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二章‐能力者
能力者の誕生
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「素晴らしい判断だよ、これから仲良くしようね」
手を差し伸べて来る。
「断る、手を組むだけで仲良くはしない」
「手を組むなら仲良くするだろ」
相手の一瞬の油断、動くようになった俺の拳はそこを狙った。
まただ、殴ったのは男では無かった。
八台の車を男は盾にしていた。
「君は当然そうするよね、でも残念だ」
俺をめがけて飛んできた物体があたる寸前で彼の手は止まった。
「いらっしゃいませー」
男は入り口をみてニッコリと言った。
最悪だ……
入ってきたのは千葉だった。優等生の彼女は登校が異常なほどに早い。
「松原……君」
俺はどうすれば良いのか。
「ご注文は何になさいますか? 首絞め、それとも撲殺? 切り刻んであげてもいいよ」
こいつの本性はヤバい残虐無道だ。
話す相手を俺に切り替えた。
「僕は君の事を知ってるよ。彼女の事好きなんでしょ?」
ヤバい。
「ちょうどいい、彼女を人質として話そう」
そういうと男は俺の体を教室に散乱したもので固定した。
「手を組む? それとも死ぬ?」
「手を組む」
俺は即答した。
「ごめんやっぱり君とは組めないよ、だって殺意を感じるから」
男はやはりニッコリとしている。
「お前ふざけるなじゃあ彼女はどうなる?」
「もちろん殺させて頂くよ。自分の能力を知っている者は消さなければならないからね」
俺はどうすることも出来ない。
固くくっついた物は俺の六八倍でも離れない。
千葉が言葉を発する。
「私を、どうするの?」
「殺す。優等生なのにそれが自分の首を絞める結果になるなんて不憫だね」
嘲笑しながら彼は言った。
俺は精一杯の声で言った。
「おい! お前、やめろ彼女は関係無い」
「だから、僕の能力を知ったらダメなんだよ」
次に声をあげようとしたときには、もう彼女は瓦礫を被っていた。
彼女は彼女に恋をする人の目の前で死んだ。
俺は暫くの間放心状態にあった。
「お前、ふざけるなよ。許さない」
「いやいや、君もこれから逝くんだよ」
俺は目の前が見えなくなってきた。
目がぼやけて上手く見えない。
頬を伝って涙が落ちる。
「おいおい、なに泣いてるんだよ。雰囲気悪くなるじゃん。それはそうと、そろそろ他の生徒も来るし終わりにしよっか」
男がそう言った瞬間に、彼女に被さった瓦礫が弾けた。
「あれ、本当に生きてる。松原君、あなたの言うこと本当だったんだね。本当は信じて無かった」
「まさか」
先に口を開いたのは男だった。
そしてそのまさかは当たっていたらしい。
彼女は能力を得てよみがえっていた。
「よみがえっても、僕には勝てない。よみがえって早々で悪いけど、さようなら」
男が放ったもとのものの原型を失った瓦礫たちを彼女は止めた。
「僕の瓦礫を止めるとは、君の能力は?」
「私が言われたのは、“生物以外の物を想像通りになんでもできる能力”だって」
なんか俺の能力、ショボくないか? という疑問を抱いた。
「なるほどね女から先にさようならした方がいいって事だな。冥土の土産に教えてやる、僕の能力の最大の疑問、それは物を動かせる範囲だ。そしてあらゆる実験をしてわかった、俺は半径一0メートルまで動かせるとな」
そういうと男の前に次々と物が集まる。家の壁、テレビ、パソコン、冷蔵庫。
それらは圧縮され一瞬にしてひとつの塊となった。
男はそれを彼女に向かって飛ばした。
彼女には意味のない一撃だった。
彼女はそれを一瞬にしてホコリほどの塵にした。
初めて男が動揺した。
「嘘だろ」
叫ぶ男を無視して、彼女は俺を拘束する物も塵にしてくれた。
「ありがとう」
「どういたしまして」
彼女は微笑んだ。
「お前ら許さないぞ」
俺は三倍の拳を男に打った。
やっと当たった。
「そうだ、あなたに伝えるように頼まれたんだけど、天に右手を掲げてポータルって叫ぶと神様の所へいけるらしいよ」
俺は彼女の『伝えるように頼まれたんだけど』に違和感を覚えたが、それを考えるには至らなかった。
「やってみる、ポータル」
俺は左手に男を持って叫んだ。
本当にあの神のもとについた。
「久しぶり! ってほどあいてもいないか。その左手のは?」
「久しぶり。これは能力者、俺は殺したく無いからそっちで何とかしてもらえる?」
「いいよ。ちなみにこいつの名前は大崎 悠太。それはそうと面白かったよ、君の戦いを見させてもらったけどほとんど何も言ってないのによく情報を得られたね」
本当にこいつは適当だ。
「僕は適当だよ。それはそうとこれからも頑張ってね、バイバイ」
心を読むのを忘れていた。
俺が戻ってくると、教室や、大崎 悠太によって壊された物は、彼女の能力でもとどうりだった。
俺は言った。
「助けてくれてありがとう」
「席につかないと。もうすぐみんな来るよ」
俺は一つの覚悟を決めた。
手を差し伸べて来る。
「断る、手を組むだけで仲良くはしない」
「手を組むなら仲良くするだろ」
相手の一瞬の油断、動くようになった俺の拳はそこを狙った。
まただ、殴ったのは男では無かった。
八台の車を男は盾にしていた。
「君は当然そうするよね、でも残念だ」
俺をめがけて飛んできた物体があたる寸前で彼の手は止まった。
「いらっしゃいませー」
男は入り口をみてニッコリと言った。
最悪だ……
入ってきたのは千葉だった。優等生の彼女は登校が異常なほどに早い。
「松原……君」
俺はどうすれば良いのか。
「ご注文は何になさいますか? 首絞め、それとも撲殺? 切り刻んであげてもいいよ」
こいつの本性はヤバい残虐無道だ。
話す相手を俺に切り替えた。
「僕は君の事を知ってるよ。彼女の事好きなんでしょ?」
ヤバい。
「ちょうどいい、彼女を人質として話そう」
そういうと男は俺の体を教室に散乱したもので固定した。
「手を組む? それとも死ぬ?」
「手を組む」
俺は即答した。
「ごめんやっぱり君とは組めないよ、だって殺意を感じるから」
男はやはりニッコリとしている。
「お前ふざけるなじゃあ彼女はどうなる?」
「もちろん殺させて頂くよ。自分の能力を知っている者は消さなければならないからね」
俺はどうすることも出来ない。
固くくっついた物は俺の六八倍でも離れない。
千葉が言葉を発する。
「私を、どうするの?」
「殺す。優等生なのにそれが自分の首を絞める結果になるなんて不憫だね」
嘲笑しながら彼は言った。
俺は精一杯の声で言った。
「おい! お前、やめろ彼女は関係無い」
「だから、僕の能力を知ったらダメなんだよ」
次に声をあげようとしたときには、もう彼女は瓦礫を被っていた。
彼女は彼女に恋をする人の目の前で死んだ。
俺は暫くの間放心状態にあった。
「お前、ふざけるなよ。許さない」
「いやいや、君もこれから逝くんだよ」
俺は目の前が見えなくなってきた。
目がぼやけて上手く見えない。
頬を伝って涙が落ちる。
「おいおい、なに泣いてるんだよ。雰囲気悪くなるじゃん。それはそうと、そろそろ他の生徒も来るし終わりにしよっか」
男がそう言った瞬間に、彼女に被さった瓦礫が弾けた。
「あれ、本当に生きてる。松原君、あなたの言うこと本当だったんだね。本当は信じて無かった」
「まさか」
先に口を開いたのは男だった。
そしてそのまさかは当たっていたらしい。
彼女は能力を得てよみがえっていた。
「よみがえっても、僕には勝てない。よみがえって早々で悪いけど、さようなら」
男が放ったもとのものの原型を失った瓦礫たちを彼女は止めた。
「僕の瓦礫を止めるとは、君の能力は?」
「私が言われたのは、“生物以外の物を想像通りになんでもできる能力”だって」
なんか俺の能力、ショボくないか? という疑問を抱いた。
「なるほどね女から先にさようならした方がいいって事だな。冥土の土産に教えてやる、僕の能力の最大の疑問、それは物を動かせる範囲だ。そしてあらゆる実験をしてわかった、俺は半径一0メートルまで動かせるとな」
そういうと男の前に次々と物が集まる。家の壁、テレビ、パソコン、冷蔵庫。
それらは圧縮され一瞬にしてひとつの塊となった。
男はそれを彼女に向かって飛ばした。
彼女には意味のない一撃だった。
彼女はそれを一瞬にしてホコリほどの塵にした。
初めて男が動揺した。
「嘘だろ」
叫ぶ男を無視して、彼女は俺を拘束する物も塵にしてくれた。
「ありがとう」
「どういたしまして」
彼女は微笑んだ。
「お前ら許さないぞ」
俺は三倍の拳を男に打った。
やっと当たった。
「そうだ、あなたに伝えるように頼まれたんだけど、天に右手を掲げてポータルって叫ぶと神様の所へいけるらしいよ」
俺は彼女の『伝えるように頼まれたんだけど』に違和感を覚えたが、それを考えるには至らなかった。
「やってみる、ポータル」
俺は左手に男を持って叫んだ。
本当にあの神のもとについた。
「久しぶり! ってほどあいてもいないか。その左手のは?」
「久しぶり。これは能力者、俺は殺したく無いからそっちで何とかしてもらえる?」
「いいよ。ちなみにこいつの名前は大崎 悠太。それはそうと面白かったよ、君の戦いを見させてもらったけどほとんど何も言ってないのによく情報を得られたね」
本当にこいつは適当だ。
「僕は適当だよ。それはそうとこれからも頑張ってね、バイバイ」
心を読むのを忘れていた。
俺が戻ってくると、教室や、大崎 悠太によって壊された物は、彼女の能力でもとどうりだった。
俺は言った。
「助けてくれてありがとう」
「席につかないと。もうすぐみんな来るよ」
俺は一つの覚悟を決めた。
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