オレの魂はいずれドラゴンかアイツに食われるらしいが死んだ後のことに興味はない。

仔犬

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6.ご飯は自分で作るより人が作った方が美味しい気がする

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重い。
夢中ではドラゴンに押しつぶされるオレ。そんなはず無いと目を開けたらいつのまにかベッドに戻ってきたレイガに羽交い締めにされていた。


「苦し」

なんとか腕を動かして渾身の力で頰を引っ張った。寝るときだけはほんとに静かに寝てるから大人しそうにすら感じる整った顔。黙ってればなんとやらだ。

「いっ……おれのほっぺくえねぇって」

モゾモゾと身悶えるレイガは頰を喰われる夢を見ているらしい。これでおあいこだ。朝のひんやりとした空気に段々と目が覚める。こんな日にあのドラゴンはどこで眠って居るんだろうか。

「起きろって」

「ん……あれ、はよ」

「おはよ」

ぼんやり寝ぼけ眼な目がどこを見ているのか中へ向く。行ったり来たりしてオレのところに戻ってきた。オレの横でまた寝場所のベストポジションを探して目を閉じる。待て待て。

「おはよーございまーす!」

「うお?!」

結構大きめな声で耳に攻撃すると流石に飛び起きたレイガはようやく身体を起こして伸びをした。背中あたりがバキバキと音を鳴らす身体が身動き取れなかったせいでだるさが残る。

「身体いてー、人で暖とんなよ」

「やー流石にリビングでブランケット一枚じゃ冷えましたよおれは。つか起こせよ。家の主人を放ってベッドで寝やがって!」

「起こしたけど」

「覚えてねぇって事はつまり起こしてないって事!」

目が覚めてしまえばレイガは朝でもなんでも元気だ。ベッド上で仁王立ちになり適当な理論を訴えたかと思えば、あくびをしながら部屋を出ていく。

時計は9時を指していた。今日は昼からの講義だからかなり余裕だ。

洗面所に向かうとレイガが歯磨きをしていたのでオレは洗顔から。勝手知ったる人の家で迷う事なく洗顔をお借りする。

「なあひのーまどあへたか?」

「むー?」

顔洗ってんのに返事できないわ。あとレイガは歯磨きしながら話せないだろ。
ああでも昨日窓ってのは理解できた。頭にタオルが乗せられて顔を拭いて見上げれば鏡越しに目があった。変わりばんこに今度はレイガが洗面台を使う。

すっかり用意してあるオレの歯ブラシを取ると毛先が少し荒れている。そろそろ新しいの買うか。

「外の空気吸いたくて開けたわ」

「どーりで寒いと思いましたー」

痛くないキックをくらい振り返るとすでにキッチンに向かうレイガ。行動が早い男だ。
歯磨きを終えてオレもキッチンに行けばフライパンをセットしていた。

「何作んの」

「んー、トーストとウィンナーとスクランブルエッグ?」

「目玉焼きも食べたい」

「へーへー、わがままー」

卵好きなんで。

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