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しおりを挟む「綺麗な胸だな」
革張りのソファに仰向けにされた岬は頬を上気させながらも板についた仏頂面と化した。
「前にも言ってたよな、センセェ……俺のアレが綺麗だとか……それ、完全馬鹿にしてんだろ」
ブレザーは羽織ったまま、横に退かされたネクタイ、全てのボタンが外されて大胆にはだけたシャツ。
天井の照明に曝された褐色の胸。
帰宅部の同級生よりも厚みを擁し、運動部に所属していそうな引き締まった胸板だった。
「こんなも早熟そうな外見で童貞、交際経験がないヤンキー高校生を馬鹿にしてるって?」
真上に迫る志摩に胸ばかり堂々と直視されて、羞恥心がぶり返してきて、仏頂面の岬は片腕で胸元を覆い隠した。
「んなジロジロ見んじゃねぇ」
無地のサマーセーターを腕捲りした志摩はすぐに岬の片腕を退かした。
「見せて」
瑞々しさに富んだ褐色肌。胸の突端でほんのり色づく尖り。
両方の突起に触れないよう、柔らかな膨らみに乏しい平らな胸を下から掬うように丹念に愛撫した。
「ん……っ……ぅ」
「胸、感じるのか」
「ッ……感じて、ねぇ……」
「ふぅん。本当に?」
今度は指と指の間に突起を引っ掛けるようにして揉み捏ねた。時に掌を強めに押し当てて円を描くように転がしたり、爪弾いたり、引っ張ったりもした。
「ぁぁっ……引っ張ん、なぁ……っ」
口で拒んで、もっと強請るように胸を突き出した、言動が一致していない岬に志摩はひっそり笑う。
「連休中はお父さんの店の手伝いをするんだったな」
高校生向けのバイトならまだしも水商売のキッチンスタッフ。地方一自由な校風の学校とはいえ通常なら完全に校則違反である。
夜十時以降は働かないことを確認して志摩は目を瞑ってやっていた。
「忙しくて俺と会う暇なんかないか」
「あ……」
「まぁ、俺も部活の面倒見なきゃだからな」
「……センセェ、なんか顧問やってんのか?」
「山岳部。というより安心安全なハイキング部か。優秀な部長副部長に任せっきりだけどな。近場での登山や合宿に同行するくらいだ」
……なんだよそれ、俺も行きてぇ。
「面倒見れない連休中、お前がもつように。今日は一際丁寧にしようか」
胸の産毛を軽く引っ張られて、芯を帯びてきた突起に息を吹きかけられて、岬はまた胸を反らしてしまう。
「んん……ッ……あ、志摩センセェ……」
志摩は剥き出しの褐色胸に顔を寄せた。
片方の突起を捏ね繰りながら、もう片方の突起に唇を近づけ、ほんのり色づく乳輪にそっと口づけた。
そのまま尖らせた舌先で縁をゆっくりなぞる。
中央でぷっくりと膨らむ突起は放置して、縁ばかり、じれったい速度で何度も舌尖を一周させた。
……こんなの嬲り殺しだ……。
もどかしい刺激に耐えかねた岬は咄嗟に志摩を押し返そうとした。
「大人しくしてろ、反抗期ちゃん」
進行を阻んだ両手を一纏めにされて逆にソファに押さえつけられた。
「ッ……俺、今日、帰んねぇ」
「ふぅん。どこか泊まる当てがあるのか」
「ここに泊まるに決まってんだろッ、連休中ずっと泊まってやるッ、店の手伝いなんか誰がやるかッ、ここでぐーたらしてやるッ」
「俺はハイキング合宿の引率に行くけど」
「ッ……ぐちゃぐちゃにしてやる! 野良猫いっぱい拾ってきて部屋に放ってやる!」
志摩は声を立てて笑った。
「俺はタクシーで帰すつもりだったぞ。大体、何の準備もしてないだろ。着替えだってない。素っ裸にノーパンで過ごすのか? 好きなときに好きなように俺にいじられ放題、それがお前の希望か?」
ボクサーパンツの内側でもうとっくに反応していたペニス。
両腕の自由を奪われたまま、ズボンのフロントが露骨に盛り上がる股間まで胸と共に突き出し、岬はぶっきら棒にお願いした。
「俺のヤラシイとこぜんぶ、センセェでぐちゃぐちゃにしろ……」
「……お前のヤラシイとこぜんぶ、俺の好きにしていいんだ?」
岬にお願いされた志摩は意地悪く放置していた胸の突起にやっとキスした。
かたく芽吹く乳首を啄み、舌を絡ませ、啜った。
舌なめずりの音色をわざとらしく立てて。
存在を誇張するかのように膨れ上がった乳頭を満遍なく露骨に舐め上げた。
「はッ……あ、あ、あ……ッ……んあ」
指と指で散々捏ね繰り回されて屹立していた方にも捧げられたキス。
すでに唾液で温む突起を指同士で小刻みにしごかれながら、もう片方もたちまちびしょ濡れにされる。
交互に執拗に熱烈に。
下半身に直結する濃厚な口づけが一頻り胸元に綴られた。
無垢だった岬の乳首は志摩の舌と指によってあっという間に従順な性感帯に成り果てた。
「ん、んっ、んんんんん……!!」
本日まだ構われていなかったペニスがウェットで達した。ボクサーパンツが卑猥に湿り渡り、口腔に唾液の糸を連ねて岬は切なげに眉根を寄せた。
欲深げに溢れ出たのはスペルマだけではなかった。
「そういえば教えてなかったな」
乱れていた前髪を梳かれて岬は忙しげに瞬きする。自分を覗き込む志摩と目が合うと、また、秘められた淫唇から独りでに愛液がとろりと氾濫した。
「俺は今年で二十九歳になる」
――俺のヤラシイところぜんぶ志摩センセイのもの。
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