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hello!
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しおりを挟む「氷怜先輩!母がお世話になりました!!」
賄いで夕飯は済ませていたから、お風呂の後にすぐ氷怜先輩に電話をした。電話越しにガバッと頭を下げたおれに氷怜先輩は喉を転がして笑った。
「楽しかったし、お前のことも色々話せたしな。ていうかそっくり過ぎて……」
ついに吹き出した氷怜先輩におれもつられて笑った。そっくりは本当に言われるし自分でもそう思う。ベットに転がって壁際に置いてあるクッションを抱きしめた。電話から聞こえる低い声が心地いい。
「何話したんですか?」
「そうだな……」
答える前にカチリとライターの音が聞こえた。ひと息吸ってまあ、と始まる。
「殆どどれだけお前のこと大好きかっていう話だったよ」
「溺愛ぶりはおれも実感してます……」
「お前がその性格になったのも頷ける」
「え?」
「いい母親だな」
自分の大好きな人が親を褒めてくれるとこんなにも嬉しい事なのか。ニヤニヤしちゃって声まで少し上がってしまった。
「うへへ。自慢の母親です」
「そう思う。今度ちゃんとお前の家行くからその時は3人でな」
「はい!」
先輩さらに改めて来てくれるらしい。本当にあのチームのトップなのかと疑いたくなるほどいい人だ。嬉しいのと愛しいのとで変な声が絞りでた。
「椎名に恋人出来ないか企んでるんですけど、これがなかなか父さんがいい男なだけに」
「あと、今息子より魅力的な人がいないって」
「おれのせいかあーーーーー」
「まあ、良いんじゃねぇ。急いでどうにかなるもんじゃねぇよ」
たしかに、母さんを褒めるのをやめるのは違うような気がする。本当に思ってること、してあげたい事をしてるし、椎名も恋人が欲しくないわけじゃないしね。
氷怜先輩があーと乗り気しない声を出した。
「そういえばサクラのやつはいつになった?」
「あ、来週の金曜日に!」
「了解…………ぜってぇ1人で行くなよ」
「は、はい!」
低くなった氷怜先輩の声にビシッと敬礼のポーズ。
サクラさんからのメイク講座依頼の話だ。結局みんなで行くことになったので、決まったら報告するようにと言われていた。このことに関しては、気を抜かない、報連相を守るを約束させられた。
「でもちょっと楽しみなんですよね新天地!!」
「そこはべつに開かなくていいだろうが……」
綺麗なお姉さんにカッコいいイケメンぞろいとサクラさんから教えられている。そんな人達にメイクできるのかなり嬉しいんだよなぁ。
「まあ、俺もいくから良いけど」
「先輩も居るから余計に楽しみです~」
「ん……」
今多分笑ってる。
彼の顔を見なくてもわかるようになってきた。そうなるとおれもニヤニヤしちゃうけど。
「あ、氷怜先輩……」
「ん?」
「おれもプリクラ撮りたい…………です」
ちょっとむくれてみたおれを氷怜先輩が笑う。
少し声に深みが出ると電話の向こうではニヒルな笑顔に変わったはずだ。
「へえ、珍しいなお前がおねだり言うの」
何と言ったらいいかわからず黙ったおれに甘さを含んだいい声でこう言った。
「もっと言えよそう言うの、可愛いから」
「うわーーーーそう言うこと言う…………」
今ので言いづらくなったんですけど。恥ずかしくてクッションで顔を覆うとまた笑われる。
「そんな照れるか?」
「分かって言ってるくせに……」
「こっちも必死だからな。それに本音しか言ってねぇよ」
「ず、ずるい、畳み掛け禁止!ギブアップ!!」
「はは!!はえーよ」
笑われてもいい、もう穴があったら入りたいって今だよ。幸せで恥ずかしいってこんなにも悶えるものなのか。
それに氷怜先輩から色んな言葉を言われるたびにむず痒くなって、電話越しの今は唐突に芽生える感情があった。
「今そんな事言われたら、死ぬほど会いたくなっちゃうし」
「…………お前の方がズルいわ」
聞こえたのはため息だった。
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