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Peace!
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しおりを挟むいよいよ拉致監禁めいてきた待遇だが、いたって部屋の中は平和である。
なぜならこの部屋は居心地も良くてトイレにお風呂も完備。寝ている見目麗しい先輩達になんの苦痛もなければ、なんなら癒されるし天国に近い。
暮刃先輩の横で優が呟いた。
「アニマルセラピーって言ってもそもそも寝てるし」
「起こすのもなぁ」
うなずくおれと秋。
まさしくぐっすり寝ている先輩達を横目にそっとソファに座って空気だけを喉に通してひそひそと話す。
「まあ、静かーに遊んでよ」
「そうしよう」
いつかの日のように3人でソファに座ってさてどうするかとなった時、今日の出れていない午前の授業分のノートを式が貸してくれたのを思い出す。
「これ写しちゃって帰るまでに返しちゃお」
「あ、たしかに唯が終わるまでは……うーん、腹筋でもするか」
昨日できなかったし、と付け足した秋の日課は毎日のダンスの練習と腹筋背筋ジョギングである。
「俺もやる……」
1人だとやらないけど2人だとやる気になるから優は秋がやってる時に参加するのだ。最初だけちょっと嫌そうに自分から参加するところが優の可愛いところ。でもそれ以上に太りたくないという乙女心はよく分かる。
大理石のようなテーブルに開いたノートは綺麗で見やすい。式の字がこれまた綺麗だからだ。
床ですでに腹筋を始めた秋の足を優が抑えて指で数を数え始めた。後で交代してやるはずだからおれも終わったら参加しよ。
その時控えめにドアがノックされ、鍵が開いた。少しだけ開いたドアから式の声がする。
「お楽しみ中か……?」
少し離れたドアなので叫ぶわけにもいかず立ち上がろうとする前にあまりにも静かだったためかその顔がひょっこりと出てくる。
「何やってんだお前ら色気ねぇな」
「アニマルセラピーに色気いる?」
おれがドアの前まで行くと、式はテーブルに広げたノートと秋と優が筋トレしていることに呆れたようだ。
「だって起こしたら可哀想だし」
「まあ、そんなことだろうと思ったからほら」
廊下に出れば式の手にはいつの間にやら美味しそうな食べ物に定番のハッピードリンク。今晩も豪華ディナーになりそうだ。
「わお、美味しそう~」
「起きたら赤羽さんが呼んでくれって言ってた……あの人あの頭のやつつけたまま下のフロアにいるから騒ついてて……」
赤羽さん心ゆくまで楽しんでるな。今日は下にチームの人しかいないって赤羽さん言ってたしそれは騒つくだろう。それにしてもここクラブなのに貸切ばっかりで大丈夫なのだろうか。
おれにはおどうしようもない悩みなのでとりあえずご飯を受け取る。
「式も食べる?」
「先輩達起きて呼ばれたら行くわ。今ちょっと色々教えてもらってて……」
「忙しいのねぇ」
おれの言葉に式にしては珍しく言葉を濁した。首をかしげると恥ずかしそうにそっぽ向きながらも話してくれる。
「今……俺の下につくってやつが出てきてるから幹部の人たちに流れ教えてもらってんだわ」
「え、なにそれすごくない?えーと……昇進?」
「そんな感じ」
料理のせいで抱きつけないけどめちゃくちゃ感動。友達の功績はおれの幸せ。思わず上がった口角で祝福した。
「おめでとう!式!」
「ん……さんきゅ」
目も見てくれないけど頰をかきながらもお礼言う式、とても可愛げあります。手が塞がったおれの代わりにドアを開けてくれるとまたもや同じポーズで言い放つ。
「……ちゃんと起きた時にアニマルセラピーしろよ!」
照れ隠しなのはわかるんだけど、やっぱり鍵閉めて行くんだね式くん。
料理持って帰ってきたおれに優が小さな声でエサもらった気分……と言ったらベッドからぶくくっと笑い声が起きた。
「あ、瑠衣先輩起きてるじゃん」
秋の声に猫みたいな伸びをして美男子が笑った。
「おはよ?」
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