【R18】刹鬼譚 幽世修羅道奇譚 ― 堕ちた武者の誓い ―

譚月遊生季

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序章 鬼の棲む処

第十話 折檻 ※

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「何を……!」

 刹鬼はおれがどこにいるかも分からねぇくせに、虚空を睨みつけて反駁はんばくする。
 ぼろぼろのくせに、まだ強がりやがって。

「罰が欲しけりゃ、くれてやるよ」

 喉の奥から、おれのものとは思えねぇほど冷たい声が漏れる。
 ……いや、もともと本性はこんなもんか。
 おれは、あまたの魂を喰らった怪異バケモノだからな。

「――脱げ」

 苛立ちと欲望がないまぜになり、自分でも何を言ってるのかよく分からねぇ。
 刹鬼は葛藤するように視線を泳がせたが、やがて、素直に帯を外し始めた。

「……良い身体してんじゃねぇか」

 鍛え上げられた、一切無駄な肉のない身体。
 茶釜だの仏像だのの「美」にはとんと疎いが、それでも分かっちまう。
 こいつが持っているのは、理屈抜きの「美」だ。

「吾が……未熟であるがゆえ。折檻せっかん役をさせるのは、むしろ面目ない」
「本気で言ってんのか? そこまで来りゃあ、生真面目通り越してただの馬鹿だろ」

 呆れ混じりに言い、押し倒す。帯で手首をいましめると、刹鬼は特に抵抗せずに従った。

「途中で『やめろ』つっても聞かねぇからな」
「……っ」
 
 骨の指を口の中にねじ込むと、湿った舌と粘膜が緊張するようにわななく。
 理屈は分からねぇが、骨の部分にも感触はある。……肉があった頃より鈍くはなったけどな。

「良いか。これが『おれ』だ。まやかしの類に惑わされんな」

 自分でも、何をやってるのかよく分からねぇ。
 犯してぇのか、救いてぇのか――どっちもなのか。

「目も耳もイカれてんなら、身体に刻み付けてやる。……しっかり覚えろ」
「んぅ……っ」

 舌を骨の指で挟んでなぶりながら、もう片方の手を下腹部に伸ばす。まだしぼんだままのそれに手を這わせると、刹鬼の肩が大きく震えた。

 ……男とヤッたことは一度もねぇが、ここまで来ちまえば後戻りはできねぇ。
 衆道しゅどうは武士のたしなみって言われるぐらいだ。やりようはあるんだろ。……たぶん。

「ぅ……あ……っ」

 口の中をぐちゅぐちゅと犯され、下も骨の指でしごかれて、異形の瞳が次第に熱に侵されていく。
 ゆるく勃ち上がりだしたそれの先端を硬い指先でつつくと、背中が弓なりに反り、喉の奥から甘い声が漏れ始める。

 口を解放してやり、先程まで舌をもてあそんでいた手を胸元に伸ばす。クリクリと突起をいじってやると、「ああっ」と嬌声きょうせいが響き、腰が浮き始めた。

「ど……髑髏、どの……! こ、これでは……っ、罰に、ならぬ……っ」

 刹鬼は喘ぎ喘ぎ抗議してくるが、「痛くする」なんて一言も言った覚えはねぇ。

「黙って感じてろ。あんたの身体がスケベなのが悪ぃんだろうが」
「うぁあっ!」

 つつくだけだった先端を軽く握り込み、胸と同じようにいじってやると、またしても甘い声が漏れた。 
 にしてもこいつ、感度高ぇな。初めてじゃねぇのか?
 ……そりゃそうか。こんな美形の若武者、公家連中が放っておくわけがねぇ。噂話でも聞いたじゃねぇか。「衆道の相手として引く手あまただった」……ってな。
 ああ、腹が立つ。
  
「チッ……開発済みか」
「な……っ! 違……っ、われは……われは……ぁっ、こんな、快楽もの、知らぬ……っ」
「へぇ? そりゃ、おれの手練手管てれんてくだがよっぽどイイってことかい?」
「あっ、やめ、むな……ぁあっ」

 構われてねぇ方の突起を口に含むと、刹鬼の身体が再び弓なりにしなる。
 そのまま火照った身体をうつ伏せに転がし、尻たぶを掴んで割り開いた。

 ももを伝うように、透明な蜜が垂れている。
 なんだ? 男でも濡れるのか?
 ……そういう身体になるほど抱かれたってことか?

 ……苛立ちを誤魔化すように、骨の指を一本、後孔に沈める。刹鬼の孔は簡単におれの指を受け入れ、ひくひくとうごめいた。

「ぅ……く、んん……っ」
「ココか?」
「……――ッ!?」

 反応があった箇所を、硬い指先でぐりぐりと刺激してやる。

「あっ、ぁ、あぁあっ、そこ、は……っ」

 引き締まった腰ががくがくと震え、奥から蜜がとろとろと溢れ出す。
 尻を掴んでいた片手を前のほうに伸ばし、すっかり勃ち上がったそれを下からゆっくりと扱いてやる。もちろん、後ろをいじる手は止めないままだ。

「んぁっ、ぁあぁっ! あっ、ぁ、出――」

 後ろを責め立てられたまま先端を骨の指先で弄ばれ、刹鬼は呆気なく達した。はぁ、はぁと肩で息をし、呆然と身体を震わせている。
 振り乱した緋い髪が、青白い肩と白い布団に垂れている。ああ、いい眺めだ。芸術とやらの良さはまるで分からねぇが、このまんまの絵があったなら買ってやってもいい。
 
 身体の中心の熱は、痛いほど張り詰めていた。死んでも勃つってのは不思議なもんだが、どうやら、申し分なく機能できているらしい。

「おい、へばってんじゃねぇぞ。本番はここからだ」

 帯を解き、摩羅まらを取り出す。
 やっぱり顔や腕とは違い、腹から脚までの肉はほとんど無事みてぇだ。具足に守られてりゃ当然か。
 ぐったりとした刹鬼の身体を横に向け、片脚を掴んで開かせる。

「どくろ、どの……これ、では……ぁあっ」

 抗議の声には聞く耳持たず、とろとろにほぐれた孔におれのブツを突き入れた。
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