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しおりを挟むどこまでも心地の良い宮子さんのリズムは威圧されることも無ければすんなりと受け入れられる。自信のある姿は先輩達とはまた違った独特なオーラを醸し出しているのだ。
その先輩達に視線を移すと腰に手を当てた。
「久しぶりだねあんた達は。ご両親は相変わらずかい」
「はい、ご無沙汰しております」
「え?先輩達はお知り合いなんですか?」
頭を下げて握手をする氷怜先輩。いつもなら適度に流しがちな瑠衣先輩も暮刃先輩も親しげに頭を下げる。これだけ受け入れているからよほど信頼しているのではないだろうか。
「業界じゃ有名だからね、宮子さんは」
「アレもコレも何でも見えちゃうって」
「ど、どんな?」
恐る恐る聞いたらにーっとイイ笑顔の瑠衣先輩が答える。な、なぜおれにだけにそんな顔するんだ。
「脅かすもんじゃないよ。だいたいあんた達だって対して変わらないもんだし……」
宮子さんが次に話を進めようとすると桃花が不思議そうに質問する。
「仕事はいいの?」
「少しはこの後手伝うけど、今回は大体を娘に任せたよ。あたしもそろそろ引退の準備をしないといけないねえ」
娘ってつまり桃花のお母様だろうか。絶対美人じゃんそんなの。そんでお父さんも絶対美形じゃん。そんな予感をさせる息子の桃花がボソリとつぶやく。
「未だにお庭を走り回るようなあなたが……?」
「あたしの耳はまだ衰えていないよ桃花」
「耳どころじゃないでしょう」
宮子さん実はかなりのお転婆ですか。年を重ねたからこその美しさを持ちながらやんちゃさんな一面もあるなんて最高でしかない。
見上げる桃花が子供みたいに言い返してるのもその人柄のお陰なのかも。
「それで、俺たちに会いたいと言ったのは」
氷怜先輩が聞くと、宮子さんは否定するように手を振った。
「たいした用はないよ。そんな派手じゃ今日みたいな日はゆっくり遊べないだろうし、正月はいつもうちで宴会をしてるからどうかと思ってね……それにあたしにべったりだった桃花が懐いてると聞いて顔を見たくなったのもある」
そう宮子さんが言うので桃花の手をつついてにやり。
式も同じような顔だ。
「べったりなんだ?」
「…………以前よりはマシになりましたけど」
今さら隠すしたところで意味が無いとむくれたように言う桃花のかわいさよ。宮子さんと同じ顔でも雰囲気は全く違うなぁ。
横で式があの、と手をあげた。
「いいんですか?新年早々お邪魔して」
「身内だけって訳でもないから、いろんな人間が出入りするんだ。だれも気にしないよ。呼びたい人間がいるなら勝手に連れてきて良いからね」
すっと縁側の方へ近づいた宮子さん。自信に溢れる背中を見ていると少し振り返り、凛とした笑顔で言う。
「そろそろ準備ができると思うから、それまでここで好きに過ごすんだね。後で土産話もしてあげられそうだし楽しみにすると良い」
「え?」
聞き返す前に部屋から出てしまう。
寛ぎ出す先輩達と秋達の声に混ざって何処からか鈴の音が聞こえた。
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