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「ミオ、ミオ…!」
どれくらい意識を失っていたのだろう、ゆるりと目を開けると、アーヴェントが心配そうに覗き込んでいた。
「さ、触るなっ」
もう身分だの何だの気にしていられない、最後の方は逃げられないように乱暴に抑え続けられた手首や足が動かなくなっていた。
身体が本能的にアーヴェントを遠ざける。
「どうしたんです? ミオは初めて練習した日からずっと寝込んでいたんですよ、心配しました」
「うそだ」
でも手首も足も痛くない。もしアーヴェントが悪魔なら治癒魔法を使えるワケがない。
(本当に夢?)
「ミオ、明日エドワルドが帰って来ますよ」
「ほ、本当ですか?」
これほど待ち望んだ日は無い。ミオの心は途端に明るくなる。
その様子にアーヴェントが不機嫌になるが、ミオは気づかない。
「ミオは病み上がりです、エドワルド様が戻りましたらちゃんと連れてきますから」
「はい…」
本当に夢だったのか、身体も心も重くてたまらない。意識は泥の様に沈んでミオは久しぶりに良く眠れた気がした。
城内が騒々しい。エドワルドが帰ってきたのかもしれない。
アーヴェントが連れてくるとは言っていたが、ミオは待てずに広間へ駆けつけた。
久しぶりに見るエドワルドは相変わらずの美丈夫でまるで勇者のように雄々しい。その姿はミオの心を熱くさせた。
ー エドワルド様!
すぐにも叫んで近寄りたかったが、彼の隣にいる存在に気付き息を呑む。
シルバーグレイの髪に黄金の瞳の美女。
色合いは自分と同じなのに、艶やかな髪は美しく黄金の瞳はどんな宝石より美しく輝く。
まるで穢れを知らない無垢な美しさを持つ姫は、エドワルドに優しく支えられ姫もまたエドワルドを見つめ返す。
(あれが、隣国の姫…マミヤ様)
この国に連れて来たという事は、婚約の話に進展があったという事なのだろう。
あんなに優しそうで、甘い表情のエドワルドをミオは知らない。
「あぁぁ…」
最近自分はおかしい、泣いた事などほとんど無かったはずなのに、次から次へと涙が頬を伝う。
ミオから吐息とも、悲鳴ともつかない声が漏れると、エドワルドがこちらに気づく。
「おかえりなさいませ、エドワルド様」
慌てて綺麗に礼をとったつもりだったが、大丈夫だっただろうか。
ミオが顔を上げると、エドワルドの鋭利な視線が突き刺さる。
「何だこの汚らしいドブネズミは?」
「え?」
ミオが驚愕の表情を浮かべていると、イルミが腕を無理矢理後ろへ捻りあげる。
「エ、エドワルド様っ?!ミオです、僕っ」
イルミのせいで動く事は出来ないが、必死にミオは叫ぶ。
こんなの絶対間違いだ。
マミヤ姫が怪訝そうな顔をしたのにエドワルドが気付き、謁見の間へと促す。
「失礼しました。父上の元に参りましょう」
「エドワルドさま!!」
アルアが嬉しそうに耳元で囁く。
「本当に捨てられたな」
「地下牢へぶち込めとの事だ」
遠くで双子の声がした。
どれくらい意識を失っていたのだろう、ゆるりと目を開けると、アーヴェントが心配そうに覗き込んでいた。
「さ、触るなっ」
もう身分だの何だの気にしていられない、最後の方は逃げられないように乱暴に抑え続けられた手首や足が動かなくなっていた。
身体が本能的にアーヴェントを遠ざける。
「どうしたんです? ミオは初めて練習した日からずっと寝込んでいたんですよ、心配しました」
「うそだ」
でも手首も足も痛くない。もしアーヴェントが悪魔なら治癒魔法を使えるワケがない。
(本当に夢?)
「ミオ、明日エドワルドが帰って来ますよ」
「ほ、本当ですか?」
これほど待ち望んだ日は無い。ミオの心は途端に明るくなる。
その様子にアーヴェントが不機嫌になるが、ミオは気づかない。
「ミオは病み上がりです、エドワルド様が戻りましたらちゃんと連れてきますから」
「はい…」
本当に夢だったのか、身体も心も重くてたまらない。意識は泥の様に沈んでミオは久しぶりに良く眠れた気がした。
城内が騒々しい。エドワルドが帰ってきたのかもしれない。
アーヴェントが連れてくるとは言っていたが、ミオは待てずに広間へ駆けつけた。
久しぶりに見るエドワルドは相変わらずの美丈夫でまるで勇者のように雄々しい。その姿はミオの心を熱くさせた。
ー エドワルド様!
すぐにも叫んで近寄りたかったが、彼の隣にいる存在に気付き息を呑む。
シルバーグレイの髪に黄金の瞳の美女。
色合いは自分と同じなのに、艶やかな髪は美しく黄金の瞳はどんな宝石より美しく輝く。
まるで穢れを知らない無垢な美しさを持つ姫は、エドワルドに優しく支えられ姫もまたエドワルドを見つめ返す。
(あれが、隣国の姫…マミヤ様)
この国に連れて来たという事は、婚約の話に進展があったという事なのだろう。
あんなに優しそうで、甘い表情のエドワルドをミオは知らない。
「あぁぁ…」
最近自分はおかしい、泣いた事などほとんど無かったはずなのに、次から次へと涙が頬を伝う。
ミオから吐息とも、悲鳴ともつかない声が漏れると、エドワルドがこちらに気づく。
「おかえりなさいませ、エドワルド様」
慌てて綺麗に礼をとったつもりだったが、大丈夫だっただろうか。
ミオが顔を上げると、エドワルドの鋭利な視線が突き刺さる。
「何だこの汚らしいドブネズミは?」
「え?」
ミオが驚愕の表情を浮かべていると、イルミが腕を無理矢理後ろへ捻りあげる。
「エ、エドワルド様っ?!ミオです、僕っ」
イルミのせいで動く事は出来ないが、必死にミオは叫ぶ。
こんなの絶対間違いだ。
マミヤ姫が怪訝そうな顔をしたのにエドワルドが気付き、謁見の間へと促す。
「失礼しました。父上の元に参りましょう」
「エドワルドさま!!」
アルアが嬉しそうに耳元で囁く。
「本当に捨てられたな」
「地下牢へぶち込めとの事だ」
遠くで双子の声がした。
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