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涙
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「え!?本当ですか!?」
次の日美優は外出許可が出た。
「おうちに帰ってもいいんですか?」
「夜までには戻ってきてね。」
「はい!」
「よかったね。」
看護婦さんが病室から出て行くとヒロが入ってきた。
「うん!」
「久しぶりの家だもんな…あ、兄さん!」
巧も部屋の中に入ってきた。
「あ…体大丈夫なの?」
「あぁ…美優は?お前も雨に濡れただろ?運んでもらって悪かったな。」
「…ううん。」
「…」
ヒロは二人の間に最初の頃よりは二人の間が距離が縮まったような感じがした。
「じゃあ時間もったないし家に帰ろう。ってそういえば兄さん外出許可もらったの?」
「当たり前だろ。美優が外出するなら俺も絶対ついていくって説得させたし。」
「…先生可哀想だね。」
美優の耳元でヒロが囁くと、美優もクスっと笑った。
「ヒロ、お前何いったんだよ!」
ヒロと巧がじゃれあう。
15年前もこんな感じだった…
「ただいま~って何これ!?」
部屋の中はヒロと巧が喧嘩をして散らしたままの状態だった。
「あ~これは俺と兄さんが喧嘩したから…ごめんごめん。片付けるから…」
そういってヒロと巧は床に落ちているものを拾い出した。
美優も床に落ちていたものを拾う。
「これ…」
美優が拾ったのは15年前のクリスマスになくした美優のかばんだった。
中を開けると三人で写っている写真が入っていた。
「本当に私達三人幼馴染だったんだ…イタッ…」
「美優どうしたの?大丈夫?」
ヒロが心配そうに美優に駆け寄る。
「…確か、あの日このカバンのことで二人が喧嘩して…警察がきて…巧が倒れて…それからッ…」
美優は頭痛が酷いのか顔がゆがみ始めた。
「美優、もういいよ。今日はやめておこう。」
「どけッ!」
巧がヒロを押しのけ、美優の肩を両手でつかむ。
「それで…それからッ…?」
「それから…病院…?」
「もっと思い出せよ!俺のこと思い出せよ!」
巧がぎゅっと力強く美優の肩を握り締める。
「痛い…肩痛いよッ…」
「兄さん!!」
ヒロが間に入り、巧と美優を引き離した。
「美優、大丈夫?」
「思い出せなくてごめんなさい…」
思い出したいのは美優本人だが、思い出せないことが歯がゆくて仕方なかった。
「美優、俺兄さんと買出ししてくるから…ソファで横になってて。」
そういってヒロは巧を外へ連れ出した。
「…兄さん、焦るのわかるけどあんな風にしたら美優も可哀想だよ。」
「…わかってるよ!!」
巧はヒロを怒鳴りつけた。
「兄さん…そんなに思い出してほしいの?」
「は?当たり前だろ!」
「何を思い出してほしいの?」
「何って…俺のことを…」
自分のことを好きだったことを思い出してほしい、ただそれだけだった。
「兄さんは過去にすがる男じゃないって思ってたよ。」
「は…?」
「15年前のことを覚えていなくても、二人は恋に落ちたじゃん。」
ヒロのこの一言が、巧の不安、イライラ、嫉妬などがすぅーっと心から消え去った。
「…そうだよな。」
「そうだよ…」
二人は昔のように兄弟仲良く肩を並べて買い物へ行った。
「美優、遅くなってごめん。適当に買ってきたよ。」
「あ、おかえり~」
「片付けなくていいって言ったのに…体調どう?」
「うん。もう大丈夫。」
美優はチラッと巧のほうをみる。
「美優…さっきはごめん。」
「……ううん。私こそごめん。」
「あ、もうお昼か。何か食べて帰ろう。」
「私ご飯作るからちょっと待っててね。ご飯はもう炊けたからすぐできるよ。」
「いいの?俺作るよ。」
「大丈夫だよ~ほら座ってて。」
美優はヒロのヘルプを断り、料理をはじめた。
「簡単なものなだけど…できたよ!」
「うわぁ~美味しそう!ね?兄さん!」
「これ…」
「オムライスだよ。」
“カチャッ…”
椅子に座ってスプーンでオムライスをすくって口へ運んだ。
美優の作ったオムライスだ――
あの日初めて会った日に食べた味
あの日会えたのは偶然だったのかな…
でも色々あってもまたオムライスが食べれた――
「どうしたの!?」
巧の瞳からポロポロと涙がこぼれた。
「不味かった!?ごめんね、もう一度作るよ!」
「……またオムライスが食べれるって思わなくて…」
巧の肩が震えていた。
「美味しいよ。」
巧が泣きながら食べている姿を見て、巧が急に愛しくなった。
気づいたら巧を抱きしめていた。
「また作るから、これからいっぱい作るから泣かないでよ。」
巧も美優の腰に腕を回し自分のほうへと美優を引き寄せる。
「ううん!!」
ヒロが咳払いをわざと咳払いをする。
二人は慌てて体を離した。
「俺のこと完全に忘れてたよ。俺がいないときにしてよね。」
「え!?いや、なんか急に体が動いちゃって…」
そう言いながら美優は顔を赤らて、オムライスを口に頬張った。
巧にとっては今日のオムライスは涙の味がしたオムライスで、一生忘れられないオムライスになった。
次の日美優は外出許可が出た。
「おうちに帰ってもいいんですか?」
「夜までには戻ってきてね。」
「はい!」
「よかったね。」
看護婦さんが病室から出て行くとヒロが入ってきた。
「うん!」
「久しぶりの家だもんな…あ、兄さん!」
巧も部屋の中に入ってきた。
「あ…体大丈夫なの?」
「あぁ…美優は?お前も雨に濡れただろ?運んでもらって悪かったな。」
「…ううん。」
「…」
ヒロは二人の間に最初の頃よりは二人の間が距離が縮まったような感じがした。
「じゃあ時間もったないし家に帰ろう。ってそういえば兄さん外出許可もらったの?」
「当たり前だろ。美優が外出するなら俺も絶対ついていくって説得させたし。」
「…先生可哀想だね。」
美優の耳元でヒロが囁くと、美優もクスっと笑った。
「ヒロ、お前何いったんだよ!」
ヒロと巧がじゃれあう。
15年前もこんな感じだった…
「ただいま~って何これ!?」
部屋の中はヒロと巧が喧嘩をして散らしたままの状態だった。
「あ~これは俺と兄さんが喧嘩したから…ごめんごめん。片付けるから…」
そういってヒロと巧は床に落ちているものを拾い出した。
美優も床に落ちていたものを拾う。
「これ…」
美優が拾ったのは15年前のクリスマスになくした美優のかばんだった。
中を開けると三人で写っている写真が入っていた。
「本当に私達三人幼馴染だったんだ…イタッ…」
「美優どうしたの?大丈夫?」
ヒロが心配そうに美優に駆け寄る。
「…確か、あの日このカバンのことで二人が喧嘩して…警察がきて…巧が倒れて…それからッ…」
美優は頭痛が酷いのか顔がゆがみ始めた。
「美優、もういいよ。今日はやめておこう。」
「どけッ!」
巧がヒロを押しのけ、美優の肩を両手でつかむ。
「それで…それからッ…?」
「それから…病院…?」
「もっと思い出せよ!俺のこと思い出せよ!」
巧がぎゅっと力強く美優の肩を握り締める。
「痛い…肩痛いよッ…」
「兄さん!!」
ヒロが間に入り、巧と美優を引き離した。
「美優、大丈夫?」
「思い出せなくてごめんなさい…」
思い出したいのは美優本人だが、思い出せないことが歯がゆくて仕方なかった。
「美優、俺兄さんと買出ししてくるから…ソファで横になってて。」
そういってヒロは巧を外へ連れ出した。
「…兄さん、焦るのわかるけどあんな風にしたら美優も可哀想だよ。」
「…わかってるよ!!」
巧はヒロを怒鳴りつけた。
「兄さん…そんなに思い出してほしいの?」
「は?当たり前だろ!」
「何を思い出してほしいの?」
「何って…俺のことを…」
自分のことを好きだったことを思い出してほしい、ただそれだけだった。
「兄さんは過去にすがる男じゃないって思ってたよ。」
「は…?」
「15年前のことを覚えていなくても、二人は恋に落ちたじゃん。」
ヒロのこの一言が、巧の不安、イライラ、嫉妬などがすぅーっと心から消え去った。
「…そうだよな。」
「そうだよ…」
二人は昔のように兄弟仲良く肩を並べて買い物へ行った。
「美優、遅くなってごめん。適当に買ってきたよ。」
「あ、おかえり~」
「片付けなくていいって言ったのに…体調どう?」
「うん。もう大丈夫。」
美優はチラッと巧のほうをみる。
「美優…さっきはごめん。」
「……ううん。私こそごめん。」
「あ、もうお昼か。何か食べて帰ろう。」
「私ご飯作るからちょっと待っててね。ご飯はもう炊けたからすぐできるよ。」
「いいの?俺作るよ。」
「大丈夫だよ~ほら座ってて。」
美優はヒロのヘルプを断り、料理をはじめた。
「簡単なものなだけど…できたよ!」
「うわぁ~美味しそう!ね?兄さん!」
「これ…」
「オムライスだよ。」
“カチャッ…”
椅子に座ってスプーンでオムライスをすくって口へ運んだ。
美優の作ったオムライスだ――
あの日初めて会った日に食べた味
あの日会えたのは偶然だったのかな…
でも色々あってもまたオムライスが食べれた――
「どうしたの!?」
巧の瞳からポロポロと涙がこぼれた。
「不味かった!?ごめんね、もう一度作るよ!」
「……またオムライスが食べれるって思わなくて…」
巧の肩が震えていた。
「美味しいよ。」
巧が泣きながら食べている姿を見て、巧が急に愛しくなった。
気づいたら巧を抱きしめていた。
「また作るから、これからいっぱい作るから泣かないでよ。」
巧も美優の腰に腕を回し自分のほうへと美優を引き寄せる。
「ううん!!」
ヒロが咳払いをわざと咳払いをする。
二人は慌てて体を離した。
「俺のこと完全に忘れてたよ。俺がいないときにしてよね。」
「え!?いや、なんか急に体が動いちゃって…」
そう言いながら美優は顔を赤らて、オムライスを口に頬張った。
巧にとっては今日のオムライスは涙の味がしたオムライスで、一生忘れられないオムライスになった。
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