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小鳥さん、魔法をかけられる
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「お前のような者もいるのだな」
部屋を移動している時、ぽつりと王様が呟いた。
「へ? あっ、どういう意味でしょうか」
「今まで人間になりたいと言ってきていたのはろくでもない奴ばかりだった。人間に復讐するとかお金を騙しとるとか」
「そうだったのですね」
色々王様も大変だったんだなぁ。
「でも、お前は純粋に『会いたい』と願った。私はそれを叶えてやりたいと思えたのだ」
淡々とした口調だけど優しさが伝わってくる。じんわりと心が温まるのを感じた。
「陛下。お話の途中かとは存じますが、後30分程しか時間が無いのでは?」
ジャックさんが、諭すような口調で王様に話しかけた。丁寧な言葉遣いだけど何処か冷たい。
「はい……こ……じゃなくて……ああ、分かっている」
一瞬、王様が怯えるような顔をした気がする。でも次の瞬間にはきりっとした表情に戻った。あの目に見つめられたら怖いよね。
部屋に着いた。王様は緊張の面持ちで
杖を手に取る。
「では、そこに移動してくれ」
「はい」
長い深呼吸の後、呪文が聞こえ始める。聞いたことのない精霊の名前と、小難しい言葉が唱えられ、頭にはてなマークが浮かぶ。
「ユマン・モルフォーゼ!」
「うわぁ!」
僕はぼんやりとした光をまとっていた。心配でジャックを見ると「大丈夫」と言うように頷いた。
「もう少ししたら変化してくるはずだ。目を閉じているが良い」
王様に言われるがまま目を閉じる。
光に包まれるのは案外良い心地だ。
目を開けると見上げていたはずの窓が目線と同じ高さにあった。下を向くと、足が長くなっているのが分かる。自分がどんな姿になっているのか、早く見たい!
「鏡をお借りしてもよろしいですか」
「小鳥、まず服を着たほうがいいんじゃないか?」
ジャックに言われて初めて気づく。 そういえば……服着てない。さっきまで気づいていなかったのが本当に恥ずかしい。
「すまぬ。服はこれを着ると良い。」
王様が白のニットとジーンズを渡してくれた。すぐさま身につける。
「わっ。ぴったりだ」
服は僕の身体にフィットした。
鏡を借りて確認すると、本当に人間になっていた。灰色の毛は同じ色の髪の毛に、羽は引き締まった腕に変化している。
「これで人間界に行けるな」
「うん! 嬉しい」
喜びの感情が強かったのか、ジャックの言葉に食い気味に反応してしまう。すると、ジャックがうつむいて体を震わせ始めた。怒りで体が震えているのかな。
「ごめんなさい」
「なぜ謝るんだ」
「怒っているかと思って……」
「怒る? 私がか」
ジャックが、僕に近づいてくる。俯いてしまっているから、どんな表情か知ることが出来ない。
足音が止まる。おそるおそる目を開くと、茶髪のイケメンが立っていた。その人は穏やかな笑顔で僕の頭を撫でている。
「ジャック?」
「ああ。この姿で話すのは初めてだな」
喋りながらも僕の頭を撫でる手は止まらない。仕方ないからそのままの状態で王様に尋ねる。
「あの……今から人間界に行っても大丈夫でしょうか?」
「ああ。ただし、人間の姿を保てるのは3時間が限界だから気をつけるようにな」
「分かりました。では行ってまいります」
そう言って部屋を出ようとすると、ジャックに肩をたたかれた。何だろう、急いでいるのだけど。
「焦る気持ちは分かるが、会いたい者の居場所を知っているのか?」
「あ……そうでした」
その時、王様があっ、と思い出したような声を出した。手元からカードのようなものを取り出した。
「これが、この子の住んでいる場所だ」
文字が書かれている。でも、僕は読めないから戸惑ってしまう。
「よもぎ地区か……行ったことがある」
「……読めるの?」
ジャックは不敵な笑みを浮かべ、行くぞと言いながら部屋を出て行った。何故か王様は呆気にとられた表情をしている。
「それでは、いってきます」
笑顔で挨拶をすると、王様はああ、とだけ返事を返した。
部屋を移動している時、ぽつりと王様が呟いた。
「へ? あっ、どういう意味でしょうか」
「今まで人間になりたいと言ってきていたのはろくでもない奴ばかりだった。人間に復讐するとかお金を騙しとるとか」
「そうだったのですね」
色々王様も大変だったんだなぁ。
「でも、お前は純粋に『会いたい』と願った。私はそれを叶えてやりたいと思えたのだ」
淡々とした口調だけど優しさが伝わってくる。じんわりと心が温まるのを感じた。
「陛下。お話の途中かとは存じますが、後30分程しか時間が無いのでは?」
ジャックさんが、諭すような口調で王様に話しかけた。丁寧な言葉遣いだけど何処か冷たい。
「はい……こ……じゃなくて……ああ、分かっている」
一瞬、王様が怯えるような顔をした気がする。でも次の瞬間にはきりっとした表情に戻った。あの目に見つめられたら怖いよね。
部屋に着いた。王様は緊張の面持ちで
杖を手に取る。
「では、そこに移動してくれ」
「はい」
長い深呼吸の後、呪文が聞こえ始める。聞いたことのない精霊の名前と、小難しい言葉が唱えられ、頭にはてなマークが浮かぶ。
「ユマン・モルフォーゼ!」
「うわぁ!」
僕はぼんやりとした光をまとっていた。心配でジャックを見ると「大丈夫」と言うように頷いた。
「もう少ししたら変化してくるはずだ。目を閉じているが良い」
王様に言われるがまま目を閉じる。
光に包まれるのは案外良い心地だ。
目を開けると見上げていたはずの窓が目線と同じ高さにあった。下を向くと、足が長くなっているのが分かる。自分がどんな姿になっているのか、早く見たい!
「鏡をお借りしてもよろしいですか」
「小鳥、まず服を着たほうがいいんじゃないか?」
ジャックに言われて初めて気づく。 そういえば……服着てない。さっきまで気づいていなかったのが本当に恥ずかしい。
「すまぬ。服はこれを着ると良い。」
王様が白のニットとジーンズを渡してくれた。すぐさま身につける。
「わっ。ぴったりだ」
服は僕の身体にフィットした。
鏡を借りて確認すると、本当に人間になっていた。灰色の毛は同じ色の髪の毛に、羽は引き締まった腕に変化している。
「これで人間界に行けるな」
「うん! 嬉しい」
喜びの感情が強かったのか、ジャックの言葉に食い気味に反応してしまう。すると、ジャックがうつむいて体を震わせ始めた。怒りで体が震えているのかな。
「ごめんなさい」
「なぜ謝るんだ」
「怒っているかと思って……」
「怒る? 私がか」
ジャックが、僕に近づいてくる。俯いてしまっているから、どんな表情か知ることが出来ない。
足音が止まる。おそるおそる目を開くと、茶髪のイケメンが立っていた。その人は穏やかな笑顔で僕の頭を撫でている。
「ジャック?」
「ああ。この姿で話すのは初めてだな」
喋りながらも僕の頭を撫でる手は止まらない。仕方ないからそのままの状態で王様に尋ねる。
「あの……今から人間界に行っても大丈夫でしょうか?」
「ああ。ただし、人間の姿を保てるのは3時間が限界だから気をつけるようにな」
「分かりました。では行ってまいります」
そう言って部屋を出ようとすると、ジャックに肩をたたかれた。何だろう、急いでいるのだけど。
「焦る気持ちは分かるが、会いたい者の居場所を知っているのか?」
「あ……そうでした」
その時、王様があっ、と思い出したような声を出した。手元からカードのようなものを取り出した。
「これが、この子の住んでいる場所だ」
文字が書かれている。でも、僕は読めないから戸惑ってしまう。
「よもぎ地区か……行ったことがある」
「……読めるの?」
ジャックは不敵な笑みを浮かべ、行くぞと言いながら部屋を出て行った。何故か王様は呆気にとられた表情をしている。
「それでは、いってきます」
笑顔で挨拶をすると、王様はああ、とだけ返事を返した。
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