊躇いがちに云う。
…その後のことは知らない。本当にぶっ倒れてしまった。
男として情けない…。
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「姫さま、ただいま戻りました」
と日向が部屋に入って来た。
「ご苦労さまでした。で、どうでした?」
「それが姫さま……大変なことになってしまいました」
何があったのか?
保憲さまがもう任国に下られたのか?
わたしのことなど『知らぬ』と仰ったか?
「今宵、こちらに忍んで来て下さいます。詳しくはその時にお聞きになってからの方が間違いなく伝わると思います」
保憲さまは日向に送った文が梨の礫なので、どうしようかと悩んでいたらしい。
文など一度ももらってないと日向が云うのは嘘ではないので、これは右大臣さまが何かしら関わっているのかもしれない。
やきもきしながら夜を待った。
夜も更けたころ小百合に案内されて、女物の袿を頭からかぶった保憲さまが現れた。
「遅くなり申し訳ありません」
「いえ…それにしてもどう云うことなのですか?」
四人で顔を付き合わせて話しが外に漏れないように注意をしながら会話をする。
「撫子も来たがっていたのですが、何かあってはいけないので諦めさせました」
これ以上厄介なことをしてもらっては困るので、姫さまのわがままを聞き入れなかった保憲さまに感謝である。
保憲さまによると先に女房に送った文は暫くして断りの返事があったようだ。
次に日向に宛てた文が何故こちらに届かなかったかが気になる。
「こちらの家令から文がありました」
と持ってきたのは、
『四の君には高貴なお方との縁談があるので、今回のことはなかったことにして欲しい』
と云うようなことが書かれていて、びっくりである。
最初の保憲さまの申し出を断ったのなら、もしかしたら『結婚』させようと考えているのではないかと云う疑いは勿論考えた。
けれど、できるなら現実逃避していたかったので、なるべく考えないようにしていた。
目の前が真っ暗で、「姫さま!」倒れそうである。いや、倒れて解決するならいつまでも倒れていよう。
しかし、倒れていても仕方ない。
「今から撫子姫に代わって貰うのは…」
「無理ですね」
わたしの提案も姉上は素っ気ない。
「それこそ倒れて、寝て過ごせば結婚なんて無理だよね」
「そんなの、こちらに通って来られたら、褥に入って寝るだけですよ。右大臣さまからお相手の方にお話があったのなら、わたくしたちがいくら姫さまをお守りしようと思っても『正式な結婚』であるのならどうすることも出来ないでしょう」
これは日向に一蹴された。
『寝る』か、えっ~!無理だよ。
「即、バレるよ」
……これは無視された。
「わたしが引っかかるのは…」
と保憲さまが云うには、
「右大臣殿が云う『高貴なお方』とは誰のことなのか、誰と結婚させるおつもりなのかと云うことです」
そうだ。右大臣より身分が高いお方など数えるほどで、帝は特別であるが父上の兄君が左大臣で他は……うん?…帝…、
「えっ~!」
「どうしたの、惟忠?」
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「何言ってるのよ」
すっかり動揺して二人で手を取りあいお互いを握りしめた。多分姉上も同じ考えにたどり着いたのだろう。
「わたしもその可能性は充分にあると思います」
保憲さまが躊躇いがちに云う。
…その後のことは知らない。本当にぶっ倒れてしまった。
男として情けない…。
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