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懺悔。②
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美月に促されるまま中に入ると
これは現実なのか妄想なのか……
わからなかった。
でも驚いた後の未亜の悲しそうな表情が
俺の胸を切り裂きそうになる。
未亜がトイレだとその場から去る時に
指が微かに触れた。
触れた瞬間も触れた肌もほんの少しだったのに
未亜の今の気持ちが十分伝わってきた。
「この場から去りたい。」とーー
『俺、探してくるよ、ちょっとーー』
『え!?礼人!?ちょっと待って。』
とてもじゃないけど美月のご両親と話せる心境ではなくて
帰ってこない未亜のことが心配でたまらなかった。
『大丈夫だよ、もう子供じゃないんだから。』
俺の右手をしっかりと掴んでくる美月のほうが
なぜか未亜より子供に見えた。
俺が未亜のところに行って欲しくない。そんな風に一瞬見えた。
『でも……心配じゃないのか?妹のこと。それに妹がいるなんて初めて知った。』
『妹がいたらダメだった…?』
『いや、そういうわけじゃ…ただ妹の話なんて聞いたことなかったから。』
『礼人は私に興味なかったじゃない。苗字も田中じゃありきたりだしね。』
『それに……』
美月と未亜は容姿も中身も違いすぎる。
美月は綺麗な顔立ちにモデルのような容姿でいわゆる容姿端麗だ。
勉強もスポーツもできるタイプだが、未亜は違う。
未亜は柔らかい雰囲気で癒されるタイプだ。
勉強はスポーツはどちらかというと苦手で…
『未亜はね、お姉ちゃん、お姉ちゃんっていって可愛い子なの。可愛い子だけど……邪魔なのよね。』
『邪魔って……とにかく俺は探すから。』
絡めてきている美月の腕を振り払って
とにかく未亜を探した。
『私もう一度待ちます。だけど礼人さんが来なかったら私…他の人とホテル行きます。』
あの時の台詞が怖くなってとにかく未亜を探した。
誰とでも寝るような子じゃないと思うが
あの悲しい表情を見たら…今の未亜ならもしかして…
そう思いながらとにかく走るしかなかった。
『未亜……?』
遠くで未亜らしき女の子が金髪のホスト風の男と一緒に立っている。
未亜は、さっきの悲しそうな表情ではなくて、楽しそうに微笑んでいる。
男も楽しそうにウインクしながら談笑している。
『未亜…!!』
今すぐ誤解をときたい、その思いしか俺にはなくて
未亜と今すぐ話したいのに、未亜に拒否されてしまった。
男と未亜が走っていく姿を最初は追いかけたけど
人ごみに紛れてわからなくなってしまった。
たった1日だけ、美月に懺悔するためにと行動したことが
こんなにも未亜を苦しませてしまったなんてーー
『礼人!未亜見つかった!?』
『見つかったけど…ホストみたいな男とどこか行った。』
『え!?大丈夫なの、それ!?』
真剣に妹を心配している姿は
さっき妹を『邪魔』といった美月と同じ人物とは思えないほどだった。
もしかしたらさっきのは聞き間違いだったのかもしれない。
俺にも弟がいるから、俺にいつもついてきて
かわいい反面ついてきてほしくないない時もあったから。
きっとそういう意味だったのだろうとその時は深く考えなかった。
『礼人、もう帰っていいよ。また別の日にしよう。』
『心配だから帰ってくるまでいるよ。』
『心配って…未亜と礼人は関係ないじゃない。』
『……教師だから。』
あんなに未亜と先生と生徒の関係は嫌だったはずなのに
今は先生と生徒の関係にしがみつくしかない自分に嫌気がさす。
そうか……俺たちは今まで“先生と生徒”の関係に守られてきたんだな。
『何だかすいませんね、ご心配おかけして。せっかく素敵な日になりそうだったのに。』
お義母さんが家で待っている間お茶を入れてくれて、申し訳なさそうに話しかけてくる。
『いえ…気にしないでください。』
元はといえば俺が悪いのだから…。
『いや~でもこんなに教育熱心な人が未亜の先生だったなんて、知らなかったなぁ。未亜も素敵な高校生活を送れたんだろうな。美月もいい人を見つけたもんだ。』
『見つけたっていうより…私たち同級生なんだよ。小学校と中学のとき。』
『あ!もしかして男子校にいった五ヶ瀬君!?美月から話を聞いていましたよ~カッコいいって。』
『やだ、お母さんやめてよ~』
これは現実なのか妄想なのか……
わからなかった。
でも驚いた後の未亜の悲しそうな表情が
俺の胸を切り裂きそうになる。
未亜がトイレだとその場から去る時に
指が微かに触れた。
触れた瞬間も触れた肌もほんの少しだったのに
未亜の今の気持ちが十分伝わってきた。
「この場から去りたい。」とーー
『俺、探してくるよ、ちょっとーー』
『え!?礼人!?ちょっと待って。』
とてもじゃないけど美月のご両親と話せる心境ではなくて
帰ってこない未亜のことが心配でたまらなかった。
『大丈夫だよ、もう子供じゃないんだから。』
俺の右手をしっかりと掴んでくる美月のほうが
なぜか未亜より子供に見えた。
俺が未亜のところに行って欲しくない。そんな風に一瞬見えた。
『でも……心配じゃないのか?妹のこと。それに妹がいるなんて初めて知った。』
『妹がいたらダメだった…?』
『いや、そういうわけじゃ…ただ妹の話なんて聞いたことなかったから。』
『礼人は私に興味なかったじゃない。苗字も田中じゃありきたりだしね。』
『それに……』
美月と未亜は容姿も中身も違いすぎる。
美月は綺麗な顔立ちにモデルのような容姿でいわゆる容姿端麗だ。
勉強もスポーツもできるタイプだが、未亜は違う。
未亜は柔らかい雰囲気で癒されるタイプだ。
勉強はスポーツはどちらかというと苦手で…
『未亜はね、お姉ちゃん、お姉ちゃんっていって可愛い子なの。可愛い子だけど……邪魔なのよね。』
『邪魔って……とにかく俺は探すから。』
絡めてきている美月の腕を振り払って
とにかく未亜を探した。
『私もう一度待ちます。だけど礼人さんが来なかったら私…他の人とホテル行きます。』
あの時の台詞が怖くなってとにかく未亜を探した。
誰とでも寝るような子じゃないと思うが
あの悲しい表情を見たら…今の未亜ならもしかして…
そう思いながらとにかく走るしかなかった。
『未亜……?』
遠くで未亜らしき女の子が金髪のホスト風の男と一緒に立っている。
未亜は、さっきの悲しそうな表情ではなくて、楽しそうに微笑んでいる。
男も楽しそうにウインクしながら談笑している。
『未亜…!!』
今すぐ誤解をときたい、その思いしか俺にはなくて
未亜と今すぐ話したいのに、未亜に拒否されてしまった。
男と未亜が走っていく姿を最初は追いかけたけど
人ごみに紛れてわからなくなってしまった。
たった1日だけ、美月に懺悔するためにと行動したことが
こんなにも未亜を苦しませてしまったなんてーー
『礼人!未亜見つかった!?』
『見つかったけど…ホストみたいな男とどこか行った。』
『え!?大丈夫なの、それ!?』
真剣に妹を心配している姿は
さっき妹を『邪魔』といった美月と同じ人物とは思えないほどだった。
もしかしたらさっきのは聞き間違いだったのかもしれない。
俺にも弟がいるから、俺にいつもついてきて
かわいい反面ついてきてほしくないない時もあったから。
きっとそういう意味だったのだろうとその時は深く考えなかった。
『礼人、もう帰っていいよ。また別の日にしよう。』
『心配だから帰ってくるまでいるよ。』
『心配って…未亜と礼人は関係ないじゃない。』
『……教師だから。』
あんなに未亜と先生と生徒の関係は嫌だったはずなのに
今は先生と生徒の関係にしがみつくしかない自分に嫌気がさす。
そうか……俺たちは今まで“先生と生徒”の関係に守られてきたんだな。
『何だかすいませんね、ご心配おかけして。せっかく素敵な日になりそうだったのに。』
お義母さんが家で待っている間お茶を入れてくれて、申し訳なさそうに話しかけてくる。
『いえ…気にしないでください。』
元はといえば俺が悪いのだから…。
『いや~でもこんなに教育熱心な人が未亜の先生だったなんて、知らなかったなぁ。未亜も素敵な高校生活を送れたんだろうな。美月もいい人を見つけたもんだ。』
『見つけたっていうより…私たち同級生なんだよ。小学校と中学のとき。』
『あ!もしかして男子校にいった五ヶ瀬君!?美月から話を聞いていましたよ~カッコいいって。』
『やだ、お母さんやめてよ~』
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