【R18】蝶々と甘い蜜。

かのん

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嫉妬で狂ったセックス⑦

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ズルっと自分の中に入っていた三島のモノが引きずり出される間隔が伝わってきた。10年三島のモノが入ってきた私の子宮は、もう三島の形になっているだろう。三島のモノを離さない感覚が自分の中にあった…最後まで私の子宮は三島のモノが名残惜しいのかもしれない。


わたしから別れを告げるなんて、三島は契約違反だと怒るのだろうか。
あるいは、少しは寂しがってくれるのだろうか。わたしのなかではこの二択だった。


だけど、三島はやっぱり想像以上の人だた。。。


三島は私の髪の毛をゆっくりと撫で始めたのだ。こんなことは初めてで…どんな顔をすればいいのかも分からない。あまりに大事に、愛おしそうに髪を撫でてくるから、泣かないと決めていたのに、涙が出そうになった。


「結衣、ありがとう、本当にありがとう。私を受け入れてくれて、ありがとう。」


ごめんねと謝られるかと思っていた。こんなことになってごめんと……だけど三島はありがとうしか言わなかった。それでいい。

ごめんねと謝られたら、今まで私たちが一緒に過ごした時間が、なんだか嘘っぽく感じるから。



本当はもっと……綺麗に別れたかった。


愛はなくてもいっぱい抱き合って
もうこのまま死んでもいいと思えるようなセックスをして
三島と別れたかった。


だけど最後の最後に見せた三島の優しさや嫉妬が
今まで我慢してきた私の心の瘡蓋をはがした。
今まで何度も傷になっては瘡蓋になって蓋をしてきた自分の思いを
全部ではないけど
三島に少しはぶつけることができて
よかったって今は思いたい。


目に溜まった涙が
目尻からすぅっと流れていく。
言葉や合図は何もない。


目を閉じたら、自然と三島が唇を重ねてきてくれた。
ただ唇を軽く重ねただけのキスなのに
今までしてきた濃厚などのキスより
どこかエロティックで

子宮が疼いた。

三島とココロがほんの少し交わった気がしたからかもしれない。


ギシッとベッドがきしむ音が部屋に響き渡る。
今まではその音が私の官能が刺激されて好きだった音が
ただ、ただ、今は虚しい。


「行かないで!」


その一言を言わないように
瞳を閉じたままゆっくりと呼吸するしかなかった。
三島と出会った日のパーティーのこと
三島にいつかは愛されたいと願っていたこと
自分の知らない快感を三島にたくさん与えてもらったこと
10年間の日々を思い出して
ゆっくりと瞳を開けた


「三島さん……」


名前を呼んだら必ず返事をしてくれた。
だから……もうこの部屋に三島はいない。


「三島さっ……」


本当はこんな風に三島さんの前で大声をあげて泣きたかった。
だけどこんな風に泣いたら嫌われる気がして
感情を抑えることしかできなかった。


「好きなのに……ううっ……好きっ……好き……」


心の中で何度も叫んでいた言葉を
大声で叫ばずにいられなかった。
防音が聞いたこの部屋は
私のこの声だって誰にも届かない。



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