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二章‐能力者
失った普通
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いつもの時間に家を出て来たのでそうとう早くついた。
校庭で学校が空くのを待つ。
変わったのは自分一人で、他は何を変わらないと思っていた……
ガツン!
飛んできたのは……大型のハンマー?
念のため感覚系の能力を二0倍にしておいて良かった。
腕力を四倍にしてハンマーをはじく。
「素晴らしい!」
知らない、奇妙な男の登場。
「誰だ?」
俺の発言を無かったことに男は話を続ける。
「君は、能力者だろ。同じ境遇の仲間だ。君も分かるだろうが、僕も能力者“生物以外の物を自由に動かせる能力”だ」
良いことを知った。
「俺は一般人、能力者ってなんだ?」
上手く聞き出す……俺の能力を。
「嘘が下手くそだな。君は“高速で移動する能力”だろ」
良かった、作戦は成功だ。
「ばれたのならしょうがない。お前の目的はなんだ?」
心臓が暴れだす。声も震えてきた。
「単刀直入に言おう、僕と手を組もう」
なるほど、俺が前日に予想していた台詞どうりか。ここからはアドリブになるな。
「何故だ? 能力があれば手を組む必要も他人と戦う必要も無いんじゃないか?」
「いや、まぁ教えてやろう。お前の神は俺のよりアバウトらしいな。」
「お前の神? 俺の神?」
こいつはいい。
情報をペラペラとしゃべってくれる。
「なるほど、何も知らないか。全て教えてやろう。僕たちに能力を与えた神は一0九八体いる。その神々は常に対立状態にあり、小競合いもある。しかし、神々が死ねば世界は変わり終わりと始まりを迎えてしまう。そこで神々はそれぞれの神が持つ能力を人間に与え、その人間たちを戦わせる、そして能力をもらった人間が死ねばその能力は再び神に戻る。それを繰り返し、神々は自らの地位を決める。そして、能力を与えられた人間の使命、それは他の能力者と戦うこと。一ヶ月以上戦わなければその人間は死ぬ。だから現に君にも見えている……能力者が。」
だいたい理解できた。
この男の言葉が本当なら俺は手を組むのは確かにいい。あくまでも手を組むということが。
あえて聞く
「手を組むメリットは?」
おそらくここに一番の問題がある。
「知っているだろうが、一人一人能力が違う。そこから生まれるのは当然“格差”。すでにそれは表面化し、南半球と北半球はそれぞれ裏で支配しているものがいる。やつらと一対一で戦えば当然勝ち目はない。だから手を組む」
俺は正直、世界の裏側に驚愕している。
「何故わざわざ強いやつと戦う?」
「違う、さっきも言ったように戦わなければ死ぬ。それは支配者も同じだ。だから奴等は不定期に他の能力者を殺す。身を守るんだよ」
よし、もういい。
この男の言うことが本当だとして、俺は手を組むべきだとわかった。
だが、
「断る」
「何故だ?」
「お前は相手に情報をペラペラとしゃべり、自分の能力も簡単に教える、そんな軽率なやつと手は組めない」
こいつになら、勝てる可能性はある。
「なるほど、なら今月の命にしよう」
「初めての勝負だから手加減してくれよ」
心臓が爆発しそうだ、胃も痛い。
校庭で学校が空くのを待つ。
変わったのは自分一人で、他は何を変わらないと思っていた……
ガツン!
飛んできたのは……大型のハンマー?
念のため感覚系の能力を二0倍にしておいて良かった。
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「素晴らしい!」
知らない、奇妙な男の登場。
「誰だ?」
俺の発言を無かったことに男は話を続ける。
「君は、能力者だろ。同じ境遇の仲間だ。君も分かるだろうが、僕も能力者“生物以外の物を自由に動かせる能力”だ」
良いことを知った。
「俺は一般人、能力者ってなんだ?」
上手く聞き出す……俺の能力を。
「嘘が下手くそだな。君は“高速で移動する能力”だろ」
良かった、作戦は成功だ。
「ばれたのならしょうがない。お前の目的はなんだ?」
心臓が暴れだす。声も震えてきた。
「単刀直入に言おう、僕と手を組もう」
なるほど、俺が前日に予想していた台詞どうりか。ここからはアドリブになるな。
「何故だ? 能力があれば手を組む必要も他人と戦う必要も無いんじゃないか?」
「いや、まぁ教えてやろう。お前の神は俺のよりアバウトらしいな。」
「お前の神? 俺の神?」
こいつはいい。
情報をペラペラとしゃべってくれる。
「なるほど、何も知らないか。全て教えてやろう。僕たちに能力を与えた神は一0九八体いる。その神々は常に対立状態にあり、小競合いもある。しかし、神々が死ねば世界は変わり終わりと始まりを迎えてしまう。そこで神々はそれぞれの神が持つ能力を人間に与え、その人間たちを戦わせる、そして能力をもらった人間が死ねばその能力は再び神に戻る。それを繰り返し、神々は自らの地位を決める。そして、能力を与えられた人間の使命、それは他の能力者と戦うこと。一ヶ月以上戦わなければその人間は死ぬ。だから現に君にも見えている……能力者が。」
だいたい理解できた。
この男の言葉が本当なら俺は手を組むのは確かにいい。あくまでも手を組むということが。
あえて聞く
「手を組むメリットは?」
おそらくここに一番の問題がある。
「知っているだろうが、一人一人能力が違う。そこから生まれるのは当然“格差”。すでにそれは表面化し、南半球と北半球はそれぞれ裏で支配しているものがいる。やつらと一対一で戦えば当然勝ち目はない。だから手を組む」
俺は正直、世界の裏側に驚愕している。
「何故わざわざ強いやつと戦う?」
「違う、さっきも言ったように戦わなければ死ぬ。それは支配者も同じだ。だから奴等は不定期に他の能力者を殺す。身を守るんだよ」
よし、もういい。
この男の言うことが本当だとして、俺は手を組むべきだとわかった。
だが、
「断る」
「何故だ?」
「お前は相手に情報をペラペラとしゃべり、自分の能力も簡単に教える、そんな軽率なやつと手は組めない」
こいつになら、勝てる可能性はある。
「なるほど、なら今月の命にしよう」
「初めての勝負だから手加減してくれよ」
心臓が爆発しそうだ、胃も痛い。
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