撫子の華が咲く

茉莉花 香乃

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番外編ー壱 帝の疑問

02

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「…い、良いですか?」

伺うような視線はいつもの上目遣いではなく撫子の方が高い。

「良いに決まっているよ」

思わず腰を突き上げた。

「あっ…ぁぁ…っん…」

下から突き上げ、撫子の腰を支えて前後に揺すり素晴らしい眺めを堪能する。

「あぁっ……い、い…主上…もっ、と…」
「…そんなに、煽らないで…」

貪るように口付け、目の前にある首から鎖骨を舐め上げ、胸の突起に吸い付く。
撫子の感じるところを目指して突き上げれば、内壁がわたしのものを締め付ける。
わたしの手は撫子の背中を這い回る。しばらくそうしていたけれど、一緒に絶頂を迎えたくて撫子の屹立を擦り、先端の敏感なところを揉み追い詰める。腰を突き上げ何度も穿つ。
撫子が二人の間で白濁を撒き散らした。中が引き込むようにうごめいて、堪らなくて達した。

撫子の中に入ったまま、まだぼんやりとしている大切な人を横たえた。

「気持ち良かったよ。撫子は?」
「…ふふっ…はい」

余韻に浸りながらも、満足そうな顔をしている。

いつもならここはどこまでも恥ずかしそうにしているのに、いつもと違う撫子に疑問には思ったけれど、積極的にわたしを求めてくれるのは喜びだ。

「あっ…主上…また大きくなっ…っんっん…」

それから撫子が「許して…」と乞うまで何度も最奥を目指した。

離れ難いけれど、いつまでも飛香舎ひぎょうしゃにいることも出来ないので、撫子のことは衛門に任せてまだ起き上がれない愛しい人の頬に口付けて清涼殿に戻った。

それにしても…、
偃息図おそくずの絵でも見たのかな…」

午後のゆっくりした時間に一人ごちると、
「主上?」
と一条が声をかけてきた。

「ん?…何?」
「いえ…今朝からなんだか落ち着かない様子でいらっしゃるから、皆さん心配されていましたよ」
「いや…なんでもないよ」

まさか、撫子が積極的にわたしとの夜の時間を楽しむようになって嬉しいけれど、口付けさえわたしが初めてで舌を受け入れるのさえ恥ずかしそうにしていたのに…なにゆえあんな体位を知っていたのか?とは云えない。

そして、あの満足そうな顔。

いや、いいんだ。
嬉しいんだ。

女房に聞いたのかもしれないし…。右近と弁の君にいろいろ教えてもらった…聞かされた…と以前云っていたしね。

考えてもわからないし、別に嫌なことでも困ることでもないので、撫子の変化を喜ぶことにした。

それから、撫子からは『こうしたい』と云うお願いはないけれど、わたしがしたいことは受け入れてくれた。
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