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第七話 告白
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「とにかく、無事でよかった。帰ろう」
「うん」
「で、早いとこその衣装、変えてくれないかな? 目に毒だ」
「毒って何よ?! 女子の柔肌見といて、目が腐る的な発言はマナー違反だからね!」
こっちだって恥ずかしいのに、と怒りながら「ひとかけありがと」と呟いて変身を解除する。
「……じゃないんだけれど、なぁ」
「何? 何か言った?」
「まぁ、おいおいかな」
「?」
変な王子を差し置いて、助けられた側がいきなりドアを開けたからか、ついてきた護衛騎士の皆さんが少しギョッとしていた。はっとして、その場で王子を待つ。
そんな感じで、王子の敵は最後の割にあっさりと捕まり。
私の使命? 勝手に使命にされたお仕事は、終わりを告げた。
んだけど。
やっぱり国を揺るがす大事件だったから、めでたしめでたし、とはいかなくて。
事後処理? とやらでいろいろ国王様に改めた場で聞かれる予定だったりとか、したんだけど。
めんどくさいのととっとと帰ろうと思っていたのとで、帰ってすぐ、労ってくれようとした場で、正直に全部聞かれる前に暴露した。
神様(仮)のこと、魔法少女のこと、偽物の婚約者だったこと。
国王様は鳩が豆鉄砲くらったみたいな顔になってた。
大臣? みたいな人達は、目を白黒させてた。
王子がそこに同席していたから、ふと見ると、何かを覚悟していたから。多分自分の本当にちゃんとしたお嫁さん候補の名前でも、言うのかなって。アンナ様と幸せになってほしいな泣いちゃうけど、とか思って静かに見ることにした。
王子が一歩前に出て宣言する。
「マリーには、私も影ながら協力していました。お叱りは私にもいただければと思っています。また、彼女は自分を偽物である、と言いましたが……私は彼女をそばに、と考えています」
その言葉をきいて。
私は逃げた。
王城の廊下を走る。けどドレスを着ているからか、足元がおぼつかなくて上手く走れない。アンナ様よく走ったなぁ。
なんて思ってたら、息が切れてしまったので走るというより歩く、しかもよぼよぼ、って感じになった。
するとにゅっと目の前に腕が伸びて耳よこでドン、という音がした。
「なんで、逃げるの」
「にっ、逃げてないし!」
「嘘だ逃げてる。私の気持ちが迷惑でしたか?」
「違っ……! だって、マルク様には婚約者に決まってた子がいるって……」
「それは、きちんとお断りしました。彼女の気持ちも、きちんと受け取った上で、です」
「え……?」
「親友のような女の子でした。隣にいるのも楽しいかも、とも思った時期もあります。けれど、巻き込みたくはなかった」
「それは、やっぱり、大事だからじゃない、の?」
「いえ、私たち上に立つものは、厳しい現実があることは小さい頃からわかっています。それでも……一緒にいてもらわないと嫌だ、というほどではなかったんです」
「……」
「私は、一緒に困難を歩むならあなたがいい。マリーが巻き込まれたくない、と思っていても。ごめんなさい。私はあなたじゃないと嫌なんです」
祈るような、声だった。
顔は見せたくないのか俯いていて、けど、髪の間からのぞく耳たぶが、赤く染まっていっていて。
「……帰りたくなるかも、しれないよ?」
「いいです、帰らないでと懇願します」
「突然、神様に帰されちゃったら?」
「その神様とやらの首根っこ引っつかんで、追いかけます」
なんで、そんなに……
嬉しいよりも、戸惑う気持ちの方がまだ大きくて、上手く飲み込めない。
「私も、その…………すき…………だよ? けど、まだ、覚悟なんて。……ごめん。上手く言えない」
「いいです。というか、えーと、もう一回、気持ちを聞かせてもらっても?」
「え、やだっ!」
「夢かもしれません。お願いします」
「恥ずかしいから、だめ!」
私は思わず逃げ出した。
ゆっくりと追いかけてくるマルク様は、口をおさえながらも顔が真っ赤だ。
多分、私が自分の鏡を見ても熟れたトマトの様になってるんだろう。
一つ事件は解決したけど、神様(仮)はなんでか語りかけてこないし、王子は追いかけてくるし。
私の冒険? は、まだ当分、終わりそうにない。
けど。
まー、いっか!
「うん」
「で、早いとこその衣装、変えてくれないかな? 目に毒だ」
「毒って何よ?! 女子の柔肌見といて、目が腐る的な発言はマナー違反だからね!」
こっちだって恥ずかしいのに、と怒りながら「ひとかけありがと」と呟いて変身を解除する。
「……じゃないんだけれど、なぁ」
「何? 何か言った?」
「まぁ、おいおいかな」
「?」
変な王子を差し置いて、助けられた側がいきなりドアを開けたからか、ついてきた護衛騎士の皆さんが少しギョッとしていた。はっとして、その場で王子を待つ。
そんな感じで、王子の敵は最後の割にあっさりと捕まり。
私の使命? 勝手に使命にされたお仕事は、終わりを告げた。
んだけど。
やっぱり国を揺るがす大事件だったから、めでたしめでたし、とはいかなくて。
事後処理? とやらでいろいろ国王様に改めた場で聞かれる予定だったりとか、したんだけど。
めんどくさいのととっとと帰ろうと思っていたのとで、帰ってすぐ、労ってくれようとした場で、正直に全部聞かれる前に暴露した。
神様(仮)のこと、魔法少女のこと、偽物の婚約者だったこと。
国王様は鳩が豆鉄砲くらったみたいな顔になってた。
大臣? みたいな人達は、目を白黒させてた。
王子がそこに同席していたから、ふと見ると、何かを覚悟していたから。多分自分の本当にちゃんとしたお嫁さん候補の名前でも、言うのかなって。アンナ様と幸せになってほしいな泣いちゃうけど、とか思って静かに見ることにした。
王子が一歩前に出て宣言する。
「マリーには、私も影ながら協力していました。お叱りは私にもいただければと思っています。また、彼女は自分を偽物である、と言いましたが……私は彼女をそばに、と考えています」
その言葉をきいて。
私は逃げた。
王城の廊下を走る。けどドレスを着ているからか、足元がおぼつかなくて上手く走れない。アンナ様よく走ったなぁ。
なんて思ってたら、息が切れてしまったので走るというより歩く、しかもよぼよぼ、って感じになった。
するとにゅっと目の前に腕が伸びて耳よこでドン、という音がした。
「なんで、逃げるの」
「にっ、逃げてないし!」
「嘘だ逃げてる。私の気持ちが迷惑でしたか?」
「違っ……! だって、マルク様には婚約者に決まってた子がいるって……」
「それは、きちんとお断りしました。彼女の気持ちも、きちんと受け取った上で、です」
「え……?」
「親友のような女の子でした。隣にいるのも楽しいかも、とも思った時期もあります。けれど、巻き込みたくはなかった」
「それは、やっぱり、大事だからじゃない、の?」
「いえ、私たち上に立つものは、厳しい現実があることは小さい頃からわかっています。それでも……一緒にいてもらわないと嫌だ、というほどではなかったんです」
「……」
「私は、一緒に困難を歩むならあなたがいい。マリーが巻き込まれたくない、と思っていても。ごめんなさい。私はあなたじゃないと嫌なんです」
祈るような、声だった。
顔は見せたくないのか俯いていて、けど、髪の間からのぞく耳たぶが、赤く染まっていっていて。
「……帰りたくなるかも、しれないよ?」
「いいです、帰らないでと懇願します」
「突然、神様に帰されちゃったら?」
「その神様とやらの首根っこ引っつかんで、追いかけます」
なんで、そんなに……
嬉しいよりも、戸惑う気持ちの方がまだ大きくて、上手く飲み込めない。
「私も、その…………すき…………だよ? けど、まだ、覚悟なんて。……ごめん。上手く言えない」
「いいです。というか、えーと、もう一回、気持ちを聞かせてもらっても?」
「え、やだっ!」
「夢かもしれません。お願いします」
「恥ずかしいから、だめ!」
私は思わず逃げ出した。
ゆっくりと追いかけてくるマルク様は、口をおさえながらも顔が真っ赤だ。
多分、私が自分の鏡を見ても熟れたトマトの様になってるんだろう。
一つ事件は解決したけど、神様(仮)はなんでか語りかけてこないし、王子は追いかけてくるし。
私の冒険? は、まだ当分、終わりそうにない。
けど。
まー、いっか!
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