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christmas!!
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しおりを挟む嬉しい誘いに思わず掴みそうになる腕を抑えて氷怜は笑ってみせた。頬を撫でると気持ちよさそうに目を閉じる。
ケーキで気を取られたとは言えまだ唯の雰囲気が完全にいつもと同じかと言われれば氷怜には違って見えた。
形のいい輪郭から幼さと艶やかさを醸す様は氷怜が特にすきなところだ。それだけじゃ無い、目も唇も余す事なく全てに欲が出る。
かと思えばデートに誘った割に瞳は少し眠そうだ。少し脅かしてしまったせいで熱量を使ったのかと、氷怜は唯を促した。
「そろそろ寝るか?」
「え、夜はこれからなのに」
「明日のためだ」
頰を撫でても不満げな唯は足の間ので小さく唸る、わがままと言うよりは氷怜達のルーティーンに合わせようとしているのだ。
大きな目は氷怜に待てを言い渡したせいか吹っ切れたように素直に物を言う。それがたまらなかった。
「ゆーい」
見兼ねた秋が立ち上がり唯を立たせると同じように眠たげな顔で欠伸を噛み殺した。
「ふあ……寝る寝ないにしろお風呂入ろうぜ」
「俺も入ろうかな」
最後に立ち上がった優に一瞬悩みながら、じゃあと唯も頷いた。
「意外とお風呂に入ると眼が覚める時あるもんね……んー……ふあ」
ぐっと背伸びをして最後に秋のあくびが移る。こういう時の仕草は子供のような可愛さがある。大欠伸に小さく笑った優がほらと唯の背中を押していくと首だけを向けて傾げた。
「思えば俺たち手ぶらなんですけど服とかって借りれますか?」
「二階から好きなの取ってこい」
「困らない程度になんでも用意してあるから、好きに使っていいよ」
髪をかきあげて暮刃が笑ったが振り向いた秋が苦笑い。
「これでもう衣食住提供された……」
「おれ、ここではすべてに感謝して生きるよ」
隣で手を合わせて拝む唯に笑いながら3人は二階に続く階段に向かっていく。それを見送り視線を戻すと瑠衣と暮刃が心底楽しげな目で氷怜を見ていたが、当然それに反応する事はなくグラスに残っていたワインを流し込んだ。
「やられた?」
「限界きた?」
「うるせえ」
3人がいなるくなると途端に静けさが訪れ声がよく響く。くすくすと笑いながらも氷怜が取り出したタバコに暮刃が火をつける。
「面白いよ、本当。だってこれだけ氷怜と一緒にいて見たことない顔してるんだから」
「なんですぐお前らは自分を棚に上げて話してんだよ……俺だってお前らの締まりのない顔は初めて見たけどな」
おもちゃ扱いはもうどうでも良くなっている。もともと氷怜自身言い返しはするが大して腹にくるものでもなく、散々小さい頃から2人の曲がった部分は知っていたし同じ年でも弟のようなものだった。
一番末っ子らしい瑠衣が口を尖らせた。
「待ってまで欲しいものなんて無かったし」
楽しければ気持ちがよければどうでもよかった。
それは人も物も同じだ。でもあの3人だけが今までの常識を覆して初めてのことばかりの感情をくれるのだから戸惑いぐらい起きたって仕方がない。
自分たちがこんなに動かされているなんて。
「本当、飽きないな」
2階から聞こえる楽しげな声に小さく笑った氷怜があまりにも穏やかで、暮刃と瑠衣は思わず吹き出した。
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