ナチュラルサイコパス2人に囲われていたが、どうやら俺のメンヘラもいい勝負らしい。

仔犬

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試行錯誤

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スキンシップというものがどこまでってと言われるとよく分からなくて、おれが危機を感じてイエローカードを出したらちゃんとやめる事。と約束を付け足した。もちろんお風呂だって1人で入るとも。

まあ、2人は隙あらば何かしら狙ってきますが始まった監禁生活は割と自由だった。今のところ夢も見ていないので新しい自分情報も掴めていない。

とりあえずいくつかお願いして買ってもらったものがある。まずは目覚まし時計。これはとても重要だ。朝決まった時間に起きて朝ごはんをしっかり作って一日をスタートさせる。そしてテレビも繋げてもらってニュースを見る。

「俺もそんなにニュースなんて見なかったけど、特に大きな変化なし……」

やはり違いがあるのは俺に関する事だけで、生きていくのになんの不自由もない。まあ外に出ないから世界が変わっててもあんまり関係ないけどこうしてゆっくりニュースが見れるなんてある意味優雅だ。

そして他にも買ってもらったものはいくつかある。キッチン用具全般だ。食材も基本的に冷蔵庫に揃っている。
結局アイツらのお金で世話になっているが監禁の身で働くわけにもいかない。ここは目を瞑ろう。だからこそ料理で手を抜くわけにはいかない。


「あとは何作るかな」



あの2人体がでっかくなっただけあってよく食べるのだ。俺が作った料理で食べないものと言えば来夏がピーマン残したのと、知秋がナスを残した。この前それだけがちょこんと皿の上に乗っていたので無理矢理口の中に入れてやった。


「嫌いなものまで昔のままかよ」


思わず1人で笑ってしまう。

「……英羅」


掠れた声に振り向けば一瞬で抱きつかれ腕の中。知秋はいつも薔薇の匂いがするのだ。男らしい知秋の王者のような品格に添えられた美しい薔薇を嗅いでる気分になる。朝から眩しいほど整った顔だ。

「……半分寝てるけど」

抱きついたまま時が止まっている。背中をペシペシと叩いて目を覚まさせるも一向に動く気配がない。


「知秋さーん、朝ですよー」


朝弱かったなあ知秋。朝よく家まで行って起こしてから一緒に登校してたりしたくらい、めちゃくちゃ手のかかる低血圧なのだ。何だか耳元で唸り出した。

「……ありえねぇ、まじで毎日俺より速く起きてるし」

「何だそれ、俺いつも知秋より遅かったの?」

「腕の中の寝顔見てから起きれてて最高だったってのに、今日も起きたらお前いねえしクソ来夏の服着て料理作ってるし、まじでムカつく」

「一応起こしたよ、起きないお前が悪いし。服は着るとも」


裸じゃどこで何があるか分からんからなとは言わなかったけど、人間らしく服は着るべきだ。しかも来夏の服はまじでどれもオシャレで気分がいい。今日は部屋着っぽいのが良いって言ったら帽子のついた白のパーカーなんだけど、裾が丸くなってて少しバルーン状なのだ。スキニータイプの黒いレギンスもサラサラしててめちゃくちゃ気持ちがいい。

なんか気合い入ったやつばかりなのかと思ったら普通に可愛いのもあってテンションが上がってたら知秋はそれが気に食わないらしい、なんと俺の服も着ろと色んな服を買ってきたのだ。

そこで結局2人が喧嘩を始めて、服は毎日着るし夜は夜で着替えるし交互に2人の服を着るということになった。全くもって毎回の喧嘩は相変わらずだ。


「今日は来夏の服の日な……ほらでも来夏は朝から仕事で今はお前しかいないし、料理作るから機嫌治せって、な?」

「ん……シャワー浴びてくる」


頭を撫でたらこくんと頷く知秋。寝起きの低血圧のせいで機嫌が悪かったせいもあるらしい。あくびをしながらようやく俺から離れる。

「全く手が掛かるな……さてと、卵焼きは完璧、鳥のテリマヨと……野菜スープかな」

すでに来夏のためにお弁当を持たせたのでおかずは揃ってる。毎日作ると言った手前、仕事とは言えご飯を作ってあげたかったのでお弁当を提案したところもう蕩けそうな笑顔で喜んでた来夏。知秋はにやけてた。こう言うところは可愛いんだけどな。

追加の野菜スープは火の通りやすい野菜にしてきのこもふんだんに入れてしまおう。


「コンソメとコショウ入れて、おっけ!」


知秋が風呂から出る頃には美味しい朝食の出来上がりだ。



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