淫魔アディクション

石月煤子

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アンクルソックスに包み込まれた爪先が休みなく揺らめき続ける。


「っ……っ……ん、ぅ……っ……んっんっんっ……っ」


真一文字に唇を結んだ岬は志摩に揺さぶられていた。


怒張したペニスに蜜孔を優しく貫かれる。

熱く滾る肉杭は膣壁を押し上げ、擦り、欲深げに拡げ、徐々に奥を突いてくるようになって。

不意に深いところを強めに突き上げられた。


「ッ……ッ……ッ……!」


岬は、開脚させた両足の膝頭を掴んで固定していた志摩の両手を咄嗟に上から握った。


「痛い……?」


上半身を起こして律動していた志摩に問われる。


シーツと同じく真白な枕に後頭部を沈めた岬は、ヒクヒクとうねる蜜壺でやおら静止した熱源を痛感しつつ、首を左右に振った。


志摩は岬の両膝を掴み直した。

腰を大きく振るロングストロークで入り口から奥にかけてペニスを行き来させる。

押し拡げられている感覚が倍増して岬はブルブルと仰け反った。

飲み込めなかった唾液がツゥ……と口角から滴っていく。

本日まだ一度も射精に至っていないペニスまで腹の上で仰け反らせて透明な雫を次から次に溢れさせた。


「……そうだな、いい加減、解放したいか」
「いッ……? ちょ、せんせ……ッ……!」


まだ純潔を保っているペニスを利き手に捕らわれて岬はぶわりと涙した。


先程からメスとして達してばかりで、熱が溜まるに溜まった隆起を一心に甘やかされ、それだけで十分だというのに。

先走りでぬるつく先端を掌でクチュクチュと揉みしだかれながら蜜孔を緩やかに突かれた。


「待ッ……ッ……あぅッ……あッあッあッ……!」


有り余る快感に岬は身を竦ませる。


瞬く間に這い上がってきた射精感に頻りに悶え、弓なりに背中を反らし、絶頂の飛沫を一思いに解放させた。


褐色の胸元や頬にまで飛び散った白濁。


一段と増した締めつけに志摩は思わず愉悦の笑みを零した。


「はぁっ……は、ぁ……っ……ん……」


一旦、律動をやめ、射精の余韻に浸かっている岬をじっと見つめた。


「ッ……ンだよ、ジロジロ見んな……」


視線に気づいた岬が片腕で顔を隠すと鼻先で小さく笑った。


「んっ……?」


脱ぐ手間も惜しく、股座にボクサーパンツを引っ掛けたままでいた志摩は上体を倒す。

はだけたシャツの狭間、白濁の雫に浸かっていた胸の突起をさもいかがわしい舌遣いで舐め上げた。


「濃厚」
「あ、ちょ……ッ……急に動く、な……ッ……あんッ……ッ」


ついつい弛緩していた唇から甘い声が洩れ、岬は慌てて口を閉じた。


「なにいまの」


ちゃんと聞いていた志摩はやたら愉しげに尋ねた。


褐色の肌に散った白濁を辿っては丁寧に吸い上げ、戯れに首筋を食み、唾液の跡まで舌端で拭う。

そのまま唇へ。

きゅっと閉ざされていたのを強引に抉じ開け、口内に充満していた吐息を貪り、痺れがちな岬の舌先を丹念に吸った。


「物凄く可愛い声だった」
「う、うるへぇ……っ……んぷ……」
「なぁ、もっと聞きたい、聞かせて」
「っ……やだ……っ……ふ……ぁ……っ」


浅く深く唇を交えながら話しかけてくる志摩を岬は睨んだ。


中断されていた律動が再開し、短い間隔のピストンでしっかり突かれ始めると、縋りつきたかった裸の肩にがむしゃらにしがみついた。


岬の真上で志摩は規則的な揺れを刻む。


隈なく潤う蜜壺の奥をたっぷり連打し、思う存分、特別な生徒への愛しさに酔い痴れた。


「あっ、あっ……やっ……せんせ……っ……あぁ、ん……っ」


生意気そうな吊り目でヤンキー然とした外見が一部の生徒や通行人に怖がられる岬の嬌声に聞き惚れた。

誰も知らない姿を独占している悦びにどっぷり浸かった。


「志摩センセェ……っ……俺にもくれよ……」


律動をやめずに志摩は岬を覗き込んだ。


「……センセェの、ぜんぶ、俺にちょうだい……」


伸びた前髪越しに恍惚に塗れた吊り目で強請られる。


「わかった、いいよ……あげる」


岬は志摩の肩に爪を立てた。


天井を向いた両足がものものしげに揺れ、蜜孔奥に肉杭を激しく打ちつけられ、我慢できずに……また達した。


容赦のない肉圧に搾り上げられて志摩は感極まる。

岬の胎底で傲然と反り返り、惜しげもなく熱流を噴き上げた。


「は……ッ」


低く嘆息した志摩を岬はぎゅっと抱きしめた。


ただでさえ度重なる自分自身の絶頂で体中蕩けそうになっているのに、その身でもって志摩の絶頂を受け止め、病みつきになりそうな恍惚感に射貫かれた。


担任の無防備な一瞬に初めて触れた。


止め処なく込み上げてくる所有欲の虜になって、夢現(ゆめうつつ)な岬は、誰にも渡したくない淫魔をしばらく離さずに掻き抱いていた。







「おいッ、志摩センセェ!? 俺はソッチまで許した覚えねぇぞ!!」


岬の色気のない大声がそれまで寝室に流れていたしっぽりムードをブチ壊した。


「何ぬかしてるんだか、反抗期ちゃん」


やっとボクサーパンツを脱ぎ、その身に眼鏡だけ備えた志摩はいけしゃあしゃあと言い返す。


「片方だけヒイキして片方は放置なんて可哀想だろ」


いつの間にやらシャツを脱がされ、アンクルソックスだけ身につけた岬は、志摩に四つん這いになるよう促されて最初は健気に従った。


てっきり体位を変えて再び蜜孔を奪われるのかと思いきや。

完璧な臨戦態勢を悠々と保つ志摩のペニスが後孔に押し当てられて、ギクリとし、慌てて抵抗しようとした。


「お前のがいっぱい溢れてコッチまで濡れてる」


蜜孔から氾濫した愛液は小さな蕾にまで伝っていた。

入念に馴染ませようと、志摩はもう一つの岬の入り口を卑猥に艶めく頂きで捏ね繰り回した。


「ん……!」


ぷっくりと盛り上がった後孔表面を執拗に刺激され、えもいわれぬ感覚に岬はゾクゾクした。

すでに日頃から指姦を学ばされていた尻奥がむず痒くなる。

志摩の絶頂を呑み込んだ蜜孔までもが物欲しげにヒクつき、つい、腰を揺すってしまう。


抵抗をすんなり放棄して悔しげに感じ入っている様に志摩はこっそり舌なめずりを。


「観念して、反抗期ちゃん」




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