20 / 75
軌道修正
6
しおりを挟む
「俺さ、死にたかったよずっと、正直今でも父さんと母さんに早く会いたい。それは変わんないけど、二人の事見たら散々耐えてた緊張の糸とか全部消えてさ。どうにかしなきゃって思えてきたんだよ、どうでもいい世界が今割と変わって見えてる」
別に監禁されていようと殴られるわけでもない。衣食住も完璧なのだ。何よりこの状況を夢の俺も変えようとはしていなかった。
「今までの俺はなんか冷めてたみたいだけど……今の俺は二人の事大切だから。大切だからダメな事はダメっていうよ。だから二人が何でそんなに俺に執着してるのかとか、どんな風に一緒にいてどんなこと思ってきたのか教えてよ。出ていくなんて言わないし、これは気まぐれでも何でもない。また世界線が変わるくらいの事が起きない限り二人の希望はちゃんと聞く。まあほら、ニートな俺を養ってくれてた恩もあるしな」
夢で見た俺はひねくれすぎてて共感なんてできないけど、例えばもしほかの奴が俺を監禁していたらと思うとこんな風にどうにかしなきゃなんて思えなかったと思う。また絶望しながらも受け入れて、ただ生きるだけだ。
死んでないだけの、死を待ちながら生きる人間で終わっていた。
「……英羅」
「まあ、とりあえず俺の気持ちはこんなもん。だからまあ改めて……」
俺は姿勢を正して二人を見つめる。多分二人からしたら色んな感情にさせてしまっているんだろう。それはそれ、これはこれだ。
「よろしくな」
にっと笑っても2人は困って戸惑って結局何も返事をしなかった。俺よりも長くこの2人は俺といたのに、もしかしたら一度もちゃんとした会話をしてなかったのかもしれない。だってもし仲良しで楽しく過ごしていたなら夢で見た俺があんなにやげやりでどうしようもない感情でいないはずだ。
だいたい機嫌が悪いで済まされるような2人の俺の認識が相当横暴でメンヘラなのは理解できた。だからこれからはメンヘラじゃない俺で2人の事を理解してもう少し状況を変えていきい。
だけど2人のなんとも言えない顔を見る限り闇は深そうだ。
「そんな困った顔しなくても……とりあえず、飯にする?」
「あ、ああ……」
「……今日も、ご飯食べるの?」
ようやく反応を返してくれた2人がゆっくりと立ち上がる。まだ立ち上がっていない俺に2人して手を差し出し一瞬で睨み合いの火花を散らし始める。
この喧嘩ももう少し減らしたいところだ。
両手で2人の腕を掴んで一気に立ち上がる。
「はい、喧嘩おわり!てか俺そんな食べなかったの?」
「まあ……三日くらい食べなくて、俺たちが無理矢理食べさせてる時の方が多い。あとはサプリとか……」
「マジで?!こんな美味しそうな飯を前にして……」
今日も今日とて美味しそうなご飯達。真っ白なお皿に盛り付けられたサラダも、スープも、焼き立てのパンもすでに涎が出そうだというのに。
すぐさま席につき手を合わせる。
「勿体ない、マジでカップ麺とかばっかだったし……頂きます!……うまいぃぃぃ」
きらきらの黄金スープはオニオンスープのようだ。なんか金粉浮いてるけど。
「英羅がそんなに美味しそうに食べてるの、嬉しい」
俺がもくもくと食べていると隣に座った来夏がへにゃりと笑った。美人なのに俺に対してだけ緩み切った笑顔を見せてくれるこういう所は本当に変わんない。
「お前らも食べろよ、俺だけ食べたら寂しいじゃん」
「さ、寂しい……」
「ご飯はみんな一緒がいいよなやっぱ」
知秋がとんでもない事を聞いたような顔をするけど、寂しいって言ったくらいで驚くなんてこの世界の俺まじでどんな会話してたらこんな事で驚かせられるようになんだ。
「てゆかさ、ここから出ないとは言ったけど……流石にあの部屋何もないし暇なんだけど、何してたの俺」
「本当に何もしてないよ、英羅は」
別に監禁されていようと殴られるわけでもない。衣食住も完璧なのだ。何よりこの状況を夢の俺も変えようとはしていなかった。
「今までの俺はなんか冷めてたみたいだけど……今の俺は二人の事大切だから。大切だからダメな事はダメっていうよ。だから二人が何でそんなに俺に執着してるのかとか、どんな風に一緒にいてどんなこと思ってきたのか教えてよ。出ていくなんて言わないし、これは気まぐれでも何でもない。また世界線が変わるくらいの事が起きない限り二人の希望はちゃんと聞く。まあほら、ニートな俺を養ってくれてた恩もあるしな」
夢で見た俺はひねくれすぎてて共感なんてできないけど、例えばもしほかの奴が俺を監禁していたらと思うとこんな風にどうにかしなきゃなんて思えなかったと思う。また絶望しながらも受け入れて、ただ生きるだけだ。
死んでないだけの、死を待ちながら生きる人間で終わっていた。
「……英羅」
「まあ、とりあえず俺の気持ちはこんなもん。だからまあ改めて……」
俺は姿勢を正して二人を見つめる。多分二人からしたら色んな感情にさせてしまっているんだろう。それはそれ、これはこれだ。
「よろしくな」
にっと笑っても2人は困って戸惑って結局何も返事をしなかった。俺よりも長くこの2人は俺といたのに、もしかしたら一度もちゃんとした会話をしてなかったのかもしれない。だってもし仲良しで楽しく過ごしていたなら夢で見た俺があんなにやげやりでどうしようもない感情でいないはずだ。
だいたい機嫌が悪いで済まされるような2人の俺の認識が相当横暴でメンヘラなのは理解できた。だからこれからはメンヘラじゃない俺で2人の事を理解してもう少し状況を変えていきい。
だけど2人のなんとも言えない顔を見る限り闇は深そうだ。
「そんな困った顔しなくても……とりあえず、飯にする?」
「あ、ああ……」
「……今日も、ご飯食べるの?」
ようやく反応を返してくれた2人がゆっくりと立ち上がる。まだ立ち上がっていない俺に2人して手を差し出し一瞬で睨み合いの火花を散らし始める。
この喧嘩ももう少し減らしたいところだ。
両手で2人の腕を掴んで一気に立ち上がる。
「はい、喧嘩おわり!てか俺そんな食べなかったの?」
「まあ……三日くらい食べなくて、俺たちが無理矢理食べさせてる時の方が多い。あとはサプリとか……」
「マジで?!こんな美味しそうな飯を前にして……」
今日も今日とて美味しそうなご飯達。真っ白なお皿に盛り付けられたサラダも、スープも、焼き立てのパンもすでに涎が出そうだというのに。
すぐさま席につき手を合わせる。
「勿体ない、マジでカップ麺とかばっかだったし……頂きます!……うまいぃぃぃ」
きらきらの黄金スープはオニオンスープのようだ。なんか金粉浮いてるけど。
「英羅がそんなに美味しそうに食べてるの、嬉しい」
俺がもくもくと食べていると隣に座った来夏がへにゃりと笑った。美人なのに俺に対してだけ緩み切った笑顔を見せてくれるこういう所は本当に変わんない。
「お前らも食べろよ、俺だけ食べたら寂しいじゃん」
「さ、寂しい……」
「ご飯はみんな一緒がいいよなやっぱ」
知秋がとんでもない事を聞いたような顔をするけど、寂しいって言ったくらいで驚くなんてこの世界の俺まじでどんな会話してたらこんな事で驚かせられるようになんだ。
「てゆかさ、ここから出ないとは言ったけど……流石にあの部屋何もないし暇なんだけど、何してたの俺」
「本当に何もしてないよ、英羅は」
2
あなたにおすすめの小説
【BL】捨てられたSubが甘やかされる話
橘スミレ
BL
渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。
もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。
オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。
ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。
特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。
でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。
理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。
そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!
アルファポリス限定で連載中
二日に一度を目安に更新しております
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
ある日、人気俳優の弟になりました。
雪 いつき
BL
母の再婚を期に、立花優斗は人気若手俳優、橘直柾の弟になった。顔良し性格良し真面目で穏やかで王子様のような人。そんな評判だったはずが……。
「俺の命は、君のものだよ」
初顔合わせの日、兄になる人はそう言って綺麗に笑った。とんでもない人が兄になってしまった……と思ったら、何故か大学の先輩も優斗を可愛いと言い出して……?
平凡に生きたい19歳大学生と、24歳人気若手俳優、21歳文武両道大学生の三角関係のお話。
俺の親友がモテ過ぎて困る
くるむ
BL
☆完結済みです☆
番外編として短い話を追加しました。
男子校なのに、当たり前のように毎日誰かに「好きだ」とか「付き合ってくれ」とか言われている俺の親友、結城陽翔(ゆうきはるひ)
中学の時も全く同じ状況で、女子からも男子からも追い掛け回されていたらしい。
一時は断るのも面倒くさくて、誰とも付き合っていなければそのままOKしていたらしいのだけど、それはそれでまた面倒くさくて仕方がなかったのだそうだ(ソリャソウダロ)
……と言う訳で、何を考えたのか陽翔の奴、俺に恋人のフリをしてくれと言う。
て、お前何考えてんの?
何しようとしてんの?
……てなわけで、俺は今日もこいつに振り回されています……。
美形策士×純情平凡♪
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?
本気になった幼なじみがメロすぎます!
文月あお
BL
同じマンションに住む年下の幼なじみ・玲央は、イケメンで、生意気だけど根はいいやつだし、とてもモテる。
俺は失恋するたびに「玲央みたいな男に生まれたかったなぁ」なんて思う。
いいなぁ玲央は。きっと俺より経験豊富なんだろうな――と、つい出来心で聞いてしまったんだ。
「やっぱ唇ってさ、やわらけーの?」
その軽率な質問が、俺と玲央の幼なじみライフを、まるっと変えてしまった。
「忘れないでよ、今日のこと」
「唯くんは俺の隣しかだめだから」
「なんで邪魔してたか、わかんねーの?」
俺と玲央は幼なじみで。男同士で。生まれたときからずっと一緒で。
俺の恋の相手は女の子のはずだし、玲央の恋の相手は、もっと素敵な人であるはずなのに。
「素数でも数えてなきゃ、俺はふつーにこうなんだよ、唯くんといたら」
そんな必死な顔で迫ってくんなよ……メロすぎんだろーが……!
【攻め】倉田玲央(高一)×【受け】五十嵐唯(高三)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる