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揺れる心
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会社に行きたくなくても
行かなきゃいけない。
でも、あの家に籠っているよりいいのかもしれない。
あれから、雅人とは家で顔を合わすけど
何も話さない。
何だか前より関係が悪化しているのだけ分かる。
結婚指輪をあの日外してみたけど
やっぱりまたはめた。
会社で結婚指輪をしていなかったら
きっと色々言われるだろう。
雅人の指にも結婚指輪はまだ残っていた。
その姿を見て、少しだけホッとした。
私は離婚の二文字が頭を横切ったけど
雅人は考えていないのだろうか……。
「愛莉!ちょっとこっち来て!」
「どうしたの、幸……」
「これ……発注したの愛莉だよね?」
「あ……私だ!ごめん今すぐ電話する!」
ボーっとして仕事に身が入らない日々が続いた。
だけど、そんなの仕事を前にして言い訳にならない。
1万個発注を1000個しか発注していないなんて……
こんなミスしたことなかったのに。
「はい、はい……申し訳ございません。今すぐ伺います!」
「愛莉?どうだった?」
「在庫が8千あるけど残りの1000個、明日に間に合うかどうか……私、工場に行ってくる!」
「私も行こうか?」
「ううん、私のミスだから……教えてくれてありがとう、行ってきます!」
このまま家に帰っていたら
とんでもないことになっていた。
幸が見つけてくれてからよかったものの
工場の人に迷惑をかけて……申し訳ない。
「あんたね!もっとしっかりしてくれよ!新人かと思ったら、ベテランさんじゃないか!発注する時は数が大事なのは分かっているだろう!」
「申し訳ございません。本当に申し訳ございません……」
頭を下げるしかない。
自分のプライベートなことなのに
人様に迷惑をかけて……何やっているんだろう。
「物はできたけど、ラッピングまでは付き合いきれないから。」
「はい、作っていただき、ありがとうございます!ラッピングは私がしますので」
「1000個あるけど、頑張って」
「はい!ありがとうございました!」
時間は7時過ぎ……
今からやれば、きっと明日の朝には間に合うはず。
やらなきゃ、やるしかない!
黙々とラッピング作業を始めた。
綺麗に作られたブラジャーを
大事に丁寧に包んでいく。
これを手にとって身に着けてくれる人が
どうか幸せになりますようにと願いを込めて……
「アラサーが泣くな泣くな!」
今頃、何の涙か分からないけど
涙が溢れでてきた。
仕事のミス、雅人のこと……
情緒不安定になっているんだろうな、私。
「そんなペースじゃ終わらないよ、明日の朝まで」
「本田君!」
「はい、差し入れ」
「あ、ありがとう」
時間はもう9時過ぎていた。
そういえばご飯食べていなかった……
“ぐぅ~~”
差し入れのおにぎりやサンドイッチを見たら
急にお腹が空いてきた。
「食べてて。その間俺やっておくから」
「いや、でもこれは……」
「自分のミスだって言いたいんでしょ?ご飯食べている間しか手伝わないから。だから、早く食べ終わって」
「じゃあ……いただきます」
食べやすいサンドイッチを選んで
急いで食べたらむせてしまった。
「何やっているの~はい、どうぞ」
「ごめっ……」
ペットボトルの蓋をあけてから渡してくれた。
何気ない行動かもしれないけど
その優しい行動をさらっとできるなんて……
行かなきゃいけない。
でも、あの家に籠っているよりいいのかもしれない。
あれから、雅人とは家で顔を合わすけど
何も話さない。
何だか前より関係が悪化しているのだけ分かる。
結婚指輪をあの日外してみたけど
やっぱりまたはめた。
会社で結婚指輪をしていなかったら
きっと色々言われるだろう。
雅人の指にも結婚指輪はまだ残っていた。
その姿を見て、少しだけホッとした。
私は離婚の二文字が頭を横切ったけど
雅人は考えていないのだろうか……。
「愛莉!ちょっとこっち来て!」
「どうしたの、幸……」
「これ……発注したの愛莉だよね?」
「あ……私だ!ごめん今すぐ電話する!」
ボーっとして仕事に身が入らない日々が続いた。
だけど、そんなの仕事を前にして言い訳にならない。
1万個発注を1000個しか発注していないなんて……
こんなミスしたことなかったのに。
「はい、はい……申し訳ございません。今すぐ伺います!」
「愛莉?どうだった?」
「在庫が8千あるけど残りの1000個、明日に間に合うかどうか……私、工場に行ってくる!」
「私も行こうか?」
「ううん、私のミスだから……教えてくれてありがとう、行ってきます!」
このまま家に帰っていたら
とんでもないことになっていた。
幸が見つけてくれてからよかったものの
工場の人に迷惑をかけて……申し訳ない。
「あんたね!もっとしっかりしてくれよ!新人かと思ったら、ベテランさんじゃないか!発注する時は数が大事なのは分かっているだろう!」
「申し訳ございません。本当に申し訳ございません……」
頭を下げるしかない。
自分のプライベートなことなのに
人様に迷惑をかけて……何やっているんだろう。
「物はできたけど、ラッピングまでは付き合いきれないから。」
「はい、作っていただき、ありがとうございます!ラッピングは私がしますので」
「1000個あるけど、頑張って」
「はい!ありがとうございました!」
時間は7時過ぎ……
今からやれば、きっと明日の朝には間に合うはず。
やらなきゃ、やるしかない!
黙々とラッピング作業を始めた。
綺麗に作られたブラジャーを
大事に丁寧に包んでいく。
これを手にとって身に着けてくれる人が
どうか幸せになりますようにと願いを込めて……
「アラサーが泣くな泣くな!」
今頃、何の涙か分からないけど
涙が溢れでてきた。
仕事のミス、雅人のこと……
情緒不安定になっているんだろうな、私。
「そんなペースじゃ終わらないよ、明日の朝まで」
「本田君!」
「はい、差し入れ」
「あ、ありがとう」
時間はもう9時過ぎていた。
そういえばご飯食べていなかった……
“ぐぅ~~”
差し入れのおにぎりやサンドイッチを見たら
急にお腹が空いてきた。
「食べてて。その間俺やっておくから」
「いや、でもこれは……」
「自分のミスだって言いたいんでしょ?ご飯食べている間しか手伝わないから。だから、早く食べ終わって」
「じゃあ……いただきます」
食べやすいサンドイッチを選んで
急いで食べたらむせてしまった。
「何やっているの~はい、どうぞ」
「ごめっ……」
ペットボトルの蓋をあけてから渡してくれた。
何気ない行動かもしれないけど
その優しい行動をさらっとできるなんて……
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