練習台のドブネズミ

なすみそ

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9※side レオンハルト

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「レオンハルト、まだミオちゃんは堕ちないのかい?もっとアドバイスしてやらんか」

母はアーヴェントの手引で魔界へ渡り、若くて美しい魔族の男達と享楽に耽っているようだった。
すでに傀儡になった王や王国自体に興味がなくなっているようにも見える。

レオンハルトは自分ばかりが公務とアーヴェントのご機嫌取りに必死になり、馬鹿らしく感じた。

「そうじゃ!アーヴェント様!次はこういうのはどうじゃ?」

「なるほど つまり… すれば自然に」

「あぁ、ミオちゃんのエドワルドへの忠誠心を利用するのよ」

すっかり仲良くなった母親とアーヴェントを横目に、レオンハルトは公務に勤しんだ。

しばらくして、エドワルドは隣国へ旅立ち、3人の作戦が始まった。

しかし身体を繋げてもアーヴェントはミオを落とせないでいた。

初めてミオを抱いた日など、魔界に戻って新居を整えてきたと上機嫌だったのに

「今日もダメじゃったの…」

「ちょっと強引過ぎじゃないですか?」

「確かに」

ロミリアとレオンハルトはクッキーをつまみながら宝珠が映し出す過激なシーンを眺めた。

なぜ母親とこんな映像を見なくてはならないのだろう、なるべく直視しないようにレオンハルトは妙な気を使いながらクッキーを噛み締める。


 ー やだっ、僕こわれるっ、

 ー ん、大丈夫大丈夫

ばちゃんばちゅんと、ミオを犯しながら愉悦にひたるアーヴェント。

ミオには見えていないが、ミオを犯すアーヴェントは射精のたびに真紅に光る。

ミオの身体に魔力を込めているのだろう。

「ふむ。立派な子供を産めるように順調に身体を作り変えているようじゃな。しかし心が堕ちて同意がないと最終的な契約は結べず、魔界にも連れてはいけぬ」

親子は何とか2人を結びつけようと、連日話し合った。

その日は明日エドワルドが帰るという日だった。
このままでは拉致があかないと、マミヤ姫の洗脳を解いたのだ。
アーヴェントは偽の記憶を打ち込むという強行手段に出たが、それでもミオは堕ちそうにない。

「いい所に来た…!」

あまりの激しい責苦にミオの骨が数か所折れ、内臓もダメージを受けている。ヒューヒューと呼吸を繰り返すミオを見てさすがにロミリアは助けに入った。

傷を癒しながらロミリアが閃いた。よくもまぁ次々と閃くものだ。レオンハルトは呆れて母親と魔族を眺める。

「そうじゃ!こういうのはどうじゃ?」

「なるほど…地下牢で幻惑を」


魔侯貴族アーヴェントロート。

彼はミオの名を奪い、自らの名の半分を与えて、ようやく手中に納めた。

アーヴェントは宝珠が撮影しているのをよく知っている。こちらを向いて満足げに笑った。



久々ゆっくり寛げる時間が出来たレオンハルトは宝珠に手を伸ばしあの時の映像を見る事にした。

5年前、母と眺めたミオの陵辱の数々、そして編集されたものを見て絶望するエドワルド…

「我が伴侶で抜くのはやめてもらおうか?レオンハルト王よ」

出たか…

首筋に当たるヒヤリとした刃物にため息をつきながら、レオンハルトは視線だけを動かす。

「これはこれはアーヴェント様。ご安心下さい。私が見ているのは映像を見て絶望の淵にいるエドワルドなのです」

呆然としているエドワルド。絶望の表情のエドワルド。
それを見た瞬間、ぞくぞくとした快感がレオンハルトを駆け巡った。

「フン!母子共に歪んでおるな。そなたの母親の性癖にもうちの部下はドン引きしておる」

ミオをあんな目に遭わせたアーヴェントに歪んでると言われるのはちょっと心外だった。

「お父様~!レオンおじちゃ~ん」

と、まるでお人形の様に可愛らしい少年がこちらに駆けて来た。

艶やかなシルバーグレイの髪に真紅の瞳。可憐な容姿はミオに似ている。アーヴェントにひょいと抱っこされたのは、いわずもがなミオとアーヴェントの子供である。

「これはツヴァイ様。また大きくなられましたね、お母様はお元気ですか?」

ツヴァイは5年前に産まれたが、もう10歳くらいの外見だ。

魔族は生まれたらすぐに叡智の樹に行き、全てを習得するのだという。

そして10年位で成人の姿になり、以降は消滅するまで老いる事は無いそうだ。

何とも羨ましい話だ。

「母上は弟達の世話ばかりだよ。父上?もう母上に子供産ませるのはやめません?
生まれたら体液を子に与え続けなければならないし、辛そうです」

「そうだな~でも子供がいた方が魔界から離れられないだろ?あと何十人かは頑張ってもらおうかな?」

「子供は道具じゃありません~!」

男であるミオが出産し、離乳食が体液。

おおよそ人間の常識では理解出来ないが、ミオは身体の時間を止められ、アーヴェントと子供達に愛されているようだ。

本人が幸せかはわからないが。

「ツヴァイ様、今日も焼き菓子をたくさん持って帰って下さいね」

「ありがとうレオンおじさん、人間のお菓子はとっても美味しいよ。母上も喜ぶし」

人間界の食べ物がとても気に入ったらしいツヴァイはたまにこの国に遊びに来る。

髪色も容姿もミオに似ているのにツヴァイには生まれながらにして高貴さと妖艶さがあった。

間違っても彼をドブネズミと嘲り加虐心を満たす人間などいないだろう。

ツヴァイは今食べ物に夢中だが、いずれ人間がターゲットになった時に厄介な事になりそうで今から胃が痛い。



 ー はぁ、続きを見よう。

傍迷惑な親子が街に遊びに行ったのを確認すると、疲れたレオンハルトはまた宝珠に手を伸ばした。
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