撫子の華が咲く

茉莉花 香乃

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華綻ぶは撫子

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一度視線を合わせて、口付けられると唇が触れた瞬間全身が痺れるような感じがした。

「撫子だけだよ」

…わたしだけ…その言葉は媚薬だ。

唇を食まれると、もう覚えてしまった次の刺激が欲しくて帝の舌を口内に迎え入れた。

拙い動きで舌を絡めていると甘噛みされ、吸われて思考が麻痺していく。逞しい帝の身体を肩、背中、脇腹とわたしの手が動くと、口内の舌の刺激が強くなる。

帝に手を取られ、そそり立つ帝の屹立に触れると、甘く、熱い吐息が首筋にかかりぞくりとした。

「触ってて…」
「…んっ…やだ…もっと…」
…口付けて…

離れてしまったことに寂しくなりねだると、嬉しそうに唇を甘噛みされ、噛み付くような口付けをされた。
帝の屹立を上下に擦り、固いそれにうっとりする。

帝はわたしの秘部を解し続けておられて、感じ過ぎておかしくなってしまいそうで、必死に帝の首にしがみついた。

「…あっん…もう…っん、もう、ほし…ぃ…」
「嬉しいよ…。撫子から求められるとそれだけで達してしまいそうだ。でも、まだ駄目だよ」

甘い口付けに酔わされて、はしたなく求めてしまった。
でも…素直になることを喜んで下さるならいくらでも求めてしまおうか?自分からは恥ずかしくてできなかったことも帝が許して下さるならできる気がする。

帝の唇が首筋から…つっっ…っと動いて耳にたどり着くと息を吹きかけられぞくりとした。

「…可愛い…感じるの?」
「いや…き、きかないで…あっ」

鎖骨に吸い付かれてチリっとした痛みがあったけれど、それすら感じてしまう。

胸にたどり着いて乳首を舐められると、
「…あっっ…んっ…はあぁぁ…」

舐められ、吸われ、時々当たる歯がさらに快感を連れてくる。

いつもなら胸を触られるのは嫌だけど、感じすぎてわからない。

「こっちも…濡れてるよ」
「…っぁ…だめ…」

わたしの屹立を握り、にっこり微笑まれると壮絶に色気を放ち、触られもしないのに形を成してしまったことやそもそも触られるのが嫌なことも忘れて、帝に見惚れてしまう。

ああ、好きだ。

こんなに人を好きになるなんて思わなかった。こんなに苦しくて、もどかしくて…見つめられるだけで幸せになれる。

屹立を握ったままの帝の手が上下に動き、先端を揉まれ、わたしを追い詰める。

「…っん…主上…わたしだけは…い、いや…」
「わかった…挿れるよ」
「…はい…」
「…痛かったり、苦しかったら云うんだよ」

ゆっくりと入ってきた帝自身に、充分解された秘部は痛みはそれほど感じないけれど、苦しさはある。
しかし、そんな苦しさよりもっと気持ちよくなってもらいたいと、わたしも帝を感じたいと腰が揺れてしまう。

「撫子…」
「…んっ…もっと、お、奥まで…ほしっ…」

固くなった帝の屹立をもっと中で感じたくて、思わずそうねだると…。

「優しくしてあげたいのに…いけない人だ」
「…んっあぁぁぁ…っんっ…」

わたしの手を握り、ずんっと固い帝自身が奥まで入ってきた。

「動くよ」

何時もはしばらくそのままで、わたしの中が慣れるのを待っていてくれるけれど、余裕なさげに囁かれたら…それは喜びでしかない。

「…っんっんん…あっ…んん…あん…だめ…そこ…あぁぁぁ…」

何度も何度も突き上げられ、わたしの感じるところを擦られると声が抑えられない。
もっと強く、もっと激しくわたしを欲しがって…。

帝の欲を全て受け止めたい。

「あっ、もう…んっ…」
「撫子…愛してるよ」

帝の手で擦られていたわたしのものはあっけなく達した。帝もわたしの中で熱い飛沫を放ち……宝物を包むように抱きしめられた。



夢にまで見た事だ。

優しく、どこまでも優しくして下さる。

くすぐったいまでに甘やかして下さる。


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