【R18】墜ちた将校、恩讐に啼く【完結済】

譚月遊生季

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epilogo

終幕※

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「良い子にしてたかい。俺のツバメちゃん」
「ああっ」

 ベッドの上の恋人に優しく語りかけ、つややかな黒髪を撫でる。
 フェルドは器具で自分を慰めるのをやめ、潤んだ瞳で俺を睨みつけてきた。

「……っ、入ってくるなら、ノックをしろ……っ」
「お前が気付いてなかっただけじゃねぇかい?」

 まあ、実際しなかったんだけどな。ノック。
 真っ赤なフェルドが可愛いし、言わねぇでおくけど。

「む……夢中になどなっていない! こ、これはあくまで治療行為だッ!」
「へいへい。そうデシタネー」
「聞いているのか!?」

 服を脱ぎつつ、フェルドの抗議を聞き流す。
 実際、フェルドが使ってるのは快楽中毒を治すための器具ではある。魔力で動く器具で、中で震えたり伸縮したりする……まあ、言ってしまえば張形ディルドだ。本来はクスリを入れて気持ちよくなるためのブツらしいが、今入れてる薬は、医者に頼んで調合したちゃんとしたモンを使ってる。

「魔力、欲しいかい?」
「……君が、『手を出したい』の間違いじゃないのか」
「俺は手を出したい。お前は魔力が欲しい。……イイねブラーヴォ。相性抜群だ」
「……調子のいい男だ。まったく」

 普段は安静にさせて、時々薬飲ませるなり器具使わせるなりセックスするなりで、快楽中毒の方も、ぶっ壊れた肺の方もゆっくり治療中だ。

 大親分カーポはわざわざ地中海沿岸の、空気が良い場所を療養所に用意してくれた。……ま、ウチのファミリアにとってはかなり有益な「客人」だ。丁重にもてなさなきゃならねぇ。
 そんな重要人物を連れてきた功績で、俺は「調査員」から「世話係」に格上げになった。厳密には格上げなのかどうかはよく知らねぇが、少なくとも俺としちゃ役得だ。

「あ、ぁあっ、じゃぐ、あーろっ」
「……っ、美味しそうに仕上がったな。フェルド……」

 ベッドの上のフェルドにキスをし、トロトロになった蜜壷を指でかき回す。そのまま覆いかぶさり、胸の紋章を撫でた。
 甘い吐息が漏れ、互いの熱が高まっていく。

 海の向こうのトスカーナ王国侯爵領アリネーラでは、三男のフィリポが跡を継いで領主になったらしい。見せてもらったフェルドへの手紙には、「こちらのことは気にせず、療養に専念して欲しい」と殊勝しゅしょうなことが書かれていた。ちなみに長男の方……フェデリコの手紙は、定期的に俺の方に届く。大半が俺とフェルディナンドの仲についての詮索せんさくで、三割くらいが趣味に関する語りだ。肺の静脈がどうとか、卵巣の形状がどうとか、聞いてねぇし知らねぇよ……。

 まあ、それはそうとして、二人とも案外チョロ……じゃねぇ。情に脆そうなところがある。このままダリネーラとの繋がりを維持できりゃ、ファミリアにとっても得になるだろう。
 ……つまり、ビアッツィの中にゃ、俺らの関係に水を差す奴らはいねぇってことだ。

「フェルド……愛してる」
「ンッ……あぁっ、入って……っ」

 指を引き抜いて、喉元にキスを落とす。
 俺が中に入ると、フェルドは縋り付くよう俺の背に手を回した。

「ぅ、ぁあっ、あぁあっ」
「……ッ、好きだ、フェルド……! 好きだっ!!」

 めいっぱい愛を囁きながら、腰を打ち付ける。ほぐれた中から蜜が溢れて、より深く、より近くまで繋がれるようになる。

「んぁっ、ジャグ……あっ、ロ……っ、イク……も、イク……ッ」

 きゅうきゅうと締め付けてくる秘所が愛しくて、律動も自然と速くなった。

「や、ぁっ、アッ、は……っ、う、あぁあぁあっ!」
「……! イッたか。イッたよなぁ? 俺に抱かれて……っ、イッたんだよなっ!」

 中に精を注ぎ、喘ぎを漏らす唇に口付ける。
 月の紋章を優しく撫で上げれば、フェルドは蕩けた表情で俺を見上げ、自分の手を俺の手に重ねた。

「今はゆっくり休めよ。軍に戻るか、それとも俺らの同胞フラテッロになるか……そんなのは、後で考えりゃいい」
「……ああ……」

 医者の話によると、フェルドの身体はゆっくりとはいえ、確実に良くなっているらしい。
 喧嘩をすることもまあ……それなりにあるが、この生活が少しでも長く続くのなら、他に何も望むことはねぇ。

「ジャグアーロ」

 ……と、腕の中のフェルドが俺の名前を呼ぶ。

「うん? 何だい、アモーレ」

 髪を撫でながら顔を覗き込むと、真っ赤になって黙っちまった。

「……。……いいや、やっぱり、なんでもない」
「何だよそれ。気になるだろ」

 深く突っ込むと、正拳突きが胸のド真ん中に飛んでくる。

「うるさい。僕に構うな」
「~~~~、……ッてぇー!!? なんで殴るんだよ!?」

 さすがにこの流れは理不尽じゃねぇ!?
 俺、なんか悪いことしたか!?

「君はずるい! すぐに愛してるだの好きだの、よくも簡単にペラペラと……!」
「なるほどな……つまりは『僕もそれくらいたくさん好きって言いたい』って……あいてててて絞め技はやめろって! 病人だよなお前……!?」
「……ッ、人の! 心を! 勝手に読むな……ッ」

 ったく……。相変わらず、素直じゃねぇところはとことん素直じゃねぇな、こいつ!
 ……ま、いいや。可愛いから許す!



***



In seguito, la famiglia Biazzi "di qua" fu insignita del titolo di conti per i servizi resi nella guerra d'indipendenza siciliana...

(その後、『こちらの世界の』ビアッツィ家はシチリア独立戦争での功績を称えられ、伯爵の地位を得ることとなった……)
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