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第四章
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「郁己はガキじゃないよ?」
「最初にこの下で会った時、中学生に間違えてたし、ガキって言った」
「ああ、あれはな…怒ってるのか?」
「怒ってないよ?実際、俊一さんにしたら…年だって一回り以上離れてるしさ…そりゃ中学生はないだろって思ったけど…」
そうだ、年の差は十四。親子ほどって訳じゃないけど、離れてる。
「こんなおっさん嫌か?」
「俊一さんはおっさんじゃないよ?」
「そうか?高校生にしてみたら三十超えたらおっさんだろ?」
「他は知らない。俊一さんは俺にとっては大切な人だから。それに二十代半ばに見えるよ?」
そう言って抱きつき、首筋にキスをする。抱きしめ返すとくすくすと笑った。
バイトに行く郁己に合わせ早めに晩御飯にした。
今は、出かける郁己が離れたくないと膝に乗ってきて、再びソファーに座ってる。あと少しでバイトが始まる。ここから近いからギリギリまでこうしていたいと甘えてくる。
こんなに甘えたことはなかった。いつも強がってるからか、こんなふうに弱いところを見せたことがない。それを嬉しいと思う自分にびっくりだ。今までこんなにベタベタされるのは嫌いだった。鍵を渡さなかったのも、きっとそれが嫌だったのだろう。恋人面して入り浸る。そんなのはいつも一人で過ごしてた俺にとっては窮屈だった。
一人は嫌なくせして、誰にも干渉してほしくなかった。
晩御飯の材料はあまりなかったけど、チャーハンとスープくらいは作れた。
普段、バイトの前にあまり食べられなくても、バイトが終わってからもほとんど食べないと言う。夜遅くに食べるのが良いとは言わないけど、いつも俺の心配ばかりするのにと、怒りたくなる。
「俺は良いんだ」
そんなふうに自棄になる。
「だめだ、郁己…自分を大事にしないと。郁己が俺の事を大切ってさっき言ってくれた。嬉しかったよ。だけど、俺も郁己の事大切なんだ。だからさ…」
「うん…わかった」
本当にわかってるのか?こんなに細い身体で…。今までも気になってたけど、朝食をきちんと食べるから食べても肥らない体質なのかと思ってた。
「ちゃんと、食べてるよ?心配性だな」
「もうちょっと、肉がついてた方が良い。あんまり細いと壊してしまいそうだ」
「…っ…もう」
「だって、そうだろ」
抱きついて顔を隠すけど、膝の上に居るんだ、赤く染まる首筋は俺を誘ってるみたい。つうっと指を首に這わすと息を飲むのがわかる。
「んっ…やっ…俊一さん。行けなくなる」
「そうだな。もう時間か?送って行くよ」
「直ぐそこだよ?」
「送りたいんだ。いいだろ?」
構いたいんだ。
もう花びらは落ちては来ない。
ひらひらと落ちてくるのは綺麗な花だった。
綺麗な花は大きな波紋を描く。
「最初にこの下で会った時、中学生に間違えてたし、ガキって言った」
「ああ、あれはな…怒ってるのか?」
「怒ってないよ?実際、俊一さんにしたら…年だって一回り以上離れてるしさ…そりゃ中学生はないだろって思ったけど…」
そうだ、年の差は十四。親子ほどって訳じゃないけど、離れてる。
「こんなおっさん嫌か?」
「俊一さんはおっさんじゃないよ?」
「そうか?高校生にしてみたら三十超えたらおっさんだろ?」
「他は知らない。俊一さんは俺にとっては大切な人だから。それに二十代半ばに見えるよ?」
そう言って抱きつき、首筋にキスをする。抱きしめ返すとくすくすと笑った。
バイトに行く郁己に合わせ早めに晩御飯にした。
今は、出かける郁己が離れたくないと膝に乗ってきて、再びソファーに座ってる。あと少しでバイトが始まる。ここから近いからギリギリまでこうしていたいと甘えてくる。
こんなに甘えたことはなかった。いつも強がってるからか、こんなふうに弱いところを見せたことがない。それを嬉しいと思う自分にびっくりだ。今までこんなにベタベタされるのは嫌いだった。鍵を渡さなかったのも、きっとそれが嫌だったのだろう。恋人面して入り浸る。そんなのはいつも一人で過ごしてた俺にとっては窮屈だった。
一人は嫌なくせして、誰にも干渉してほしくなかった。
晩御飯の材料はあまりなかったけど、チャーハンとスープくらいは作れた。
普段、バイトの前にあまり食べられなくても、バイトが終わってからもほとんど食べないと言う。夜遅くに食べるのが良いとは言わないけど、いつも俺の心配ばかりするのにと、怒りたくなる。
「俺は良いんだ」
そんなふうに自棄になる。
「だめだ、郁己…自分を大事にしないと。郁己が俺の事を大切ってさっき言ってくれた。嬉しかったよ。だけど、俺も郁己の事大切なんだ。だからさ…」
「うん…わかった」
本当にわかってるのか?こんなに細い身体で…。今までも気になってたけど、朝食をきちんと食べるから食べても肥らない体質なのかと思ってた。
「ちゃんと、食べてるよ?心配性だな」
「もうちょっと、肉がついてた方が良い。あんまり細いと壊してしまいそうだ」
「…っ…もう」
「だって、そうだろ」
抱きついて顔を隠すけど、膝の上に居るんだ、赤く染まる首筋は俺を誘ってるみたい。つうっと指を首に這わすと息を飲むのがわかる。
「んっ…やっ…俊一さん。行けなくなる」
「そうだな。もう時間か?送って行くよ」
「直ぐそこだよ?」
「送りたいんだ。いいだろ?」
構いたいんだ。
もう花びらは落ちては来ない。
ひらひらと落ちてくるのは綺麗な花だった。
綺麗な花は大きな波紋を描く。
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