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everyday!
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しおりを挟むあまりにも美しい腹筋にすでにスマホを掲げていたおれは写真を収めた。サクラ姉さんがこっちを見ていたので後で送りますとグッジョブサイン。ピースが返ってきたので交渉成立した。
それに気付いた桃花が時が止まったように真顔になる。そのあとはあっという間に顔が赤くなっていった。
「まさか、今撮りました……?」
「……えへ?」
「け、消してください!」
優を盾に舌を出して断固保存派の抗議。すでにサクラ姉さんは味方なので審議は秋と優にお任せだ。
「うーん、あの腹筋はずるいよな」
「唯の前に出した時点で決まった運命」
「「唯の無罪」」
「そんな!」
よっぽど恥ずかしいのか耳まで赤くなった。ああ、桃花可愛いかもしれない。優の肩に顎を乗せてお願いのポーズ。
「顔撮ってないから誰かわかんないし、敬語もちゃんととったよ!ねえ桃花、だめ?」
「……その対価って」
がっくりと肩を落として桃花は諦めたようだ。何故だかサクラ姉さんはおれたちのやりとりをいつの間にか録画していたので、勝利の栄光をついで録画してもらおうとピースを向けた。
「もう仲良くなってるし」
瑠衣先輩が笑いながらおれ達の輪の中に入ってきた。ずっと縮こまってやりとりしていたのでそこでやっと立ち上がる。秋が猫のように伸びをしながら桃花の腹筋を褒め始めた。
「桃花さんの腹筋やばいっすよ!瑠衣先輩」
「んー?みんな腹筋あるんじゃね?」
「うわあ……」
さらっと腹筋見せてくれた瑠衣先輩のまた綺麗な筋肉なこと、しなやかさと弾力、見事な凹凸。秋が思わずつつくと瑠衣先輩がイヤーんとふざけて身をよじった。
「てことはここにいる人みんな……」
おれの目が光ったのを感じたのか、ちょっと戸惑いながらも見せてくれる。思わず氷怜先輩から確認してしまったことを許してほしい。
「ひ、氷怜先輩……」
「ん?」
1.2.3.4.……8パック 。
先輩達の中でも1番身長もあるので納得だ。逆三角形のきれいな身体。まぶしい、眩しすぎる。おれの彼氏眩しい。ちゃんと写メを忘れない。サクラ姉さん、その回したままの動画下さい。グッジョブがきたので今度はおれがピースサイン。
「赤羽と俺は結構体格似てるから……」
暮刃先輩と赤羽さんは少し骨っぽさを残した限りなく余計な脂肪を落とした筋肉。元々細身な身体つきにしっかりとした凹凸がアンバランスなのに最高に色気がある。
式もなんだかんだというべきか、さすがというべきか、かなり絞られていた。みんな着痩せするとかいそうではなく、素早く動くとかそちらの筋肉を重視しているために細身が多いのだろうか。
何だここ、本当にあの不良グループの巣なの。筋肉美の宝庫なのではないか。
「人にばっかり腹見せてねぇでお前らも見せたらどうだ?」
「ん?いいっすよ」
氷怜先輩がそういうので秋がお腹を見せた。秋はとても平均的だ。式がお、と声を上げペシン叩いた。
「ちょっと筋入ってんじゃん」
「平均的なんで!」
「でも細いネェ……」
瑠衣先輩が心配になったのか、何故か飴をくれたので秋はおとなしく舐めている。甘いものたべてどうにかなるとはおもえない。
「何でみんな恥ずかしくないんですか……」
いままであっけにとられていた桃花が納得いかない顔をする。あんなに素晴らしいものを恥ずかしいがるのも不思議だが。
「先輩達はわかりませんけど、俺らそういう羞恥心は唯のせいで無くしました」
「またおれせいにした!」
ぎゃあぎゃあ言いながらもお腹を出す。
「優また痩せた?」
「唯も痩せたよ」
お互いのお腹見て目視で測定。秋が相変わらずだなぁと摘んできた横で式が引きつった顔をしている。
「……いやいやお前らウエスト細すぎだろ」
「「そう?」」
男子にしては細いとは思う。優はダイエット好きだし、おれは女の子のためのくびれ研究の成果かもしれない。
「ほっせえなぁ食ってんのか」
氷怜先輩に子供を高い高いするように持ち上げられた。特に力んだ様子もない。え、凄くね?
「軽……」
「意外と運動はしてるんですけどねぇ」
「うわっ」
「あ、本当だ軽い」
優も同じように暮刃先輩に持ち上げられている。さらっと持ち上げれ優もおれもお互い手がだらんとしてお人形のようで面白い。
「大人版高い高い!」
「ぷっちょっとこれ滑稽……暮刃先輩、高い、ちょっと怖いです」
「ああ、ごめんね」
フワッと下ろしてもらい、ありがとうございますとにっこり笑った優に暮刃先輩も同じような笑みを返す。なんだかこの平和な時間久しぶりで、楽しくて、だんだん笑いがこみ上げてきた。
「何笑ってんだ唯斗」
「楽しいなぁって……」
そうかよ、と笑顔を返されたのでやっぱり今日は楽しい。
その間もサクラ姉さんの録画は止まっていなかった。
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