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第3章 西の大陸
第14話 武器の新調
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翌日は、町の散策に当てた。
ノアとミルキーの武器を新調するためだ。
ソラとココアもそうだが、彼女達は全員が変身で服を着てるように見せている。
実際、触ってみると服だし、脱ぐ事もできる。切られてもダメージは負わないが、一度変身を解除しないと綺麗には再現できないようだ。
変身を解除し、元の姿になると服も消える。そしてイメージした服を着たまま人間の姿へと変身できる。
観察した感じはこうなのだが、どうやってそうなるのかは本人達にも分かってないようだ。
まぁ、魔物の不思議はいくら考えても分からないので置いておくとして、問題は武器だ。
元の姿では本人達の身体が武器だから、人間の姿になると十全の力を発揮できない。そこで武器が必要になるので、今回の武器買出しになったわけだ。
鍛冶屋の場所はアラハンさんから聞いていたので私が案内して皆を連れ出た。前に町を散策した時にも立ち寄った鍛冶屋だ。
その時は大した素材を持ってなかったし、防具を購入したばかりだったので何も頼まなかったが、今日は昨日の解体で出た素材が山ほどある。良い武器素材になるものもあるだろう。
武器が必要なノアとミルキーを連れて武器屋を訪れた。
当然、ココアは一緒にいるし、ソラは森の探索に出掛けている。また、詳細不明の薬草などを探しに行ってるのだろう。
ココアもソラ同様に自分専用の薙刀があるのだから自由にしてもいいと言ってるのに、いつも私に付いて来るのだ。
「ごめんください」
「……ん? なんだ、野郎か。いらっしゃい、何か用か」
なんだろう、このやる気の無い店員は。見るからに鍛冶屋と分かる風貌だが、ドワーフでは無いようだな。
「この二人の武器を作ってもらおうと思って来たのですが」
そう言ってノアとミルキーを紹介すると店員の目の色が変わった。
「なんだい、客だったか。また冷やかしかと思ったぜ。それで、そのベッピンな譲ちゃん達の武器を作るんだな。おし、任せとけ! 儂が最高の武器を作ってやるぜ」
掌を返すように態度を変える店員。
なんだろう、全く信用できないんだが……ただのスケベ親父にしか見えないな。
「あの…あなたが作るのですか?」
「ん? 儂が作らないんだったら誰が作るんだ。この店は儂一人でやってんだ、売るのも作るのも儂一人だ」
まさかの店主? こんなにやる気が無いというか、気侭な人が商売できるものなんだろうか。
そんな私の心配を他所に、鍛冶屋の店主はノアとミルキーとココアを見定めている。
「そっちのエロい格好の譲ちゃんは剣か、こっちの真面目そうな譲ちゃんは槍だな。そっちの譲ちゃんは……槍か? よくわかんねぇな。ま、今回はこっちの譲ちゃん達だったな。で? 素材は持ち込みか? それとも何か指定があるんか?」
おお、凄いな。二人の得意武器を当ててみせたぞ。ココアは薙刀が得意だから槍使いの雰囲気があったのかもしれない。意外とこの人は凄い鍛冶屋だったのか?
しかし、エロい譲ちゃんとは……確かにノアはチャイナドレスのような横スリットの服を着てるから生足のチラリズムでエロいけど、本人に向かって言うのはどうかと思うぞ。
因みにノアはスリムなパンツルックにハーフコートのようなマントを羽織っているので、美しい見た目と相まって真面目そうに見えたのかもな。確かにうちではココアと双璧を成す真面目な従者だからな。
「素材は鉱石じゃないといけないのでしょうか。魔物の骨や牙や爪は武器にできませんか?」
東の国では虎刀牙の爪や牙を素材として刀を作ってもらったので、こちらでも出来ないかと聞いてみた。
「何を当たり前の事を、今更だな。どっちでも構わねぇぞ、何なら龍の素材は持って無いのか。儂は龍の素材で武器・防具を作るのが夢なんだ」
やっぱり出来るんだな。しかし、龍か……
と、何とは無くノアに視線を送ってしまったら、ノアが泣きそうな顔になってしまった。
別にノアを素材として見た訳ではなく、元火龍で現神龍のノアならその辺りに詳しいのではないかと思っただけなのだが、どうやら勘違いをさせてしまったようだ。
「い、いや、ノアなら詳しいと思っただけなんだ。それ以外の事は思ってないぞ」
「よかったのじゃ~。助かったのじゃ~」
安堵するノアを見て、やっぱり勘違いさせてしまっていたかと反省するのだった。
「鍛冶屋さん、上位龍の素材は無いんだが、下位龍ならあるんだ。だが、他にも色々とあって、どれが武器素材に適しているのか教えて欲しいのだが」
「おお! 下位でも龍の素材を持ってるのか! だったらそれで剣と槍を作ってやる。どんなものを持ってるんだ?」
凄い食いつきだな。
確か、解体の時にあった龍系は……ファフニールとヴィーブルとビッグサラマンダーか。
ノアに言わせるとトカゲだそうだが、身体は大きいし人間からすると龍と言っても過言では無いのだが。
下位龍の上位にあたる種類のようで、長く生きた個体なら中位龍の緑龍や黄龍にも匹敵する強さになるのだそうだ。
因みに、火龍だった時のノアは更にその上の上位に僅かに届かない中位の龍だったそうだ。
「ここに出してもいいかな? ちょっと嵩張るんだが」
「あん? 今持ってるのか! だったら出してくれ!」
許可を得たので順番に出していく。
まずはファフニールの牙。長さは一メートルぐらいあり、根元の一番太い所は直径五〇センチぐらいある。
それを四本も出すと、カウンターには置ききれなくなった。仕方がないので、残りと二周りは小さい爪を床に積み上げて行く。
次にビッグサラマンダーの鱗やファフニールの皮を……
「ちょちょちょちょちょ――――っと待てぃ! お前、どっから出した! これだけの量をどこに隠してた!」
あ…そこからか。忘れてたな、収納持ちは希少だったか。冒険者ギルドの倉庫やアラハンさんの前では隠してないから失念していた。
これは隠しようがないか。
「言い忘れていたが、私は収納スキルを持っている。だからまだまだ素材は持っている」
「しゅ、収納? そ、そうか、収納スキル自体は儂も知っている。そうか、兄ちゃんは収納スキル持ちだったか」
収納スキルと聞いて、どこか安心したような羨望のような眼差しを送ってくる鍛冶屋。
「それと儂の事はゼンでいいぞ、兄ちゃん。ゼンガダンという名だからな」
「兄ちゃんって…失礼しました、名乗りがまだでしたね。私はタロウです。こちらがノアで、こちらがミルキーです」
いきなり自己紹介されたので、慌ててこちらも名前を告げた。
「そうかいそうかい、収納スキル持ちの兄ちゃんはタロウというのかい。それで、別嬪な譲ちゃん達は兄ちゃんのこれかい?」
ニヤけた口元で小指を立てる鍛冶屋のゼンさん。
まだ兄ちゃんと言ってくるって事は、私の名前を呼ぶ気が無いのかもしれない。
しかし、五〇のおっさんを捕まえて兄ちゃんは無いだろうと思う。
「素材はまだまだあるんだったな。だったらよ、裏に来てくれよ。ここじゃ手狭だろ? 素材の選定もしてやるから裏の作業場に来てくれ」
ゼンさんに裏に隣接されている作業場に案内され、そこで素材を出した。
ゼンさんお気に入りの龍系も含め、鳥系、獣系、亜人系など、先日競争して倒しまくった魔物の素材をスペースが許す限り出した。
初めは次々に出される素材と収納能力に驚いていたゼンさんも、最後は呆れ返って「とことん出しやがれ!」と投げやりな言葉を発していた。
出し切った後はゼンさんが一つ一つ丁寧に教えてくれた。この人、言葉使いは少し乱暴だが根は面倒見のいい人のようだ。
この牙は短剣に適しているだとか、この爪は槍に適しているだとか、槍にする場合の柄は何の樹がいいだとか、この店での買い取り価格まで丁寧に教えてくれた。
量はあったが種類としてはその半分も無いから、思ったより時間は掛からなかったが、それでも説明だけで一時間はしてくれたと思う。
そして、やはりというか、当然とばかりにゼンさんが手に取ったのは龍素材だった。
今回は全てファフニールで作ると言って、爪、牙を使ってノアの剣とミルキーの槍を、皮と骨を組み合わせて私の革装備を作ってくれる事になった。
料金は素材持ち込みだから通常で買うよりは安いが、完全オーダーメイドなので通常料金よりは高くなるという。
しかし、それもヴィーブルとビッグサラマンダーの素材を少し分けてくれたら相殺してやると、勝手に取り分を取ってしまった。
私はお金を持って準備していたのだが、子供のような瞳で素材を抱えるゼンさんを見て、彼の要望通り素材で相殺してもらう事となった。
どっちでもいいのだが、今後も彼にお世話になるかもしれないので、彼が気分よく仕事をしてくれる方を取ったのだ。
仕上がりは二日後だと言うので、他に必要だという素材も少し買い取ってもらって私達は退散する事にした。
大好物の龍系の素材を手に嬉々として作業を始めるゼンさんを苦笑いで見送り鍛冶屋を後にした。
よっしゃぁ! 半年振りのオーダーメイドだぜ、という言葉は聞かなかった事にしよう。
武器ができるまでの間どうするかと三人に聞いてみたところ、やはり人間の町が珍しいノアとミルキーは町の散策に出たいと申し出た。
絶対に暴れてはいけないぞと言い聞かせ、金貨十枚のお小遣いを持たせ二人を見送った。
金貨十枚―――今まで何度か買い物や宿泊をした私の感覚では、日本円に換算して約百万円。お小遣いにしては多すぎるが、今は懐も暖かいし、彼女達が稼いだ分を渡してあげただけだ。
今回の狩りの分は、素材は既に買い取り分は冒険者ギルドで渡しているし、残りも私が全て持っている。武器の分は素材で相殺できたから、それ以外で彼女達が欲しいものを買ったとしても金貨一枚も使わないだろう。残れば持って入ればいいのだ。
冒険者ギルドに立ち寄る前に、魔法屋を再訪問しようと考えていた。
やはり、詠唱には抵抗があり使う気は無いのだが、勉強をしていて損は無い。今の所、まだ経験は無いが対人戦になった時に無知識であれば不利になるだろうしな。
そう思い、魔法屋に寄るとココアに告げると、「私もお供します」と、付いて来るのがココアの中では確定してるようだ。
魔法屋では初級と中級の魔法書を買い漁り、軽く使い方の手解きを受けた。
恥かしいながら軽く詠唱もして魔法が発動する事が分かったので、後は隠れて反復練習をすればある程度使えるようになるだろう。
十全で無くともいいのだ、どういう魔法かを知ればいいのだから。
意外といいお値段のする魔法書を購入し、その足で冒険者ギルドへ。
昨日、納品した素材の代金と、火龍とケルベロスの依頼達成金を受け取るためマスタールームへ通された。
まだ冒険者になって一ヶ月にもならないのに、もう何度目か分からないマスタールームへの訪問だ。
普通ではない事ぐらい、新人の私でも分かる。デュラハンの件や高リスクの依頼で呼ばれたのだが、今回は高額報酬のための配慮なのだろう。
「では、精算も済みましたし、これで残すは魔の森の件だけとなりました。おや? 数えないのですか?」
複数の金貨袋で渡された報酬を数えずに収納する私に対して疑問を投げかけるアラハンさん。
「ええ、重量と音で分かりますから確認できています」
というのは嘘で、収納後【那由多】が即座に確認していて間違いが無い事が分かっているのだ。
「それに、アラハンさんが私を騙すはずが無いとも思ってますから」
「それは嬉しい言葉ですが、間違えられないというプレッシャーにもなりますね。そうですか、重量と音でね。しかし、こちらも確認はさせていますが間違う事もありますので、その時は即座に申し出てくださいね」
そう下手に出てくるアラハンさん。もちろん、誰にでも間違いはあるのだから、間違いを咎める気は無い。だが、間違った後の対応次第で私は敵にでも味方にでもなる。
本質の部分ではそう思っているが、新人冒険者に対してギルドマスターがここまで下手に出なくてもいいのではないのかとも思っている。
昨日の解体作業を見て倒した魔物を確認しただろうし、それによって私達の実力もある程度分かっただろう。二つの依頼とデュラハンで結果も見せた。元火龍で神龍のノア、ケルベロスのミルキーの存在も明かしたから私達『狼狐』は要注意とされたのかもしれないな。
ま、私は早々に元の世界に帰りたいと思って行動してるだけだし、そのためにまずは東の国へ行く手掛かりを探さなければならない。
いつまでもこの町に居座る気も無いから要注意人物リストに載せられても大したリスクにはならないのだがな。
ノアとミルキーの武器が出来上がるまで二日かかる、か。明後日まではする事が無いな。ならば私は人気の無い森にでも行って魔法詠唱の検証&練習でもするとしよう。
冒険者ギルドで非常に暖かくなった懐に、ホクホク顔でココアと宿へと戻った。
毎回思うのだが、やはり宿や食堂で出される食事は不味い。それでも、皆は私と食事を共にしてくれる。皆も不味いと思ってるのは明白だし、町で食事をするのは控えるべきなのだろうか。
人間の生活に慣れさせるためには、食堂で他の人達を見るのがいい機会だと思ってるのだが、不味い料理を食べるのが人間だと思わせるのは逆効果だ、人間をより下に見る恐れがある。
最近までノアもミルキーも酒を飲んだ事はあっても料理自体を食べた事が無かったのだが、一番初めに食べた料理が私やココアの作った料理だったから、その基準がデフォルトにされ、口が肥えてしまったのだ。
私のせいでもあるのだが、だからといって不味い食事をする気は無い。
元々、食事はある程度美味しければと無頓着だった私だが、不味い物はやはり不味いし食べたくは無い。
そうなると、自分達で作らなければならないし、自分達で作るとなると町の外での食事になる。
う~ん、難しい選択だ。
だが、夕食に限らず、食事は必ず全員揃ってしてくれる皆に対しても、美味しい食事を食べてほしいと願うのは間違いでは無いはずだ。
だったら食堂では飲み物や軽食にして、部屋や町の外でガッツリ食べるようにしようか。
などと考えていると、ココアが食堂のウエィトレスと交渉していた。
宿屋の主人兼料理長も出てきて三人で何やら話をしている。
交渉はうまく行ったようで、ココアが笑顔で挨拶をして戻って来た。
「ご主人様、持ち込みの許可を頂いて来ました。但し、飲み物は店の物を飲んでほしいそうです」
どうやらココアは、自分達で作った料理の持ち込みの許可を貰いに行ってたようだ。
その交渉が上手く行き、持ち込みの許可を貰ったとは……いつもながら優秀な娘だな。私を侮辱されると見境無くキレてしまうのが玉に瑕だが。
ココアのお陰で私の悩みが解消した。
早速とばかりに作り置きしていた料理をテーブルに並べる。
作り置きと言っても収納の中に入ってた料理だから、今出来上がったように湯気も立っている。収納の中にあれば時間経過無し、正に異世界チート定番の能力だ。
私は勇者召還された訳では無いのだがな。
出された料理に色めき立つソラとノアとミルキー。でも、私が食べるまでは一切手を出さない。どうやら彼女達には主人が一口食べるまでは手を出してはいけないというルールが存在しているようだ。
私の子供の頃はそうだったが、今時は流行らない風習だ。別に先に食べてくれても構わないのだが、このルールだけはソラでさえ守っているので私も口を出さずに任せる事にしている。
ある程度、食事が進んだところで店主がやって来た。
「ほ~ん、持ち込みをさせてほしいと言うから、自分達の郷土料理でも持ち込むかと思ってたが、普通の料理だな」
私が出した料理を見て店主が感想を述べた。
「ええ、無理を言ってすみません」
「いや、それはいいんだが、約束通り少し味見をさせてもらってもいいかい? そんな料理ぐらいなら儂も作れる。態々持ち込むぐらいだから味見ぐらいさせてもらってもいいだろ」
「ええ、おっしゃる通り普通の料理ですよ。どうぞ食べてみてください」
何を約束したのかは分からないが、私がどうぞと勧めるとココアが既に取り皿を用意しており、店主に勧めていた。
!!!!
「こ、これは……なんと贅沢な……塩が……」
今、ココアが渡した料理は肉と野菜の煮物で、先に骨を折って隋などで出汁を取り、東の国で物々交換した醤油と塩と酒で味を整え、しっかりと灰汁を取りながら、肉がトロトロになるまで煮込んだ煮込み料理だ。根菜類や芋類も入っていて、持ってる中で一番作り置きの量が多い料理だ。
肉が無くなれば、更に肉を追加して水を増し味を整え更に煮込めば旨味が増していくのだ。
元々そういった継ぎ足し料理はオデンでしかやらなかったが、収納で時間経過がしないから腐る事が無いので楽をさせてもらっている。ま、男料理だ。野宿でも出来る料理だし、美味けりゃそれでいいのだ。
店主は贅沢な料理だと言ったが、味がしっかりと濃いので恐らく塩を多く使ってるのだと誤解したのかもしれないが、醤油や塩はそんなには使っていない。魔物の肉にはしっかりと味が付いているし、獣肉に比べて魔物肉は塩気が多いのだ。キチンと調べたわけではないので推測になるが、魔力の多寡によるものではないかと思っている。
魔力が多い魔物の方が強いし美味いのは経験則から来るのだが、塩気も強い魔物の方が多い気がするのだ。
今、店主が食べた肉の煮物もオークの上位種やヒュージサラマンダーなどのそこそこ強い魔物の肉だから、塩は少なめでもいい塩梅になってるのだ。もちろん肉自体も一部の例外はあるが、強い魔物の方が美味いのは体験済みだ。
「お客さん達は、いつもこんな料理を食ってるのかい?」
「え、ええ、まぁ」
持ち込みしたが、宿には泊まってるし飲み物も頼んでいるからお客さん扱いはしてくれるようだ。
「それじゃあ、うちの料理では満足できないのも仕方がないが、今後持ち込みたい時は約束通り儂の分も頼むぞ」
「えっ!? あ、は、はは……はい」
自分とこの飯は不味いから私の料理を食べるって、それでよく飯屋ができるもんだ。
だが、一人分渡せば持ち込み可なのであれば、不味い飯を食わなくてもいいのか。それならアリだな。
しかし、約束? 私は何も約束はしてないが……ココアか!?
バッとココアを見ると、サッと視線を逸らすココア。
やはりココアが店主と何かの約束をしたようだ。話の流れから一食分差し出すというところか。
まぁ、ココアが交渉してくれたお陰で、今後の持ち込みの許可もおりた。どうせ、五人分も六人分も大差ないからそれぐらいなら問題ないな。
しかし、なぜ食堂なのに料理を望むんだ? お金でもいいだろ。
「お金で支払いましょうか?」
「ダメだ、是非とも料理でたのむ。他にも色んなものが食べたいものだな」
うん、この親父はダメだ。暗に次からは違う料理を出せと言ってるぞ。料理長としてのプライドが無いのだな。
他に持ち込む者もいないようだし特別扱いしてもらってるという事で、納得するか。
私達も不味い料理を食べなくて済むしな。
「分かりました。こちらこそよろしくお願いします」
「交渉成立だな、頼んだぞ」
嬉しそうな笑顔で軽やかなステップで厨房に帰っていく店主。
どっちが料理長なのか疑問になるな。
食事を終えると皆で部屋へと戻る。また例の如く大部屋で雑魚寝だ。
まだ少し時間が早いからとノアは夜の町へと消えて行った。人間の町に来たら酒を飲みたいと言ってたし、あまり押さえつけて町中で爆発されても困るので、羽目を外し過ぎない程度ならと、夜の町に送り出した。
ミルキーは、今からアトムとドレミの修練に出かけると言って町の外へ出て行った。中身はケルベロスだし、心配はいらないだろう。
ソラとココアは部屋で寛いでいる。ココアは私と魔法書を読んでるし、ソラは既に寝息を立てている。また早起きして朝食までに近くの森の散策に出かけるのだろうな。
私も魔法書は読んでいるが、そろそろ風呂に入りたくなってきている。
宿には風呂は無いし、風呂用の小屋を出すにしても出せるスペースが無い。今日は辛抱するしかないな。
明日は森で魔法の練習をする予定だから、その時にでも入るとしよう。
さて、静かに考える時間ができたので、今後についても少し考えてみよう。
元の世界に帰るというのは、今は置いておこう。
まずはこの西の大陸から東の国へどうやって行くのかを考えるべきだ。
ミルキーの言っていた冥界の王や勇者についても、まだ聞いてないから後回しだ。出来る事ならスルーしたい案件だ。そこまで寄り道しても東の国の情報が出るかどうかも怪しい。
ならば先に終わったものも含めて依頼の件を整理してみよう。
1.ヴァルカン山の件、これは終わった。
2.サントスの森の件も終わった。
3.しかし、ここでレッドワイバーンという別件が出てきた。
4.ノーライザの町での人攫いの件で本部が東の森にあることが分かった。場所もわかっている。
5.3番目の依頼も同じ地域の話だ。もしかしたら繋がっているかもしれないと思ったから、一旦ロンレーンに戻って体制を整えている。皆にはこの辺の話をして、意見を聞こうと思っている。
6.レッドワイバーンとそれを操っているかもしれない人間について。
7.操っているのならその操っている方法。
もう少し情報が欲しいんだが、どこで手に入るものか・・・。
そういえばギルマスが、東の森の祠と石碑について少し知っている事を言ってたなぁ。
情報は少しでも欲しいし、町を出る前にもう一度会って聞いてみるか。
あとは……戦闘に関してだな。
皆の力は特には問題は無いと思う。
それよりも、これまでにも思っていたんだが、私の【鑑定】ではHPやMPを確認できない。ちょっと不便だ。
【鑑定】スキルは育てられないものなのだろうか。
―――【鑑定】を【那由多】に統合することで可能になります。
(おっ!? そうなのか? では、統合を頼む)
―――ただ、現在【鑑定】の熟練度が9ですので、今の状態で統合すると全部の項目を見る事ができません。統合してしまうと、それ以上【鑑定】が上がりません。
(ふぅむ、現在の【鑑定】の熟練度だとHP/MPが見れない。しかし、【鑑定】の熟練度を上げた後に【那由多】と統合すれば、それが見れると言いたいのか?)
―――はい、肯定します。それに【相性度】も見れるようになるのです。
(なんだそれは? 相性と言うからには【仲間】にできる確率とかか?)
―――はい、肯定します。【鑑定】スキルと【仲間】スキルの熟練度がMaxになり【那由多】に統合されれば、【那由多】が大幅に機能アップし、仲間にできる確立まで確認できます。統合されるスキルの熟練度が上がった状態で統合するほど、【那由多】の能力が向上し、仲間になる確率も上がりますので熟練度をMaxにしてから統合するのがいいでしょう。別の理由からも現在の熟練度ではお勧めしません。
(やはり熟練度Maxになってからだろうな。ま、慌てる事は無い、今の状態でもそう困ってる訳ではないからな。では【相性度】とは何か聞いておこう)
―――【相性度】とは、仲間にした魔物がどれだけ懐いているかわかります。懐けば懐くほど命令を聞きます。それと……
(仲間にした魔物は四人いるが、全員私の言うことはすごく聞いてくれていると思うのだが)
―――現在の四人の従者達は、名付けによって懐き度はMaxになっています。
(だったら、いらないのじゃないのか!? 名前ぐらいいくらでも付けてやるぞ! まだキラキラネームで知っているものもある。今後、どのぐらい仲間にするのかも決めてないのだが)
―――名付けによる仲間は無限に増やせます。
(……そうなのか。嬉しいような、面倒なような……)
―――【相性度】の説明はまだ続きがあります。
(ん? まだあるのか?)
―――【鑑定】と【仲間】をMaxにして【那由多】に統合されると 仲間にした魔物と魔物を掛け合わし、どんな魔物ができるのかわかります。
(ええ!? 魔物ブリーダーみたいなことができるのか!? どこかの青い髪したワ○ダーランド的な? だが掛け合わせた後に、親と分かれるような事は無いのか? 例えばノアを親にした場合、ノアと別れるって事にならないのか?)
―――掛け合わせた【親】に当たるものと別れることはありません。
(ほっ、それはよかった。それならワン〇ーランドより、こっちの方が優秀だな。これはいいこと教えてもらったな)
【鑑定】スキルは今までにも結構な数の魔物を鑑定したからもう少しでMaxだ。
【仲間】スキルは……まだ六だな。もう少し仲間も増やすか。でも、そんなに大勢で移動って大変じゃないか? 土地でも確保して大勢仲間にすれば村でもできそうだな。魔物村か……帰るのが目的の私には無用なものだな。
だが、備えはしておいた方がいい。折角教えてもらったのだ、熟練度をMaxにしてからの統合にするべきだな。
翌朝の朝食も食堂に料理の持ち込みで済ませ、それぞれの予定を聞いてみた。
ココアは予想通り、私と共に魔法の練習。ミルキーは、アトムとドレミの武器も追加したいとの事だったので、昨日の鍛冶屋へ行く予定だ。ノアは町の散策へ、ソラは森の散策と、今日は各自バラバラの予定だ。
だが、こういう日があってもいいだろう。いつもベッタリ私と一緒にいなくてもある程度は自由にしてもらいたい。
何かあった時の責任は主人である私にあるので、ある程度は拘束させてもらうが、ずっと縛り付けておくのも可哀想だ。
そして、それぞれ別行動のため、宿を出たところで別れた。
ソラは途中までは一緒に行くので、町の門までは同行するが、鍛冶屋へ行くミルキーの背中を見送っていると、既にノアの姿は無くなっていた。
森に着くと早速魔法の詠唱の練習だ。
私とココアは魔法の反復練習と魔法書の見直しを繰り返し、一通りの属性魔法を使えるようになった。
雷・氷・闇・光の魔法まで出来るようになり、使える魔法の幅が非常に広がった。
今までは武器による肉弾攻撃が主体だったが、これで遠距離からの先制攻撃も強力にはなっただろう。
雷・氷・闇・光の魔法は、中級魔法ではあるが、その中でも下位の魔法書しかなかったが、そこは問題ではなかった。
【那由多】が学習し、詠唱を必要としない魔物特有の魔法発動ができるようになったのだから。
元々、ソラやココアが魔法を発動するのに詠唱を必要とはしない。それは、魔法に必要な魔力を全て自分の魔力で補うからだ。
その点人間は魔物に比べて魔力が少ないから、詠唱を行なう事で周囲の魔力を利用し魔法を発動する。自分の魔力は魔法の発動時のみに使うだけでいいのだ。
もちろん大きな魔法を使う時にはそれに応じた大きなトリガーが必要になるのでそれだけ大きな魔力も必要となる。だが、全てを自分で賄う魔物に比べれば1/5~1/10で済むのだから、緊急時で無い場合は有効な手段だ。
だがそれでも私は詠唱はしたくないな。ココアと二人だけの練習なのに、かなり心を削られている。
詠唱での魔法が成功するたびに「流石はご主人様です」「素晴らしい! 格好いいです!」と言われる度にHPが減っていく感覚があるのだ。
五〇のおっさんには、やはり詠唱はハードルが高かった。
それでも、その試練を乗り越え頑張ったお陰で、【那由多】が学習できたのだからヨシとするべきか。
今後、詠唱を唱えないで済むようにできたのだから。
他に魔法の種類としては、空間・精霊・波動・創造・召喚 等々あるようだが、この町の店には無かったのでまたの機会に覚えたい所だ。ただ、冒険の初歩の魔法クリーンもあったので、復習できてより効率よく発動できるようになったのは収穫だった。
魔法を覚えられて良かった。詠唱というダメージが無ければ本当に便利だ。
当初も目的を終え、時間もまだまだあるのでココアと二人で作り置き用の料理をする事にした。
因みにココアも私同様に魔法書での魔法は全て修得していた。
ココアの場合は詠唱魔法を修得しただけに留まらず、私と同じく自分の魔力での発動に並列発動まで使っていた。火と風の魔法を同時発動し『炎旋風』など色々と組み合わせを試行錯誤していたよ。
もう、優秀すぎて、私の方が真似をしていたぐらいだ。
ノアやミルキーの魔法はどの程度なのか、気になるな。出来ないようだったら教えてあげるのもいいかもしれない。もちろんドレミちゃんには私が付きっ切りで教える事を心に誓うのだった。
ノアとミルキーの武器を新調するためだ。
ソラとココアもそうだが、彼女達は全員が変身で服を着てるように見せている。
実際、触ってみると服だし、脱ぐ事もできる。切られてもダメージは負わないが、一度変身を解除しないと綺麗には再現できないようだ。
変身を解除し、元の姿になると服も消える。そしてイメージした服を着たまま人間の姿へと変身できる。
観察した感じはこうなのだが、どうやってそうなるのかは本人達にも分かってないようだ。
まぁ、魔物の不思議はいくら考えても分からないので置いておくとして、問題は武器だ。
元の姿では本人達の身体が武器だから、人間の姿になると十全の力を発揮できない。そこで武器が必要になるので、今回の武器買出しになったわけだ。
鍛冶屋の場所はアラハンさんから聞いていたので私が案内して皆を連れ出た。前に町を散策した時にも立ち寄った鍛冶屋だ。
その時は大した素材を持ってなかったし、防具を購入したばかりだったので何も頼まなかったが、今日は昨日の解体で出た素材が山ほどある。良い武器素材になるものもあるだろう。
武器が必要なノアとミルキーを連れて武器屋を訪れた。
当然、ココアは一緒にいるし、ソラは森の探索に出掛けている。また、詳細不明の薬草などを探しに行ってるのだろう。
ココアもソラ同様に自分専用の薙刀があるのだから自由にしてもいいと言ってるのに、いつも私に付いて来るのだ。
「ごめんください」
「……ん? なんだ、野郎か。いらっしゃい、何か用か」
なんだろう、このやる気の無い店員は。見るからに鍛冶屋と分かる風貌だが、ドワーフでは無いようだな。
「この二人の武器を作ってもらおうと思って来たのですが」
そう言ってノアとミルキーを紹介すると店員の目の色が変わった。
「なんだい、客だったか。また冷やかしかと思ったぜ。それで、そのベッピンな譲ちゃん達の武器を作るんだな。おし、任せとけ! 儂が最高の武器を作ってやるぜ」
掌を返すように態度を変える店員。
なんだろう、全く信用できないんだが……ただのスケベ親父にしか見えないな。
「あの…あなたが作るのですか?」
「ん? 儂が作らないんだったら誰が作るんだ。この店は儂一人でやってんだ、売るのも作るのも儂一人だ」
まさかの店主? こんなにやる気が無いというか、気侭な人が商売できるものなんだろうか。
そんな私の心配を他所に、鍛冶屋の店主はノアとミルキーとココアを見定めている。
「そっちのエロい格好の譲ちゃんは剣か、こっちの真面目そうな譲ちゃんは槍だな。そっちの譲ちゃんは……槍か? よくわかんねぇな。ま、今回はこっちの譲ちゃん達だったな。で? 素材は持ち込みか? それとも何か指定があるんか?」
おお、凄いな。二人の得意武器を当ててみせたぞ。ココアは薙刀が得意だから槍使いの雰囲気があったのかもしれない。意外とこの人は凄い鍛冶屋だったのか?
しかし、エロい譲ちゃんとは……確かにノアはチャイナドレスのような横スリットの服を着てるから生足のチラリズムでエロいけど、本人に向かって言うのはどうかと思うぞ。
因みにノアはスリムなパンツルックにハーフコートのようなマントを羽織っているので、美しい見た目と相まって真面目そうに見えたのかもな。確かにうちではココアと双璧を成す真面目な従者だからな。
「素材は鉱石じゃないといけないのでしょうか。魔物の骨や牙や爪は武器にできませんか?」
東の国では虎刀牙の爪や牙を素材として刀を作ってもらったので、こちらでも出来ないかと聞いてみた。
「何を当たり前の事を、今更だな。どっちでも構わねぇぞ、何なら龍の素材は持って無いのか。儂は龍の素材で武器・防具を作るのが夢なんだ」
やっぱり出来るんだな。しかし、龍か……
と、何とは無くノアに視線を送ってしまったら、ノアが泣きそうな顔になってしまった。
別にノアを素材として見た訳ではなく、元火龍で現神龍のノアならその辺りに詳しいのではないかと思っただけなのだが、どうやら勘違いをさせてしまったようだ。
「い、いや、ノアなら詳しいと思っただけなんだ。それ以外の事は思ってないぞ」
「よかったのじゃ~。助かったのじゃ~」
安堵するノアを見て、やっぱり勘違いさせてしまっていたかと反省するのだった。
「鍛冶屋さん、上位龍の素材は無いんだが、下位龍ならあるんだ。だが、他にも色々とあって、どれが武器素材に適しているのか教えて欲しいのだが」
「おお! 下位でも龍の素材を持ってるのか! だったらそれで剣と槍を作ってやる。どんなものを持ってるんだ?」
凄い食いつきだな。
確か、解体の時にあった龍系は……ファフニールとヴィーブルとビッグサラマンダーか。
ノアに言わせるとトカゲだそうだが、身体は大きいし人間からすると龍と言っても過言では無いのだが。
下位龍の上位にあたる種類のようで、長く生きた個体なら中位龍の緑龍や黄龍にも匹敵する強さになるのだそうだ。
因みに、火龍だった時のノアは更にその上の上位に僅かに届かない中位の龍だったそうだ。
「ここに出してもいいかな? ちょっと嵩張るんだが」
「あん? 今持ってるのか! だったら出してくれ!」
許可を得たので順番に出していく。
まずはファフニールの牙。長さは一メートルぐらいあり、根元の一番太い所は直径五〇センチぐらいある。
それを四本も出すと、カウンターには置ききれなくなった。仕方がないので、残りと二周りは小さい爪を床に積み上げて行く。
次にビッグサラマンダーの鱗やファフニールの皮を……
「ちょちょちょちょちょ――――っと待てぃ! お前、どっから出した! これだけの量をどこに隠してた!」
あ…そこからか。忘れてたな、収納持ちは希少だったか。冒険者ギルドの倉庫やアラハンさんの前では隠してないから失念していた。
これは隠しようがないか。
「言い忘れていたが、私は収納スキルを持っている。だからまだまだ素材は持っている」
「しゅ、収納? そ、そうか、収納スキル自体は儂も知っている。そうか、兄ちゃんは収納スキル持ちだったか」
収納スキルと聞いて、どこか安心したような羨望のような眼差しを送ってくる鍛冶屋。
「それと儂の事はゼンでいいぞ、兄ちゃん。ゼンガダンという名だからな」
「兄ちゃんって…失礼しました、名乗りがまだでしたね。私はタロウです。こちらがノアで、こちらがミルキーです」
いきなり自己紹介されたので、慌ててこちらも名前を告げた。
「そうかいそうかい、収納スキル持ちの兄ちゃんはタロウというのかい。それで、別嬪な譲ちゃん達は兄ちゃんのこれかい?」
ニヤけた口元で小指を立てる鍛冶屋のゼンさん。
まだ兄ちゃんと言ってくるって事は、私の名前を呼ぶ気が無いのかもしれない。
しかし、五〇のおっさんを捕まえて兄ちゃんは無いだろうと思う。
「素材はまだまだあるんだったな。だったらよ、裏に来てくれよ。ここじゃ手狭だろ? 素材の選定もしてやるから裏の作業場に来てくれ」
ゼンさんに裏に隣接されている作業場に案内され、そこで素材を出した。
ゼンさんお気に入りの龍系も含め、鳥系、獣系、亜人系など、先日競争して倒しまくった魔物の素材をスペースが許す限り出した。
初めは次々に出される素材と収納能力に驚いていたゼンさんも、最後は呆れ返って「とことん出しやがれ!」と投げやりな言葉を発していた。
出し切った後はゼンさんが一つ一つ丁寧に教えてくれた。この人、言葉使いは少し乱暴だが根は面倒見のいい人のようだ。
この牙は短剣に適しているだとか、この爪は槍に適しているだとか、槍にする場合の柄は何の樹がいいだとか、この店での買い取り価格まで丁寧に教えてくれた。
量はあったが種類としてはその半分も無いから、思ったより時間は掛からなかったが、それでも説明だけで一時間はしてくれたと思う。
そして、やはりというか、当然とばかりにゼンさんが手に取ったのは龍素材だった。
今回は全てファフニールで作ると言って、爪、牙を使ってノアの剣とミルキーの槍を、皮と骨を組み合わせて私の革装備を作ってくれる事になった。
料金は素材持ち込みだから通常で買うよりは安いが、完全オーダーメイドなので通常料金よりは高くなるという。
しかし、それもヴィーブルとビッグサラマンダーの素材を少し分けてくれたら相殺してやると、勝手に取り分を取ってしまった。
私はお金を持って準備していたのだが、子供のような瞳で素材を抱えるゼンさんを見て、彼の要望通り素材で相殺してもらう事となった。
どっちでもいいのだが、今後も彼にお世話になるかもしれないので、彼が気分よく仕事をしてくれる方を取ったのだ。
仕上がりは二日後だと言うので、他に必要だという素材も少し買い取ってもらって私達は退散する事にした。
大好物の龍系の素材を手に嬉々として作業を始めるゼンさんを苦笑いで見送り鍛冶屋を後にした。
よっしゃぁ! 半年振りのオーダーメイドだぜ、という言葉は聞かなかった事にしよう。
武器ができるまでの間どうするかと三人に聞いてみたところ、やはり人間の町が珍しいノアとミルキーは町の散策に出たいと申し出た。
絶対に暴れてはいけないぞと言い聞かせ、金貨十枚のお小遣いを持たせ二人を見送った。
金貨十枚―――今まで何度か買い物や宿泊をした私の感覚では、日本円に換算して約百万円。お小遣いにしては多すぎるが、今は懐も暖かいし、彼女達が稼いだ分を渡してあげただけだ。
今回の狩りの分は、素材は既に買い取り分は冒険者ギルドで渡しているし、残りも私が全て持っている。武器の分は素材で相殺できたから、それ以外で彼女達が欲しいものを買ったとしても金貨一枚も使わないだろう。残れば持って入ればいいのだ。
冒険者ギルドに立ち寄る前に、魔法屋を再訪問しようと考えていた。
やはり、詠唱には抵抗があり使う気は無いのだが、勉強をしていて損は無い。今の所、まだ経験は無いが対人戦になった時に無知識であれば不利になるだろうしな。
そう思い、魔法屋に寄るとココアに告げると、「私もお供します」と、付いて来るのがココアの中では確定してるようだ。
魔法屋では初級と中級の魔法書を買い漁り、軽く使い方の手解きを受けた。
恥かしいながら軽く詠唱もして魔法が発動する事が分かったので、後は隠れて反復練習をすればある程度使えるようになるだろう。
十全で無くともいいのだ、どういう魔法かを知ればいいのだから。
意外といいお値段のする魔法書を購入し、その足で冒険者ギルドへ。
昨日、納品した素材の代金と、火龍とケルベロスの依頼達成金を受け取るためマスタールームへ通された。
まだ冒険者になって一ヶ月にもならないのに、もう何度目か分からないマスタールームへの訪問だ。
普通ではない事ぐらい、新人の私でも分かる。デュラハンの件や高リスクの依頼で呼ばれたのだが、今回は高額報酬のための配慮なのだろう。
「では、精算も済みましたし、これで残すは魔の森の件だけとなりました。おや? 数えないのですか?」
複数の金貨袋で渡された報酬を数えずに収納する私に対して疑問を投げかけるアラハンさん。
「ええ、重量と音で分かりますから確認できています」
というのは嘘で、収納後【那由多】が即座に確認していて間違いが無い事が分かっているのだ。
「それに、アラハンさんが私を騙すはずが無いとも思ってますから」
「それは嬉しい言葉ですが、間違えられないというプレッシャーにもなりますね。そうですか、重量と音でね。しかし、こちらも確認はさせていますが間違う事もありますので、その時は即座に申し出てくださいね」
そう下手に出てくるアラハンさん。もちろん、誰にでも間違いはあるのだから、間違いを咎める気は無い。だが、間違った後の対応次第で私は敵にでも味方にでもなる。
本質の部分ではそう思っているが、新人冒険者に対してギルドマスターがここまで下手に出なくてもいいのではないのかとも思っている。
昨日の解体作業を見て倒した魔物を確認しただろうし、それによって私達の実力もある程度分かっただろう。二つの依頼とデュラハンで結果も見せた。元火龍で神龍のノア、ケルベロスのミルキーの存在も明かしたから私達『狼狐』は要注意とされたのかもしれないな。
ま、私は早々に元の世界に帰りたいと思って行動してるだけだし、そのためにまずは東の国へ行く手掛かりを探さなければならない。
いつまでもこの町に居座る気も無いから要注意人物リストに載せられても大したリスクにはならないのだがな。
ノアとミルキーの武器が出来上がるまで二日かかる、か。明後日まではする事が無いな。ならば私は人気の無い森にでも行って魔法詠唱の検証&練習でもするとしよう。
冒険者ギルドで非常に暖かくなった懐に、ホクホク顔でココアと宿へと戻った。
毎回思うのだが、やはり宿や食堂で出される食事は不味い。それでも、皆は私と食事を共にしてくれる。皆も不味いと思ってるのは明白だし、町で食事をするのは控えるべきなのだろうか。
人間の生活に慣れさせるためには、食堂で他の人達を見るのがいい機会だと思ってるのだが、不味い料理を食べるのが人間だと思わせるのは逆効果だ、人間をより下に見る恐れがある。
最近までノアもミルキーも酒を飲んだ事はあっても料理自体を食べた事が無かったのだが、一番初めに食べた料理が私やココアの作った料理だったから、その基準がデフォルトにされ、口が肥えてしまったのだ。
私のせいでもあるのだが、だからといって不味い食事をする気は無い。
元々、食事はある程度美味しければと無頓着だった私だが、不味い物はやはり不味いし食べたくは無い。
そうなると、自分達で作らなければならないし、自分達で作るとなると町の外での食事になる。
う~ん、難しい選択だ。
だが、夕食に限らず、食事は必ず全員揃ってしてくれる皆に対しても、美味しい食事を食べてほしいと願うのは間違いでは無いはずだ。
だったら食堂では飲み物や軽食にして、部屋や町の外でガッツリ食べるようにしようか。
などと考えていると、ココアが食堂のウエィトレスと交渉していた。
宿屋の主人兼料理長も出てきて三人で何やら話をしている。
交渉はうまく行ったようで、ココアが笑顔で挨拶をして戻って来た。
「ご主人様、持ち込みの許可を頂いて来ました。但し、飲み物は店の物を飲んでほしいそうです」
どうやらココアは、自分達で作った料理の持ち込みの許可を貰いに行ってたようだ。
その交渉が上手く行き、持ち込みの許可を貰ったとは……いつもながら優秀な娘だな。私を侮辱されると見境無くキレてしまうのが玉に瑕だが。
ココアのお陰で私の悩みが解消した。
早速とばかりに作り置きしていた料理をテーブルに並べる。
作り置きと言っても収納の中に入ってた料理だから、今出来上がったように湯気も立っている。収納の中にあれば時間経過無し、正に異世界チート定番の能力だ。
私は勇者召還された訳では無いのだがな。
出された料理に色めき立つソラとノアとミルキー。でも、私が食べるまでは一切手を出さない。どうやら彼女達には主人が一口食べるまでは手を出してはいけないというルールが存在しているようだ。
私の子供の頃はそうだったが、今時は流行らない風習だ。別に先に食べてくれても構わないのだが、このルールだけはソラでさえ守っているので私も口を出さずに任せる事にしている。
ある程度、食事が進んだところで店主がやって来た。
「ほ~ん、持ち込みをさせてほしいと言うから、自分達の郷土料理でも持ち込むかと思ってたが、普通の料理だな」
私が出した料理を見て店主が感想を述べた。
「ええ、無理を言ってすみません」
「いや、それはいいんだが、約束通り少し味見をさせてもらってもいいかい? そんな料理ぐらいなら儂も作れる。態々持ち込むぐらいだから味見ぐらいさせてもらってもいいだろ」
「ええ、おっしゃる通り普通の料理ですよ。どうぞ食べてみてください」
何を約束したのかは分からないが、私がどうぞと勧めるとココアが既に取り皿を用意しており、店主に勧めていた。
!!!!
「こ、これは……なんと贅沢な……塩が……」
今、ココアが渡した料理は肉と野菜の煮物で、先に骨を折って隋などで出汁を取り、東の国で物々交換した醤油と塩と酒で味を整え、しっかりと灰汁を取りながら、肉がトロトロになるまで煮込んだ煮込み料理だ。根菜類や芋類も入っていて、持ってる中で一番作り置きの量が多い料理だ。
肉が無くなれば、更に肉を追加して水を増し味を整え更に煮込めば旨味が増していくのだ。
元々そういった継ぎ足し料理はオデンでしかやらなかったが、収納で時間経過がしないから腐る事が無いので楽をさせてもらっている。ま、男料理だ。野宿でも出来る料理だし、美味けりゃそれでいいのだ。
店主は贅沢な料理だと言ったが、味がしっかりと濃いので恐らく塩を多く使ってるのだと誤解したのかもしれないが、醤油や塩はそんなには使っていない。魔物の肉にはしっかりと味が付いているし、獣肉に比べて魔物肉は塩気が多いのだ。キチンと調べたわけではないので推測になるが、魔力の多寡によるものではないかと思っている。
魔力が多い魔物の方が強いし美味いのは経験則から来るのだが、塩気も強い魔物の方が多い気がするのだ。
今、店主が食べた肉の煮物もオークの上位種やヒュージサラマンダーなどのそこそこ強い魔物の肉だから、塩は少なめでもいい塩梅になってるのだ。もちろん肉自体も一部の例外はあるが、強い魔物の方が美味いのは体験済みだ。
「お客さん達は、いつもこんな料理を食ってるのかい?」
「え、ええ、まぁ」
持ち込みしたが、宿には泊まってるし飲み物も頼んでいるからお客さん扱いはしてくれるようだ。
「それじゃあ、うちの料理では満足できないのも仕方がないが、今後持ち込みたい時は約束通り儂の分も頼むぞ」
「えっ!? あ、は、はは……はい」
自分とこの飯は不味いから私の料理を食べるって、それでよく飯屋ができるもんだ。
だが、一人分渡せば持ち込み可なのであれば、不味い飯を食わなくてもいいのか。それならアリだな。
しかし、約束? 私は何も約束はしてないが……ココアか!?
バッとココアを見ると、サッと視線を逸らすココア。
やはりココアが店主と何かの約束をしたようだ。話の流れから一食分差し出すというところか。
まぁ、ココアが交渉してくれたお陰で、今後の持ち込みの許可もおりた。どうせ、五人分も六人分も大差ないからそれぐらいなら問題ないな。
しかし、なぜ食堂なのに料理を望むんだ? お金でもいいだろ。
「お金で支払いましょうか?」
「ダメだ、是非とも料理でたのむ。他にも色んなものが食べたいものだな」
うん、この親父はダメだ。暗に次からは違う料理を出せと言ってるぞ。料理長としてのプライドが無いのだな。
他に持ち込む者もいないようだし特別扱いしてもらってるという事で、納得するか。
私達も不味い料理を食べなくて済むしな。
「分かりました。こちらこそよろしくお願いします」
「交渉成立だな、頼んだぞ」
嬉しそうな笑顔で軽やかなステップで厨房に帰っていく店主。
どっちが料理長なのか疑問になるな。
食事を終えると皆で部屋へと戻る。また例の如く大部屋で雑魚寝だ。
まだ少し時間が早いからとノアは夜の町へと消えて行った。人間の町に来たら酒を飲みたいと言ってたし、あまり押さえつけて町中で爆発されても困るので、羽目を外し過ぎない程度ならと、夜の町に送り出した。
ミルキーは、今からアトムとドレミの修練に出かけると言って町の外へ出て行った。中身はケルベロスだし、心配はいらないだろう。
ソラとココアは部屋で寛いでいる。ココアは私と魔法書を読んでるし、ソラは既に寝息を立てている。また早起きして朝食までに近くの森の散策に出かけるのだろうな。
私も魔法書は読んでいるが、そろそろ風呂に入りたくなってきている。
宿には風呂は無いし、風呂用の小屋を出すにしても出せるスペースが無い。今日は辛抱するしかないな。
明日は森で魔法の練習をする予定だから、その時にでも入るとしよう。
さて、静かに考える時間ができたので、今後についても少し考えてみよう。
元の世界に帰るというのは、今は置いておこう。
まずはこの西の大陸から東の国へどうやって行くのかを考えるべきだ。
ミルキーの言っていた冥界の王や勇者についても、まだ聞いてないから後回しだ。出来る事ならスルーしたい案件だ。そこまで寄り道しても東の国の情報が出るかどうかも怪しい。
ならば先に終わったものも含めて依頼の件を整理してみよう。
1.ヴァルカン山の件、これは終わった。
2.サントスの森の件も終わった。
3.しかし、ここでレッドワイバーンという別件が出てきた。
4.ノーライザの町での人攫いの件で本部が東の森にあることが分かった。場所もわかっている。
5.3番目の依頼も同じ地域の話だ。もしかしたら繋がっているかもしれないと思ったから、一旦ロンレーンに戻って体制を整えている。皆にはこの辺の話をして、意見を聞こうと思っている。
6.レッドワイバーンとそれを操っているかもしれない人間について。
7.操っているのならその操っている方法。
もう少し情報が欲しいんだが、どこで手に入るものか・・・。
そういえばギルマスが、東の森の祠と石碑について少し知っている事を言ってたなぁ。
情報は少しでも欲しいし、町を出る前にもう一度会って聞いてみるか。
あとは……戦闘に関してだな。
皆の力は特には問題は無いと思う。
それよりも、これまでにも思っていたんだが、私の【鑑定】ではHPやMPを確認できない。ちょっと不便だ。
【鑑定】スキルは育てられないものなのだろうか。
―――【鑑定】を【那由多】に統合することで可能になります。
(おっ!? そうなのか? では、統合を頼む)
―――ただ、現在【鑑定】の熟練度が9ですので、今の状態で統合すると全部の項目を見る事ができません。統合してしまうと、それ以上【鑑定】が上がりません。
(ふぅむ、現在の【鑑定】の熟練度だとHP/MPが見れない。しかし、【鑑定】の熟練度を上げた後に【那由多】と統合すれば、それが見れると言いたいのか?)
―――はい、肯定します。それに【相性度】も見れるようになるのです。
(なんだそれは? 相性と言うからには【仲間】にできる確率とかか?)
―――はい、肯定します。【鑑定】スキルと【仲間】スキルの熟練度がMaxになり【那由多】に統合されれば、【那由多】が大幅に機能アップし、仲間にできる確立まで確認できます。統合されるスキルの熟練度が上がった状態で統合するほど、【那由多】の能力が向上し、仲間になる確率も上がりますので熟練度をMaxにしてから統合するのがいいでしょう。別の理由からも現在の熟練度ではお勧めしません。
(やはり熟練度Maxになってからだろうな。ま、慌てる事は無い、今の状態でもそう困ってる訳ではないからな。では【相性度】とは何か聞いておこう)
―――【相性度】とは、仲間にした魔物がどれだけ懐いているかわかります。懐けば懐くほど命令を聞きます。それと……
(仲間にした魔物は四人いるが、全員私の言うことはすごく聞いてくれていると思うのだが)
―――現在の四人の従者達は、名付けによって懐き度はMaxになっています。
(だったら、いらないのじゃないのか!? 名前ぐらいいくらでも付けてやるぞ! まだキラキラネームで知っているものもある。今後、どのぐらい仲間にするのかも決めてないのだが)
―――名付けによる仲間は無限に増やせます。
(……そうなのか。嬉しいような、面倒なような……)
―――【相性度】の説明はまだ続きがあります。
(ん? まだあるのか?)
―――【鑑定】と【仲間】をMaxにして【那由多】に統合されると 仲間にした魔物と魔物を掛け合わし、どんな魔物ができるのかわかります。
(ええ!? 魔物ブリーダーみたいなことができるのか!? どこかの青い髪したワ○ダーランド的な? だが掛け合わせた後に、親と分かれるような事は無いのか? 例えばノアを親にした場合、ノアと別れるって事にならないのか?)
―――掛け合わせた【親】に当たるものと別れることはありません。
(ほっ、それはよかった。それならワン〇ーランドより、こっちの方が優秀だな。これはいいこと教えてもらったな)
【鑑定】スキルは今までにも結構な数の魔物を鑑定したからもう少しでMaxだ。
【仲間】スキルは……まだ六だな。もう少し仲間も増やすか。でも、そんなに大勢で移動って大変じゃないか? 土地でも確保して大勢仲間にすれば村でもできそうだな。魔物村か……帰るのが目的の私には無用なものだな。
だが、備えはしておいた方がいい。折角教えてもらったのだ、熟練度をMaxにしてからの統合にするべきだな。
翌朝の朝食も食堂に料理の持ち込みで済ませ、それぞれの予定を聞いてみた。
ココアは予想通り、私と共に魔法の練習。ミルキーは、アトムとドレミの武器も追加したいとの事だったので、昨日の鍛冶屋へ行く予定だ。ノアは町の散策へ、ソラは森の散策と、今日は各自バラバラの予定だ。
だが、こういう日があってもいいだろう。いつもベッタリ私と一緒にいなくてもある程度は自由にしてもらいたい。
何かあった時の責任は主人である私にあるので、ある程度は拘束させてもらうが、ずっと縛り付けておくのも可哀想だ。
そして、それぞれ別行動のため、宿を出たところで別れた。
ソラは途中までは一緒に行くので、町の門までは同行するが、鍛冶屋へ行くミルキーの背中を見送っていると、既にノアの姿は無くなっていた。
森に着くと早速魔法の詠唱の練習だ。
私とココアは魔法の反復練習と魔法書の見直しを繰り返し、一通りの属性魔法を使えるようになった。
雷・氷・闇・光の魔法まで出来るようになり、使える魔法の幅が非常に広がった。
今までは武器による肉弾攻撃が主体だったが、これで遠距離からの先制攻撃も強力にはなっただろう。
雷・氷・闇・光の魔法は、中級魔法ではあるが、その中でも下位の魔法書しかなかったが、そこは問題ではなかった。
【那由多】が学習し、詠唱を必要としない魔物特有の魔法発動ができるようになったのだから。
元々、ソラやココアが魔法を発動するのに詠唱を必要とはしない。それは、魔法に必要な魔力を全て自分の魔力で補うからだ。
その点人間は魔物に比べて魔力が少ないから、詠唱を行なう事で周囲の魔力を利用し魔法を発動する。自分の魔力は魔法の発動時のみに使うだけでいいのだ。
もちろん大きな魔法を使う時にはそれに応じた大きなトリガーが必要になるのでそれだけ大きな魔力も必要となる。だが、全てを自分で賄う魔物に比べれば1/5~1/10で済むのだから、緊急時で無い場合は有効な手段だ。
だがそれでも私は詠唱はしたくないな。ココアと二人だけの練習なのに、かなり心を削られている。
詠唱での魔法が成功するたびに「流石はご主人様です」「素晴らしい! 格好いいです!」と言われる度にHPが減っていく感覚があるのだ。
五〇のおっさんには、やはり詠唱はハードルが高かった。
それでも、その試練を乗り越え頑張ったお陰で、【那由多】が学習できたのだからヨシとするべきか。
今後、詠唱を唱えないで済むようにできたのだから。
他に魔法の種類としては、空間・精霊・波動・創造・召喚 等々あるようだが、この町の店には無かったのでまたの機会に覚えたい所だ。ただ、冒険の初歩の魔法クリーンもあったので、復習できてより効率よく発動できるようになったのは収穫だった。
魔法を覚えられて良かった。詠唱というダメージが無ければ本当に便利だ。
当初も目的を終え、時間もまだまだあるのでココアと二人で作り置き用の料理をする事にした。
因みにココアも私同様に魔法書での魔法は全て修得していた。
ココアの場合は詠唱魔法を修得しただけに留まらず、私と同じく自分の魔力での発動に並列発動まで使っていた。火と風の魔法を同時発動し『炎旋風』など色々と組み合わせを試行錯誤していたよ。
もう、優秀すぎて、私の方が真似をしていたぐらいだ。
ノアやミルキーの魔法はどの程度なのか、気になるな。出来ないようだったら教えてあげるのもいいかもしれない。もちろんドレミちゃんには私が付きっ切りで教える事を心に誓うのだった。
0
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