昭和のおっさんタロウの異世界物語は東の国から

うしさん

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第3章 西の大陸

第23話 子供達を保護

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 人攫い集団の頭であったケンジとシューラッドはもうこの世にいない。
 その片腕であったダグロスという男もそうだろう。
 そこで、残った人攫い集団―――この場合、もう盗賊団で構わないだろう。その盗賊団の新団長に事情聴取をして、今までの事などを聞き出す事にした。

「ある程度の予想は立てていたが、それは、あくまでもこちらの予想だ。だから、一から聞きたい。何故、人攫いを始めたのだ」
「それは・・・・・・分からねぇ。儂らはただ、子供を攫って来いと言われただけでぃ」

 うむ、シューラッドと話した時も感じたが、ただの雇われだったのかもしれんな。だが・・・・・・

「ふむ、確かにあなた達には知らされてなかったかもしれないが、こんな狭い空間で何日も一緒にいたのだ。何か思い当たる事はあるだろう?」
「いや、思い当たる事なんてねぇな」
「そんな事は無いだろう。団長にだけは何か言ってたんじゃないか?」
「団長?」
「ん? 団長だろ? 違うのか?」
「だんちょー・・・・・・グフフ・・・いや、そんなこたぁねぇ、儂が団長だ!」

 ニマニマにやついて胸を張る団長。
 さっきも言ったが、幹部以上に認定されると死罪になると思うんだがな。それでも団長になりたいのだろうか。既に捕まって先が無いというのに。
 ま、それは本人の気持ちの話だ。私は事情聴取に専念させてもらおう。

「それで、何か思い当たる事は無かったか?」
「んー・・・ここでやってのっていやぁ、レッドワイバーンを使って村を襲って子供を攫ってたんだが、ここを守らせるのに上の階層じゃ魔物に護らせている階層がいくつかあったってーのと、あとは、強力な悪魔に守護させようとして失敗したって事ぐれぇか」

 なんだと!? さらーっと言ったが、気になる事を幾つも言ったぞ?
 レッドワイバーンで村を襲ってたのはやはり事実だった。階層ボスもケンジ関係で間違いない。悪魔召喚の失敗ってどういう事だ?

「それってどういう・・・・・・いや、焦りすぎだな。ひとつひとつ聞いていくから、素直に答えて欲しい。団長になるぐらいの人なら当然だと思うが」
「あったりめぇだぜ! 兄ちゃんよぉ、何でも団長の儂に聞いてくれ!」

 一度に全部の質問をしてしまうところだった。こいつはノアと同レベル・・・いや、ソラ以下かもしれんから、ひとつひとつゆっくり聞かないと纏められないだろうな。
 しかし、『団長』と言えば機嫌が良くなるのだな。若者の間では、こういうのはチョロいと言うのだったか。

「では、レッドワイバーンと村を襲ったと言うが、子供を攫うだけなら村を蹂躙する必要は無かったのではないか? 例えば脅すだけでも良かったと思うのだが」
「そりゃあ、子供を攫えば、あとは好きにしていいって言われたんだ。そりゃ好きにするだろう。なぁ! お前ら!」

 話を振られ、縛られてる子分共がウンウンと首を縦に振る。
 最悪な奴らだな。これがこの世界の常識なのか? 私には付いていけないのだが。この無性に込み上げて来る怒りを隠せなくなってくるのだが。

「ん? どしたい、兄ちゃん。詳しく知りたいのかい」
「あ、ああ、そうだな」
「ありゃもうやりたい放題だったぜ。レッドワイバーンにひと吹きさせりゃ、それだけで村でも町でも大騒ぎだ。先に男共を殺して女は皆で取りあいだぁ。子供には手を出すなって言われてるからよぉ、子供は下っ端に攫わせて、その間に儂ら団長クラスは女を頂いてたっつーわけよ。もちろん金目の物も全部頂いて来たぜ」
「そ、そうか・・・・・・」

 聞いててぶん殴りたくなる思いをグッと堪える。

「だってそうだろ、子供以外は連れて来んなって言われてるからよぉ。その場でいい思いするしかねーじゃねか、のぉ! 皆もそう思うだろ!」

 子分共もウンウンと肯く。

「ぐっ・・・・・・そ、それで?」
「結局、皆殺しちまうんだ。最後はレッドワイバーンに焼かせて終わりだぁ。犯った時の事も聞きてぇか? 酒でも持って来りゃ、いくらでも話してや・・・・・・ひっ!」

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 堪えきれずに右手で拳を作り、ゆっくりと振り上げていた。
 ぐぐぐ、ダメだ堪えろ。さっき力を振りかざすのは違うと反省したところだろ。我慢だ、我慢だ。
 無理やり左手で右手を押さえ、元の位置に戻した。

「そ・・・それで?」
「ひっ! なんでも話す! なんでも話すから許してくれ!」

 お前達が襲った人達も、そう言ってた人は何人もいたんじゃないのか? それをお前達はどうしたんだ!
 いや、ダメだ。冷静に、冷静になれ! 怒るのなら全部を聞いた後にしろ! 我慢だ、我慢だ。

「む、む、村や町の襲撃についてはもういい。子供達以外には生き残りはいないのだな。次はケンジとの関係だ。どういう繋がりなのだ」

 必死に感情を押し殺して次の質問に移った。だが、全ての感情を抑えきれてなかったのだろう。団長は怯えるように必死で答えてくれた。
 クレーマー相手に感情を抑える事には慣れてたつもりだが、これは人間としての怒りだ。中々抑える事ができない。

「ケ、ケンジさんか。儂らはシューラッドさんという女にスカウトされたんだ、です。だがボスはケンジさんだと聞いてた。ほとんど会った事ぁねぇがな、です。何度が見たぐらいで話した事もねぇ。儂らに命令するのはダグロスさんかシューラッドさんだったからな、です」
「敬語のつもりかもしれんが、非常に聞きにくい。話し方はいつも通りでいいから本当の事だけを話せ」
「へ、へい!」

 ケンジとシューラッドの事は知らないと見ていいか。ならば次だ。

「悪魔召喚の失敗とはどういう意味だ?」
「それか、です。い、いや間違っちまった。あーなんでも、テストのために何人かの生贄を使って召喚をしたらしい。それで悪魔が召喚されたとは聞いたが、悪魔はここにゃいねぇ。っつー事ぁ逃げちまったんだろうぜ」
「召喚で喚び出した悪魔が逃げた? 召喚で喚び出すという事は、悪魔と契約するはずだ。契約はしなかったのか。いや、それ以前にただ逃げられただけなのか? 誰も死ななかったのか?」

 悪魔召喚といえば、よくある話だと生贄を用意して契約して服従させるというのをよく耳にする。
 契約内容が生贄と等価交換なら悪魔も契約に応じるが、分不相応なら契約者を殺して悪魔が暴走するという話は昔の小説からも定番なのだが。

「そんな小難しい話なんて分からねーよ。見たわけじゃねーんだからな」

 こいつらレベルまでは話が降りてないのか。雇われだと言うし、当然だろうな。

「それなら、その時に生贄には何を使ったのだ?」
「詳しくは知らねーが、そん時に子供が屋敷に連れて行かれたのは見たぜ」
「ぐ・・・何人だ。何人の子供が連れて行かれたのだ」
「よくは知らねーが、五〇人ぐらいだったと思うぜ」

 くっ・・・・・・既に犠牲になってたか。ケンジとシューラッド・・・殺した事を後悔してた自分がお人よしに思えて来るな。

「それで、その悪魔は何人だったか分かるか」
「儂が見たわけじゃねーが、転送で三人出て行ったのを見た奴がいる。だから三人だと思うぜ」

 三体の悪魔の生贄に五〇人の子供……数が合わないな。何かを省略したか。
 いない者はいいが、もう一つ気になる言葉があったな。

「転送?」
「ああ、儂ら、戻って来る時ぁダンジョンの入口から入るが、出て行く時ぁ転送魔法陣で出て行くんだ。ここはダンジョン最下層だからな、地上へ出る転送魔法陣があるのさ」

 ほぉ、そんな便利なものがあるのだな。出る時には利用させてもらおう。

「だが、ちょっと待て。私達もダンジョンを降りてきたが、レッドワイバーンが通れるほど広くは無かった。入って来る時もあるのか?」
「なんでも裏ダンジョンがあるってぇ話だ。ダグロスさんが詳しい場所までは教えてくれなかったが、別に入り口があって、そこから入ると落とし穴で一気にここまで降りれると言ってたな。儂らが落ちたら間違いなく死ぬらしいんで教えてくれなかったがな」

 当然と言えば当然か。一気に三〇階も落ちたら誰でも死にそうだ。レッドワイバーンは羽があったから飛べたのだろう。
 ならばノアなら行けるか。いや、転送魔法陣も経験してみたいな。

 これ以上は何も知らないようなので、見張りをノアに任せ再びココア達の方へと向かった。
 団長には再び猿轡をし、他の者達同様にしておいた。またノアが口車に乗らないとも限らないからな。

 さて、いつまでも囚われている子供達を放っておくわけにも行くまい。
 既に解放はしているが、監禁されていた場所だろ落ち着かないだろう。
 そう思って、周囲にあった家屋で使えそうな家を物色すると、意外と使えそうだった。一晩泊まるぐらいなら何とかなりそうだ。
 確か、子供の数は七〇人だったか。一軒に十人は寝れそうだから七軒用意すれば今晩ぐらいは何とかなるだろ。

 さすがダンジョンと言うべきなのか、ご都合主義と言うべきなのか、各家には食料が無いだけで、机やベッドなどの家具や布団までも普通にあった。誰かが住んでると言われても納得できるレベルで生活用品が揃っていた。
 無いのは食材ぐらいのものだった。

 子供達が監禁されていた建物に行くと、あまりにも静か過ぎるので、警戒をしつつ扉を開けた。
 そこには静かに床に座る子供達と、その子供達を静かに見守るソラ・ココア・ミルキーの三人が立っていた。
 そんな不思議な光景に、私も釣られて小さな声でココアに尋ねた。

「どうなってるのだ?」
「あ、ご主人様。スープは全員飲み終えました」
「そ、そうか、ご苦労様。それで、今の状況を教えてほしいのだが」

 普通の答えるココアに、警戒していた私がバカなように思えて、ついどもってしまった。

「どうやら虐待されていたみたいで、泣くのも我慢してるようです。凄く大人しくて私語もしません」
「そうか…それで静かだったのか」

 なるほど、子供は元気だからな。煩くすると暴力を振るわれたとかなのかもしれないな。
 さっき任命した団長に初仕事として罰を受けてもらうか。
 子供達の前でやるといいかもしれない。いや、逆効果になっても困る。ここは、さっさと連れ帰ってやるが吉だろうな。

 だが、この子供達は何処に連れ帰ればいいのだろうか。
 まさか、各村までとは言わないだろうな。
 いや、そうかもしれん。この子達の救助は依頼には無い。先日の人攫い騒動は一旦解決しているからな。
 それに、全員があの町の子とも思えない。レッドワイバーンに滅ぼされた村だってありそうだ。
 帰る家が無い子はどうすればいいのか。一度、ロンレーンの町に戻ってギルマスのアラハンさんに相談するしかないな。私の手には余りすぎる。
 お金の援助ぐらいは出来そうだが、この世界の事を知らない私には、子供達の将来のために何をしてあげればいいのか分からないからな。

 一度、子供達全員を建物から出して、通りに集めた。
 既にケンジの屋敷は半壊していたが、道は広い。誰も通らないし、ここで炊き出しでもして腹が膨れたら少しは気も紛れるだろう。

 そう思って、道に【亜空間収納】から解体済みの魔物を出し、大鍋も出して調理を始めた。
 トン汁の味噌無しバージョンだ。その横では肉の串焼きも焼いている。
 味噌なしバージョンと言っても、キチンと味は整えるのでバッチリ美味しく仕上げる自信はある。【那由多】の補正もあるから私が味を整えるのが一番美味しく出来上がる。
 先日、スキャンを終えた【那由多】は更にパワーアップしてたからな。

 火? さすがにダンジョンの床は掘れないので、使わない家を少し壊して釜戸の材料にさせてもらったよ。燃料と共にな。

 炊き出しをするのは私で、肉串焼きを焼くのはココアとミルキー。ノアは盗賊団を見張らせてるし、ソラには子供達を見てもらってる。
 ノアはともかく、ソラが料理に手を出すとトンでもない事になってしまうからな。
 解体も上手くなったし、調剤もできるようなのに、何故料理だけがダメなのか理由が分からない。不思議なだよ。

 料理が出来上がった事を伝えると、ソラが子供たちを連れてやって来た。やはり子供達の表情は暗い。
 それでも、料理は食べたいようで、全員が鍋に釘付けになっている。
 さっきはスープだけだったから食べたり無かったようだ。それでも、誰も文句一つ言わないのは大人が怖いからだろう。
 可哀想に。せめて今はお腹いっぱい食べさせてあげよう。

 食器が少し足りなかったが、盗賊団の建物から拝借し、全員にトン汁(味噌なしVer)や直火焼きの肉を平らげていく。
 さすがに人数は多いと言っても十五歳以下の子供達だ。大量に作った事もあって、料理は半分ぐらい余ってしまった。
 というのも、外で食べたからか、それとも私達が助けに来た事を分かってくれたのか、解放感か安心感か分からないが、お腹が膨れると共に、その場で寝てしまう子が続出したのだ。

 ダンジョン内とはいえ、さすがに道で寝かすわけにも行かないので、用意してあった寝床に手分けして運び込んだ。
 子供達を全員寝かしつけると、全員で集まり、これからの事を話し合った。
 盗賊団に見張りは付けていないが、しっかりと拘束しているので明日の朝までぐらいなら、見張り無しでも大丈夫だろう。

「さて、ここから脱出する手段としては二通りある。来た道を帰るか、転送で一気に入口まで戻るかだが」

 これは全員一致で転送に決まった。
 理由としては、もう雑魚の相手はしたくない。だそうだ。
 時間短縮が理由でないのが、何とも人間らしくない理由だな。確かに人間は私だけなのだが。

「次にここを出てからの移動だが、さすがに子供の足では何日掛かるか分からない。もちろん魔物も多く生息する森なのだから危険も多い。七〇人の子供を護りながらだと、さすがに五人では厳しいと思う。何かいい方法は無いだろうか」
「今更ですが、七〇人は多いですね。何回かに分けるとしても何回で終わるのか」
「分けるとすれば、残っている方にも護り手は必要になりますし、できれば一度で行ける方法を考えた方が良さそうですね」

 うむ! これぞ会議だ! ココアは兎も角、ミルキーを仲間に引き入れて大正解だったな。
 ソラにノア、君達も見習うのだぞ? どこでくすねて来たのか知らないが酒を飲みながらだとか、何かの調合をしながら会議はできないんだぞ。まぁ、居眠りされるよりはマシか? 邪魔をしないのであればどっちでもいいか。


「ご主人様ー、みんなで走れば早く行けるよー」
「却下」

 せっかく邪魔をしないと褒めたところなのに、なぜ邪魔をする。

「ご主人様、小屋に全員を押し込めて、それを担いで行くというのはどうでしょう。ノアさんが龍の姿に戻れば運べると思うのですが」
「うむ、いいかもしれんな。だが、七〇人が入るには厳しいんじゃないだろうか」

―――拡げればいいのです。空間拡張の魔法は解析済みですので、初めにタロウが多めの魔力を供給し、維持のために魔石(中)を各角(四個)で補助すれば七〇人程度は十分に入れる空間を作れます。

 おお!? 【那由多】か。そんな事ができるのか。ならばその手で行くか。

「ちょっと待ってくれ。小屋の空間が拡げられないか試してみる」
「そんな事ができるのですか?」
「さすがはご主人様です!」
「いや、まだ出来ると決まったわけでは……まずは試してみる」

 【亜空間収納】から小屋を出し、【那由多】の指示通り魔石(中)をセットしておき、小屋の中に手を伸ばし魔法を発動させた。

「【空間拡張】」

 発動の言葉だけの役目で、後は【那由多】がやってくれるのだが、周りには私が魔法を放ってるとしか見えないだろうな。実際、実感は無いが発動させてるのは私のようだしな。
 魔力が消費されているのは分かる。魔法も何度か使っているし、その時に魔力が消費されている経験もしている。
 だが、この【空間拡張】の魔法は、今までで一番多くの魔力が消費されているのが分かる。
 こういう時に数字で分かればいいのだが、未だに私の【鑑定】にはHP・MP表示が無いのだから分からない。
 他の人の【鑑定】も、こうなのだろうか。他に【鑑定】が出来る人にはまだ会って無いのだから確認しようもないのだが。
 知らぬうちに【鑑定】されてたりするのだろうか。
 いや、今そういうのは後回しだな。結果を確認しよう。

 うむ、これなら七〇人が余裕で入れそうだ。

「す、凄いですね。これなら行けそうです」
「ご主人様なら当然です!」

 ミルキーからもお墨付きがもらえたな。ココアは『さすが』か『とうぜん』しか言ってない気がするが、合格したと思っていいのだろうな。
 外観は変わってないのだが、重量はどうなのだろう。ノアが運べるかどうかなのだが、それは明日外に出て試さないと分からないな。何とかノアが運べればいいのだが。

 後は、盗賊団の処遇だが、奴らまで運ぶ余裕は無い。ここに放置すれば逃げ出すかもしれんが、私が奴らを裁くのも違うと思うので、場所と人数を冒険者ギルドに報告して、後は任せるしかないだろう。私は一介のサラリーマンなのだから。

 明日の方針も決まったので、会議を終えるとノアに盗賊団の監視を任せ、ソラ、ココア、ミルキーには子供達の様子を見ながら休むように言った。
 私も子供達の休む建物の一つに潜り込んで休む事にした。

 囚われていた子供達の寝顔を見ると、不憫に思えて来て涙が出そうになった。
 何とか堪える事はできたが、ちゃんと町まで送ってあげようと、より一層強く決意するのだった。
 そうなると眠気が少し覚めてしまったので、外に出てからの事を考えてみた。

 確か、デュラハンクラスの赤点が七つ確認できたのだったな。三つはここまでの道中で倒したが、あと四つか。
 森も普段より魔物が活性化してると冒険者ギルドでも聞いていたが、ボスが居る事で他の魔物も活性化してるのだろうか。


――その可能性は否定しませんが、他の可能性もあります。
 (【那由多】か。他の可能性とはなんだ?)

――このダンジョンです。
(続けて)

――このダンジョンのフロアボスはケンジの従者でした。ですので、長い間倒されること無くダンジョンから魔素を出し続けられていました。しかも本来30階層のフロアボスを29階に置き、最終フロアの30階層に強力なレッドワイバーンとオーガロードを置き続けたためにダンジョン周辺の魔物が強力になり、森全域に広がって行き、悪魔が散らばった事で魔素の拡大を補助したためだと思われます。
(ん? オーガロード?)

―――ケンジの屋敷にレッドワイバーンといましたが、ココアにより排除されています。

 なんだ、ココアもソラに文句を言っていたが、自分もちゃんと魔物を倒してたのではないか。

(では、魔物の活性化をどうしたら解決できる? このままだと子供達が安全に森を通れない)

――ダンジョンの最深部にはダンジョン核がありますので、それを破壊することと、散らばっているリーダー格の強力な魔物を排除することで、すぐには収まりませんが魔物の活性化は無くなって行くでしょう。

 そうか、すぐには収まらないか。だが、ダンジョン核を壊し、リーダー格の魔物を排除すれば、しばらくは森の魔物たちは強力なままだが時間をおけば収まるのだな。
 だが、明日には行動を起こしたい。この子達を早く親御さんに会わせてやりたい。子を持つ親として何とかしてやりたいもんだ。
 バツイチだが、私にも血を分けた子供がいるのだから。


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