ねぇ、先生。【R18】

かのん

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友達の夫は…②

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『では、かんぱ~い!』


「ほら、奈々もグラスもって乾杯しようよ♪」


加奈子がグラスを渡してくれたけど乾杯する気になれなかった。


「あ、ねぇ、今のうちに写真撮りにいかない?」



「さすが鈴~だよね、今のうちにいこう!新郎さんにもご挨拶したいし!」



「あ、私は後ででいいや…」(今は先生の顔も安奈の顔もみれない)



「でもお色直しとかあるだろうし、今だけだよ、ほら、行こう!」



鈴に引っ張られて二人がいる雛壇に向かった。










どうして先生の隣にいるのが
        私の友達なんだろう







「安奈おめでとう!!すっごく綺麗だよ!」



加奈子が安奈に抱きついた。



「ありがとう、加奈子!あ、私の大学時代の友達で、鈴、加奈子、そして奈々だよ。」



「初めまして、鈴です。安奈がちゃんと大学院卒業できるように見守ってあげてください。」



「もう、鈴ったら~」




「…初めまして、綾部健です。」



先生は一瞬びっくりしながらも、ポーカーフェイス戻っていた。



今日はあの日と違ってメガネをかけていた。



「え?でも奈々は初めてじゃないんでしょ?」



加奈子が話を振ってくる。



「え?そうなの?どこで知り合ったの?」



「あ、えっと、高校の先生で…」



「そっか健さん高校の先生していたんだもんね。」



先生の隣で笑う安奈が私には眩しかった。



「ねぇねぇ、健さんどんな先生だったの?知りたい~」



「担任とか教科の担当じゃなかったから…」



部活の顧問だったって言えばいいのにどうして言えないんだろう。



何となく隠しておきたくなっていた。



「じゃあ逆に奈々はどんな生徒だったの?」



「早瀬は…化学で100点を取る、そんな生徒だったよ。」



「100点!?すごいじゃん!でもなんで健さんは奈々のこと知っているの?接点ないんでしょ?」



「化学の先生だったし、100点とれば話題にもなるよ。」



「それもそっか~」



私も先生もなんとなく皆に接点があったことを隠した



先生と私の秘密――



これぐらいはいいよね?



神様、どうしてこんな運命を与えたの?



何度も先生とこうやってめぐり合えるのに



こうやってすれ違うのが私たちの答えなの?



それともまだ私に過酷な人生を与えるの?
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