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賊王街 人物辞典

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賊王街

「十二英雄伝」終了時から、30年以上経った後の世界を描いた作品。
十二英雄の子供たちが織り成す、愛と宿命の螺旋シリーズ最終章。

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□ザウス・カイン





 賊王街の主人公。賊王ぞくおうザウス・カイン。
 人類の叫びが最後の希望として生み出した【人の王】。

 豪胆かつ豪気な性格で、自分が決めたことは絶対に成し遂げる強い意思を持っている。逃げる者や臆する者を嫌い、ただただ前に進むことを愛する王であるが、戦う意思を持つ者ならば弱者でさえ受け入れる器を持つ。

 また、高い知性と冷静さを持つ王で大局を見て動くこともできる。こうした強い二面性は、まさに【子供】のものであり、彼の存在そのものが人の可能性の塊である。

 総合力に長けた武人であり戦闘では防御主体の近代戦術を好み、最後には必ず勝つ戦いをする。戦いのセンスはまさに天才。武人としても才能値は人類トップ(同率で何人かいる)で、異様な成長率を誇り、戦いながらどんどん強くなっていく恐るべき男。

 蹂躙する右手という強力な必殺技を持つが、彼の最大の能力は【血の盟約】である。血を同化させた人間と魂の融合を果たし、彼を信頼する者たちの力を王の力に上乗せすることができるので、支持者が多ければ多いほど爆発的に王としても成長していく。

 王としても限界値はトップで、オーバーロードで傷ついた武人すら癒すことができる。(王の力で因子を癒し、血を正しく巡らせることができる)

 彼は虐げられた者、弱い者を導く。どんな人間でも意思をもって進む者を愛する。自身が賊王街というスラムを愛し、そこからのし上がることを欲したのも、人という存在を愛しているからである。その可能性を知っているからである。

 彼によって宿命の螺旋は破壊され、人の無限の可能性は高みに昇っていく。しかし、そのための道のりは長く、激しい戦いが彼を待っている。

 搭乗機 クロス・ノア【反逆の十字架】→ 神機ISB(アイシャナッド・バルス)【虐げられし真理の王】

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□レティシア・エルバルス・アヴェロン





 英雄であり剣聖であるバオロ・エルバルス・アヴェロンと、十二英雄の一人である春風の一人娘。

 父親のバオロが死んだため、十八歳の若さでアヴェロン神王朝の元首となる。

 バオロに甘やかされて育ったために世間知らずで甘ったれ。そのため彼女を利用しようとさまざまな勢力が近寄り、アヴェロンは混乱の時代を迎える。バラバラになるアヴェロンの惨状に深く傷つくも誰も助けてはくれなかった。

 常に守られてきたために打たれ弱く、すぐに臆して怯えてしまう性格だったが、レイファンとの出会い、ザウスとの出会いを経て勇気の階段を昇り、戦いの荒野へと歩みだす。

 フランクで甘える態度が多いが、根はとても真面目で慈悲深い。そして何より誰にも負けない熱さを内包し、ザウスと血の盟約を交わしても逆に気圧すほど性格が強い。

 バオロと春風の娘であるが武人としての能力は異常に低く、一兵卒にすら劣るほど。一人では戦えないために他人のフォローが必要となり、だいたいいつも誰かと一緒にMGに乗っている。

 T・T・ウェディングに乗ってからは補助システム「サリィ」のバックアップを受けて単独で戦闘が可能となる。サリィにはバオロの戦闘データが組み込まれているので剣聖の技が使用できる。また、T・T・ウェディングには母親のテラ・ジュエル、ロマンセス・サファイア【無窮の空】が搭載されており、レティシアの感情とリンクして出力を引き上げることが可能。

 搭乗機 T・T・ウェディング(バオロが春風に送った婚礼儀式用のMG。もともとはサブラハムなので基本性能は同じ)

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□レイファン



 ザウスに従う暗殺者の少女。

 もともと身寄りもなく賊王街にたどり着いた頃にジン・バラックに拾われ、アリスとともに暗殺術を教え込まれる。その才能は非常に高く、赤い閃光と呼ばれる屈指の暗殺者のジンに迫るほどであった。その後、ザウスが賊王街を占拠した際に無限の可能性に惹かれ、彼に従うようになる。ザウスと血の盟約を交わした初めての少女で、彼女の強い意思にザウスもたびたび助けられている。

 劣悪な環境で育ったために裕福で甘えた人間が嫌いで、当初は出会ったレティシアに対してつらく当たることが多かった。だが、度重なる激戦を共に戦う中で、レティシアの痛みと哀しみを知り、唯一無二の親友となっていく。

 一度決めたら絶対に貫く性格で非常に意思が強い。両足が焼かれて動けなくても戦う意思がまったくブレない強い少女で、レティシアは彼女から多くを学ぶことになる。レティシアとの凸凹コンビは、イニシャルを取ってLRコンビとして賊王軍では名物。

 戦闘スタイルはオーソドックスな暗殺者タイプであるもスピードが桁違いに速く、単独でアヴェロンの忍者集団を壊滅させることができる技量を持っている。武器は簡易ショットガンやナイフのほかにジン直伝のワイヤー技術を使って相手の鎧ごと胴体を切断することも可能。後にジンの名を継いで「黒き閃光」と呼ばれることになる。

 基本的に思ったことをそのまま伝えるタイプであり、そこで誤解が生じることが多いが根は非常に優しい少女である。教育を受けていないので文字が書けないものの当人は気にしていないようである。

 搭乗機は、 ガダラゴン(レイファン専用) → シャドウフレイ【黒い影】

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□バルディ・ザイン・カルバトフ
【登場作品】「賊王街」



 ザフィールとメリルの息子にして第四皇位継承者。メリルの血をより濃く引いたために容姿は完全にメリルのものであるが、ザフィールが持っていた王の資質も受け継いでいる。

 メリルが率いていた黒騎士隊がルシアに吸収され第一騎士団となったが、ルシア内部では大戦時のイメージが残っており待遇は悪い。自分のために犠牲になる旧ヴェルニースから仕える兵士を守るために皇位継承権を破棄し、軍属となる。階級は元帥。

 出産後にすぐにメリルが死んでしまったので、母親に対する激しい欲求が残っている。はっきり言えば極度のマザコンで他の女性に興味を示さない人間になってしまった。乳母であったジャンヌに対しては頭が上がらないのと同時に、母親と同じくらいの愛情を持っている。

 性格は真面目で落ち込みやすく、アベルからは根暗と呼ばれている。それは、あまりにも優しすぎることが起因しているのだが、自分が持っている力の強さを恐れてのことである。

 ダイダロンいわく「あいつが本気で暴れたらオレでも止められない」というほど恐るべき潜在能力を秘めている。しかもタイガいわく「努力する天才」であり、自己の力に自惚れることなく日々タイガ以上の鍛錬を積んでいる。そのため剣士であっても戦士以上に脚力が異様に強く、爆発的な身体能力を備えることになったルシアの珠玉。

 部下や民の身を強く案じるも助けられない自分を日々責める。が、それゆえに部下からの信頼は厚く、国民からも熱狂的な人気を誇っている。お菓子が大好きで、貴族が経営しているお菓子メーカーに自分の開発したお菓子を販売させるほどである。

 搭乗機は ブラック・ザ・ナイト(正式には大戦時に破壊されたメリルの機体を重装甲に改造したタイプⅢ)

※もともと高い攻撃力に加えて、両肩の可動式巨大シールドによって防御力が大幅に上昇。オリジナルとメリルのタイプⅡはシールドなし。その分だけ速い。

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□ラフィーナ・ザイン・カルバトフ
【登場作品】「賊王街」



 ザフィールの最後の子にして第一皇位継承者。
 賊王街終了後は、第36代ルシア天帝となる。

 ザフィールの生き写しであるともいわれるほどルシア純血種の色が濃く出ており、元老院が次期天帝に確定するほど国内で絶大的な人気を誇っている。

 幼いながら非常に優れた知恵と見識を持っており、その直観力はずば抜けている。あらゆるものを一瞬で見通す目は良識と良心に恥じない慧眼すら超えるものである。王としての才能は間違いなくトップクラスで、ザウスですら危機感を覚えるほど器が大きい。才能値も現人類でトップである。

 最後の子供であったためザフィールとほとんど触れ合うことがなく、異母兄であるバルディに対して異常なほど強い愛情を持っている。また、バルディも母親のいない自分と同じ気持ちを味わわせないようにとラフィーナを心から愛している。(バルディが皇位継承権を破棄したのは、ラフィーナを思ってのことである)

 彼の活躍は賊王街後のルシア帝国の戦いを描いた外伝「純雪の賢王」で描かれる。非常に苦労しながらもルシアの改革を進めていく人類史に残る偉大なる王となる。

 搭乗機は エンペラー・ガイン

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□アベル・シュバイガン



 賊王街当時においては、ルシア帝国行政府のトップである紅天位に就いており、アヴェロン戦争を仕掛けた当事者、責任者という扱いになっている。

 その能力は非常に高く、秀才と呼ばれる人間が三日かかる仕事を一時間もかからず終えてしまうほど。ルシア天帝や雪中公に特に寵愛されていることから内部ではかなりの嫉妬を向けられているが、当人はまったく気にしたそぶりがない。

 バルディ曰く「あいつほど最低の人間を見たことがない」というほど狡猾で飄々とした性格で、いつもバルディをおちょくって遊んでいる。そのふざけっぷりが半端ではなく、戦艦の武器庫にさりげなく反応兵器を搭載するなど度を超している。

 非常に皮肉屋で人間という存在をあざけり、嘲笑している節がある。それを隠そうともせずに誰に対しても真実を述べてしまうので相手から恨みを買うことが非常に多い。

 が、それらは表の顔であり、生体実験による新種の創造や画期的な新型MGを生み出す錬金術師という裏の顔を持っている。その実験によって生み出された兵器は数知れず、軍事的にルシア帝国にも恩恵を与えており、そうした意味からもルシアと非常に強いつながりを持つ人物である。

 また、賢者の石の力を黒賢人以外で完璧に扱いこなせる特異な能力を持っている。その力を使ってアヴェロン戦争を裏で操る謎の人物。
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