超人人生

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五章-過去を振り替えるな

過去の話

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 そんな普通は、以外な展開で幕を閉じた。
 ある日父は、外に飲みに行き、その帰りに見知らぬ人に腹部を刺され命を落とした。
 僕は内心喜んでいた……

「俺はあの日神に合い、二度目の人生を歩ませてもらったんだよ。流石にお前らと顔を会わせたくなかったから家には戻らなかったけどな」
 お父様は不吉な笑みを浮かべながらそういった。
 俺は、動けなかった。
 過去に受けた様々な暴力を思いだし、体は降伏をしていた。
「どうするの?」
 隣にいる彼女が俺に聴く。心配そうにこちらをうかがいながら、優しい声だった。
「お前にも青春が来たか? お前達はどこら辺まで行ったんだ?」
 そんな冗談に言葉を返す余裕もない。
「どうした? 父親との感動の再会で嬉しさに打ちひしがれているのか?」
「黙れ!」
 俺の代わりに声を荒らげたのは、千葉だった。
「お前どんな父親だったんだよ。松原君こんなに怖がってる。何が嬉しさに打ちひしがれているよ! 恐怖で動けないだけじゃん。過去に何があったか知らないけど、お前みたいなクズ親父に会えてうれしいやつなんかいない!」
 俺も父上も、唖然としていた。
 彼女の声は震えていて、涙も浮かべていた。
 こんなに汚い言葉を出す彼女は始めて見た。しかし、俺のために声を荒らげ、涙を浮かべる彼女の姿はいつにも増して美しく見えた。そして、そんな彼女の姿は俺に過去を振り切る勇気を与えてくれた。
「お前誰だか知らねぇけどよ、年上に向かってその口のききかたはなんだよ」
 目の前のクズ男がそう言う。
「切れた時のクズらしさ変わってないな。ほんとに久し振り、my father」
「お前ら……二人ともきな粉にして陸風に運ばさせてやるよ」
「間違えてるよ? 今は昼だから海風だし、僕たちは負けない。俺はもう、過去にはとらわれない」
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