sweet!!

仔犬

文字の大きさ
59 / 378
fight!

1

しおりを挟む

眠気でぼんやりと秋と瑠衣先輩のやり取りを眺めていると、秋はお兄ちゃんみたいなのに、まるで世話してやってると言う雰囲気の瑠衣先輩に気付いた。こちらからすると2人とも微笑ましい限り。唯同様、個人的にこの2人も面白いのだが先輩がいる場で言う訳にはいかない。

俺はどうなのだろう。眠気でぼんやりしてて今日は頭の動きがいまいち遅い。


「眠たそう」

さらりと頰を撫でられて気持ちよくて目が閉じそうだ。
目の前でにっこりと微笑んだ暮刃先輩の視線が俺よりも後ろを捉えた。


「あの!」

ここにいると色んな人に声かけられるなぁと実感しながらも後ろを向いた。
またしても上から大勢が見下ろしている。


「お前らネロの……」

式の言葉で気づく、ネロの彼らはまだこの場になれていないのか佇まいが些か遠慮気味なのだ。

「どうかした?桃花なら向こうで話してたけど……」

「暮刃さん、こいつらが自分たちもお礼がしたいって」

団体の後ろから桃花さんがひょっこり出てきた。彼もまた少し申し訳なさそうに前に出てくる。

なんだかチームによって人間の特色が全く違う。桃花さん達のチームは見た目も派手な人は少なく、なんなら本当に不良なのか?と言うほど礼儀正しい人もいる。


「良いのに別にー、オレは今日の方が楽しみダシ?」

「本当に気にしないでくれ、君たちが入ってくれて嬉しいし」


トップの2人の言葉に安心したのか全員の雰囲気が和らいだ。桃花さんが守りたいって言っていた理由がよくわかるほどなんだか可愛い。俺が思うのもおかしな話だが。


「あ、あと、唯斗さんにもお礼がしたくて」

「唯なら……」


二階に顔を向けたが今2人を邪魔して良いものか。暮刃先輩に視線を向ければ彼もまた困った顔。秋が面白そうに俺にこそっと話す。

「どうする?2人があられもないことになってたら」

「どうもこうも……唯のカテゴリにエロいが加わる」

「ぶは!」


聞こえてしまった瑠衣先輩が笑い出した。相変わらずツボが浅いのか、すでにお腹が痛そうだ。


「2人とも何言ってくれちゃってんの……」

「あ、唯」


顔を真っ赤にした唯が氷怜先輩と立っていた。

「よく聞こえたな今の会話……」


苦笑気味の氷怜先輩が唯の頭を撫でた。2人ともなんだかスッキリした顔をしていたので、なんとなく唯の家庭環境を話したのかなと頭をよぎる。ああいうのは本人から聞いた方が良いよね。

ひとしきり笑った瑠衣先輩が意地悪そうにこう聞くのだ。


「ラブラブ出来たー?」

「ラブラブはしましたけど!」


したのかい。そこさらっと言ったら意味なくない?瑠衣先輩が何故か首を傾げた。

「え、この短時間で?」

「……なんもしてねぇよ、膝に乗せてただけだ」

この会話の意味に唯は一応気がついたらしい。すぐに真っ赤になると再び笑って転げ回る瑠衣先輩に、呆れたように笑う暮刃先輩。


「あ、でもぎゅーはしてもらいましたよ!」

唯が何故それを申告したのか、唯にとってぎゅーは別に恥ずかしく無いからだと俺と秋には分かる。
そんな事は知らない式はこれでもかと眉間にしわを寄せた。

わかるよ式、唯ってやっぱ頭おかしい。
そこ含めて好きだけどさとは言ってあげない。





しおりを挟む
感想 182

あなたにおすすめの小説

私の庇護欲を掻き立てるのです

まめ
BL
ぼんやりとした受けが、よく分からないうちに攻めに囲われていく話。

とあるΩ達の試練

如月圭
BL
 吉住クレハは私立成城学園に通う中学三年生の男のオメガだった。同じ学園に通う男のオメガの月城真とは、転校して初めてできた同じオメガの友達だった。そんな真には、番のアルファが居て、クレハはうらやましいと思う。しかし、ベータの女子にとある事で目をつけられてしまい……。  この話はフィクションです。更新は、不定期です。

アイドルくん、俺の前では生活能力ゼロの甘えん坊でした。~俺の住み込みバイト先は後輩の高校生アイドルくんでした。

天音ねる(旧:えんとっぷ)
BL
家計を助けるため、住み込み家政婦バイトを始めた高校生・桜井智也。豪邸の家主は、寝癖頭によれよれTシャツの青年…と思いきや、その正体は学校の後輩でキラキラ王子様アイドル・橘圭吾だった!? 学校では完璧、家では生活能力ゼロ。そんな圭吾のギャップに振り回されながらも、世話を焼く日々にやりがいを感じる智也。 ステージの上では完璧な王子様なのに、家ではカップ麺すら作れない究極のポンコツ男子。 智也の作る温かい手料理に胃袋を掴まれた圭吾は、次第に心を許し、子犬のように懐いてくる。 「先輩、お腹すいた」「どこにも行かないで」 無防備な素顔と時折見せる寂しげな表情に、智也の心は絆されていく。 住む世界が違うはずの二人。秘密の契約から始まる、甘くて美味しい青春ラブストーリー!

百合豚、男子校に入る。

BL
百合をこよなく愛する男子高校生・眞辺恵。 母の歪んだ価値観により共学への進学を断たれ、彼が入学させられたのは―― 男同士の恋愛が“文化”として成立している、全寮制男子校《私立瑞嶺学園》だった。 この学園では、生徒会長は「抱かれたいランキング」で選ばれ、美貌こそが正義とされる世界。 それでも眞辺は決意する。 生徒会長になり、この学校を“共学”に変え、間近で百合を拝むことを。 立ちはだかるのは、顔面至上主義の学園制度、性に奔放すぎるイケメンな幼馴染、そして彼らに憧れ恋をする生徒たち。 さらに何故か、学園の人気者たちに次々と目をつけられてしまい――。 百合を拝むため男子校を変えようとする異端者が、歪んだ王道学園を改革する物語。

人気アイドルが義理の兄になりまして

BL
柚木(ゆずき)雪都(ゆきと)はごくごく普通の高校一年生。ある日、人気アイドル『Shiny Boys』のリーダー・碧(あおい)と義理の兄弟となり……?

お兄ちゃんができた!!

くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。 お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。 「悠くんはえらい子だね。」 「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」 「ふふ、かわいいね。」 律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡ 「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」 ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。

日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが

五右衛門
BL
 月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。  しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──

【完結】口遊むのはいつもブルージー 〜双子の兄に惚れている後輩から、弟の俺が迫られています〜

星寝むぎ
BL
お気に入りやハートを押してくださって本当にありがとうございます! 心から嬉しいです( ; ; ) ――ただ幸せを願うことが美しい愛なら、これはみっともない恋だ―― “隠しごとありの年下イケメン攻め×双子の兄に劣等感を持つ年上受け” 音楽が好きで、SNSにひっそりと歌ってみた動画を投稿している桃輔。ある日、新入生から唐突な告白を受ける。学校説明会の時に一目惚れされたらしいが、出席した覚えはない。なるほど双子の兄のことか。人違いだと一蹴したが、その新入生・瀬名はめげずに毎日桃輔の元へやってくる。 イタズラ心で兄のことを隠した桃輔は、次第に瀬名と過ごす時間が楽しくなっていく――

処理中です...