ナチュラルサイコパス2人に囲われていたが、どうやら俺のメンヘラもいい勝負らしい。

仔犬

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「俺さ、死にたかったよずっと、正直今でも父さんと母さんに早く会いたい。それは変わんないけど、二人の事見たら散々耐えてた緊張の糸とか全部消えてさ。どうにかしなきゃって思えてきたんだよ、どうでもいい世界が今割と変わって見えてる」

別に監禁されていようと殴られるわけでもない。衣食住も完璧なのだ。何よりこの状況を夢の俺も変えようとはしていなかった。

「今までの俺はなんか冷めてたみたいだけど……今の俺は二人の事大切だから。大切だからダメな事はダメっていうよ。だから二人が何でそんなに俺に執着してるのかとか、どんな風に一緒にいてどんなこと思ってきたのか教えてよ。出ていくなんて言わないし、これは気まぐれでも何でもない。また世界線が変わるくらいの事が起きない限り二人の希望はちゃんと聞く。まあほら、ニートな俺を養ってくれてた恩もあるしな」

夢で見た俺はひねくれすぎてて共感なんてできないけど、例えばもしほかの奴が俺を監禁していたらと思うとこんな風にどうにかしなきゃなんて思えなかったと思う。また絶望しながらも受け入れて、ただ生きるだけだ。
死んでないだけの、死を待ちながら生きる人間で終わっていた。



「……英羅」

「まあ、とりあえず俺の気持ちはこんなもん。だからまあ改めて……」



俺は姿勢を正して二人を見つめる。多分二人からしたら色んな感情にさせてしまっているんだろう。それはそれ、これはこれだ。


「よろしくな」


にっと笑っても2人は困って戸惑って結局何も返事をしなかった。俺よりも長くこの2人は俺といたのに、もしかしたら一度もちゃんとした会話をしてなかったのかもしれない。だってもし仲良しで楽しく過ごしていたなら夢で見た俺があんなにやげやりでどうしようもない感情でいないはずだ。

だいたい機嫌が悪いで済まされるような2人の俺の認識が相当横暴でメンヘラなのは理解できた。だからこれからはメンヘラじゃない俺で2人の事を理解してもう少し状況を変えていきい。

だけど2人のなんとも言えない顔を見る限り闇は深そうだ。

「そんな困った顔しなくても……とりあえず、飯にする?」

「あ、ああ……」

「……今日も、ご飯食べるの?」

ようやく反応を返してくれた2人がゆっくりと立ち上がる。まだ立ち上がっていない俺に2人して手を差し出し一瞬で睨み合いの火花を散らし始める。

この喧嘩ももう少し減らしたいところだ。
両手で2人の腕を掴んで一気に立ち上がる。


「はい、喧嘩おわり!てか俺そんな食べなかったの?」

「まあ……三日くらい食べなくて、俺たちが無理矢理食べさせてる時の方が多い。あとはサプリとか……」

「マジで?!こんな美味しそうな飯を前にして……」


今日も今日とて美味しそうなご飯達。真っ白なお皿に盛り付けられたサラダも、スープも、焼き立てのパンもすでに涎が出そうだというのに。

すぐさま席につき手を合わせる。


「勿体ない、マジでカップ麺とかばっかだったし……頂きます!……うまいぃぃぃ」


きらきらの黄金スープはオニオンスープのようだ。なんか金粉浮いてるけど。


「英羅がそんなに美味しそうに食べてるの、嬉しい」


俺がもくもくと食べていると隣に座った来夏がへにゃりと笑った。美人なのに俺に対してだけ緩み切った笑顔を見せてくれるこういう所は本当に変わんない。

「お前らも食べろよ、俺だけ食べたら寂しいじゃん」

「さ、寂しい……」

「ご飯はみんな一緒がいいよなやっぱ」


知秋がとんでもない事を聞いたような顔をするけど、寂しいって言ったくらいで驚くなんてこの世界の俺まじでどんな会話してたらこんな事で驚かせられるようになんだ。

「てゆかさ、ここから出ないとは言ったけど……流石にあの部屋何もないし暇なんだけど、何してたの俺」

「本当に何もしてないよ、英羅は」







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