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【第二章―2】きさらぎ駅戦記(え? バス停なのに駅?)
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「うわぁ……すごいデータの量ね」
イヴリンが立花の研究室に足を踏み入れて、思わず感嘆の声を上げた。壁一面に貼られた日本地図には、赤いピンがびっしりと差されている。しかし、その地図を見つめているうちに、なんとなく背筋がぞくりとした。
「これ全部、都市伝説の発生地点ですか?」
ヴァルターがデータの膨大さに圧倒される。と、同時に胸のポケットで何かがかすかに震えた。イヴリンは地点をつなげると妙な図形が浮かび上がるのが気になっていた。
「これって? なんだっけ」
そんな二人を見ながら立花は説明を始めた。
「はい。特に最近、この辺り一帯で遠州鉄道だけでなく、沿線バスも含めて——」
立花がマップを指差そうとした時、足元の時風タロウが急に耳をぴんと立てた。
『おかしいな……この匂い、確かにどこかで……』
タロウの声に、普段にはない緊張が混じっている。
「タロウ?」
立花が振り返る。
『いや……いや、やはりこれは』
タロウの毛がかすかに逆立ち始めた。
「あの」
ヴァルターが重い口を開く。胸のポケットの震えが強くなっている。
「僕たちには、ちょっと特殊な……経歴があるんです」
「特殊って?」
立花の問いかけに、イヴリンが手にした小さな鈴がチリンと音を立てた。
「あれ……」
「ヨーロッパで、時の魔女っていう古い精霊と契約したことがあって」
イヴリンが補足する。
「彼女からこれらを授かりました」
ヴァルターが懐中時計を、イヴリンが銀の鈴を取り出す。すると、懐中時計の文字盤がうっすらと光り始めた。
『……それは』
時風タロウが急に真剣な表情になった。毛が完全に逆立っている。
『時の魔女の聖遺物か』
「え? タロウ、知っているの?」
立花が驚く。
『時の魔女……ヨーロッパを守る時の番人じゃな』
タロウがぽつりと呟く。その声に、どこか懐かしさと恐れが混じっている。
『我の……いや、東の時の番人とは、昔からの知り合いじゃ』
「東にいる時の魔女?」
ヴァルターが首を傾げると、懐中時計の光がさらに強くなった。
『ここらでは理の幽霊と呼ばれておる。時の魔女が西を守るなら、理の幽霊は東を守る存在じゃ』
タロウが少し寂しそうに続ける。
『我は本来、理の幽霊の使いなのじゃが……この立花と出会って、しばらく現世に留まっておる』
立花がタブレットを見て、急に顔を青ざめさせた。
「これは……数値が異常です。時空間歪曲率が急上昇してる」
『だからこそ分かる』
タロウが二人を見上げる。その瞳に、戦士の光が宿り始めている。
『貴様らが本物だということが。そして……きさらぎ駅の件は、両方の番人が協力せねばならぬほど深刻な事態だということも』
イヴリンの鈴が、今度ははっきりと音を立てた。
チリン、チリン……
「お兄様……何かが始まってる」
そして彼らは深夜の遠州バスの調査に向かった。
深夜と言っても22時には終バスなので、そんなに遅くないのだが。
「うげぇ……なんか気持ち悪い雰囲気になってきたぞ」
バス車内で、ヴァルターが時間粒子検出器を見つめながら眉をひそめる。針が完全に振り切れて、「DANGER」の文字が不気味に点滅していた。
「お兄様、さっきから乗客……誰も乗ってこないわよ」
イヴリンがきょろきょろと車内を見回す。終バスとはいえ、この異常な静寂は明らかにおかしい。バスの窓から見える街並みも、どこか現実感が薄れている。
「ど、どこからか、このバスは何かとすり替わっています。データ解析中です……」
立花がタブレットを操作しながら緊張した声で報告する。
「時空間歪曲率が臨界値に近づいています。これは……」
『ぐるるる……嫌な匂いがどんどん強くなるぞ』
足元の時風タロウが、今まで聞いたことがないほど低くうなった。白い毛が完全に逆立って、まるで針山みたいになっている。
『これは……歪みの匂いじゃ。人の運命を操る、古い妖の匂いがする』
その時だった。
ヴァルターの懐中時計が、突然強い光を放ち始めた。
「うわっ!」
同時に、時風タロウが急に立ち上がった。
『これは……理の幽霊様の気配じゃ』
イヴリンの鈴も激しく震え始める。
チリンチリンチリン……
「私のも反応してる。でも、いつもと違う」
「違うって?」
「普段は時の魔女の声だけなのに……今は別の気配も感じる。すごく強い……」
『当然じゃ』
時風タロウが緊張した面持ちで胸を張る。
『ここは理の幽霊様の縄張り。しかし、時の魔女の力だけでは不十分な事態が起きているということじゃな』
立花がタブレットを見て叫んだ。
「やばいです!時空間歪曲率が臨界点を突破しました!これは……」
『両方の番人が同時に動き出すほどの大事件ということじゃ』
タロウが低く唸る。
『滅多にないことじゃぞ。西の番人と東の番人が協力するなど』
バスの窓の外を見ると、風景がゆらゆらと歪み始めている。街灯の光が伸びて、まるで水彩画がにじんだみたいだ。
ヴァルターが懐中時計を握りしめる。
「やはり東の魔女の脅威は……」
「ヨーロッパだけでなく、アジアにまで及んでいるってことですね」
イヴリンが鈴を見つめながら呟く。手がかすかに震えている。
「だから、二人の番人が……」
『協力せざるを得ない状況になった、ということじゃな』
バスが停車した。運転手の姿は見えない。扉が自動的に開く。
皆の足音が単調なリズムを刻みながら、薄暗いトンネルへと向かっていく。
聖遺物の光がどんどん強くなる。
そして——
トンネルを抜けた瞬間、世界が完全に変わった。
「うわぁ……」
イヴリンが息を呑む。
そこには、現実から完全に切り離されたバス停があった。
バス停の看板も、待合のベンチも、すべてが薄ぼんやりと光っている。まるで蛍光塗料を塗ったみたいに、不気味に発光していた。でも、誰かが座っている。
ドンドンドン……
ドンドンドン……
どこからか響く太鼓の音。それは人の心臓の鼓動を真似ているけど、どこか不自然で機械的だった。まるで巨大な機械が人間の感情を模倣しているような、ぞっとする音だ。
「うげっ、これ気持ち悪い音ね」
イヴリンが顔をしかめる。
突然、ヴァルターの懐中時計が爆発的に光り始めた。
「うわっ! 眩しい!」
同時に、時風タロウの目が金色に光った。
『理の幽霊様……』
タロウが深々と頭を下げる。その仕草に、長年の忠誠が込められている。
『お久しぶりでございます』
イヴリンの鈴も甲高い音を立て始めた。
チリリリリリ——————
「三つの気配がする……すごく強い……」
イヴリンが鈴を握りしめる。
「時の魔女と……うーんわからないわ」
『ひとつは理の幽霊様じゃ』
時風タロウが説明する。
『普段は我を通じて間接的に連絡を取るのじゃが……今回は直接お出ましになるほどの事態ということじゃな』
立花がタブレットを見て絶句した。
「異常値です! 二つの強大な霊的存在が同時に現れようとしてます! 計測不能レベルです!」
ヴァルターが懐中時計を見つめる。文字盤に、今まで見たことのない複雑な模様が浮かび上がっている。
「立花さん、心の準備を」
「何の?」
「僕たちの契約者と、タロウの本当の主人が現れます」
イヴリンが苦笑いする。
「しかも、お互いあまり会わない間柄だから……ちょっと気まずい空気になるかも」
『まあ、仕事上の付き合いじゃからな』
タロウがため息をつく。
『でも、両方とも良い方なはずじゃ。ただし、考え方が違うだけで』
「考え方が違う?」
「時の魔女様は『時の流れを正す』、理の幽霊様は『人の理を守る』が使命だから」
時風タロウが説明する。
「今回は……両方の視点が必要だってことですね」
ヴァルターが話しかけたとき、空気が震え、時空が歪む。
そして——
その時、ヴァルターの脳裏に時の魔女の声が響いた。
『その歪みは、東の魔女の弟子が作り出した感情吸収の儀式音よ。気をつけなさい。進むのは危険だけど……座標を確認しないと。このまま放置するわけにはいかない』
時の魔女の声は焦っていた。彼女にとってヴァルターとイヴリンは重要な駒。歪んだ時間軸の秩序を回復させるために、どうしても必要な存在なのだ。
しかし、イヴリンの耳元には別の声が響いた。
『止まれ。これ以上、人の理を外れてはならない』
理の幽霊の声だった。
『東の魔女は人の感情を食らう。このまま進めば、お前たちの人間性も奪われかねない』
「なんか、意見が合わないみたいね」
イヴリンが困った顔をする。
「時の魔女は『進め』って言うけど、理の幽霊は『止まれ』って言ってる」
「上司の意見が割れてるな。どうするか」
ヴァルターが苦笑いを浮かべた。
『どちらも正しいのじゃ』
時風タロウが静かに言った。
『進むのも危険、止まるのも危険。だからこそ、自分たちの判断で道を選ぶしかない』
立花が震え声で割り込む。
「僕の検出器が……完全に計測不能です。このバス停、時空間そのものが崩壊寸前ですね」
一行がゆっくりと待合椅子のあたりに進むと、そこには一人の男が座っていた。
穏やかな笑顔で、まるで道に迷った観光客を案内するみたいに手を振っている。
「お疲れさまです。こんな夜中にどちらまで? 終バスを逃したのですか?」
男の声は優しくて、人を安心させる響きがある。でも——
『ぐるるるるる……』
時風タロウが今まで聞いたことがないくらい低く唸った。毛が完全に逆立って、完全な戦闘態勢に入っている。
『この男……ヤバいぞ。時間が逆流してる匂いがする。そして……濃厚な絶望の味がする』
「この人……」
ヴァルターが時間粒子検出器を見て眉をひそめた。針が完全に振り切れて、もはや計測不能だ。
「ただ者じゃないな」
男は相変わらず穏やかな笑顔を浮かべている。でも、その瞳の奥に何か暗いものがちらついていた。まるで深い井戸の底から、何かが見上げているような不気味さだ。
「知り合いの車が来ます。お送りしましょうか? 皆さん、お疲れのようですし」
男の声に、微かに違和感がある。あまりにも完璧すぎる親切さ。まるで台本を読んでいるような。
「この人こそが……」
イヴリンが身構える。鈴を強く握りしめると、チリンチリンと警告音が響く。
「東の魔女が作った『感情回収システム』の中核ね」
立花がタブレットを見て叫んだ。
「この男の存在が時間軸に致命的な負荷をかけています! このままだと、このバス停は永遠に感情を吸い込み続ける『穴』になってしまう!」
男はにっこりと笑った。その瞬間、周りの空気がぐにゃりと歪んだ。現実と非現実の境界が、溶けていく。
「あらあら、バレちゃいましたね。まあ、『座標』はできたわ」
男の影から、巨大な女性の姿が立ち上がった。
全身に無数の糸を巻きつけた、恐ろしい魔女の姿だった。その糸の一本一本が、人々の運命を表している。絡まり合い、もつれ合い、そして引きちぎられた無数の人生が、魔女の身体を覆っている。
「小賢しい……人間風情が、私の罠を見破るとは。げ、貴様ら時の眷属の二人か?」
紡ぎの魔女——東の魔女の有力な部下の一人。人々の運命を操り、絶望に追い込んで感情を収穫する恐ろしい存在だ。
「まあ、よい。この場所に迷い込んだ人間たちの絶望は、十分に味わわせてもらった。時の眷属を食さずとも我々の魔力は満ちてきている。そして図式は完成しつつある」
魔女が指を鳴らすと、バス停に無数の糸が現れた。それは今まで犠牲になった人々の運命の糸だった。就職に失敗した青年、恋人に振られた女性、夢を諦めた中年男性……すべての絶望が、糸となって魔女の力となっている。
「さあ、ついでだ。その命をよこせ。時の眷属の血を味わせろ。そして私の糸人形になるがいい」
「うわぁ……でかい」
イヴリンが後ずさりする。
「お兄様、どうする?」
「やるしかないだろ」
ヴァルターが腰のポーチから「クロノス・パルス」を取り出す。懐中時計が、戦闘に備えて激しく光り始めた。
「みんな、準備はいいか?」
立花が震えながらタブレットを構える。
『我も全力で行くぞ』
時風タロウが低く唸る。
戦いが始まった。
しかし、それは派手な魔法の撃ち合いではなく——静かで、残酷で、美しい魔術戦闘だった。
『時の魔女よ』
静寂を破って、理の幽霊の声が響いた。
『久方ぶりじゃな。今回ばかりは協力せねばなるまい』
時の魔女の声も、まるで遠い記憶から響くように空間に漂う。
『理の幽霊……あなたと手を組む日が来るとは。でも、東の魔女の脅威の前では……』
『うむ。我らの力を合わせよう』
二人の番人の意識が静かに合流する。
ヴァルターの胸に、冷たく澄んだ感覚が流れ込んだ。見開かれた目に映るのは、複雑で難解な魔術式の構造。まるで数式を解くかのように、魔女の術式を読み解いていく。
——7つの節点。3つの中枢。2つの書き換え防止ダミー術式。
「クロノス・パルス、座標指定」
ヴァルターが呟くように詠唱する。懐中時計が静かに光ると、魔女の周囲の時間流が氷のように凝固した。
——時間修復術式、発動条件クリア。
光の槍が一本、正確に魔女の左眉間を狙って飛ぶ。
精霊王召喚のような派手な魔術ではなく、アルコールランプの火に蓋をかぶせて消火するのと同じ理屈。酸素を排除して炎を消すという、現実的な原理の応用だった。
しかし魔女は、運命の糸を盾のように張り巡らせて攻撃を防ぐ。
その時、立花が震える手でタブレットを操作していた。
「術式パターン……解析中……これは……」
画面に表示される複雑な図形を、彼は必死に読み解こうとする。大学で学んだプログラミングの知識と、民俗学の研究で身につけた古代文字の解読技術を総動員して。
「魔女の運命操作は……7つの節点で構成されています。第3節点と第5節点が……最も脆弱な部分です」
立花の声は震えていたが、その分析は正確だった。
『見事じゃ』
時風タロウが低く唸る。
『では我が理の幽霊様の力で、その節点を可視化してやろう』
タロウの目が金色に光ると、空中に魔女の術式が糸で描かれた立体図として現れた。確かに立花の指摘通り、2つの節点が微かに脈打っている。
イヴリンは静かに前に出た。
——エコー・オブ・クラリティ、結界発動条件設定。
彼女の心に、理の幽霊の冷たい意識が宿る。
チリン……
一つの鈴の音。
それだけで、魔女の術式の第3節点に細い亀裂が入った。まるでガラスにひびが走るように、静かに、しかし確実に。
ヴァルターは懐中時計を握りしめる。
——座標確認。目標、第5節点。
——時の魔女と理の幽霊の力を合流。
——圧縮、圧縮、圧縮……
「時空修復術式、発動」
バネを一斉に放ったかのように、凝縮された時間エネルギーが第5節点に炸裂した。
立花が高速でタブレットを操作する。
「術式の中枢部分に……プログラムコードを侵入させます……魔女の感情吸引システムを……逆転……」
彼の指先が光るほどの速度で、現代のデジタル技術が古代の魔術に挑む。
『魔女め、次は左前方に回避する気じゃな』
時風タロウが静かに予言する。
『そこに攻撃を集中させるのじゃ』
四人と一匹、そして二人の番人の意図が、一つの点に収束した。
それは計算し尽くされた、美しい破壊だった。
魔女の運命の糸が、一本一本解けていく。
それは糸をほどくような、静かな崩壊だった。無数の人々から奪われた運命が、本来の持ち主の元へと還っていく。
「そんな……馬鹿な……」
魔女の穏やかな笑顔が初めて崩れた。
「人間如きが……私の完璧な運命操作を……」
「運命は、自分で切り開くものよ」
イヴリンが凛とした声で言い放つ。
「誰かに決められるものじゃない」
「そうだ」
ヴァルターが静かに続ける。
「俺たちの未来は、俺たちが決める」
魔女の体がキラキラと光の粒子に分解されていく。
「うわああああああああああ!」
最後の絶叫と共に、紡ぎの魔女は完全に消滅した。
「感情の澱」が排出されたきさらぎ駅は、少しずつ現実の時間軸に戻り始めた。
バス停全体が、まるで長い間止めていた呼吸を取り戻したみたいに、ふわーっと脈打ち始めた。
「ふー、疲れた」
イヴリンが汗を拭いながらへたり込む。
「これで終わりじゃないんだろうな」
ヴァルターが静かに言った。
「やつが何か完成したようなことを言っていたし、東の魔女は、また別の手を使ってくる」
『しかし、良い戦いじゃった』
時風タロウが満足そうに尻尾を振る。
『久しぶりに、心が躍ったぞ』
立花が興奮して宣言した。
「僕も、あなた方と共に戦います!科学の力で、東の魔女の正体を暴きたい!」
「頼もしいな」
ヴァルターが微笑む。
「でも、その前に——」
『約束の焼き芋はまだか?』
時風タロウが急に明るい声になった。
「タロウ!」
立花が呆れた声を出す。
「でも……焼き芋、私も食べたいかも」
イヴリンがくすっと笑った。
「俺も腹減ったな」
ヴァルターも笑いながら答える。
こうして、きさらぎ駅での最初の戦いは終わった。
しかし、これはほんの始まりに過ぎない。
日本での東の魔女との長い戦いが、今始まったのだった。
四人と一匹は、夜明けの光の中を歩いて行く。
新たな仲間を得て、新たな希望を胸に。
そして、新たな戦いに向けて——。
彼らの旅は、まだ始まったばかりだった。
イヴリンが立花の研究室に足を踏み入れて、思わず感嘆の声を上げた。壁一面に貼られた日本地図には、赤いピンがびっしりと差されている。しかし、その地図を見つめているうちに、なんとなく背筋がぞくりとした。
「これ全部、都市伝説の発生地点ですか?」
ヴァルターがデータの膨大さに圧倒される。と、同時に胸のポケットで何かがかすかに震えた。イヴリンは地点をつなげると妙な図形が浮かび上がるのが気になっていた。
「これって? なんだっけ」
そんな二人を見ながら立花は説明を始めた。
「はい。特に最近、この辺り一帯で遠州鉄道だけでなく、沿線バスも含めて——」
立花がマップを指差そうとした時、足元の時風タロウが急に耳をぴんと立てた。
『おかしいな……この匂い、確かにどこかで……』
タロウの声に、普段にはない緊張が混じっている。
「タロウ?」
立花が振り返る。
『いや……いや、やはりこれは』
タロウの毛がかすかに逆立ち始めた。
「あの」
ヴァルターが重い口を開く。胸のポケットの震えが強くなっている。
「僕たちには、ちょっと特殊な……経歴があるんです」
「特殊って?」
立花の問いかけに、イヴリンが手にした小さな鈴がチリンと音を立てた。
「あれ……」
「ヨーロッパで、時の魔女っていう古い精霊と契約したことがあって」
イヴリンが補足する。
「彼女からこれらを授かりました」
ヴァルターが懐中時計を、イヴリンが銀の鈴を取り出す。すると、懐中時計の文字盤がうっすらと光り始めた。
『……それは』
時風タロウが急に真剣な表情になった。毛が完全に逆立っている。
『時の魔女の聖遺物か』
「え? タロウ、知っているの?」
立花が驚く。
『時の魔女……ヨーロッパを守る時の番人じゃな』
タロウがぽつりと呟く。その声に、どこか懐かしさと恐れが混じっている。
『我の……いや、東の時の番人とは、昔からの知り合いじゃ』
「東にいる時の魔女?」
ヴァルターが首を傾げると、懐中時計の光がさらに強くなった。
『ここらでは理の幽霊と呼ばれておる。時の魔女が西を守るなら、理の幽霊は東を守る存在じゃ』
タロウが少し寂しそうに続ける。
『我は本来、理の幽霊の使いなのじゃが……この立花と出会って、しばらく現世に留まっておる』
立花がタブレットを見て、急に顔を青ざめさせた。
「これは……数値が異常です。時空間歪曲率が急上昇してる」
『だからこそ分かる』
タロウが二人を見上げる。その瞳に、戦士の光が宿り始めている。
『貴様らが本物だということが。そして……きさらぎ駅の件は、両方の番人が協力せねばならぬほど深刻な事態だということも』
イヴリンの鈴が、今度ははっきりと音を立てた。
チリン、チリン……
「お兄様……何かが始まってる」
そして彼らは深夜の遠州バスの調査に向かった。
深夜と言っても22時には終バスなので、そんなに遅くないのだが。
「うげぇ……なんか気持ち悪い雰囲気になってきたぞ」
バス車内で、ヴァルターが時間粒子検出器を見つめながら眉をひそめる。針が完全に振り切れて、「DANGER」の文字が不気味に点滅していた。
「お兄様、さっきから乗客……誰も乗ってこないわよ」
イヴリンがきょろきょろと車内を見回す。終バスとはいえ、この異常な静寂は明らかにおかしい。バスの窓から見える街並みも、どこか現実感が薄れている。
「ど、どこからか、このバスは何かとすり替わっています。データ解析中です……」
立花がタブレットを操作しながら緊張した声で報告する。
「時空間歪曲率が臨界値に近づいています。これは……」
『ぐるるる……嫌な匂いがどんどん強くなるぞ』
足元の時風タロウが、今まで聞いたことがないほど低くうなった。白い毛が完全に逆立って、まるで針山みたいになっている。
『これは……歪みの匂いじゃ。人の運命を操る、古い妖の匂いがする』
その時だった。
ヴァルターの懐中時計が、突然強い光を放ち始めた。
「うわっ!」
同時に、時風タロウが急に立ち上がった。
『これは……理の幽霊様の気配じゃ』
イヴリンの鈴も激しく震え始める。
チリンチリンチリン……
「私のも反応してる。でも、いつもと違う」
「違うって?」
「普段は時の魔女の声だけなのに……今は別の気配も感じる。すごく強い……」
『当然じゃ』
時風タロウが緊張した面持ちで胸を張る。
『ここは理の幽霊様の縄張り。しかし、時の魔女の力だけでは不十分な事態が起きているということじゃな』
立花がタブレットを見て叫んだ。
「やばいです!時空間歪曲率が臨界点を突破しました!これは……」
『両方の番人が同時に動き出すほどの大事件ということじゃ』
タロウが低く唸る。
『滅多にないことじゃぞ。西の番人と東の番人が協力するなど』
バスの窓の外を見ると、風景がゆらゆらと歪み始めている。街灯の光が伸びて、まるで水彩画がにじんだみたいだ。
ヴァルターが懐中時計を握りしめる。
「やはり東の魔女の脅威は……」
「ヨーロッパだけでなく、アジアにまで及んでいるってことですね」
イヴリンが鈴を見つめながら呟く。手がかすかに震えている。
「だから、二人の番人が……」
『協力せざるを得ない状況になった、ということじゃな』
バスが停車した。運転手の姿は見えない。扉が自動的に開く。
皆の足音が単調なリズムを刻みながら、薄暗いトンネルへと向かっていく。
聖遺物の光がどんどん強くなる。
そして——
トンネルを抜けた瞬間、世界が完全に変わった。
「うわぁ……」
イヴリンが息を呑む。
そこには、現実から完全に切り離されたバス停があった。
バス停の看板も、待合のベンチも、すべてが薄ぼんやりと光っている。まるで蛍光塗料を塗ったみたいに、不気味に発光していた。でも、誰かが座っている。
ドンドンドン……
ドンドンドン……
どこからか響く太鼓の音。それは人の心臓の鼓動を真似ているけど、どこか不自然で機械的だった。まるで巨大な機械が人間の感情を模倣しているような、ぞっとする音だ。
「うげっ、これ気持ち悪い音ね」
イヴリンが顔をしかめる。
突然、ヴァルターの懐中時計が爆発的に光り始めた。
「うわっ! 眩しい!」
同時に、時風タロウの目が金色に光った。
『理の幽霊様……』
タロウが深々と頭を下げる。その仕草に、長年の忠誠が込められている。
『お久しぶりでございます』
イヴリンの鈴も甲高い音を立て始めた。
チリリリリリ——————
「三つの気配がする……すごく強い……」
イヴリンが鈴を握りしめる。
「時の魔女と……うーんわからないわ」
『ひとつは理の幽霊様じゃ』
時風タロウが説明する。
『普段は我を通じて間接的に連絡を取るのじゃが……今回は直接お出ましになるほどの事態ということじゃな』
立花がタブレットを見て絶句した。
「異常値です! 二つの強大な霊的存在が同時に現れようとしてます! 計測不能レベルです!」
ヴァルターが懐中時計を見つめる。文字盤に、今まで見たことのない複雑な模様が浮かび上がっている。
「立花さん、心の準備を」
「何の?」
「僕たちの契約者と、タロウの本当の主人が現れます」
イヴリンが苦笑いする。
「しかも、お互いあまり会わない間柄だから……ちょっと気まずい空気になるかも」
『まあ、仕事上の付き合いじゃからな』
タロウがため息をつく。
『でも、両方とも良い方なはずじゃ。ただし、考え方が違うだけで』
「考え方が違う?」
「時の魔女様は『時の流れを正す』、理の幽霊様は『人の理を守る』が使命だから」
時風タロウが説明する。
「今回は……両方の視点が必要だってことですね」
ヴァルターが話しかけたとき、空気が震え、時空が歪む。
そして——
その時、ヴァルターの脳裏に時の魔女の声が響いた。
『その歪みは、東の魔女の弟子が作り出した感情吸収の儀式音よ。気をつけなさい。進むのは危険だけど……座標を確認しないと。このまま放置するわけにはいかない』
時の魔女の声は焦っていた。彼女にとってヴァルターとイヴリンは重要な駒。歪んだ時間軸の秩序を回復させるために、どうしても必要な存在なのだ。
しかし、イヴリンの耳元には別の声が響いた。
『止まれ。これ以上、人の理を外れてはならない』
理の幽霊の声だった。
『東の魔女は人の感情を食らう。このまま進めば、お前たちの人間性も奪われかねない』
「なんか、意見が合わないみたいね」
イヴリンが困った顔をする。
「時の魔女は『進め』って言うけど、理の幽霊は『止まれ』って言ってる」
「上司の意見が割れてるな。どうするか」
ヴァルターが苦笑いを浮かべた。
『どちらも正しいのじゃ』
時風タロウが静かに言った。
『進むのも危険、止まるのも危険。だからこそ、自分たちの判断で道を選ぶしかない』
立花が震え声で割り込む。
「僕の検出器が……完全に計測不能です。このバス停、時空間そのものが崩壊寸前ですね」
一行がゆっくりと待合椅子のあたりに進むと、そこには一人の男が座っていた。
穏やかな笑顔で、まるで道に迷った観光客を案内するみたいに手を振っている。
「お疲れさまです。こんな夜中にどちらまで? 終バスを逃したのですか?」
男の声は優しくて、人を安心させる響きがある。でも——
『ぐるるるるる……』
時風タロウが今まで聞いたことがないくらい低く唸った。毛が完全に逆立って、完全な戦闘態勢に入っている。
『この男……ヤバいぞ。時間が逆流してる匂いがする。そして……濃厚な絶望の味がする』
「この人……」
ヴァルターが時間粒子検出器を見て眉をひそめた。針が完全に振り切れて、もはや計測不能だ。
「ただ者じゃないな」
男は相変わらず穏やかな笑顔を浮かべている。でも、その瞳の奥に何か暗いものがちらついていた。まるで深い井戸の底から、何かが見上げているような不気味さだ。
「知り合いの車が来ます。お送りしましょうか? 皆さん、お疲れのようですし」
男の声に、微かに違和感がある。あまりにも完璧すぎる親切さ。まるで台本を読んでいるような。
「この人こそが……」
イヴリンが身構える。鈴を強く握りしめると、チリンチリンと警告音が響く。
「東の魔女が作った『感情回収システム』の中核ね」
立花がタブレットを見て叫んだ。
「この男の存在が時間軸に致命的な負荷をかけています! このままだと、このバス停は永遠に感情を吸い込み続ける『穴』になってしまう!」
男はにっこりと笑った。その瞬間、周りの空気がぐにゃりと歪んだ。現実と非現実の境界が、溶けていく。
「あらあら、バレちゃいましたね。まあ、『座標』はできたわ」
男の影から、巨大な女性の姿が立ち上がった。
全身に無数の糸を巻きつけた、恐ろしい魔女の姿だった。その糸の一本一本が、人々の運命を表している。絡まり合い、もつれ合い、そして引きちぎられた無数の人生が、魔女の身体を覆っている。
「小賢しい……人間風情が、私の罠を見破るとは。げ、貴様ら時の眷属の二人か?」
紡ぎの魔女——東の魔女の有力な部下の一人。人々の運命を操り、絶望に追い込んで感情を収穫する恐ろしい存在だ。
「まあ、よい。この場所に迷い込んだ人間たちの絶望は、十分に味わわせてもらった。時の眷属を食さずとも我々の魔力は満ちてきている。そして図式は完成しつつある」
魔女が指を鳴らすと、バス停に無数の糸が現れた。それは今まで犠牲になった人々の運命の糸だった。就職に失敗した青年、恋人に振られた女性、夢を諦めた中年男性……すべての絶望が、糸となって魔女の力となっている。
「さあ、ついでだ。その命をよこせ。時の眷属の血を味わせろ。そして私の糸人形になるがいい」
「うわぁ……でかい」
イヴリンが後ずさりする。
「お兄様、どうする?」
「やるしかないだろ」
ヴァルターが腰のポーチから「クロノス・パルス」を取り出す。懐中時計が、戦闘に備えて激しく光り始めた。
「みんな、準備はいいか?」
立花が震えながらタブレットを構える。
『我も全力で行くぞ』
時風タロウが低く唸る。
戦いが始まった。
しかし、それは派手な魔法の撃ち合いではなく——静かで、残酷で、美しい魔術戦闘だった。
『時の魔女よ』
静寂を破って、理の幽霊の声が響いた。
『久方ぶりじゃな。今回ばかりは協力せねばなるまい』
時の魔女の声も、まるで遠い記憶から響くように空間に漂う。
『理の幽霊……あなたと手を組む日が来るとは。でも、東の魔女の脅威の前では……』
『うむ。我らの力を合わせよう』
二人の番人の意識が静かに合流する。
ヴァルターの胸に、冷たく澄んだ感覚が流れ込んだ。見開かれた目に映るのは、複雑で難解な魔術式の構造。まるで数式を解くかのように、魔女の術式を読み解いていく。
——7つの節点。3つの中枢。2つの書き換え防止ダミー術式。
「クロノス・パルス、座標指定」
ヴァルターが呟くように詠唱する。懐中時計が静かに光ると、魔女の周囲の時間流が氷のように凝固した。
——時間修復術式、発動条件クリア。
光の槍が一本、正確に魔女の左眉間を狙って飛ぶ。
精霊王召喚のような派手な魔術ではなく、アルコールランプの火に蓋をかぶせて消火するのと同じ理屈。酸素を排除して炎を消すという、現実的な原理の応用だった。
しかし魔女は、運命の糸を盾のように張り巡らせて攻撃を防ぐ。
その時、立花が震える手でタブレットを操作していた。
「術式パターン……解析中……これは……」
画面に表示される複雑な図形を、彼は必死に読み解こうとする。大学で学んだプログラミングの知識と、民俗学の研究で身につけた古代文字の解読技術を総動員して。
「魔女の運命操作は……7つの節点で構成されています。第3節点と第5節点が……最も脆弱な部分です」
立花の声は震えていたが、その分析は正確だった。
『見事じゃ』
時風タロウが低く唸る。
『では我が理の幽霊様の力で、その節点を可視化してやろう』
タロウの目が金色に光ると、空中に魔女の術式が糸で描かれた立体図として現れた。確かに立花の指摘通り、2つの節点が微かに脈打っている。
イヴリンは静かに前に出た。
——エコー・オブ・クラリティ、結界発動条件設定。
彼女の心に、理の幽霊の冷たい意識が宿る。
チリン……
一つの鈴の音。
それだけで、魔女の術式の第3節点に細い亀裂が入った。まるでガラスにひびが走るように、静かに、しかし確実に。
ヴァルターは懐中時計を握りしめる。
——座標確認。目標、第5節点。
——時の魔女と理の幽霊の力を合流。
——圧縮、圧縮、圧縮……
「時空修復術式、発動」
バネを一斉に放ったかのように、凝縮された時間エネルギーが第5節点に炸裂した。
立花が高速でタブレットを操作する。
「術式の中枢部分に……プログラムコードを侵入させます……魔女の感情吸引システムを……逆転……」
彼の指先が光るほどの速度で、現代のデジタル技術が古代の魔術に挑む。
『魔女め、次は左前方に回避する気じゃな』
時風タロウが静かに予言する。
『そこに攻撃を集中させるのじゃ』
四人と一匹、そして二人の番人の意図が、一つの点に収束した。
それは計算し尽くされた、美しい破壊だった。
魔女の運命の糸が、一本一本解けていく。
それは糸をほどくような、静かな崩壊だった。無数の人々から奪われた運命が、本来の持ち主の元へと還っていく。
「そんな……馬鹿な……」
魔女の穏やかな笑顔が初めて崩れた。
「人間如きが……私の完璧な運命操作を……」
「運命は、自分で切り開くものよ」
イヴリンが凛とした声で言い放つ。
「誰かに決められるものじゃない」
「そうだ」
ヴァルターが静かに続ける。
「俺たちの未来は、俺たちが決める」
魔女の体がキラキラと光の粒子に分解されていく。
「うわああああああああああ!」
最後の絶叫と共に、紡ぎの魔女は完全に消滅した。
「感情の澱」が排出されたきさらぎ駅は、少しずつ現実の時間軸に戻り始めた。
バス停全体が、まるで長い間止めていた呼吸を取り戻したみたいに、ふわーっと脈打ち始めた。
「ふー、疲れた」
イヴリンが汗を拭いながらへたり込む。
「これで終わりじゃないんだろうな」
ヴァルターが静かに言った。
「やつが何か完成したようなことを言っていたし、東の魔女は、また別の手を使ってくる」
『しかし、良い戦いじゃった』
時風タロウが満足そうに尻尾を振る。
『久しぶりに、心が躍ったぞ』
立花が興奮して宣言した。
「僕も、あなた方と共に戦います!科学の力で、東の魔女の正体を暴きたい!」
「頼もしいな」
ヴァルターが微笑む。
「でも、その前に——」
『約束の焼き芋はまだか?』
時風タロウが急に明るい声になった。
「タロウ!」
立花が呆れた声を出す。
「でも……焼き芋、私も食べたいかも」
イヴリンがくすっと笑った。
「俺も腹減ったな」
ヴァルターも笑いながら答える。
こうして、きさらぎ駅での最初の戦いは終わった。
しかし、これはほんの始まりに過ぎない。
日本での東の魔女との長い戦いが、今始まったのだった。
四人と一匹は、夜明けの光の中を歩いて行く。
新たな仲間を得て、新たな希望を胸に。
そして、新たな戦いに向けて——。
彼らの旅は、まだ始まったばかりだった。
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