349 / 378
misunderstanding!!
3
しおりを挟む
それにしても自分が目的ならまだしも先輩達が目的だと言われてしまうと踏み込んでしまいたくなる。でも相手のヤバさは丸わかりだし下手な事しない方が良さそう。時間稼ぎだよ俺と言い聞かせながらとりあえず持っていた買った洋服達を地面に下ろす。出来れば置きたくないけど最悪置いて行ってもスマホとかよりは困らない。
「……目的はとりあえず俺を捕らえる、ってことね 」
「できれば手荒な事はしないようにするよ」
「捕らえるって時点で手荒でしょう」
俺が荷物を置いて臨戦態勢に入ったのがお気に召したのか相手は口の端をあげる。やっぱりこの人はちょっとあれだ。
男の人は横に流していた前髪に雑に手を入れるとガシガシと崩して行く。ああやっぱり、全然違う。ファッションは俺にとって相手のイメージの具現化だ。
下に来ていたシャツも出しボタンも開ける。髪の毛を後ろに流して綺麗めからカジュアルに変わっていくころには違和感があっという間に無くなった。
こうなると話し方だけが落ち着いていることが逆に怖さを増す。この人の威圧感は李恩とはまた違っていて、いまだにムカつく所もあるが唯のおかげでだいぶ性格を知れたのも大きい。それに麗央のことをよく見ていて尚且つ周りのこともしっかりと見た上で行動するから、認めたくないけどある意味自分に近いものがあるのだ。
考えてみれば李恩は直接的に俺達を傷つけるなんて事をしてこなかった、他の人には知らないけど何はともあれ麗央が信頼しているんだから、そういう事だ。やっぱりまだちょっどムカつく時もあるけど。
でもこの人がやばそう、と思うのは話し方が落ち着いていようが倫理からは外れているのではないかと頭をよぎる雰囲気があるのだ。
「ただ棒立ちで簡単に捕まるつまらないミッションかなって思ってたところでさ、そんなの下の奴らにやらせればいいのにあいつが重要だからって……で嫌々俺が来たけど意外と良い動きするお姫様でよかったよ」
「あいつって誰です」
「気にする所そこ……?お喋りが過ぎたかな」
はいはい、言わないのね。
この男の人が好きに使える人間がいる所に身を置いてるって事ならやっぱりチームの人だろうか。それとももっと上の大人の人も絡んでいるのだろうか。正直、相手の年齢が分からない、先輩達と変わらないように見えるし紫苑さん達に近いような気もする。若く見られる動きと、達観した捻くれた大人のような口調のせいで見た目と雰囲気だけでは年齢を捉えるのが難しい。
そもそも先輩達を狙うチームの人っていまさらいるのだろうか、あんなにも有名で、強いチームに太刀打ちできる人がいるとは思えない。
ああでも神さん才さんたちでこの前出かけた時は他のチームの人が襲ってきたって事は有り得るのか。それでも大きな規模ではないって言ってたし……。
「考え事?余裕だね」
「……いや、警戒してるだけです」
また踏み込んだ事を口出しそうになって唇を噛んで我慢する。せめて自分の身が安全になったら踏み込むべきだよ俺。
ああ、何もしないってもどかしい。
せめて見た目、話し方、クセ、とにかく覚えられるものは覚えておこう。首にホクロ、手首の内側に何かの刺青が見える。
「で?どうするのお姫様は」
「5分……あなたから逃げようかと」
「すごい、意外とやる気だね」
褒めるなら声色も褒める用のものに変えて欲しい。
「何で5分?」
「俺があなたに対抗出来そうな時間、尚且つ、誰かが俺を迎えにくる予想時間です」
「…………へえ」
目が、三日月が真横になったように目尻が下がった。ゾッとするような笑顔に思わず一歩下がる。顔は男の人にしては可愛い。整っていて、二重で唇も小さめで、でも怖い、この人は怖い。
「いや、いやいや。良いね。よっぽど可愛がってもらってるんだね君たち」
笑いを噛み殺したような笑顔でそう言われては流石に口が出てしまう。
「どういう意味ですか」
「だって5分も君だけじゃ正直無理でしょう。5秒の間違いかと、そんな回答するくらい甘やかされてるんだって思うと面白かった。まあ、そうだな。迎えの予想時間は合ってるかも知れない。君は本当に愛されているらしいし」
眉間に皺が入りそうなくらいムカつくを事を言われているが視線をずらす事で一旦深呼吸ができた。もうこういう人なのだろうと受け入れよう。
「……5分は、何も力技で逃げる時間だけを組んでいるわけじゃないので」
「と言うと?」
最初の黙秘は影も形もないくらい相手が喋るので、作戦変更。
やばいのは分かったし、むやみやたらに抵抗しては相手をご機嫌にするだけのようだし、相手の強さゲージなんて見えないけど自分の実力では遊ばれるだけだろう。でも逆に言えば遊んでくれればなんでも好都合。
「ゲーム、しましょう?」
いつかも親友が笑ったように、こういう時は微笑むものだ。
「……目的はとりあえず俺を捕らえる、ってことね 」
「できれば手荒な事はしないようにするよ」
「捕らえるって時点で手荒でしょう」
俺が荷物を置いて臨戦態勢に入ったのがお気に召したのか相手は口の端をあげる。やっぱりこの人はちょっとあれだ。
男の人は横に流していた前髪に雑に手を入れるとガシガシと崩して行く。ああやっぱり、全然違う。ファッションは俺にとって相手のイメージの具現化だ。
下に来ていたシャツも出しボタンも開ける。髪の毛を後ろに流して綺麗めからカジュアルに変わっていくころには違和感があっという間に無くなった。
こうなると話し方だけが落ち着いていることが逆に怖さを増す。この人の威圧感は李恩とはまた違っていて、いまだにムカつく所もあるが唯のおかげでだいぶ性格を知れたのも大きい。それに麗央のことをよく見ていて尚且つ周りのこともしっかりと見た上で行動するから、認めたくないけどある意味自分に近いものがあるのだ。
考えてみれば李恩は直接的に俺達を傷つけるなんて事をしてこなかった、他の人には知らないけど何はともあれ麗央が信頼しているんだから、そういう事だ。やっぱりまだちょっどムカつく時もあるけど。
でもこの人がやばそう、と思うのは話し方が落ち着いていようが倫理からは外れているのではないかと頭をよぎる雰囲気があるのだ。
「ただ棒立ちで簡単に捕まるつまらないミッションかなって思ってたところでさ、そんなの下の奴らにやらせればいいのにあいつが重要だからって……で嫌々俺が来たけど意外と良い動きするお姫様でよかったよ」
「あいつって誰です」
「気にする所そこ……?お喋りが過ぎたかな」
はいはい、言わないのね。
この男の人が好きに使える人間がいる所に身を置いてるって事ならやっぱりチームの人だろうか。それとももっと上の大人の人も絡んでいるのだろうか。正直、相手の年齢が分からない、先輩達と変わらないように見えるし紫苑さん達に近いような気もする。若く見られる動きと、達観した捻くれた大人のような口調のせいで見た目と雰囲気だけでは年齢を捉えるのが難しい。
そもそも先輩達を狙うチームの人っていまさらいるのだろうか、あんなにも有名で、強いチームに太刀打ちできる人がいるとは思えない。
ああでも神さん才さんたちでこの前出かけた時は他のチームの人が襲ってきたって事は有り得るのか。それでも大きな規模ではないって言ってたし……。
「考え事?余裕だね」
「……いや、警戒してるだけです」
また踏み込んだ事を口出しそうになって唇を噛んで我慢する。せめて自分の身が安全になったら踏み込むべきだよ俺。
ああ、何もしないってもどかしい。
せめて見た目、話し方、クセ、とにかく覚えられるものは覚えておこう。首にホクロ、手首の内側に何かの刺青が見える。
「で?どうするのお姫様は」
「5分……あなたから逃げようかと」
「すごい、意外とやる気だね」
褒めるなら声色も褒める用のものに変えて欲しい。
「何で5分?」
「俺があなたに対抗出来そうな時間、尚且つ、誰かが俺を迎えにくる予想時間です」
「…………へえ」
目が、三日月が真横になったように目尻が下がった。ゾッとするような笑顔に思わず一歩下がる。顔は男の人にしては可愛い。整っていて、二重で唇も小さめで、でも怖い、この人は怖い。
「いや、いやいや。良いね。よっぽど可愛がってもらってるんだね君たち」
笑いを噛み殺したような笑顔でそう言われては流石に口が出てしまう。
「どういう意味ですか」
「だって5分も君だけじゃ正直無理でしょう。5秒の間違いかと、そんな回答するくらい甘やかされてるんだって思うと面白かった。まあ、そうだな。迎えの予想時間は合ってるかも知れない。君は本当に愛されているらしいし」
眉間に皺が入りそうなくらいムカつくを事を言われているが視線をずらす事で一旦深呼吸ができた。もうこういう人なのだろうと受け入れよう。
「……5分は、何も力技で逃げる時間だけを組んでいるわけじゃないので」
「と言うと?」
最初の黙秘は影も形もないくらい相手が喋るので、作戦変更。
やばいのは分かったし、むやみやたらに抵抗しては相手をご機嫌にするだけのようだし、相手の強さゲージなんて見えないけど自分の実力では遊ばれるだけだろう。でも逆に言えば遊んでくれればなんでも好都合。
「ゲーム、しましょう?」
いつかも親友が笑ったように、こういう時は微笑むものだ。
23
あなたにおすすめの小説
アイドルくん、俺の前では生活能力ゼロの甘えん坊でした。~俺の住み込みバイト先は後輩の高校生アイドルくんでした。
天音ねる(旧:えんとっぷ)
BL
家計を助けるため、住み込み家政婦バイトを始めた高校生・桜井智也。豪邸の家主は、寝癖頭によれよれTシャツの青年…と思いきや、その正体は学校の後輩でキラキラ王子様アイドル・橘圭吾だった!?
学校では完璧、家では生活能力ゼロ。そんな圭吾のギャップに振り回されながらも、世話を焼く日々にやりがいを感じる智也。
ステージの上では完璧な王子様なのに、家ではカップ麺すら作れない究極のポンコツ男子。
智也の作る温かい手料理に胃袋を掴まれた圭吾は、次第に心を許し、子犬のように懐いてくる。
「先輩、お腹すいた」「どこにも行かないで」
無防備な素顔と時折見せる寂しげな表情に、智也の心は絆されていく。
住む世界が違うはずの二人。秘密の契約から始まる、甘くて美味しい青春ラブストーリー!
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕
王様のナミダ
白雨あめ
BL
全寮制男子高校、箱夢学園。 そこで風紀副委員長を努める桜庭篠は、ある夜久しぶりの夢をみた。
端正に整った顔を歪め、大粒の涙を流す綺麗な男。俺様生徒会長が泣いていたのだ。
驚くまもなく、学園に転入してくる王道転校生。彼のはた迷惑な行動から、俺様会長と風紀副委員長の距離は近づいていく。
※会長受けです。
駄文でも大丈夫と言ってくれる方、楽しんでいただけたら嬉しいです。
借金のカタに同居したら、毎日甘く溺愛されてます
なの
BL
父親の残した借金を背負い、掛け持ちバイトで食いつなぐ毎日。
そんな俺の前に現れたのは──御曹司の男。
「借金は俺が肩代わりする。その代わり、今日からお前は俺のものだ」
脅すように言ってきたくせに、実際はやたらと優しいし、甘すぎる……!
高級スイーツを買ってきたり、風邪をひけば看病してくれたり、これって本当に借金返済のはずだったよな!?
借金から始まる強制同居は、いつしか恋へと変わっていく──。
冷酷な御曹司 × 借金持ち庶民の同居生活は、溺愛だらけで逃げ場なし!?
短編小説です。サクッと読んでいただけると嬉しいです。
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
平凡なぼくが男子校でイケメンたちに囲まれています
七瀬
BL
あらすじ
春の空の下、名門私立蒼嶺(そうれい)学園に入学した柊凛音(ひいらぎ りおん)。全寮制男子校という新しい環境で、彼の無自覚な美しさと天然な魅力が、周囲の男たちを次々と虜にしていく——。
政治家や実業家の子息が通う格式高い学園で、凛音は完璧な兄・蒼真(そうま)への憧れを胸に、新たな青春を歩み始める。しかし、彼の純粋で愛らしい存在は、学園の秩序を静かに揺るがしていく。
****
初投稿なので優しい目で見守ってくださると助かります‼️ご指摘などございましたら、気軽にコメントよろしくお願いしますm(_ _)m
モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)
夏目碧央
BL
兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。
ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?
【完結】ハーレムラブコメの主人公が最後に選んだのは友人キャラのオレだった。
或波夏
BL
ハーレムラブコメが大好きな男子高校生、有真 瑛。
自分は、主人公の背中を押す友人キャラになって、特等席で恋模様を見たい!
そんな瑛には、様々なラブコメテンプレ展開に巻き込まれている酒神 昴という友人がいる。
瑛は昴に《友人》として、自分を取り巻く恋愛事情について相談を持ちかけられる。
圧倒的主人公感を持つ昴からの提案に、『友人キャラになれるチャンス』を見出した瑛は、二つ返事で承諾するが、昴には別の思惑があって……
̶ラ̶ブ̶コ̶メ̶の̶主̶人̶公̶×̶友̶人̶キ̶ャ̶ラ̶
【一途な不器用オタク×ラブコメ大好き陽キャ】が織り成す勘違いすれ違いラブ
番外編、牛歩更新です🙇♀️
※物語の特性上、女性キャラクターが数人出てきますが、主CPに挟まることはありません。
少しですが百合要素があります。
☆第1回 青春BLカップ30位、応援ありがとうございました!
第13回BL大賞にエントリーさせていただいています!もし良ければ投票していただけると大変嬉しいです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる