ナチュラルサイコパス2人に囲われていたが、どうやら俺のメンヘラもいい勝負らしい。

仔犬

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2人は交互に会社に行く。
何故それで罷り通るのかはよく分からないが入れ替わりで仕事に行き俺を1人にはしないようにしているようで、少しの時間でも1人になる時はあの1番最初の部屋でやはり足枷付きで過ごさせる。
でも基本的には誰かいるし、夜も2人が揃うのでその時間はたいしてなかったから困るようなものでもない。映画のサブスクなんかも登録してくれたのでただただ良い部屋で映画鑑賞している感じだ。

朝ごはんも食べ終わりリビングでも見れるようになった映画を見ていると知秋が近づいてきた。
横に座ったかと思えば俺の脇に腕を通し持ち上げると、自分の足の間に置き直した。これくらいスキンシップは高校の時から変わらないし、もはやいちいち気にしてられない。

俺はそれよりも持ち上げられたことが不満だ。

「……ナチュラルに持ち上げんな」

「軽いんだから簡単なんだよ」


体格差は歴然。
俺だって普通なのに知秋といるとまじでちっちゃく見える。一体どれほど伸びたのだろうか。


「知秋何センチ?」

「189」

「……で、でっか」


通りで俺がすっぽり埋まるわけだ。
来夏は知秋に比べて細いけど彼も彼で180ある気がする。負けている、しかも男としても社会的地位がヒモニートでは何もかもが負けている。しかもメンヘラ……いま考えるのはよそう……。

知秋が俺の腹に両手を回して肩に顎を乗せるから余計に自分の小ささを感じてしまうではないか。

「……しかも嗅ぐなよ」

「良い匂い……」

こうしてグレーゾーン攻めて来る時は怒るに怒れない。まあいいか、良い匂い程度なら好きにさせよう。とか思っちゃう俺はダメなのか?でも何でもかんでもダメっていうのも違う気がする。

「てゆかさ、この家めちゃくちゃいつも綺麗なんだけど誰が掃除してんの」

「掃除来させてる、2日に一回くらい」

「え、俺会ったこと無いんだけど」

「当たり前だろ、誰がお前を他人に合わせるか」

「だって、そしたらいつきてんの?」

「最近はお前が眠った時とか……基本的にお前の部屋は俺たちが掃除してるし」

「徹底してんな」

つまり俺があの部屋にいる時しか掃除してくれる人は呼ばないし、あの部屋は2人が掃除するから俺は誰にも会わなくて済むという事だ。

でも俺暇だし掃除の人の回数減らしても良くない?


「じゃあさ掃除の人1週間に1回とかにしない?俺掃除するし」

「……いや、良い」

「ええ、それはダメなのか」

「……昔はそれくらいだったけど、お前蕁麻疹が出るようになってアレルギー検査したらハウスダスト引っかかったから減らせねぇ」

「……俺の手のかかりようやばくね?」


そんなに俺弱かったかな。
でもアレルギーって気持ちから来る事あるみたいだからこの世界の俺情緒死んでたしそう言う事かもしれない。

まあ、心配かけるのはよろしくないのでお掃除の人にはきてもらうとするか。

「それに……」

「ん?」

「こんな広い部屋掃除なんかして、お前俺の事構う時間減らすつもりかよ」


肩口にぐりぐりと顔を埋める知秋。
ええ、そんな男前でそんな可愛い事言うのかよこいつ。仕方なく頭に手を置いて撫でてあげる。


「分かったから、掃除は任せた。その分話そうな」


どれだけこいつらは俺と話していないのか不安になる。高校の時の俺なんてクラスメートとバイトで放課後遊べない分休み時間とか話しまくって友達作ってたくらいで、その中でも一緒に居たこいつらは一番しゃべっていたはずだ。

それが一変するほどの何かがあって、何を思ってどんなふうに2人に接してたのか俺にはまだ想像できない。

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