114 / 378
hello!
3
しおりを挟む
「さすが椎名さん。ぶっ飛んでるなぁ」
「息子のおれもびっくりだわ」
戻ってきたおれが1人だったことに首を傾げた優と秋に説明したら感慨深そうに頷いた。
接客していた春さんが戻ってくると優しげな笑顔でもう大丈夫なの?とお優しい気遣い。
「母さんなら先輩をさらってお茶に行きましたよ」
「……君のお母さんと氷怜君ってまさか」
「いや氷怜先輩はおれの彼氏です」
「わあ、そうなんだね。おめでとう」
思わずさらっと報告してしまったおれに、春さんがマイナスイオン出してにっこり微笑むので釣られてにやける。ツッコミ不在のため、秋が思わず横からツッコミを入れた。
「え、春さんそれだけ?!」
「ん?何が?」
「何がというか」
秋と優はおれのせいで慣れているけど確かに春さんの恋愛対象は女の人のはずだ。おれたちの気持ちを悟ったのかちゃんとそれに答えてくれた。
「俺はみんなが幸せなら何も反対する理由がないよ」
後ろにお花が見えるほど癒しの笑顔でそう言われてしまってはおれ達三人は拝むしかない。春さん、愛してます。
あ、と優が話し出す。
「実は俺も暮刃先輩と付き合ってて……」
「そうなんだね、最近みんな色っぽくなったなぁって思ってたところ」
最終兵器のウィンクが炸裂。今日もお仕事頑張ります。
秋が茶化すように話し出した。
「すっかりカップルばかりですよ」
「色っぽくなったのは秋裕もだけどね」
「俺もかー」
あちゃーとばかりにふざけた秋にふふっと笑って春さんは手を合わせた。
「さてそろそろピークも終わるから、もうひと頑張りしようか」
「はい!」
敬礼のポーズが寸分の狂いもなく決まるおれたち今日もいいトリオだ。
すぐに持ち場に戻ったおれたちは先輩のことを時より考えながらも結局クローズまで忙しく走り回っているうちに時間は経っていた。エプロンを取った頃にはお腹もぺっこり。
「うん、今日もお疲れ様みんな」
「はわ~お疲れ様です~」
どんなに疲れていても春さんが穏やかさを崩すところは一度も見たことがない。おれたちが片付けを手伝っていると春さんが茶葉の入った包みを持ってきた。書かれている文字はルイボスティーだ。
「もう片付けも大丈夫だよ。ありがとうね。これよかったら持って帰って飲んでみて、新しいやつ」
そう言われて受け取れば春さんが椎名さんにも宜しくねと伝言をもらう。春さんこういうところが女性にモテてやまないのだが、きっと春さんは気付いていない。
「ありがとうございます!」
「わーい!お土産だー!」
「椎名さんと言えば、氷怜先輩から連絡あった?」
優の言葉にそこでハッと思い出し携帯を開いた。あれから5時間は経っている。点けた画面は通知が数件。氷怜先輩からは来ていなかった。バイトの時間を教えていたので今日来てくれたわけだから、連絡しても意味がない事は分かっているはず。
予定を狂わせてしまってないだろうか。他の一件に母さんを見つける。
「えーと…………さすが私の息子、いい人捕まえてちゃってこのやろう☆…………口悪いよ椎名…………」
「突っ込むとこそこじゃなくない?」
「まあでも椎名さんも大賛成って事で……」
しかもこの返信は数十分前にきている。
は、もしや連れ回したのだろうか………?
「あ、先輩だ」
ちょうど開いたままのスマホに新たに連絡が来た。
秋と優が一緒になって覗き込む。
「…………プリクラ撮った」
「ぶっ」
秋と優は吹き出したが、家に着いたら速攻で氷怜先輩に謝罪の電話をすると決めた。あと、おれも先輩とプリクラ撮りたいんだけど椎名さん。
「息子のおれもびっくりだわ」
戻ってきたおれが1人だったことに首を傾げた優と秋に説明したら感慨深そうに頷いた。
接客していた春さんが戻ってくると優しげな笑顔でもう大丈夫なの?とお優しい気遣い。
「母さんなら先輩をさらってお茶に行きましたよ」
「……君のお母さんと氷怜君ってまさか」
「いや氷怜先輩はおれの彼氏です」
「わあ、そうなんだね。おめでとう」
思わずさらっと報告してしまったおれに、春さんがマイナスイオン出してにっこり微笑むので釣られてにやける。ツッコミ不在のため、秋が思わず横からツッコミを入れた。
「え、春さんそれだけ?!」
「ん?何が?」
「何がというか」
秋と優はおれのせいで慣れているけど確かに春さんの恋愛対象は女の人のはずだ。おれたちの気持ちを悟ったのかちゃんとそれに答えてくれた。
「俺はみんなが幸せなら何も反対する理由がないよ」
後ろにお花が見えるほど癒しの笑顔でそう言われてしまってはおれ達三人は拝むしかない。春さん、愛してます。
あ、と優が話し出す。
「実は俺も暮刃先輩と付き合ってて……」
「そうなんだね、最近みんな色っぽくなったなぁって思ってたところ」
最終兵器のウィンクが炸裂。今日もお仕事頑張ります。
秋が茶化すように話し出した。
「すっかりカップルばかりですよ」
「色っぽくなったのは秋裕もだけどね」
「俺もかー」
あちゃーとばかりにふざけた秋にふふっと笑って春さんは手を合わせた。
「さてそろそろピークも終わるから、もうひと頑張りしようか」
「はい!」
敬礼のポーズが寸分の狂いもなく決まるおれたち今日もいいトリオだ。
すぐに持ち場に戻ったおれたちは先輩のことを時より考えながらも結局クローズまで忙しく走り回っているうちに時間は経っていた。エプロンを取った頃にはお腹もぺっこり。
「うん、今日もお疲れ様みんな」
「はわ~お疲れ様です~」
どんなに疲れていても春さんが穏やかさを崩すところは一度も見たことがない。おれたちが片付けを手伝っていると春さんが茶葉の入った包みを持ってきた。書かれている文字はルイボスティーだ。
「もう片付けも大丈夫だよ。ありがとうね。これよかったら持って帰って飲んでみて、新しいやつ」
そう言われて受け取れば春さんが椎名さんにも宜しくねと伝言をもらう。春さんこういうところが女性にモテてやまないのだが、きっと春さんは気付いていない。
「ありがとうございます!」
「わーい!お土産だー!」
「椎名さんと言えば、氷怜先輩から連絡あった?」
優の言葉にそこでハッと思い出し携帯を開いた。あれから5時間は経っている。点けた画面は通知が数件。氷怜先輩からは来ていなかった。バイトの時間を教えていたので今日来てくれたわけだから、連絡しても意味がない事は分かっているはず。
予定を狂わせてしまってないだろうか。他の一件に母さんを見つける。
「えーと…………さすが私の息子、いい人捕まえてちゃってこのやろう☆…………口悪いよ椎名…………」
「突っ込むとこそこじゃなくない?」
「まあでも椎名さんも大賛成って事で……」
しかもこの返信は数十分前にきている。
は、もしや連れ回したのだろうか………?
「あ、先輩だ」
ちょうど開いたままのスマホに新たに連絡が来た。
秋と優が一緒になって覗き込む。
「…………プリクラ撮った」
「ぶっ」
秋と優は吹き出したが、家に着いたら速攻で氷怜先輩に謝罪の電話をすると決めた。あと、おれも先輩とプリクラ撮りたいんだけど椎名さん。
50
あなたにおすすめの小説
とあるΩ達の試練
如月圭
BL
吉住クレハは私立成城学園に通う中学三年生の男のオメガだった。同じ学園に通う男のオメガの月城真とは、転校して初めてできた同じオメガの友達だった。そんな真には、番のアルファが居て、クレハはうらやましいと思う。しかし、ベータの女子にとある事で目をつけられてしまい……。
この話はフィクションです。更新は、不定期です。
お兄ちゃんができた!!
くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。
お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。
「悠くんはえらい子だね。」
「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」
「ふふ、かわいいね。」
律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡
「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」
ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。
百合豚、男子校に入る。
揺
BL
百合をこよなく愛する男子高校生・眞辺恵。
母の歪んだ価値観により共学への進学を断たれ、彼が入学させられたのは――
男同士の恋愛が“文化”として成立している、全寮制男子校《私立瑞嶺学園》だった。
この学園では、生徒会長は「抱かれたいランキング」で選ばれ、美貌こそが正義とされる世界。
それでも眞辺は決意する。
生徒会長になり、この学校を“共学”に変え、間近で百合を拝むことを。
立ちはだかるのは、顔面至上主義の学園制度、性に奔放すぎるイケメンな幼馴染、そして彼らに憧れ恋をする生徒たち。
さらに何故か、学園の人気者たちに次々と目をつけられてしまい――。
百合を拝むため男子校を変えようとする異端者が、歪んだ王道学園を改革する物語。
アイドルくん、俺の前では生活能力ゼロの甘えん坊でした。~俺の住み込みバイト先は後輩の高校生アイドルくんでした。
天音ねる(旧:えんとっぷ)
BL
家計を助けるため、住み込み家政婦バイトを始めた高校生・桜井智也。豪邸の家主は、寝癖頭によれよれTシャツの青年…と思いきや、その正体は学校の後輩でキラキラ王子様アイドル・橘圭吾だった!?
学校では完璧、家では生活能力ゼロ。そんな圭吾のギャップに振り回されながらも、世話を焼く日々にやりがいを感じる智也。
ステージの上では完璧な王子様なのに、家ではカップ麺すら作れない究極のポンコツ男子。
智也の作る温かい手料理に胃袋を掴まれた圭吾は、次第に心を許し、子犬のように懐いてくる。
「先輩、お腹すいた」「どこにも行かないで」
無防備な素顔と時折見せる寂しげな表情に、智也の心は絆されていく。
住む世界が違うはずの二人。秘密の契約から始まる、甘くて美味しい青春ラブストーリー!
【完結】我が兄は生徒会長である!
tomoe97
BL
冷徹•無表情•無愛想だけど眉目秀麗、成績優秀、運動神経まで抜群(噂)の学園一の美男子こと生徒会長・葉山凌。
名門私立、全寮制男子校の生徒会長というだけあって色んな意味で生徒から一目も二目も置かれる存在。
そんな彼には「推し」がいる。
それは風紀委員長の神城修哉。彼は誰にでも人当たりがよく、仕事も早い。喧嘩の現場を抑えることもあるので腕っぷしもつよい。
実は生徒会長・葉山凌はコミュ症でビジュアルと家柄、風格だけでここまで上り詰めた、エセカリスマ。実際はメソメソ泣いてばかりなので、本物のカリスマに憧れている。
終始彼の弟である生徒会補佐の観察記録調で語る、推し活と片思いの間で揺れる青春恋模様。
本編完結。番外編(after story)でその後の話や過去話などを描いてます。
(番外編、after storyで生徒会補佐✖️転校生有。可愛い美少年✖️高身長爽やか男子の話です)
とある金持ち学園に通う脇役の日常~フラグより飯をくれ~
無月陸兎
BL
山奥にある全寮制男子校、桜白峰学園。食べ物目当てで入学した主人公は、学園の権力者『REGAL4』の一人、一条貴春の不興を買い、学園中からハブられることに。美味しい食事さえ楽しめれば問題ないと気にせず過ごしてたが、転入生の扇谷時雨がやってきたことで、彼の日常は波乱に満ちたものとなる──。
自分の親友となった時雨が学園の人気者たちに迫られるのを横目で見つつ、主人公は巻き込まれて恋人のフリをしたり、ゆるく立ちそうな恋愛フラグを避けようと奮闘する物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる