【完結済】レディ・ナイトメアの奮闘 ~生首大好き令嬢に転生してしまったけど救いのない世界は嫌なので、呪われた館をリフォームします~

譚月遊生季

文字の大きさ
51 / 83

48.「物騒すぎる恋愛模様」

しおりを挟む
 あれは、そう。
 わたしがまださくらの自我を思い出していない頃。

 チェルシーは、情緒不安定激ヤバ地雷女だった。

 今ならわかる。
 チェルシーわたしは不安だったんだ。……だけど、愛され方も、愛し方も分からなかった。生前は、ゴードン以外に自分を愛する人なんていなかったから。
 ゴードンを試したり、暴力や脅しに訴えて無理やり繋ぎ止める方法しか分からずに、何かあれば耳を引きちぎったり目をえぐったり……もちろん、すぐにくっつける場合が多かったんだけどね。「怪異」たちはもう死んでいるから、外傷に関する諸々の理屈も生体とは異なるわけで……。

 でも、あの日はゴードンの片目の接続が甘く、エドマンドかアルバートか忘れたけれど、誰かに絡まれて首が取れた拍子にコロコロと転がってしまった。
 それを見て、チェルシーは思った。

 彼の心は、いつか離れてしまうかもしれない。
 ……それなら。
 一部だけでも、自分の手元に置いておけたら──

 うん、ヤバすぎ。

 いやぁでも、気持ちはちょっとだけ分かるんだよね。
 推しの一部、持ってたいよね。肌身離さず持ち歩くのも、誰にも見つからない部屋の奥でずーっと大事に保管しておくのも、やりたくなるのはすごくわかる。わかるけどもね……!? 実行に移すのは相当ヤバいよ!?

 ……まあ、でも、それだけってことなんだろうね。
 考えたことと、実行に移すまでの距離があまりにも短すぎるって言うか……。

 なんて考え込んでいると、いつの間にやらゴードンが目の前にいた。
 
「お嬢、どうしたんスか」
「へあっ!?」

 思わず変な声が出てしまう。
 支えられてたエドマンドは……!? と思って周りを見回すと、起き上がって虚ろな目をしていた。レイラが声をかけているみたいだけど、反応もかなり鈍い。……ちょっと、過去を突きつけるのが早かったのかもしれないね。大丈夫かな……。

「やっぱり、様子がおかしいッス」
 
 ……って、ゴードンは心配そうに顔を近づけるのやめて!? 死んじゃう!! 情緒が死んじゃう!!!!
 
「いや、その、えっと……ちょっと考え事を……」
「……。そうッスか」

 ねぇ何その沈黙!! なんか含みがあるなら言ってよ心臓に悪い!!!
 止まった心臓また動いちゃったらどうするの!? ……いやそれは別にいいのかもしれないけど!!

「やっぱ最近のお嬢、かわ……変わったッスよね」
「そ、そそそそう!? まあ、そうですわよねぇ!?」

 なんか別のことを言いかけてたような気もするけど、何で目を逸らすの!? 何を考えてるのゴードン!?

「どうしよう。僕は今、すごくイライラして仕方がない」
「だからってアタシに話しかけないでくれる?」
「……君は正直、細すぎて好みじゃないのだけれど……今なら君だってにしてしまえる気がするよ」
「は? 今貧乳って言った? 貧乳って言ったよね? マジで有り得ない。やっぱサイテーだよアンタ。生かしておけないね」

  背後でアルバートとリナも物騒な会話始めちゃったんだけど!?
 何この状況……!
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

モブ令嬢アレハンドリナの謀略

青杜六九
恋愛
転生モブ令嬢アレハンドリナは、王子セレドニオの婚約者ビビアナと、彼女をひそかに思う侯爵令息ルカのじれじれな恋を観察するのが日課だった。いつまで経っても決定打にかける二人に業を煮やし、セレドニオが男色家だと噂を流すべく、幼馴染の美少年イルデフォンソをけしかけたのだが……。 令嬢らしからぬ主人公が、乙女ゲームの傍観者を気取っていたところ、なぜか巻き込まれていくお話です。主人公の独白が主です。「悪役令嬢ビビアナの恋」と同じキャラクターが出てきますが、読んでいなくても全く問題はありません。あらすじはアレですが、BL要素はありません。 アレハンドリナ編のヤンデレの病み具合は弱めです。 イルデフォンソ編は腹黒です。病んでます。 2018.3.26 一旦完結しました。 2019.8.15 その後の話を執筆中ですが、別タイトルとするため、こちらは完結処理しました。

溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~

夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」  弟のその言葉は、晴天の霹靂。  アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。  しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。  醤油が欲しい、うにが食べたい。  レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。  既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・? 小説家になろうにも掲載しています。

幽霊じゃありません!足だってありますから‼

かな
恋愛
私はトバルズ国の公爵令嬢アーリス・イソラ。8歳の時に木の根に引っかかって頭をぶつけたことにより、前世に流行った乙女ゲームの悪役令嬢に転生してしまったことに気づいた。だが、婚約破棄しても国外追放か修道院行きという緩い断罪だった為、自立する為のスキルを学びつつ、国外追放後のスローライフを夢見ていた。 断罪イベントを終えた数日後、目覚めたら幽霊と騒がれてしまい困惑することに…。えっ?私、生きてますけど ※ご都合主義はご愛嬌ということで見逃してください(*・ω・)*_ _)ペコリ ※遅筆なので、ゆっくり更新になるかもしれません。

悪役令嬢はやめて、侯爵子息になります

立風花
恋愛
第八回 アイリス恋愛ファンタジー大賞 一次選考通過作品に入りました!  完結しました。ありがとうございます  シナリオが進む事のなくなった世界。誰も知らないゲーム後の世界が動き出す。  大崩落、王城陥落。聖女と祈り。シナリオ分岐の真実。 激動する王国で、想い合うノエルとアレックス王子。  大切な人の迷いと大きな決断を迫られる最終章! ーあらすじー  8歳のお誕生日を前に、秘密の場所で小さな出逢いを迎えたキャロル。秘密を約束して別れた直後、頭部に怪我をしてしまう。  巡る記憶は遠い遠い過去。生まれる前の自分。  そして、知る自分がゲームの悪役令嬢であること。  戸惑いの中、最悪の結末を回避するために、今度こそ後悔なく幸せになる道を探しはじめる。  子息になった悪役令嬢の成長と繋がる絆、戸惑う恋。 侯爵子息になって、ゲームのシナリオ通りにはさせません!<序章 侯爵子息になります!編> 子息になったキャロルの前に現れる攻略対象。育つ友情、恋に揺れる気持<二章 大切な人!社交デビュー編> 学園入学でゲームの世界へ。ヒロイン登場。シナリオの変化。絆は波乱を迎える「転」章<三章 恋する学園編> ※複数投稿サイト、またはブログに同じ作品を掲載しております

【完結】アラサー喪女が転生したら悪役令嬢だった件。断罪からはじまる悪役令嬢は、回避不能なヤンデレ様に溺愛を確約されても困ります!

美杉日和。(旧美杉。)
恋愛
『ルド様……あなたが愛した人は私ですか? それともこの体のアーシエなのですか?』  そんな風に簡単に聞くことが出来たら、どれだけ良かっただろう。  目が覚めた瞬間、私は今置かれた現状に絶望した。  なにせ牢屋に繋がれた金髪縦ロールの令嬢になっていたのだから。  元々は社畜で喪女。挙句にオタクで、恋をすることもないままの死亡エンドだったようで、この世界に転生をしてきてしあったらしい。  ただまったく転生前のこの令嬢の記憶がなく、ただ状況から断罪シーンと私は推測した。  いきなり生き返って死亡エンドはないでしょう。さすがにこれは神様恨みますとばかりに、私はその場で断罪を行おうとする王太子ルドと対峙する。  なんとしても回避したい。そう思い行動をした私は、なぜか回避するどころか王太子であるルドとのヤンデレルートに突入してしまう。  このままヤンデレルートでの死亡エンドなんて絶対に嫌だ。なんとしても、ヤンデレルートを溺愛ルートへ移行させようと模索する。  悪役令嬢は誰なのか。私は誰なのか。  ルドの溺愛が加速するごとに、彼の愛する人が本当は誰なのかと、だんだん苦しくなっていく――

悪役令嬢に成り代わったのに、すでに詰みってどういうことですか!?

ぽんぽこ狸
恋愛
 仕事帰りのある日、居眠り運転をしていたトラックにはねられて死んでしまった主人公。次に目を覚ますとなにやら暗くジメジメした場所で、自分に仕えているというヴィンスという男の子と二人きり。  彼から話を聞いているうちに、なぜかその話に既視感を覚えて、確認すると昔読んだことのある児童向けの小説『ララの魔法書!』の世界だった。  その中でも悪役令嬢である、クラリスにどうやら成り代わってしまったらしい。  混乱しつつも話をきていくとすでに原作はクラリスが幽閉されることによって終結しているようで愕然としているさなか、クラリスを見限り原作の主人公であるララとくっついた王子ローレンスが、訪ねてきて━━━━?!    原作のさらに奥深くで動いていた思惑、魔法玉(まほうぎょく)の謎、そして原作の男主人公だった完璧な王子様の本性。そのどれもに翻弄されながら、なんとか生きる一手を見出す、学園ファンタジー!  ローレンスの性格が割とやばめですが、それ以外にもダークな要素強めな主人公と恋愛?をする、キャラが二人ほど、登場します。世界観が殺伐としているので重い描写も多いです。読者さまが色々な意味でドキドキしてくれるような作品を目指して頑張りますので、よろしくお願いいたします。  完結しました!最後の一章分は遂行していた分がたまっていたのと、話が込み合っているので一気に二十万文字ぐらい上げました。きちんと納得できる結末にできたと思います。ありがとうございました。

転生したら悪役令嬢になりかけてました!〜まだ5歳だからやり直せる!〜

具なっしー
恋愛
5歳のベアトリーチェは、苦いピーマンを食べて気絶した拍子に、 前世の記憶を取り戻す。 前世は日本の女子学生。 家でも学校でも「空気を読む」ことばかりで、誰にも本音を言えず、 息苦しい毎日を過ごしていた。 ただ、本を読んでいるときだけは心が自由になれた――。 転生したこの世界は、女性が希少で、男性しか魔法を使えない世界。 女性は「守られるだけの存在」とされ、社会の中で特別に甘やかされている。 だがそのせいで、女性たちはみな我儘で傲慢になり、 横暴さを誇るのが「普通」だった。 けれどベアトリーチェは違う。 前世で身につけた「空気を読む力」と、 本を愛する静かな心を持っていた。 そんな彼女には二人の婚約者がいる。 ――父違いの、血を分けた兄たち。 彼らは溺愛どころではなく、 「彼女のためなら国を滅ぼしても構わない」とまで思っている危険な兄たちだった。 ベアトリーチェは戸惑いながらも、 この異世界で「ただ愛されるだけの人生」を歩んでいくことになる。 ※表紙はAI画像です

悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。

槙村まき
恋愛
 スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。  それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。  挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。  そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……! 第二章以降は、11時と23時に更新予定です。 他サイトにも掲載しています。 よろしくお願いします。 25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!

処理中です...