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「こんなモン持ってるなんて軽蔑するわ」
「元セフレにもらったんだよ」
「……この間の女の人かよ?」
「その前のセフレかな」
「どスケべが!!」
……こんなんで本当に恋人いたのかよ、志摩センセェ。
……つぅか元セフレのお下がりなんか俺に使うなよ。
『反抗期ちゃんは恋人とかつくらないの』
先程の台詞を思い出して岬は口をへの字に曲げた。
どこから目線で聞いてんだよ。
こんなことしといて、白々しいっつぅか、癇に障るっつぅか……。
「どうしたの」
岬はどきっとした。
いきなり何の断りもなく唇を触られて驚いた。
「口、こんな尖らせて。怒ってるのか」
視界が遮られている分、聴覚が研ぎ澄まされているのか、単調な声がやけに鮮明に聞こえた。
「しゃ、喋んな」
「あ、そう? じゃあ喋らない」
下、上、順番に指先で左右になぞられていたかと思うと。
強張る唇を割って口内にまで。
異物感にみるみる湧き出す唾液を撹拌され、歯列の裏をくすぐられて「んっ」とついつい声を洩らした。
「なに、ひてんだよ」
「……」
「ひゃべれよッ、ふぇんじしろッ」
「お前が喋るなって言ったのに」
目隠しヤンキー淫魔に覆い被さっていた志摩は淡々と命じてみせる。
「もっと口開けて」
甘い戦慄に岬の心臓は鷲掴みにされた。
よからぬ指示に従って、お医者さん相手の診察でするみたいに、怖々と大きく口を開いた。
ゆっくりと摘ままれた舌先。
表、裏側をくすぐり擦られる。
付け根辺りもやんわり摩擦された。
「ん……ン……」
自分の言う通りに振舞う、目隠しが様になっている岬に志摩はまた指令を下す。
「舐めて」
岬は苦しげに鼻で息をした。
口内を弄る二本の指に、ぎこちなく舌を絡ませる。
浮き出た関節の食感に腹底をときめかせ、湧き出てくる唾液もそのままに、唇奥を占領する異物を舐め上げた。
「吸って」
舐めながら、口を窄め、無心になって。
嗜虐的な指に健気に吸いついた。
「ん……っん……っぅ……っ」
……なんか、これって。
……志摩センセェのアレ、咥えてるみたいじゃねぇか。
「ッ……」
邪(よこしま)な妄想が頭を過ぎって、岬は、さらに夢中になった。
担任の真下で下半身をあからさまに滾らせ、自分の性感帯を容易く暴く彼の指に犬のようにがっついた。
「俺の指、そんなにおいしいか」
「ッ……このまま食い千切りてぇ……」
「食い千切られるのは御免だけど。甘噛みくらいなら許可してやってもいい」
「ッ……偉そうに……」
そう言いながらも岬は嬉々として歯を立てた。
「んぶ……っ……はぁっ……んっ、んっ、んっ……」
「岬、俺の指舐めながら勃起してる」
「ッ……いちいち、言わなくたって……」
「自分では見えてないから教えてやろうと思って?」
志摩は岬の唾液で隈なく濡れそぼつ中指の先をクイッと曲げ、上顎の粘膜をソフトに引っ掻いた。
「ふっ、ぅ」
「口の中にも性感帯ってあるんだよ」
「っ……は……ぅぅ……」
「コツを掴めばフェラチオで逆に相手をよくしてやれる」
「ッ……ッ……センセェ、そんな……させてきたのかよ?」
問われた志摩は岬の口から指を引き抜いた。
透明な糸がぷらんと連なって、解け、緩みがちな口元をより一層だらしなく濡らした。
「さぁ?」
露骨にはぐらかされた岬はむっとして、すぐさま暴言を吐こうとし、そして瞬時にかたまった。
唇の際を舐め上げられた悩ましげな感触に息を呑んだ。
あ、これ。
センセェにキスされんじゃ……。
だが、しかし。
志摩は岬に口づけなかった。
そのまま下顎から首筋へ、無性に疼く唇から薄情にも離れていき、予想を裏切られたヤンキー淫魔の苛立ちはぶり返した。
「ッ……これもう外せ!! こんなん面倒くせぇんだよ!! 今すぐ外しやがれ!!」
「いきなり大声上げるな。びっくりする」
「知るか!!」
「どっちを外してほしいんだ?」
「もれなくどっちもだよ!!」
背中側で手錠をかけられて身動きが制限されている岬が喚き立て、不満げに上半身をジタバタさせていたならば。
手錠を外すどころか、志摩は、ほんのり汗ばむ褐色胸の突端をれろりと一舐めした。
「あ」
岬自身の唾液に温む指で、また、淫唇を抉じ開ける。
あたたかく潤う蜜壺に指二本を捻じ込ませ、入り口付近で浅いピストンを。
愛液をぷちゅぷちゅと鳴らして根元まで膣内にじっくり突き入れる。
粘膜の密集する狭苦しいナカで緩急をつけて前後に振動させる。
「あ……う、う……ン」
みるみる大人しくなって、新たな先走りでペニスを淫らに滑(ぬめ)らせて、岬は無意識に強請った。
「……もっと……」
色味が濃くなった乳首を尖らせた舌先で甘やかしていた志摩は、ちゅっと、突起に吸いついた。
「はぁ、ン」
ふやけそうになるくらい舐め回した後、唇の狭間に捕らえ、限界まで引っ張った。
「ぁ、ぁ、ぁ……っとれひゃ……っ」
限界まで引っ張ったところで解放しては、丹念にしゃぶりつき、また意地悪に引っ張る、それを何度か繰り返した。
同時進行で不揃いに指を蠢かせてインサバスのヴァギナの感度を高めていく。
申し分なく奥までとろとろなナカ、徐々にピストンの速度を上げていき、危ういまでに多感になった蜜壺を攻め立てた。
「あっ、あっ、もっと……センセェ……っ」
「もっと? どんな風に?」
「っ……っ……っ」
「俺にどんな風に攻めてほしい?」
乳首を食みながら質問を重ねてきた志摩に、岬は、ネクタイの下で忌ま忌ましげに涙する。
「い……意地悪すんなぁ……っっっ」
……こんな誕生日あるかよ。
……目隠しされて、手錠までされて、こんな流されスケべな誕生日あっていいのかよ。
「元セフレにもらったんだよ」
「……この間の女の人かよ?」
「その前のセフレかな」
「どスケべが!!」
……こんなんで本当に恋人いたのかよ、志摩センセェ。
……つぅか元セフレのお下がりなんか俺に使うなよ。
『反抗期ちゃんは恋人とかつくらないの』
先程の台詞を思い出して岬は口をへの字に曲げた。
どこから目線で聞いてんだよ。
こんなことしといて、白々しいっつぅか、癇に障るっつぅか……。
「どうしたの」
岬はどきっとした。
いきなり何の断りもなく唇を触られて驚いた。
「口、こんな尖らせて。怒ってるのか」
視界が遮られている分、聴覚が研ぎ澄まされているのか、単調な声がやけに鮮明に聞こえた。
「しゃ、喋んな」
「あ、そう? じゃあ喋らない」
下、上、順番に指先で左右になぞられていたかと思うと。
強張る唇を割って口内にまで。
異物感にみるみる湧き出す唾液を撹拌され、歯列の裏をくすぐられて「んっ」とついつい声を洩らした。
「なに、ひてんだよ」
「……」
「ひゃべれよッ、ふぇんじしろッ」
「お前が喋るなって言ったのに」
目隠しヤンキー淫魔に覆い被さっていた志摩は淡々と命じてみせる。
「もっと口開けて」
甘い戦慄に岬の心臓は鷲掴みにされた。
よからぬ指示に従って、お医者さん相手の診察でするみたいに、怖々と大きく口を開いた。
ゆっくりと摘ままれた舌先。
表、裏側をくすぐり擦られる。
付け根辺りもやんわり摩擦された。
「ん……ン……」
自分の言う通りに振舞う、目隠しが様になっている岬に志摩はまた指令を下す。
「舐めて」
岬は苦しげに鼻で息をした。
口内を弄る二本の指に、ぎこちなく舌を絡ませる。
浮き出た関節の食感に腹底をときめかせ、湧き出てくる唾液もそのままに、唇奥を占領する異物を舐め上げた。
「吸って」
舐めながら、口を窄め、無心になって。
嗜虐的な指に健気に吸いついた。
「ん……っん……っぅ……っ」
……なんか、これって。
……志摩センセェのアレ、咥えてるみたいじゃねぇか。
「ッ……」
邪(よこしま)な妄想が頭を過ぎって、岬は、さらに夢中になった。
担任の真下で下半身をあからさまに滾らせ、自分の性感帯を容易く暴く彼の指に犬のようにがっついた。
「俺の指、そんなにおいしいか」
「ッ……このまま食い千切りてぇ……」
「食い千切られるのは御免だけど。甘噛みくらいなら許可してやってもいい」
「ッ……偉そうに……」
そう言いながらも岬は嬉々として歯を立てた。
「んぶ……っ……はぁっ……んっ、んっ、んっ……」
「岬、俺の指舐めながら勃起してる」
「ッ……いちいち、言わなくたって……」
「自分では見えてないから教えてやろうと思って?」
志摩は岬の唾液で隈なく濡れそぼつ中指の先をクイッと曲げ、上顎の粘膜をソフトに引っ掻いた。
「ふっ、ぅ」
「口の中にも性感帯ってあるんだよ」
「っ……は……ぅぅ……」
「コツを掴めばフェラチオで逆に相手をよくしてやれる」
「ッ……ッ……センセェ、そんな……させてきたのかよ?」
問われた志摩は岬の口から指を引き抜いた。
透明な糸がぷらんと連なって、解け、緩みがちな口元をより一層だらしなく濡らした。
「さぁ?」
露骨にはぐらかされた岬はむっとして、すぐさま暴言を吐こうとし、そして瞬時にかたまった。
唇の際を舐め上げられた悩ましげな感触に息を呑んだ。
あ、これ。
センセェにキスされんじゃ……。
だが、しかし。
志摩は岬に口づけなかった。
そのまま下顎から首筋へ、無性に疼く唇から薄情にも離れていき、予想を裏切られたヤンキー淫魔の苛立ちはぶり返した。
「ッ……これもう外せ!! こんなん面倒くせぇんだよ!! 今すぐ外しやがれ!!」
「いきなり大声上げるな。びっくりする」
「知るか!!」
「どっちを外してほしいんだ?」
「もれなくどっちもだよ!!」
背中側で手錠をかけられて身動きが制限されている岬が喚き立て、不満げに上半身をジタバタさせていたならば。
手錠を外すどころか、志摩は、ほんのり汗ばむ褐色胸の突端をれろりと一舐めした。
「あ」
岬自身の唾液に温む指で、また、淫唇を抉じ開ける。
あたたかく潤う蜜壺に指二本を捻じ込ませ、入り口付近で浅いピストンを。
愛液をぷちゅぷちゅと鳴らして根元まで膣内にじっくり突き入れる。
粘膜の密集する狭苦しいナカで緩急をつけて前後に振動させる。
「あ……う、う……ン」
みるみる大人しくなって、新たな先走りでペニスを淫らに滑(ぬめ)らせて、岬は無意識に強請った。
「……もっと……」
色味が濃くなった乳首を尖らせた舌先で甘やかしていた志摩は、ちゅっと、突起に吸いついた。
「はぁ、ン」
ふやけそうになるくらい舐め回した後、唇の狭間に捕らえ、限界まで引っ張った。
「ぁ、ぁ、ぁ……っとれひゃ……っ」
限界まで引っ張ったところで解放しては、丹念にしゃぶりつき、また意地悪に引っ張る、それを何度か繰り返した。
同時進行で不揃いに指を蠢かせてインサバスのヴァギナの感度を高めていく。
申し分なく奥までとろとろなナカ、徐々にピストンの速度を上げていき、危ういまでに多感になった蜜壺を攻め立てた。
「あっ、あっ、もっと……センセェ……っ」
「もっと? どんな風に?」
「っ……っ……っ」
「俺にどんな風に攻めてほしい?」
乳首を食みながら質問を重ねてきた志摩に、岬は、ネクタイの下で忌ま忌ましげに涙する。
「い……意地悪すんなぁ……っっっ」
……こんな誕生日あるかよ。
……目隠しされて、手錠までされて、こんな流されスケべな誕生日あっていいのかよ。
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