ナチュラルサイコパス2人に囲われていたが、どうやら俺のメンヘラもいい勝負らしい。

仔犬

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「美味そう、良い匂い」

最初の時みたいに半裸のままタオルで頭を拭きながら知秋が戻ってきた。俺の近くに来ると知秋の肩に髪からポツポツと水が垂れている。

「うわ、髪の毛乾かして!ほらせめてちゃんと拭けって」

「……ああ」

知秋が少し驚いた顔をするので気になってしまった。何か変な事を言ったのかと首をかしげると、知秋がいや、と話し出す。

「前は自分の髪より前に英羅の髪乾かしてやってたから」

「え?!だからすーぐ女王様すんなよもう……」

そう言ったところで過去の俺には聞こえやしない。

そもそも過去なのか、現実なのかパラレルワールドなのかもよく分からないけど申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

「ごめんな世話させて」

「……俺は結構好きな時間だった」

「え?」


タオルでわしゃわしゃと拭いてあげてたらポツリとそんな事を言うから困ってしまう。

確かに知秋は朝は弱いが、それ以外は頼りになる男前な人間だ。自信たっぷりで、いつも期待をさらに超えるような男だった。それに案外世話焼きなのだ。


そう言えば風呂に入ろうとした時も洗ってくれてたらしい事言ってたけど、俺が傲慢で適当で堕落的だからだけじゃなくて知秋的にも嬉しいものだったのか。

千秋にしてみたら俺だけがいきなり変わって、色んなことがなくなってしまったのかと考えるとこれは確かにあまり良くないかも。


「……じゃあ、夜髪乾かしてくれるか?」


タオルに包まれた知秋がピクリと反応した。漆黒の瞳が優しげに笑う。


「……ん」


監禁されてるのが嘘みたいだ。
こんなに穏やかに笑うのだから、昔と変わんないってやっぱり思ってしまう。変わらない2人があるからこそ、監禁されててもすぐに逃げようなんて思わなかったのかもしれない。


「体も洗ってやるけど」

「調子に乗らない」


舌打ちしやがった。



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