淫魔アディクション

石月煤子

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「言って」


冷房を効かせた室内。
外から届く午後四時の雑多なノイズ。
雨音もずっとしていた。


「俺にどんな意地悪されたい? どんなことされたい?」


後ろ手に手錠をかけられて視界が閉ざされている岬は。
見えない担任をネクタイ越しに睨みつけた。


「本番されてぇ」
「却下」


即答されるとギリギリ歯軋りした。


「半熟淫魔の分際で本番なんて生意気。お前にはまだ早い」
「目隠しプレイはいいのかよ!!」
「うん? だってお前も愉しんでるだろ、反抗期ちゃん」


起き上がろうとした岬の育ちきった乳首をカリ、と甘噛みし、すかさず抵抗力を殺いでおいて。

余念のない志摩は畳みかける。

褐色胸の突端に息づく敏感な突起にちょっとだけ歯列を食い込ませ、緩々と咀嚼しつつ、まだまだ窮屈な膣孔に突き入れた指を僅かに開き、くぱぁ……と入り口を拡げた。


「はっ……」


岬は全身じっとり発汗させて発育のいい体をくねらせた。


「ここに、俺の、ほしいの?」


嗜虐的で、時にとことん甘やかしてくれる指に奥まった膣壁のざらつくゾーンをなぞられて、何も考えられずに頷いた。


「ほし……」
「もっと奥まで? 犯してほしい?」
「は、ぁ、ぅ……志摩センセェ……っ」
「力任せに暴かれてもいい?」


青筋まで走らせて怒張する純潔ペニスの頂きから伝う汁糸。

盛んに波打つ下腹部目掛けて滴り落ちた。


「突かれて、揺さぶられて、俺のペニスに奥まで注ぎ込まれたい……?」


性感帯が凝縮された恍惚の領域を指腹に侵され、巧みに苛まれて、岬は仰け反った。


ヴァギナに潜り込む志摩の指二本をギチギチと締めつけて絶頂へ。

ナカに居座る彼の断片を痛感しながらメスとしてしどけなく達した。


「はッ……ッ……ッ……ッ……!!」
「すごいな、俺の指、食い千切られそう」
「ッ……志摩センセ、ェ……」


手触りのいいソファの上でビクビクと悶えていたヤンキー淫魔。

声のする方へ顔を傾け、思考もままならない状態でぼんやりおねだりした。


「センセェ……キス……くれ」


おねだりした直後。
興奮の波が一気に引いた。


……俺、今、なんつった?
……志摩センセェにキスしてくれって頼んだのか?


それって本番強請るよりめちゃくちゃ恥ずかしいやつじゃねぇか?


「岬」
「ッ……な、なんでもねぇ、つぅか腕痛ぇ、いい加減外せよ、これーー」
「いいよ」


え。
センセェ、やっと俺にキスしてくれる……?


だが、しかし。
岬が期待したものとは違うキスに志摩は及んだ。


「ち、ちが、そうじゃねぇッ、そこじゃねぇッ、そーいう意味じゃッ、ッ、あ、あ、あ、ン……ッ……!!」


両膝が肩につきそうになるくらい、ストレッチさながらにソファの上で体を折り曲げられて。

あられもない秘部をご開帳されるなり熱烈なキスを淫唇に食らった。


「い、いったばっかなのに……っ……んな、激しく舐めんな、ぁ……っ……だ、め……ソコばっか……っ……やめ……っ……ん、ん、ん……あんっ……すご……ぃ……っ」


すっかり快楽に弱くなったクリトリスを啄まれ、啜られ、過保護な舌先にここぞとばかりに愛でられる。


献身的な唇に囚われて陶酔の檻に突き落とされかけた岬であったが。

はたと我に返った。


この体勢って。
志摩センセェに何もかもモロ見えじゃねぇか?
ケツの穴まで……。


岬は改めて羞恥で顔をまっかっかにした。

とてもじゃないが耐えられずに力いっぱい抵抗しようとしたら。


ばきぃ!


「え?」
「あ?」


オモチャの手錠をぶっ壊した。


「ッ……ふ……」


淫靡なムードも台無しの健やかな腕白っぷりを披露されて、志摩も、とてもじゃないが耐えられずに笑い出した。


「ッ……笑うなッ、こ、こんな体勢、無理に決まってんだろぉが……!」
「あー。わかったから。暴れるなって」
「目隠し外せ!」
「手錠破壊したんだから自分で外せるだろ」
「別に破壊してねぇ! こんなモン、もうボロで寿命だったんだろ!」
「ふ……っ……っ」
「爆笑してんじゃねぇーーーー!!」





結局、機嫌を損ねた岬の代わりに志摩が冷製パスタを作った。


「お前って怪力なんだな」
「うるせぇ」
「それに身長伸びなかったか、四月の時点で171だったろ、数センチくらい成長したような気がする」
「知らねぇ」


ダイニングテーブルが一人用で狭いため、剥き出しの床に座り込み、ずっと片手にお皿を携えて夕食をとる二人。


「さっき、職員共有のメールが回ってきたんだけど」
「へぇ」
「学校の総務に近隣の住民から電話があったらしい」
「どうせ苦情だろ」
「ウチの生徒がこどもに傘を譲ってくれたんだと。親切な行動に感謝してるってさ」
「……」
「よかったな」
「別に俺だって特定されてねぇけど!!??」


岬はボクサーパンツ一丁であぐらをかいて食事していた。

下だけスウェットのロングパンツに履き替えて裸足の志摩は「駄目だ、さっきの思い出してまた笑いそう」と一人呟くと、サイズ大のペットボトルのミネラルウォーターを直に飲んだ。


……センセェって意外と笑うんだな。


教室では滅多に笑わねぇから、クラスの奴ら、志摩センセェがどんな風に笑うのか知らねぇだろうな。

もしかしたら学校中のみんな知らねぇかも。


……俺だけが知ってる志摩センセェ……。


「今、173センチくらいあるんじゃないのか」


先日、友達にまざって保健室で計測してみた身長を志摩に的確に言い当てられて。

何故だか心がふわふわ弾み、照れ隠しに深々と俯いたヤンキー淫魔なのであった。


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