222 / 378
new!
12
しおりを挟む「桃花はみんな知ってる?」
「俺でも顔を見たことがある、くらいですね」
広いお座敷は豪華な料理で埋め尽くされ、それ以上に人で賑わっている。誰も彼もが宮子さんに挨拶をして頭を下げ、手を握って恩人だと言う人もいた。
「すごいなぁ宮子さん」
美味しい料理を頂きながらその様子を眺めていると、どれほどの繋がりがある人物なのかよく分かる。宮子さんと話せるのは当分先になりそうだ。
「式も桃花の家はじめてだよね?」
「おう、俺の家にきたことはあるけど」
「え?!俺達も行く!!」
「お前らうるさそうじゃん」
「唯だけだって」
「みんな知ってる?おれ黙る事も出来るって」
「無理だろ……」
「がーん」
「あんまり唯斗さんをいじめなくても……」
「愛故に愛故に」
秋がにやりと笑う。みんなひどいとむくれようと思ったけど、優しい桃花が豪華な料理をひと口食べさせてくれるとそんな事一瞬で吹き飛んだ。
「美味しい~」
「俺おせち料理あんまり好きじゃないけど、桃花のとこは美味いわぁ」
「それは良かった」
秋はおせち料理保存食なイメージがしていやなんだって。おれは見た目も可愛いし視界が華やかで好き。桃花は相変わらずゆっくり食べながら嬉しそうに微笑む。
「俺は栗きんとん派です」
「オレも~」
優がしっかりと味わう横で瑠衣先輩がペロリと平らげる。
なんだかおれだけ美味しいもの食べてるような気がして椎名に連絡したら「ママも美味しいご飯御馳走してもらうのハート」って返事が来たからよしとしよう。
「すごいや、著名人が続々と来てる」
「先輩達もナチュラルに挨拶してますよね……」
「家が家だしな」
先輩達の家って一体……。
そんな疑問が生まれる中、後ろから声がかかった。
「また飲んでるんですか」
「赤羽さん!あけましておめでとうございまーす!
「今年も爽やかに宜しくお願い致します」
駆け寄ったおれたちにくすくすと笑いながら赤羽さんが手を挙げた。また飲んでるのかと聞いた本人もその手には豪華な包みのお酒が握られている。
髪の毛の変化にも似合っていますと爽やかな白い歯を覗かせる。その笑顔は今年も抜かりがない。
「うん、今年も君達らしく宜しくお願いします」
「赤羽さんは着物着ないんですねぇ、残念」
「皆さんの姿が見れるだけで充分ですし……」
言いながら宮子さんにむけて頭を下げた赤羽さん。やっぱり知ってるだなぁ。
「赤羽。悪かったな最後まで」
「いえ、とんでもない。早く抜け出したい瑠衣さんの矛先が俺に向く前で助かりました」
「え?」
にっこりと笑った赤羽さんの言葉にすぐさま瑠衣先輩の方に振り返る。ちょうどグラスを口につけていた瑠衣先輩がキョトンとした顔で残りを全て飲み干した。
「赤羽っち相手してくれるんだったら、もうちょい暴れても良かったカナ」
「なるべく遠慮します」
爽やかにばっさり断っていく赤羽さんに暮刃先輩がくすくすと笑いながら優に白とピンクの甘いお餅を食べさせ話す。
「愛想振りまくの瑠衣は1番ダメだから試合させてたんだけど対等に相手できるの俺か氷怜か赤羽か幹部クラスだけだから試合要員に回るわけにもいかなくてね。見世物としての手合わせになるから物足りないってただこねてた訳」
「2人だってイライラしてたしー」
「お前と違って俺と氷怜はずっと相手してるんだから、それくらいしょうがない。まあ結局俺達向いてないね、あればっかりは」
「今更だろ」
向いてないと言うが微笑みだけで相手を満足させられるのだ。でも式と桃花が苦笑いをしていると言うことは本当に不機嫌だったのではないかと気になるところ。
その会話に赤羽さんが嬉しそうに話し出した。
「唯斗さん達が来てからは余計に顕著ですよね」
「え、なんですかそれ可愛い」
「寂しかったとか?」
「会いたかったとか?」
3人でにやにやしたらデコピンが飛んできた。
28
あなたにおすすめの小説
とあるΩ達の試練
如月圭
BL
吉住クレハは私立成城学園に通う中学三年生の男のオメガだった。同じ学園に通う男のオメガの月城真とは、転校して初めてできた同じオメガの友達だった。そんな真には、番のアルファが居て、クレハはうらやましいと思う。しかし、ベータの女子にとある事で目をつけられてしまい……。
この話はフィクションです。更新は、不定期です。
お兄ちゃんができた!!
くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。
お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。
「悠くんはえらい子だね。」
「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」
「ふふ、かわいいね。」
律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡
「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」
ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。
百合豚、男子校に入る。
揺
BL
百合をこよなく愛する男子高校生・眞辺恵。
母の歪んだ価値観により共学への進学を断たれ、彼が入学させられたのは――
男同士の恋愛が“文化”として成立している、全寮制男子校《私立瑞嶺学園》だった。
この学園では、生徒会長は「抱かれたいランキング」で選ばれ、美貌こそが正義とされる世界。
それでも眞辺は決意する。
生徒会長になり、この学校を“共学”に変え、間近で百合を拝むことを。
立ちはだかるのは、顔面至上主義の学園制度、性に奔放すぎるイケメンな幼馴染、そして彼らに憧れ恋をする生徒たち。
さらに何故か、学園の人気者たちに次々と目をつけられてしまい――。
百合を拝むため男子校を変えようとする異端者が、歪んだ王道学園を改革する物語。
アイドルくん、俺の前では生活能力ゼロの甘えん坊でした。~俺の住み込みバイト先は後輩の高校生アイドルくんでした。
天音ねる(旧:えんとっぷ)
BL
家計を助けるため、住み込み家政婦バイトを始めた高校生・桜井智也。豪邸の家主は、寝癖頭によれよれTシャツの青年…と思いきや、その正体は学校の後輩でキラキラ王子様アイドル・橘圭吾だった!?
学校では完璧、家では生活能力ゼロ。そんな圭吾のギャップに振り回されながらも、世話を焼く日々にやりがいを感じる智也。
ステージの上では完璧な王子様なのに、家ではカップ麺すら作れない究極のポンコツ男子。
智也の作る温かい手料理に胃袋を掴まれた圭吾は、次第に心を許し、子犬のように懐いてくる。
「先輩、お腹すいた」「どこにも行かないで」
無防備な素顔と時折見せる寂しげな表情に、智也の心は絆されていく。
住む世界が違うはずの二人。秘密の契約から始まる、甘くて美味しい青春ラブストーリー!
【完結】我が兄は生徒会長である!
tomoe97
BL
冷徹•無表情•無愛想だけど眉目秀麗、成績優秀、運動神経まで抜群(噂)の学園一の美男子こと生徒会長・葉山凌。
名門私立、全寮制男子校の生徒会長というだけあって色んな意味で生徒から一目も二目も置かれる存在。
そんな彼には「推し」がいる。
それは風紀委員長の神城修哉。彼は誰にでも人当たりがよく、仕事も早い。喧嘩の現場を抑えることもあるので腕っぷしもつよい。
実は生徒会長・葉山凌はコミュ症でビジュアルと家柄、風格だけでここまで上り詰めた、エセカリスマ。実際はメソメソ泣いてばかりなので、本物のカリスマに憧れている。
終始彼の弟である生徒会補佐の観察記録調で語る、推し活と片思いの間で揺れる青春恋模様。
本編完結。番外編(after story)でその後の話や過去話などを描いてます。
(番外編、after storyで生徒会補佐✖️転校生有。可愛い美少年✖️高身長爽やか男子の話です)
とある金持ち学園に通う脇役の日常~フラグより飯をくれ~
無月陸兎
BL
山奥にある全寮制男子校、桜白峰学園。食べ物目当てで入学した主人公は、学園の権力者『REGAL4』の一人、一条貴春の不興を買い、学園中からハブられることに。美味しい食事さえ楽しめれば問題ないと気にせず過ごしてたが、転入生の扇谷時雨がやってきたことで、彼の日常は波乱に満ちたものとなる──。
自分の親友となった時雨が学園の人気者たちに迫られるのを横目で見つつ、主人公は巻き込まれて恋人のフリをしたり、ゆるく立ちそうな恋愛フラグを避けようと奮闘する物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる