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第七章
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「兄さん、雰囲気変わったね」
「そうか?年取っただけだよ」
「違うよ。そうだな…柔らかくなった。だから義父さんと母さんの事言おうと思ったんだ」
「なんだよ、それ…」
「だって、今までどこかよそよそしいって感じしたし、俺には会いたくないのかなって思ってた。兄さんは俺たちがいたから寂しい思いしただろ?だから、憎まれてるのかなって…」
「まあ、疎外感はあったけど、憎んでなんかないよ」
俺も今は幸せだからな。
そりゃ、今は会えないから寂しくはあるけどあと少し。今は九月だからあと半年。
「あっ!ほら、今の顔とか」
「えっ?どんな顔だよ。おかしな奴だな?」
「兄さん、恋人がいるんだ?」
「なんで、そうなる?」
「今、思い浮かべただろ?それに、今までなら素直に自分の気持ち俺に言ったことなかった」
「そうかな?」
そうかもしれない。
知られてはいけない気持ちを抱えて、ぎこちない会話だったのだろう。
「四月になったら会わせるよ」
「やっぱり!でもなんで四月?半年も先じゃん」
「今は俺も会えないんだ」
「なんだ、遠恋か。きついよね…遠恋。俺も前の彼女、遠恋でダメになったから」
「そうなのか?」
「うん。でも、なんか幸せそう」
「今、受験生なんだ。勉強頑張ってると思う」
「えっ!?今、高校生?」
「ばっ、声大きい」
口を押さえ、次の言葉を探してる。
言わなくても良かったんだ。もしかしたら、そのことが原因でまた、会えなくなるかもしれない。
けど、郁己の事はきっちりしたかった。
「男子高校生なんだ」
「えっ!?」
大きな声を出すから睨むと、口に手を当て目を瞠る。そりゃ、驚くだろう。高校生と言うだけでもあの驚きようだったんだ。
やっぱり、会いたくはないかな…。
もう、俺にも会ってはくれないかもしれない。結婚式の招待状も届かないだろう。
仕方ない。
俺は郁己を取ったんだ。
「何、いきなりカミングアウトしてるんだよ…」
先程とは違い、小さな声で言う。
「黙ってても良かったんだけどな…ケジメだ。悪かったな。せっかく、親父たちのところに誘ってくれたのに」
やはり、気分の良いものではないだろう。あまり、一緒に居たくないかもしれない。言うことは言ったし、郁己を待つ俺の部屋に帰ろう。
「じゃあ…、悪かったな。幸せになれよ」
「ちょ…待ってよ」
慌てて引き止める。少し睨んで、でも、困ったような顔をする。
「なんだよ…それ。もう二度と会いません!みたいな捨て台詞」
もう一度、椅子に座り拓真を見ると怒ってはいるけど、それは男の恋人がいることにではなく最後に言った言葉の方だった。
「驚くだろう?普通…。でもさ俊一兄さんが選んだ人だから…会ってみたい。遠恋、物ともしないくらい愛しちゃってるってことだろ?」
認めてくれたのか?
「そうだな…今は連絡も取れないんだ」
「なんだよ…それ。大丈夫なの?」
「ああ、信じてる」
「凄いな…」
「そうか?」
「そうだよ…電話もできないのか?」
「ああ、携帯の電源入れてないって」
「そか…でも、なんか信頼し合ってるって感じなのかな?羨ましいよ」
拓真とは親父たちのところへ行くことと、お互いの恋人を紹介し合うことを約束して別れた。
「そうか?年取っただけだよ」
「違うよ。そうだな…柔らかくなった。だから義父さんと母さんの事言おうと思ったんだ」
「なんだよ、それ…」
「だって、今までどこかよそよそしいって感じしたし、俺には会いたくないのかなって思ってた。兄さんは俺たちがいたから寂しい思いしただろ?だから、憎まれてるのかなって…」
「まあ、疎外感はあったけど、憎んでなんかないよ」
俺も今は幸せだからな。
そりゃ、今は会えないから寂しくはあるけどあと少し。今は九月だからあと半年。
「あっ!ほら、今の顔とか」
「えっ?どんな顔だよ。おかしな奴だな?」
「兄さん、恋人がいるんだ?」
「なんで、そうなる?」
「今、思い浮かべただろ?それに、今までなら素直に自分の気持ち俺に言ったことなかった」
「そうかな?」
そうかもしれない。
知られてはいけない気持ちを抱えて、ぎこちない会話だったのだろう。
「四月になったら会わせるよ」
「やっぱり!でもなんで四月?半年も先じゃん」
「今は俺も会えないんだ」
「なんだ、遠恋か。きついよね…遠恋。俺も前の彼女、遠恋でダメになったから」
「そうなのか?」
「うん。でも、なんか幸せそう」
「今、受験生なんだ。勉強頑張ってると思う」
「えっ!?今、高校生?」
「ばっ、声大きい」
口を押さえ、次の言葉を探してる。
言わなくても良かったんだ。もしかしたら、そのことが原因でまた、会えなくなるかもしれない。
けど、郁己の事はきっちりしたかった。
「男子高校生なんだ」
「えっ!?」
大きな声を出すから睨むと、口に手を当て目を瞠る。そりゃ、驚くだろう。高校生と言うだけでもあの驚きようだったんだ。
やっぱり、会いたくはないかな…。
もう、俺にも会ってはくれないかもしれない。結婚式の招待状も届かないだろう。
仕方ない。
俺は郁己を取ったんだ。
「何、いきなりカミングアウトしてるんだよ…」
先程とは違い、小さな声で言う。
「黙ってても良かったんだけどな…ケジメだ。悪かったな。せっかく、親父たちのところに誘ってくれたのに」
やはり、気分の良いものではないだろう。あまり、一緒に居たくないかもしれない。言うことは言ったし、郁己を待つ俺の部屋に帰ろう。
「じゃあ…、悪かったな。幸せになれよ」
「ちょ…待ってよ」
慌てて引き止める。少し睨んで、でも、困ったような顔をする。
「なんだよ…それ。もう二度と会いません!みたいな捨て台詞」
もう一度、椅子に座り拓真を見ると怒ってはいるけど、それは男の恋人がいることにではなく最後に言った言葉の方だった。
「驚くだろう?普通…。でもさ俊一兄さんが選んだ人だから…会ってみたい。遠恋、物ともしないくらい愛しちゃってるってことだろ?」
認めてくれたのか?
「そうだな…今は連絡も取れないんだ」
「なんだよ…それ。大丈夫なの?」
「ああ、信じてる」
「凄いな…」
「そうか?」
「そうだよ…電話もできないのか?」
「ああ、携帯の電源入れてないって」
「そか…でも、なんか信頼し合ってるって感じなのかな?羨ましいよ」
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