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もう、優しくしないで…。③
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「晃さん…ありがとう。あ、あのこのことッ……」
「言わないから安心して。本当はずっと前から知っていた、2人のこと。」
「え……?」
「準備室。」
「あ……。」
準備室で先生としていたところを見られたんだ…。
晃さんの顔を見るのが恥ずかしくなって顔をあげれなくなった。
「俺、正直に言うと……」
顔は上げられずにそのまま俯いたまま晃さんの話を聞いた。
晃さんの目にはきっと不純な人にしか見えなかっただろう。
「先生と生徒っていうのが信じられなくて……汚らわしい感じで見ていた。」
「ごめんなさい。」
「責めているわけじゃないんだ。謝るのは俺のほうで……」
「謝る?」
「未亜ちゃんと先生がすれ違う時、お互い普通に通り過ぎるのに、未亜ちゃんは絶対振り返るんだ。そして先生も……少し振り返っているのをずっと見ていた。」
「晃さん……」
「お互い本当に好きなんだなって。そしたら2人の関係が羨ましくなって、一度でも不純だっていう目で見た自分が恥ずかしくなって。」
「晃さんが謝ることじゃないです。でも、晃さんが見守ってくれていたかと思うと……嬉しいです。」
ニカっと八重歯を見せて笑う笑顔が今の私には眩しい。
高校時代の私と礼人さんはまだ愛し合っていたと思っておきたい。
だけど、これからは愛せれない。
だって、お姉ちゃんの――。
「未亜?」
「お姉ちゃん……」
「どうしたの?こんなところで…もう外に出ていいの?熱は?」
「え?熱あったの?」
「熱はもう下がって大丈夫だから。」
「あ…未亜、知り合いなの?」
「うん、高校の先輩。」
「あ、もしかして彼氏?」
「え?違うよ…」
「照れなくてもいいって!初めまして、未亜の姉です。」
「あ、初めまして、桜井晃です。」
「高校の先輩なら五ヶ瀬先生って知っているわよね?私五ヶ瀬先生と結婚するの。」
「え……!?」
「五ヶ瀬先生ってどんな先生だった?生徒からの話も聞いてみたいのよ。」
「五ヶ瀬先生は……」
晃さんの視線を感じる。
言いたいことはわかってる。
姉の婚約者とそういう関係だったのかとか
きっと色んなことを思っている。
さっき私と先生をみる目は変わったって言っていたけど
きっとまた見る目は変わると思う。
そう思ったら、顔をあげることはできなかった。
「五ヶ瀬先生は……いつも自分を犠牲にする先生でした。」
「犠牲……?」
「はい、自分より相手をいつも大事にする、そんな先生でした。」
そう、いつも未亜ちゃんが振り返って前を向いたあと、いつも五ヶ瀬先生も少しだけ振り返って未亜ちゃんを見ていたのを俺は知っているから。
未亜ちゃんが楽しそうに友達と話している姿を愛おしそうに見守り、
男子学生と話しをしている時は悲しそうな表情で見つめていたのを俺は知っている。
「言わないから安心して。本当はずっと前から知っていた、2人のこと。」
「え……?」
「準備室。」
「あ……。」
準備室で先生としていたところを見られたんだ…。
晃さんの顔を見るのが恥ずかしくなって顔をあげれなくなった。
「俺、正直に言うと……」
顔は上げられずにそのまま俯いたまま晃さんの話を聞いた。
晃さんの目にはきっと不純な人にしか見えなかっただろう。
「先生と生徒っていうのが信じられなくて……汚らわしい感じで見ていた。」
「ごめんなさい。」
「責めているわけじゃないんだ。謝るのは俺のほうで……」
「謝る?」
「未亜ちゃんと先生がすれ違う時、お互い普通に通り過ぎるのに、未亜ちゃんは絶対振り返るんだ。そして先生も……少し振り返っているのをずっと見ていた。」
「晃さん……」
「お互い本当に好きなんだなって。そしたら2人の関係が羨ましくなって、一度でも不純だっていう目で見た自分が恥ずかしくなって。」
「晃さんが謝ることじゃないです。でも、晃さんが見守ってくれていたかと思うと……嬉しいです。」
ニカっと八重歯を見せて笑う笑顔が今の私には眩しい。
高校時代の私と礼人さんはまだ愛し合っていたと思っておきたい。
だけど、これからは愛せれない。
だって、お姉ちゃんの――。
「未亜?」
「お姉ちゃん……」
「どうしたの?こんなところで…もう外に出ていいの?熱は?」
「え?熱あったの?」
「熱はもう下がって大丈夫だから。」
「あ…未亜、知り合いなの?」
「うん、高校の先輩。」
「あ、もしかして彼氏?」
「え?違うよ…」
「照れなくてもいいって!初めまして、未亜の姉です。」
「あ、初めまして、桜井晃です。」
「高校の先輩なら五ヶ瀬先生って知っているわよね?私五ヶ瀬先生と結婚するの。」
「え……!?」
「五ヶ瀬先生ってどんな先生だった?生徒からの話も聞いてみたいのよ。」
「五ヶ瀬先生は……」
晃さんの視線を感じる。
言いたいことはわかってる。
姉の婚約者とそういう関係だったのかとか
きっと色んなことを思っている。
さっき私と先生をみる目は変わったって言っていたけど
きっとまた見る目は変わると思う。
そう思ったら、顔をあげることはできなかった。
「五ヶ瀬先生は……いつも自分を犠牲にする先生でした。」
「犠牲……?」
「はい、自分より相手をいつも大事にする、そんな先生でした。」
そう、いつも未亜ちゃんが振り返って前を向いたあと、いつも五ヶ瀬先生も少しだけ振り返って未亜ちゃんを見ていたのを俺は知っているから。
未亜ちゃんが楽しそうに友達と話している姿を愛おしそうに見守り、
男子学生と話しをしている時は悲しそうな表情で見つめていたのを俺は知っている。
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