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第2章 燃える想い
18.百年の審議
それから宰相はときおり、禁書庫に姿を見せるようになった。
「怪我など、ない」
暴漢に襲われたことをルネがしつこいほど聞いても、本人はあっさり答えた。
(本当に……?)
それでもルネは気になりすぎて、ある日、つい従者を捕まえて問いただしてしまった。
「閣下のお怪我は……」
従者は、困ったように笑った。
「お答えできかねます」
(そりゃそうよね)
冷静に考えれば、従者が主人の体調について軽々しく口を割るはずがない。
(何、やってんのかしら……取り乱しすぎだってば)
宰相が禁書庫に現れるようになると、神官たちの出入りも増える。
『地獄』などと呼ばれる禁書庫を知る者は、宮廷内でも一握りだ。
まして、ここへ足を運ぶ理由を持つ者など、さらに限られているはずなのに。
あの夜以来、ルネの帰りが遅くなる日は、決まって馬車が用意された。
彼自身が現れることは稀で、護衛騎士が数名ついてくるだけだ。
そこまで甘えるのも気が引ける――とはいえ、断る勇気もない。
◇◇◇
ルネは、その日から夜の作業を諦め、日中に集中することにした。
司書の仕事は本来、修復ではない。
分かっているのに、手はつい、傷んだ古文書へ伸びてしまう。
その掠れたインクの滲みの向こうに、誰かが必死に繋ごうとした『声』が聞こえてきそうな気がして……。
羊皮紙の端は、湿気と歳月によって波打ち、脆い結晶のようになっていた。
ルネは極細の面相筆を取り、接着剤となる魚膠を慎重に含ませる。
息を止めて、剥離しかけた金箔に、そっと筆先を滑らせた。
吐息一つで失われてしまうほど薄い金。
突然、扉が乱暴に開かれた。
(……え?)
外気が流れ込む。
「あっ」
悲鳴は喉の奥で押し殺したが、もう遅い。
金箔はふわりと舞い上がり、光を散らしながら宙を漂う。
(だめ……!)
時間が、引き延ばされたように感じられた。
蝋燭の炎に照らされ、金の粉は星屑のように輝きながら落ちていく。
やがて、細かな金の欠片は、作業台の下、埃の溜まった床へと無慈悲に吸い込まれていく。
(……ああ。……あ、あ……)
数週間に及ぶ神経を削る作業が、たった数秒の「無作法」によってゴミへと変わった。
時間が止まったかのような静寂の中で、ルネの心は白く燃え上がる。
いったい、誰が扉を開けたのか。
怒りを押し殺して振り返ると『立ち入りを禁ず』の札を足蹴にするようにして、神竜守の神官たちがいた。
今回は高位の典礼大司教はおらず、黒衣の神官が三人。
筋骨逞しすぎる体格に、落ち着きのない卑屈な視線。
聖職者というより、祈りを知らない下町の揉め事屋、という印象だった。
ルネは、こめかみが引きつるのを感じた。
(前より、ヤバそうなのが来たじゃない)
「それは『黒い太陽の嘆き』ではないのか!」
一人が作業台の羊皮紙を指さし、怒鳴り声を上げる。
「閲覧できぬと言いながら、それはどういうことだ!」
「我ら聖銀竜の典礼庁を侮っておるのか!」
前に来た神官は、大司教の手前もあってか、まだおとなしかった。
この三人は、各々が好き勝手に喚き散らしている。
声が重なり、距離が近い。
(唾が飛んだら、どうしてくれるのよ)
「これは『ドラゴの異端』に分類された写本でして」
ルネは声を落としながら、手早く作業台を片づけた。
うかうかしていれば、他の修復まで台無しになる。
「お申し付けの『黒き太陽の嘆き』ではございません。禁書の閲覧でしたら、まずは許可証を」
神官の一人が、赤い封蝋の押された書状を突き出す。
それを見てルネは、ため息をついた。
「その許可証では、該当書は対象外です」
「対象外だと? 教義に関わる重大文書だぞ」
耳がキーンと鳴りそうな大声。
(おかしいな。聖職者って静謐さを求めるんじゃなかったっけ?)
「はい。ですから『重大』の棚に」
努めて淡々と続ける。
「鍵が二つ、必要ですわ」
神官が、机を叩いた。
ルネは反射的に作業台を押さえる。
「私が鍵だ!」
(その台詞……もっと偉い人が使うものでは……)
反論は喉元で飲み込み、ルネは一度だけ下唇を噛んだ。
そのまま、無理に作った愛想笑いで口元を歪める。
「うわぁ……すばらしいエスプリ。ご自身が物理的な鍵になるなんて、聖職者の方々は哲学の域に達していらっしゃる」
あまりもわざとらしく言ったのが、マズかったのか神官たちが一斉にルネを睨みつけた。
(また、やっちゃった)
空気が冷え始めたとき、緩慢な拍手が禁書庫に響いた。
ぎょっとして顔を上げると、扉にもたれるようにして、宰相が立っていた。
その蒼銀の瞳は、まるで路上の石ころを見るような冷淡さで神官たちを射抜いている。
「確かに、私でも思いつかぬ見事なエスプリだ」
「閣下!」
思わずルネは、すがるように叫んでいた。
(最高のタイミングです。閣下!)
最近、宰相が禁書庫に姿を見せることは司書の間では知られていた。
だが、神官たちにとっては完全に予想外だったのだろう。
三人は、目に見えて言葉を失っていた。
「マダムの言うもう一つの鍵とは、『時間』のことだろう」
宰相が禁書庫に足を踏み入れた。それだけで、部屋の温度が数度下がったかのような錯覚に陥る。
神官たちは慌てて壁際に下がった。
「どういう意味です」
一人が声を張り上げると、彼はルネの前で足を止め、静かに振り返る。
「審議中だということだ。そなたらも、私も待たねばならぬ……そう、百年ほど」
神官の一人がわざとらしい咳払いをする。
先ほどまでルネに詰め寄っていた神官は、不愉快そうに鼻先をひくつかせ、短く吐き捨てるように息をついた。
「不服か? ならば今すぐ、典礼庁へ『宰相が百年待てと言った』と報告に行くといい……もっとも、報告に戻れる足があればの話だが」
その一言に含まれた純然たる脅威に、神官たちは蛇に睨まれた蛙のように硬直した。
互いに視線を交わし、しぶしぶ宰相へ礼を取った。
黒衣が翻り、足音だけを残して去っていく。
扉が閉まる。
禁書庫に残されたのは、彼とルネだけだった。
張りつめていた空気が、ようやくほどける。
ルネは、自分が思っていた以上に肩に力を入れていたことに、そこで気づいた。
「怪我など、ない」
暴漢に襲われたことをルネがしつこいほど聞いても、本人はあっさり答えた。
(本当に……?)
それでもルネは気になりすぎて、ある日、つい従者を捕まえて問いただしてしまった。
「閣下のお怪我は……」
従者は、困ったように笑った。
「お答えできかねます」
(そりゃそうよね)
冷静に考えれば、従者が主人の体調について軽々しく口を割るはずがない。
(何、やってんのかしら……取り乱しすぎだってば)
宰相が禁書庫に現れるようになると、神官たちの出入りも増える。
『地獄』などと呼ばれる禁書庫を知る者は、宮廷内でも一握りだ。
まして、ここへ足を運ぶ理由を持つ者など、さらに限られているはずなのに。
あの夜以来、ルネの帰りが遅くなる日は、決まって馬車が用意された。
彼自身が現れることは稀で、護衛騎士が数名ついてくるだけだ。
そこまで甘えるのも気が引ける――とはいえ、断る勇気もない。
◇◇◇
ルネは、その日から夜の作業を諦め、日中に集中することにした。
司書の仕事は本来、修復ではない。
分かっているのに、手はつい、傷んだ古文書へ伸びてしまう。
その掠れたインクの滲みの向こうに、誰かが必死に繋ごうとした『声』が聞こえてきそうな気がして……。
羊皮紙の端は、湿気と歳月によって波打ち、脆い結晶のようになっていた。
ルネは極細の面相筆を取り、接着剤となる魚膠を慎重に含ませる。
息を止めて、剥離しかけた金箔に、そっと筆先を滑らせた。
吐息一つで失われてしまうほど薄い金。
突然、扉が乱暴に開かれた。
(……え?)
外気が流れ込む。
「あっ」
悲鳴は喉の奥で押し殺したが、もう遅い。
金箔はふわりと舞い上がり、光を散らしながら宙を漂う。
(だめ……!)
時間が、引き延ばされたように感じられた。
蝋燭の炎に照らされ、金の粉は星屑のように輝きながら落ちていく。
やがて、細かな金の欠片は、作業台の下、埃の溜まった床へと無慈悲に吸い込まれていく。
(……ああ。……あ、あ……)
数週間に及ぶ神経を削る作業が、たった数秒の「無作法」によってゴミへと変わった。
時間が止まったかのような静寂の中で、ルネの心は白く燃え上がる。
いったい、誰が扉を開けたのか。
怒りを押し殺して振り返ると『立ち入りを禁ず』の札を足蹴にするようにして、神竜守の神官たちがいた。
今回は高位の典礼大司教はおらず、黒衣の神官が三人。
筋骨逞しすぎる体格に、落ち着きのない卑屈な視線。
聖職者というより、祈りを知らない下町の揉め事屋、という印象だった。
ルネは、こめかみが引きつるのを感じた。
(前より、ヤバそうなのが来たじゃない)
「それは『黒い太陽の嘆き』ではないのか!」
一人が作業台の羊皮紙を指さし、怒鳴り声を上げる。
「閲覧できぬと言いながら、それはどういうことだ!」
「我ら聖銀竜の典礼庁を侮っておるのか!」
前に来た神官は、大司教の手前もあってか、まだおとなしかった。
この三人は、各々が好き勝手に喚き散らしている。
声が重なり、距離が近い。
(唾が飛んだら、どうしてくれるのよ)
「これは『ドラゴの異端』に分類された写本でして」
ルネは声を落としながら、手早く作業台を片づけた。
うかうかしていれば、他の修復まで台無しになる。
「お申し付けの『黒き太陽の嘆き』ではございません。禁書の閲覧でしたら、まずは許可証を」
神官の一人が、赤い封蝋の押された書状を突き出す。
それを見てルネは、ため息をついた。
「その許可証では、該当書は対象外です」
「対象外だと? 教義に関わる重大文書だぞ」
耳がキーンと鳴りそうな大声。
(おかしいな。聖職者って静謐さを求めるんじゃなかったっけ?)
「はい。ですから『重大』の棚に」
努めて淡々と続ける。
「鍵が二つ、必要ですわ」
神官が、机を叩いた。
ルネは反射的に作業台を押さえる。
「私が鍵だ!」
(その台詞……もっと偉い人が使うものでは……)
反論は喉元で飲み込み、ルネは一度だけ下唇を噛んだ。
そのまま、無理に作った愛想笑いで口元を歪める。
「うわぁ……すばらしいエスプリ。ご自身が物理的な鍵になるなんて、聖職者の方々は哲学の域に達していらっしゃる」
あまりもわざとらしく言ったのが、マズかったのか神官たちが一斉にルネを睨みつけた。
(また、やっちゃった)
空気が冷え始めたとき、緩慢な拍手が禁書庫に響いた。
ぎょっとして顔を上げると、扉にもたれるようにして、宰相が立っていた。
その蒼銀の瞳は、まるで路上の石ころを見るような冷淡さで神官たちを射抜いている。
「確かに、私でも思いつかぬ見事なエスプリだ」
「閣下!」
思わずルネは、すがるように叫んでいた。
(最高のタイミングです。閣下!)
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だが、神官たちにとっては完全に予想外だったのだろう。
三人は、目に見えて言葉を失っていた。
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神官たちは慌てて壁際に下がった。
「どういう意味です」
一人が声を張り上げると、彼はルネの前で足を止め、静かに振り返る。
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先ほどまでルネに詰め寄っていた神官は、不愉快そうに鼻先をひくつかせ、短く吐き捨てるように息をついた。
「不服か? ならば今すぐ、典礼庁へ『宰相が百年待てと言った』と報告に行くといい……もっとも、報告に戻れる足があればの話だが」
その一言に含まれた純然たる脅威に、神官たちは蛇に睨まれた蛙のように硬直した。
互いに視線を交わし、しぶしぶ宰相へ礼を取った。
黒衣が翻り、足音だけを残して去っていく。
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